去る4月7日、「緊急事態宣言」が発令されましたが、ここ数日の東京都と政府の調整等には違和感を抱いてしまいます。
そもそも、特措法では、対象区域となった知事が「多数の者が利用する施設の使用制限を要請できる」と定めているのではないでしょうか。小池百合子知事は百貨店やホームセンター、理髪店、居酒屋など幅広い業種に宣言期間中の休業を求める予定との見解を示していたものが、厳しすぎる等とのことから、国は、外出自粛要請の効果を見極めた上で等、都の方針に待ったを掛けたことに対し、特措法で定められたことに反するのではないか、と考えます。
ネット配信の中で、株式会社全国新聞ネット「47NEWS」でジャーナリストの尾中香尚里氏の記事を読み、私の考えに大変近いので一部引用します。
『感染拡大の防止に向け、本気で国民の行動変容が必要だというなら、まず「十分な補償によって国民の生活を守りきる」ことをしっかりと示した上で、外出自粛や休業を要請しなければならなかった。
これで国民の行動変容を促せるわけがない。宣言発令の最大の意義は、感染拡大を食い止めるため「全ての責任を持つ」と、首相が国民に誓うことだ。
痛みを伴う協力を国民に求めなければならない。しかし、その痛みを可能な限り和らげる責任は、自らが引き受ける。
痛みを和らげるために最低限必要なのが「補償」である。補償によって将来への安心感が得られれば、さまざまな私権制限に対する国民の協力が得やすくなり、感染拡大の防止につながるはずだ。
ところが、安倍首相は宣言発令に先立つ7日の衆参の議院運営委員会の質疑で、「民間事業者や個人の個別の損失を直接補償することは現実的ではない」と答弁した。むしろ「補償を行わない」メッセージを強く打ち出してしまった。
ここで問題にしたいのは、補償を否定したこと自体ではない。その「理由」である。答弁で首相はこう言っていた。
「直接の自粛要請の対象となっていない分野においても、売り上げや発注の減によって甚大な影響が生じていることも勘案すると、政府としてさまざまな事業活動のなかで発生する民間事業者や個人の方々の個別の損失を直接補償することは現実的でない」
この答弁からうかがえるのは、首相は「休業補償」を「経済への悪影響を防ぐための対策」と考えており、「感染症対策」として見ていない、ということだ。
首相は感染拡大の防止に向け「人と人との接触を8割削減する」必要があることを訴えた。そんなことを国民の努力だけに求めても無理だ。まず国として「人と人とが接触する場をできるだけ作らせない」ことに全力を挙げなければならない。例えば国民に「飲み会を避けてほしい」のなら、国民に「飲み会はやめて」と言うだけでなく、国として「飲み会を行う場所をふさぐ」ために、居酒屋に一時休業を求めるべきなのだ。
居酒屋への休業補償が「経済対策」ではなく「感染症対策」であること、すなわち「人と人との接触の場をふさぎ、感染拡大を防ぐ」という目的を達成するために補償が必要なのだ、ということを明確に理解していれば、「(居酒屋の)関連業界に補償しないこととの不公平さ」を気にした答弁は出てこないだろう。
もちろん、苦境に立つ関連業界を救うための経済対策は、別途行うべきだ。首相は結局、今回のコロナ問題を経済問題としか考えていない気がしてならない。発想の起点がいちいち「国民の生命と健康を守る」ことではなく「景気の悪化を防ぐ」ことにあるのだ。
西村康稔経済再生担当相は8日、緊急事態宣言の対象7都府県知事とのテレビ会議で「休業要請の2週間程度見送り」を打診したとの報道も流れた。こうした報道が流れること自体、政権がコロナ対策を「景気対策」と考えていることの証左と言えるし、政府の発信の混乱は「政権の意思決定過程がどうなっているのか」という別の不安を抱かせる。ただでさえ不安な多くの業者を、さらに混乱に陥れている。
こんなことで、2週間後には感染者の増加をピークアウトさせ、減少に転じさせることが、本当にできるのか。極めて心許ない。
今は新型コロナウイルスの感染拡大防止に全力を注ぐべき時だ。緊急事態宣言を含め、現行法で政権が現在手にしている「道具」を十分に使い切って、あらゆる対策を行うべき時だ。』
以上ですが、3つの密を避けるとともに、ここは政府の言う「人との接触の機会を8割減らす」ことで感染拡大を抑え、事態の収束に近づいていくと思います。その為の補償を十分に講じることが国の経済対策で最も重視することではないでしょうか。
新型コロナウイルス感染症に罹患された方々に心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い収束を願います。
4月7日、政府は、新型コロナウイルスの感染拡大に備える新型コロナ特措法に基づき、緊急事態宣言を東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県を対象に発出しました。
首都圏を中心に感染が拡大する中で、医療崩壊が懸念され、更なる感染者数の増加や長期化を食い止めるためには必要だと思いますし、その効果に期待します。
4月9日現在、長野県及び長野市の感染者数は、県内で19例、市内においては、海外からの帰国者1名の感染が確認されています。
今日に至るまでに長野市は令和2年2月26日に「長野市新型コロナウイルス感染症対策本部」を設置し、同日、対策本部会議を開き、その場において、主に次の事項についての確認が成されています。
1.2月17日付で厚労省発信の「新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安」に基づき、「新型コロナウイルス感染症に関する受診の流れ」を策定。
2.医療提供体制(相談センターは長野市保健所)について
(1)相談センターは24時間対応を行う。
(2)感染の疑いのある場合は、帰国者・接触者外来へ誘導する。
(3)帰国者・接触者外来で感染の疑いがある場合、PCR検査、必要に応じ入院措置する。
(4)今後の患者数の増加等を見据え、病床、人工呼吸器等の確保を進める。
3.地域で患者数が増えた場合
一般の医療機関で診療時間、動線を区分する等の幹線対策を講じた上で、感染が疑われる患者を受け入れる。風邪の症状が軽度である場合、自宅での安静、療養を原則とし、状態の変化により、相談センター又はかかりつけ医と相談した上で受診する。
また、更なる患者数の増加や感染症の疑いの特徴を踏まえた上で、病床の確保等、地域の医療機関の役割分担など適切な入院医療の提供体制を整備する。
4.市主催のイベント、行事の開催について
新型コロナウイルスの感染例が日本国内でも多数報告され、県内でも感染例が発生した状況を踏まえ、政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が3月19 日に示した状況分析・提言等に基づき、市内における感染拡大防止を図るとともに、過度な自粛は、社会・経済活動に悪影響を及ぼすことも考慮する。
<延期または中止の考え方>
(1) 不特定多数の者が集まるイベント・行事は、原則として、延期または中止する。
(2) (1)以外のイベント・行事については、次の事項が実施できるか確認する。
ア) 換気が励行できるか、人と人の距離がある程度空けられるか、近距離での会話や発声が避けられるか、物品の共用が避けられるか
イ) 会場の入口で手洗いや消毒の徹底ができるか
ウ) 発熱や咳等の症状がある場合に参加しないことが徹底できるか
(3) (2)の事項がいずれも実施できない場合には、原則として、延期または中止する。
<開催する場合の感染防止対策>
(1) 参加者数及び開催時間は、必要最小限とする。
(2) 換気を励行し、人と人の距離をある程度空け、近距離での会話や発声、物品の共用を避ける。
(3) 会場の入口において手洗いや消毒を徹底する。
(4) 事前に、または、入口において発熱や咳等の症状があるかどうかを確認し、症状がある場合には参加しないことを徹底する。
<適用期間等>
期間は、3月24 日から当面の間とし、感染者の発生状況や国及び長野県の対応等を踏まえ、適宜、内容や期間等を見直す。
主に、以上の内容に関して、4月1日までの間、計4回の対策本部会議で議論され、新型コロナウイルス感染症対策が行われてきました。第2回(3月13日開催)の会議では、国及び県の対応等を踏まえ、長野市としての対策を適宜見直していくことが確認されていますが、4月6日付けの信濃毎日新聞社説は、「イタリアなど海外の感染地を見ると、患者の爆発的増加が起きてから医療体制を整備するのは困難。患者が治療を受けられない医療崩壊を招かないよう、すぐにも体制を整えねばならない」とし、更に、「政府の対策本部は2月25日の段階で既に軽症者の自宅療養方針を示しています。ただ、地域で患者数が大幅に増えた状況では、と留保が付いたため、主体的に動く自治体はほとんどなかった。」とも指摘しています。
医療機関の体制整備、イベントや行事の開催に関し、国や県の対応を踏まえ進めてきたが、これまでの長野市の対策や対応を尊重しつつ、感染者数が増加した場合、迅速かつ適切な対応が可能な環境下にあるのか、私自身を改めて確認し、また、今後、長野市がどのような対策を講じていくのか等、必要な情報提供を更に求めていかなければなりません。
4月7日、政府が緊急事態宣言を発出したことを踏まえ、長野市は新型インフルエンザ特別措置法第34条第1項の規定に基づき、新型コロナウイルス感染症長野市対策本部を再設置した。また、市長メッセージを発出しました。以下、全文掲載。
政府は4月7日、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、7都府県を対象に新型インフルエンザ等特別措置法に基づく緊急事態宣言を発出しました。
長野市といたしましては、感染拡大防止対策のさらなる強化に努めますので、市民の皆さまにもなお一層のご協力をお願いするとともに、地域の発生状況を踏まえた冷静な対応をお願いいたします。
1.感染拡大防止対策の徹底をお願いします。
(1)「3密」をできるだけ避けてください。
「密閉空間」、「密集場所」、「密接場面」が重なる機会、場所は、集団感染が発生しやすくなりますので、これらの機会をできるだけ避けてください。
(2)手洗い、マスク着用の徹底をお願いします。
外出する場合には手洗いを徹底し、やむを得ず人混みに入る場合にはマスクを着用してください。
(3)風邪や発熱等の症状が見られたら、自宅にとどまって様子を見てください。
毎日の体調に注意し、風邪や発熱等の症状が見られたら、自宅にとどまり、他者との接触を避けてください。
これらの症状が4日程度続く場合(高齢者等は2日程度)、または、強いだるさやけんたい感が見られる場合には、保健所の「有症者相談窓口」に相談してください。
2.緊急事態宣言の対象地域(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県、福岡県)との往来を自粛してください。
(1)長野市にお住いの皆さまは、対象地域への移動を自粛してください。
仕事等によりやむを得ず移動する場合には 、人との接触時間と滞在時間を最小限とし、手洗い、マスクの着用を徹底してください。また、長野市に戻ってから2週間は、 風邪 や発熱等の症状に注意するとともに、人と接触する場合にはマスクを着用してください。
(2)対象地域にお住いの皆さまは、長野市を含む対象地域外への移動を自粛してください。
すでに、長野市に移動している場合には、対象地域を出てから2週間は、家族との接触を最小 限とし、受診や 生活必需品の買い物等以外の外出を控え自宅待機するとともに、風邪 や発熱等の症状に注意してください。
3.事業所の皆さまは、従事者の健康状態に十分に注意してください。
事業所の皆さまは、従事者に対して風邪や発熱等の症状が見られないか毎日確認し、
何らかの症状があれば、従事せずに自宅にとどまるよう徹底してください。
以上です。
4月9日、長野市より新型コロナウイルスに対する長野市の今後の対応について説明がありました。
上述と重なりますが、一部をご紹介します。
1.症状がある方からの相談への対応
新型コロナウイルス感染症有症乗者相談窓口(帰国者・接触者相談センター)にて24時間体制で対応。
健康課感染症担当職員に加え、保健所内及び保健センターの保健師等を動員して対応している。
4月7日現在、2,721件の相談あり。
2.専門の外来医療機関への受診勧奨
感染症の疑いの可能性のある場合、市内5医療機関にお願いしている「帰国者・接触者外来」を受診していただくよう勧奨し、検査に必要な検体を採取。
3.PCR検査
市環境衛生試験所で実施。現在、20検体検査/日の体制。実施可能数を上回る場合、県環境保全研究所に依頼する。
4.感染が確認された方への対応
医師からの届出の受理、感染者への入院勧告、行動聞き取り調査、入院延長の可否に関する審査協議会の開催、医療費公費負担等を実施。
5.医療体制の整備
感染が確認された場合、指定医療機関への入院となる。長野市を含む長野医療圏に第1種感染症指定医療機関1か所2床、第2種2か所6床ある。しかし、国が最悪の流行シナリオを想定し、各都道府県に確保を求めている病床数は長野県の場合、4000床。患者数が増加した場合の入院医療機関の調整を行う組織として、長野県が4月1日、調整本部を設置、各医療圏における病床数の確保に向け調整を開始している。長野医療圏では、県長野保健福祉事務所と長野市保健所が共同し、受入れ可能病床数の確保に取り組んでいる。
6.市役所内の感染拡大防止対策
職員に感染者が出た場合、所属部署、フロア全体を閉鎖せざるを得ない事態が想定される。
時差出勤 ①7:30 ②8:30 ③9:30 の3パターンヵら選択。咳エチケット等の基本対策、健康チェック等
7.市立学校の一斉休業と放課後子ども総合プラン
4月13日から24日の間。それに伴い、放課後こども総合プランは、午前8時30分から午後6時までで、延長の対応もお願いしている。3つの密を避けるように活動スペースの提供や小学校教職員による支援等、小学校との連携を図っていく。
8.市内保育所等は通常どおり開所
原則として開所いただくようにお願いしている。私立幼稚園については、施設の指導監督をしている県と調整のうえ対応する。
以上、概略ですが、「今、コロナウイルスについて企業の8割が業績にマイナスの影響がある」、「東京都で外出自粛要請が1ヶ月続くと、経済損失は5.1兆円である」、「googleのビッグデータによれば東京都の余暇移動は6割減っていた」、「東京都は休業要請に応じた事業者に協力金を検討している」、「中小企業庁は債務の猶予やつなぎ融資など中小企業と金融機関の交渉を支援する」等々言われてように、大変な状況です。
緊急事態宣言の発令により、これまで以上に個々の危機管理が強まると思いますが、決して完璧ではありません。まずは自分が感染しないこと、そして、決して人に感染させない、という一人ひとりの意識が更に求められ、必要なことなのではないか、と思います。
長野市議会3月定例会も中盤戦、本日から議論の場が本会議場から委員会室へと移り、各常任委員会で今議会に上程された議案について審議、採決が行われます。今日は3月11日、長野市が被災地となり初めて迎える3.11です。当時のことを思い出さざるを得ません。
2011年3月11日、午後2時46分、マグニチュード9.0の日本周辺における観測史上最大の地震が発生しました。
この年は統一地方選挙、長野県議会議員選挙を目前に控え、私は、地元の大先輩である倉田竜彦先生の事務所で選挙に向けた活動をしておりました。地震が発生した午後3時頃、倉田夫人とともに地域の挨拶回りを終え、事務所に戻ろうと車中に居たと記憶しています。同時刻前後に長野地域においても地震が発生したと後で知ることとなりましたが、それにも全く気付くことなく倉田事務所に戻った、ことを思い出します。
事務所の中に入ると、テレビを大勢の後援会役員さんが囲んでおり、私は何事か、と尋ねると、さっき地震があったが分からなかったのか、今、大変なことが起こっている、との言葉と同時に私の目にもテレビ画面から発災直後の映像が飛び込んできました。
あれから9年が経ち、今朝の信濃毎日新聞では2面を使い大きな特集を組んでいました。唯一全町避難が続いていた双葉町では、3月4日の一部解除により住民の帰還への道が開いたとする一方で、今も人が住めない土地が残り、地域再生には明るい兆しが見えているとは言えない状況とのこと。更に、既に避難指示が解除されている他市町村でも住民帰還の動きが鈍く、帰りたいと望む人の割合が減っている状況のようです。
やっぱり時間は重要です。避難指示解除時期が遅くなるほど、居住率が低く留まる傾向が強いとしており、双葉町に人が住めるようになるまであと2年の年月が必要と、まだまだ時間が掛かってしまいます。
また、災害公営住宅の入居者の希薄な人間関係の中で孤立しがちな被災者の厳しい状況について、入居者の3割が65歳以上の一人暮らしであり、孤独死に一律の定義はないものの、岩手県49人、宮城県162人、福島県31人、年度別では13年度の2人から18年度78人と増加していると報じています。単身高齢者の孤立防止が急務としています。
生活再建に課題を抱える世帯が多く、今後も被災者の見守りや相談事業を国として最前線に立つ自治体への財政面からの充実等、国への支援の必要性を論じております。
社説では、復興がハード面に偏り、被災者の生活に寄り添う視点について問題提起しています。更に、時間の経過に伴い、被災者個々が抱える問題、自治体が置かれている状等が多様化し、複雑化しているとし、それぞれの自治体が住民の意見を聴き、将来へと繋がる施策の展開の必要性を論じています。
長野市は、今、復旧・復興に向け復興計画を策定途中にあり、本格的な生活再建に向けた取り組みが始まります。東日本大震災から学び、そして、得た教訓をしっかり受け止め、一日も早く、復旧・復興を市民が共有でき、感じることができる段階に引き上げるべく取り組んでいかなければなりません。
去る3月2日、長野市農業委員会委員を拝命(3年間の任期)いたしました。
長野市農業委員は現在25名で構成されておりますが、その内1名以上を利害関係を有しない者が含まれていなければならず、長野市農業委員は市議会から2名の議員を以って、市長に任命されております。
私たち25名の農業委員と、42名の農地利用最適化推進委員が協力しながら、
主に、
1.有休農地の発生防止・解消
2.担い手へ農地利用の集積・集約化
3.新規参入の促進
等に取り組んでいきます。
具体的には、
農地法に基づく許可、遊休農地所有者に対する意向調査、農地台帳による情報の一元化、農地等の利用の最適化を進めるための関係行政機関への意見書の提出など、農地利用最適化を進めるために、担当エリア内での調査、毎月の農家相談会開催、地区調査会の会議、そして全体の総会にて審議、採決を行っていく活動となります。
長野市農業の概要ですが、(以下、2015年農林業センサスより)
◇総農家戸数11,782戸
平成7年と比べ、5,378戸減
◇経営耕作面積4,780ha
◇耕作放棄地面積1,425ha
平成7年と比べ、経営面積は38%減少し、耕作放棄地面積は23%上昇
◇販売農家の農業就業人口と平均年齢
平成7年と比べ、人口で53%減少し、平均年齢は61.4歳から69.7歳へと上昇
このような数字を見ると、長野市農業の今後が心配になります。私は、これまで議会の中で、特に、新規就農に対する取り組みについて、また、産業としての農業をいかに確立していくか、という観点から取り上げてきました。
これからは、議員活動の取り組みに加え、3年間、農業委員として現場にて仕事させていただき、これからの長野市農業に貢献していきたいと思います。
2月27日から3月24日まで27日間の会期で、令和2年3月長野市議会定例会が開かれています。
改選後、初議会となった昨年12月定例会は、災害対応を優先し、短縮定例会となりました。そのため、一般質問が1会派30分(無所属は5分/人)で、私の質問機会がありませんでしたが、過日、3月5日、8か月振りとなる一般質問で登壇させていただきました。
今回、これまで私の主要テーマとして取り組んできた「災害に強いまちづくり」について、昨年の台風第19号災害を踏まえ、次の項目に関し、市長はじめ関係部長と議論を行いました。私の持ち時間は18分(答弁含まず)で、本来であれば複数のテーマについて取り上げるべきですが、すべての時間を河川整備に関する内容といたしました。
1.「信濃川水系緊急治水対策プロジェクト」について
問1:遊水池等の洪水調整施設の整備について
(1)篠ノ井塩崎が遊水池の候補に挙がっていると報じられているが、流域全体における遊水池やため池等による貯水量の総量は計算されたのか、また、どの程度、本川の水位を下げようとしているのか、今日までに具体的な数値による議論があったのか。
→市長が答弁、「総量は、今後示される予定であり、効果も示していく」
(2)篠ノ井塩崎の遊水池候補に関し、市長は、地元に相談し協力を求める旨のコメントをされているが、例えば、水田を遊水池として活用した場合、収穫物に対する補償が必要になることから、流域全体を含めた負担の在り方を考えなければならない。協力を求めていくのであれば、補償するためのきめ細やかな仕組みが必要だが。
→市長が答弁、「補償は難しいが、堆積土砂は撤去する。要望を十分に聞きながら進めていく」
(3)本年1/25付け信濃毎日新聞で、市長は「企業の敷地、各家庭、道路などでも水をためていくことが必要」と述べているが、本市での具体的な取り組みは。
→建設部長が答弁、「学校のグランドや、新規に作る道路等に雨水貯留施設を設けるように依頼していく。公共施設における貯留施設を検討していく」
(4)流域全体に所在する遊水池やため池などによる洪水調節施設を有効に機能させなければならない。そのためには、「遊水池ため池等タイムライン」といったものを策定し、指揮命令系統などを明確にしなければならないが。
→建設部長が答弁、「今、千曲川流域に遊水地はない。ため池は有効に活用したいが改修が必要等、課題はあるが、洪水調節施設として有効に機能させるため、指揮命令系統を明確にしていく」
問2:河道掘削による洪水流下断面の拡大について
(1)抜本的な掘削により洪水リスクを限りなくゼロにしなければならない。そこで、立ヶ花の現行流下能力と掘削により、どの程度、流下能力が強化、改善されるのか、数字で示して欲しい。
→建設部長が答弁、「数字は、今、測量を実施中、注視していく。その結果を踏まえ、強化・改善していく。」
(2)2か所の掘削は確実に5年以内に行われる、と理解していいのか。
→建設部長が答弁、「現段階では、5年間で実施と認識している」
問3:堤防の復旧について
決壊までの時間を引き延ばすというのではなく、決壊しないものを作って欲しい、というのが住民の率直な願いなのである。最新の技術をすべて投入した破堤しない堤防を、国に、流域全体に整備することを強く求めていくことが必要ではないか。
→市長が答弁「絶対に破堤しないものは技術的に確立されていない、とのことだが、現在、更なる強化対策としての技術的な検討がされており、国へ要望をしていく」
問4:既存施設を活用した洪水被害軽減対策「ダムの事前放流」について
(1)千曲川、犀川流域の代表的なダム(大町ダム、浅川ダム、裾花ダム、そして東京電力の小田切ダム、水内ダム等)には、事前放流できる設備が整っているのか。
→建設部長が答弁、「大町、裾花は整っており、小田切、水内も整っている(浅川は穴あきなのでない)」
(2)今回の洪水の際、それらのダムでは、治水の観点からどんな対応があったのか。
→建設部長が答弁、「大町は1時間30分、洪水調整した。裾花、浅川は流入量が基準に達しなかったのでしていない。小田切、水内は台風上陸前の10/11夕方から放流を徐々に行い、12日の夕方ゲートを全開した。犀川流域での降水量が少なかったので、大町を除き、特に治水の観点からの対応はしなかった」
(3)国交省は国内河川98水系の発電用や農業用の利水ダムを有効活用し、事前放流に関する協定を電力会社や地方自治体と個別に結び、2020年6月ごろから運用を始める、と報じられている。大量の雨量が予測される場合等は、民間を含めたすべての既存ダムは治水を優先するべきであり、事前放流などの完璧な準備をしなければならない。そのため、例えば、ダム用タイムラインを設けるなど、事前放流の際の細かな要件の策定、指揮命令系統の明確化を早急に確立するべきだと考えるが。
→危機管理防災監が答弁、「国の方針について、緊急時連絡体制、情報共有の在り方について再構築するなど体制強化を図る。ダム管理者が洪水調整要領を定め運用している。裾花川系ダム、浅川ダムと安全確保のための情報伝達体制を構築し、対応マニュアルがある。また、情報伝達訓練を行っている。」
2.重要水防箇所について
平成28年3月定例会の個人質問で「重要水防箇所の安全対策」について取り上げたが、台風第19号を踏まえ、長野市南部に多数ある重要水防箇所、法崩れ・すべり、堤防高、漏水の重要度A及びBに対して、今後、長野市はどう対応していくのか。これまでのような国への要望活動レベルでは不十分であるため、再度質問。
(1)緊急治水対策プロジェクトでおおむね10年間で本流の越水・溢水(いっすい)による住宅への浸水を防ぐとの目標に基づき、早期に南部地区の重要水防箇所解消に向けた計画を示すべきだ。
→建設部長が答弁、「信濃川水系河川整備計画、緊急治水対策プロジェクトにより、河道掘削や堤防整備がされた時点で重要水防箇所の見直しが行われる予定。計画を示すことは難しいが、今後、河道掘削のスケジュールが示され、方向性が見えてくることから動向を注視していく。」
(2)合流地点(犀川と千曲川)から上流に重要水防箇所が多数残っている長野市南部の堤防は、いつの時点の計画高水流量から算出された計画高水位に基づいて、いつ整備されたものなのか。また、現在の堤防は、どの程度の危険性があると認識されているのか。
→建設部長が答弁、「基礎作りとなったのは大正7年。戦後、第2期工事が着手され、現在も改修が行われている。長野市南部の堤防は平成20年の河川整備基本方針に基づいて整備されている(千曲川が毎秒5500t、犀川は毎秒4000t)。危険性がある箇所は早急に対策工事を行い、個々の点検を行い、安全性が不足している箇所について計画的に堤防強化をしていくが、更に、加速させるように取り組む」
(3)平成25年6月定例会で、(前議員から)信濃川水系河川整備計画についての質問に対し、当時の建設部長は「村山橋から下流は完成堤防である」との答弁があった。完成堤防(計画断面堤防)とは、計画高水位プラス余裕高1.5mと定義されているが、堤防高の重要度Aとは、「計画としている規模の洪水が流れた場合、水位が堤防を超える箇所」である。重要水防箇所一覧表をみると、台風第19号で破堤した長沼地先を含む52.5k地点から59.5k地点の間が、堤防高で重要度Aとなっている。この箇所は完成堤防であったという理解で良いのか。
→建設部長が答弁、「完成堤防は計画高水位に対し、必要な高さ、断面積を有し、必要に応じ護岸が施されたものだが、村山橋から下流、立ヶ花までは完成堤防だ。」
(3)村山橋から下流の完成堤防は、立ヶ花地点で、信濃川水系河川整備計画で示されている計画高水流量は毎秒7300t、平成20年に示された整備計画基本方針では毎秒9000tだが、どちらの流量で整備されたものなのか。
→建設部長が答弁、「毎秒9000tで整備されたものだ」
以上が質問の要旨で、それぞれ答弁をいただきましたが、議事録で改めて確認し、引き続き、河川整備について取り上げていきたいと思います。私の想いはただ一つ「二度と同じような大災害」につながることがないよう、災害に強いまちづくり、を着実に進め、市民の生命と財産を守るためのハード対策をしっかり行うことです。
莫大な予算や時間を必要とすることは分かっていますが、だから、やらない、出来ない、では通りません。首都圏では環七下の貯水施設、荒川と江戸川の放水路、渋谷駅地下の雨水貯留槽、昨年の台風19号の際、鶴見川の水位を30cmほど下げる効果があったと言われている鶴見川多目的遊水地など、巨額な投資が行われています。国民の生命と財産を守ることについては、首都圏と地方は公平であるべきで、地方にもっと目を向けてもらわなければなりません。対策が急がれる今、地方は地方の特色を活かした遊水地、貯水施設などの対策を含めた信濃川水系緊急治水対策プロジェクトは、一般質問でも取り上げた様に、堤防整備では更なる検討が必要ではありますが、概ね妥当だと思います。
これから、プロジェクトの進捗をしっかり把握し、検証を行いながら、議会の場において更に、議論を深め、市民の安全・安心に繋げてまいります。
今朝(2/18)の信濃毎日新聞にも掲載されておりましたが、長野市の令和2年度一般会計当初予算の概要についてご報告します。
まず予算規模は、過去最大となる1、745.2億円で前年度対比240.2億円増(16%増)です。
気になる台風第19号災害関連予算は、255.3億円が確保されました。
応急仮設住宅提供、長沼交流センター機能の復旧、被災した地域公民館の改築・補修等に係る補助等からなる「被災者支援・地域コミュニティー支援」に12.8億円、被災農業用機械・施設等の復旧、農地・農業用施設の復旧(堆積土砂撤去、排水機場の復旧等)、被災中小企業者支援事業補助金、借入に対する利子補給等からなる「農業者支援、中小企業支援等」に107.3億円、道路・河川・公園・水道・下水道の復旧、保育所、児童館等、小中学校の復旧の「インフラ・公共施設の復旧」で37.4億円、国土強靭化計画の策定、消防団装備の充実等「災害に備える」予算で12.9億円、災害廃棄物処理、公費解体で108.4億円が主なる災害関連となります。
この中で、消防団装備の充実について、一昨年の一般質問で取り上げた消防団員の新基準活動服の配備が5年前倒しで新年度中に全団員へ貸与されることとなりました。
また、自主防災組織強化事業で防災資機材等購入費補助金が前年度対比397万円増の1,060万の予算が確保されております。
過去最大の予算規模となりますが、歳入については、市税が前年度比25,8億円減となり、市債発行額で前年度比51,3億円増の200.7億円、来年度末の資材残高がプラス2.9%の1,675.6億円に増加、財政調整基金を前年度比27.2億円増の53.5億円を取り崩す厳しい状況であります。
そんな中でも、普段から多くの市民の皆様からいただく要望等にも出来る限りお応えしながら、日常生活における利便性の向上に向けた事業を展開していく必要もあります。
2月27日より長野市議会3月定例会が始まり、新年度予算についても議論がなされます。やはり、台風第19号災害からの復旧・復興が大きな柱となる年度となると思います。まさに、復興元年に相応しい新年度とすべく取り組んでまいります。
そして、連日大きく報道されている新型コロナウイルスですが、長野市は次のような体制にあります。
長野市保健所にて、「新型コロナウイルス感染症有症状者相談窓口」を設け、感染症対策担当が24時間体制で相談を受けます。
平日の日中:026-226-9964、夜間・休日:026-226-4911 です。
相談を受け、診療体制が整った医療機関で診察を受けていただくために、受診について保健所が医療機関と調整を行っております。これまで100件ほどの相談が寄せられているようです。感染が拡大している中ですので、何か気になった際には相談していただければと思います。
そして、一日も早く収束に向かうことを願っております。皆様、お気を付けください。
去る2月9日(日)、朝から降雪があり天候が心配されましたが、後援会主催で「鈴木洋一後援会2020年新春の集い」を開催することができました。その際、毎年、市政報告をさせていただいており、今年は、以下の内容についてお話しさせていただきました。
1.令和元年9月15日執行の市議選について
(1)52名の立候補者で大苦戦、前回選より631票減らすも2,595票をいただき、24位で2期目当選。
(2)現職が大きく票を減らす。平均620票の減、私を含め現職には厳しい選挙であった。
2.台風19号を受けて
(1)令和元年10月12日00時~10月13日24時の降水量
・上流に位置する佐久市(アメダス佐久)で10月12日0時頃から連続的に降雨。
・12日13時から20時にかけて20mm/hを超える強い雨が8時間降り続けた。
・佐久市の12日の降水量は、平成11年8月14日の205mmを大きく上回る303mmを記録。佐久市の南に位置する北相木で観測史上1 位の395mmの記録的降雨となった。
・10/12、21時に佐久市下越(しもごえ)の水位上昇、最高水位4.77mに到達、立ヶ花で13日4時に最高水位12.46m(史上最高)に到達。
・下越(しもごえ)と立ヶ花では約7時間の時間差があるが、長野市から上流部でより多くの雨が大規模な氾濫となった。
(2)課題と対策
①異常気象が常態化していることの共有
・1時間降水量が増加している実態、海水温上昇の実態、長野地域でも気温上昇。
・洪水災害の増加(鬼怒川・常総市以降、毎年)
②今回の雨量と千曲川流量などのデータを共有/
・地域別雨量実績と千曲川の流量実績を確認し、平成26年策定の「信濃川水系河川整備計画」の前提条件を見直す。
→国土交通省北陸地方整備局(新潟市)は1月10日、台風19号豪雨災害を受け、2020年度中に信濃川(千曲川)水系の河川整備計画を変更する方針を明らかにした。長野、新潟両県の流域自治体と検討を進めている「緊急治水対策プロジェクト」の内容を整備計画に反映させる方針。1/11信毎記事より
③洪水の原因究明と根本的な対策
・決壊の原因は越水によるもの(千曲川堤防調査委員会報告)、鬼怒川、小田川も。
・決壊箇所(穂保)は完成堤防だった。
河道断面の不足、必要な流化断面が確保されていたのか、現状を正確に把握する必要有。
④遊水地・調節池の規模が重要。
・今回の流量の正確な分析に基づき、必要な洪水調節能力を測定しなければならない。
⑤脆弱な堤防が続く村山橋から上流部、長野市南部の河川整備が遅々としている。
更にいえば、現状の堤防であれば、越水による破堤につながりかねない。越水しても内側が崩れない対策など、最新の技術を取り入れるべき。
(3)信濃川水系緊急治水対策プロジェクト
国・県・市町村で構成する「信濃川水系緊急治水対策会議(千曲川)」は、2027年度までに取り組む内容として「緊急治水対策プロジェクト」を打ち出したが、住民が抱える不安を解消できるか? 内容の検証と進捗管理が必要。
以下、主な内容
1.被害の軽減に向けた治水対策(河川における対策)
<河川水位を低下させるための取り組み>遊水地等の洪水調整施設の整備、河道掘削等
<浸食対策>護岸・根固工等
<危機管理型ハード対策>堤防決壊までの時間を延ばすための堤防(決壊箇所の現状復旧)
<堤防の強化>浸透対策(鋼矢板など)
<ダム、排水機場の活用>ダムの事前放流
2.地域が連携した浸水被害軽減対策の推進(流域における対策)
<流出抑制>ため池の活用、校庭、水田、公園などでの雨水貯留施設の整備
<内水被害軽減対策>排水機場の整備と耐水化
<復旧支援>防災拠点等の整備
3.減災に向けた更なる取り組みの推進(まちづくり、ソフト対策)
<防災教育や防災知識の普及>避難確保計画、避難訓練、ハザードマップ
4.令和元年度長野市の予算は史上最高、そして3月定例会に臨む
(1)災害関連にかかわる令和元年度補正予算
・令和2年1月31日付けで市長専決 59億5700万円
・令和元年12月定例会で議決 212億8千万円
・令和元年10月、市長専決 47億7千万円
※合計320億円強となり、一般会計は過去最高となる1,864億38、851千円
(令和2年2月6日現在)
(2)長野市議会3月定例会(2/27~3/24)
・通算12回目の登壇(2期目では初登壇)
・これまで取り組んできた「災害に強いまちづくり」の実現に向け、河川整備、特にハード対策を中心に行う予定。
・長野市が主体的に県、国と連携して災害に強いまちづくりに取り組むことが重要。
大勢の皆様に足を運んでいただき、感謝の気持ちでいっぱいでした。皆様のご期待にお応えすべく、これからも地道に活動してまいります。長野市は復旧・復興の途上にあります。とにかく精一杯取り組んでまいります。
先週の日曜日(12/1)、信州農業再生振興ボランティア(農ボラ)に参加。受付を済まし、8名のグループの一員として、赤沼地区の畑で耕運作業。スコップでの作業は体力的にも決して楽なものでなく、更に、力が入り過ぎ、マメを3つ作ってしまった。これまで災害ボランティアでの作業が多かったわけだが、農業復興に向けた作業も同時に進めていかなければならない。
そんな折、過日、”アグリながぬま”で行われた長沼地区の農業再生に向けた会合に途中からではあったが参加させていただいた。長野市の担当課から説明等を踏まえ、出席された農業者等から様々な意見や質問が出るものの、双方、中々、話しがかみ合わず、前に進んでいかない。
私なりにまとめてみると、現状の課題として、
1,果樹園地内の堆積土砂の搬出
(1)園地内に大量に積み上げられた土砂の搬出。
(2)園地内に未だ堆積している(片づけられていない)土砂の片づけ。
2,重機とオペレーターの確保
(1)速やかな業者の作業開始が困難。
まずは、上述の課題解決を速やかに解決しなければならない、のではと受け止めた。
土砂量が、大量ゆえに、専門業者に依頼し、速やかに作業開始していただくことが第一であるが、しかし、現状、速やかな業者手配が出来ず、作業開始までに時間を要するとのことである。そうだとしても、明確に、「いつから作業」に取り掛かれるのかといったスケジュールを長野市は調整を図り、具体的に示さなければならない。その上で、どの園地が優先順位が高いのか等、現段階で可能な限り、被災農業者のニーズを把握し、作業計画を関係者と打合せ、より具体的な計画を明確にしていくことが必要であろう。
そして、今、足りていない作業をどう補うのか、ボランティアの力が必要なのか、ボランティア等の力で少しでも前に進めるのであれば、具体的な作業方針を示さなければならない。私が属した8名のボランティアグループの誰もが長沼のリンゴを待っているのである。再生に向け、多くのボランティアが力を貸してくれるに違いない。
本日12月6日、定例会本会議において、農地再生に関した質問が複数の議員から出された。質問に対する農林部長の答弁は、「20cm以上の堆積土砂撤去を現在も進めているところ。今年度末(3月)までに処理作業を完了させることを目標としている」とあった。
このことを踏まえると、長野市では、長沼を中心として全体の作業量を把握しており、堆積土砂撤去に関わる計画が描けているのか、と考える。でなければ、今年度末までに撤去作業完了という目標は立てられないのではないか。ある程度の計画を描けているのであれば、その計画を関係者に示し、今出来ることを明確かつ具体的にしながら、作業工程を示すことができるのではないか、と思う。
当然、簡単なことではない。みんなが大変な思いをしながら日々過ごしている。しかしながら、ワン ナガノで復興に向けて取り組むのだ。行政がイニシアティブを持たなければならないところが大きくなる。少しでも前に進めていくための手段を見つけることが必要である。私も関係部署と連携を取りながら前に進めていきたい。
台風19号災害の発災後、私は、今日までボランティアとして被災地へ19日間、現地視察では4日間入る他、災害に関した要望への対応等を中心に活動してまいりました。日々の活動を随時お伝えしなければ、と思いながらもブログの更新が滞っており、申し訳ありませんでした。
そんな中ではありますが、本日(11/28)、長野市議会12月定例会が開会となりました。今定例会はまさに災害対策議会ともいえ、本日上程された令和元年度補正予算案については即日で採決され、また、長野市議会として、災害からの復興に関する決議(案)が提出され全会一致で採択されるなど、一日も早い復旧、復興に向け議会においても取り組んでおります。
定例会初日、市長より議案説明がありましたが、台風19号災害に関して、改めて、報告がありましたので、ご紹介します。
令和元年台風19号災害については、本市においても初めてとなる大雨特別警報が発表され、長沼地区穂保地先の千曲川の堤防が決壊したほか、市内各地で越水や内水氾濫が発生し大規模な浸水被害が発生した。
この災害によりお二人の尊い命が失われ、1,500ha、3800戸を超える住宅が浸水した他、広く市民生活に影響が及び、災害救助法の適用や激甚災害の指定を受ける甚大な被害を受けた。
発災直後から国、県の他、中核市や県内外の自治体、企業・団体、更に、49,000人(11月25日現在)を超えるボランティアの方々に支援を頂いている。また、11月25日現在で全国から1億2,700万円を超える義援金、返礼品なしのふるさと納税9,200万円をお寄せ頂いている。
長野市では、台風接近に伴い、10月11日16時に「災害警戒本部」を設置し、12日は全職員を自宅待機とし警戒にあたった。12日16時20分には災害の危険が高まったことから「災害対策本部」を設置し、避難勧告や避難指示などの避難情報を発令し、避難所を設置し、市民の安全確保に努めた。
消防団については、地域住民の生命を第一に避難誘導に当たられた活動は誠に尊く、地域の防災の要であると再認識した。
発災直後から毎日、災害対策本部会議を開催し、庁内外の情報共有を図り、支援の実行にあたってはスピード感を持って取り組んだ。
避難所に避難された方々に対し、避難所開設当初はご不便をかけたが、生活環境の改善に努めるとともに、インフルエンザの無料予防接種、医師会の方等により結成された「こころのケアチーム」による相談を受けるなど、被災者に寄り添う対応を心掛けた。
ご自宅で避難生活を送られている方々に対しても、保健師の訪問による健康状態の確認、生活再建に向けた情報提供を図った。
各種支援制度等の申請に必要な罹災証明書の迅速な発行や、税金、納付金等の減免を国等が実施するものの他に、長野市独自に実施している。
被災者生活再建支援金などの各種支援金や生活必需品の支給など被災された方の生活再建に向けた取り組みを進めている。
今後、仮設住宅等に入居された方であっても避難生活が長期となることが見込まれることから、相談窓口のほか、戸別訪問による見守りや生活相談等の対応を行っていく。
公営住宅には11月2日から入居を始めていただいている。借り上げ型仮設住宅は11月25日時点で443件の入居が決定し、応急仮設住宅は12月1日から入居を開始する予定。
被災住宅の対応として、浸水した住宅の応急復旧に必要な情報を市HPでお知らせし、希望者には市職員が応急的な点検を実施し、二次災害防止に努めている。
災害相談窓口では、災害救助法に基づく住宅の応急修理、住宅敷地内の支障物の除去に係る相談と受付を行っており、11月25日現在、721件の応急修理の申し込みを受け付けた。
災害廃棄物の撤去は、市内4箇所に仮置き場を設置し、市民やボランティアの方々に搬入していただいた。10月、11月の週末には、大勢のボランティアの方々、自衛隊や関係機関が連携し、長沼地区外に災害廃棄物の搬出するオペレーション「ワン・ナガノ」に取り組んだ。
今後、宅内から搬出される土砂、がれき等の回収、処理を進めるとともに、全壊、大規模半壊、半壊家屋の公費解体を進めていく。
災害廃棄物の処理について、ながの環境エネルギーセンターの処理能力を超えていることから、富山県、三重県の事業者による広域処理を進めている。
市内小中学校、保育所では、床上浸水5か所、床下浸水3か所の被害を受けたが、11月6日には授業、保育を再開することができた。
被災した自宅の片づけ等で、保護者による保育が困難なお子さんを預かるため、無料の臨時託児所を豊野ひがし保育園及び中央保育園に設置。小中学校の授業再開にあたり、避難所等と学校をつなぐスクールバスやタクシーを運行しており、引き続き、すべての子どもたちが安全に登下校できるよう、ニーズを把握し、柔軟に対応していく。被害が大きかった長沼小学校については、柳原小学校の教室を借りて授業を再開した。
また、子どもたちの心のケアについて、スクールカウンセラー等を派遣する等し、丁寧に対応していく。放課後子ども総合プラン施設では、長沼児童センター、松代花の丸児童センターが被害を受けた。各小学校区では、それぞれの放課後総合プランを再開するとともに、民間団体による子どもの居場所づくりのサポートをしていただいている。長沼保育園、長沼小学校、豊野中学校の敷地内に仮設校舎等を整備し、一日でも早く安心して学校、保育園生活が送れるよう取り組む。
千曲川の破堤箇所では、10月30日に鋼矢板仮締切堤防が完成した。排水機場については、被災直後、7施設が稼働できない状態であったが、応急復旧により2施設は仮稼働できる状況となった。内水が湛水する恐れがあるため、緊急対策として国交省、長野県の排水ポンプ車を配備している。被害を受けた500か所近くの市道や河川、農・林業施設の復旧もできる限り、再度の被害を防止するため、改良復旧等の対応を行っていく。
商工業について、被災された事業所を個別訪問し、被害状況の確認と復旧に向けた相談や支援制度の周知を実施中。現在、国・県が補助制度等をまとめたところで、今後、被災された中小企業者等の建物、設備等の復旧、事業の早期復興に向け、商工団体等支援機関と連携し、制度内容の周知や補助申請の支援等を行う。
農作物の被害では、現時点で、リンゴの冠水、流失、落下、リンゴ、桃の樹体被害、長芋の冠水などを中心に8億強の被害があった。災害復旧事業により泥や瓦礫の撤去の他、営農再開に向け助成などの支援を行っていく。
長沼支所・交流センターでは堤防決壊による水流の直撃を受け、平屋建物の屋根下まで水没し、豊野支所も3階建て建物の1階が水没したため、現在は両施設とも業務停止中。豊野支所は水没を免れた3階部分に機能を仮移転し、12月2日から業務再開予定。長沼支所については、現在、全て使用できない状態。年内には仮施設を用意する。この他にも篠ノ井、松代地区など市内全域で合計78の市有施設が床下浸水以上の被害を受けた。既に機能回復した施設もあるが、重大な被害を受けた施設については、被害調査や国、県、地元との調整が進み、事業着手が可能になったものを中心に復旧に取り組んでいく。
発災以来、災害対策本部を中心として様々な角度から災害対応、復旧及び被災者支援に取り組んできたが、今後は、これに加え、生活再建、地域経済の再生、まちづくりなど、長野市の復興に向け取り組んでいくことが重要である。
12月1日に「復興局」を設置し、長野市災害復興本部を立ち上げる。
財政運営では、発災後、ただちに被災者の受け入れを行うために避難所運営に係る経費について予備費を充用し、10月30日には、応急仮設住宅や支援金などの生活支援、小中学校仮設校舎などの公共施設の応急復旧、内水氾濫を防止するための排水機場の復旧に要する経費など総額47億7000万円の補正予算を専決した。12月定例会では、災害廃棄物の処理費用、農業施設や農地、道路、河川等に堆積した土砂の撤去、機能回復のための費用、被災した学校、保育所、河川等の復旧に要する費用などを計上した補正予算案(台風19号災害関連で212.8億円)を提出した。
災害からの復旧・復興には莫大な経費を要することから、国では地方負担軽減のため国庫補助率のかさ上げ、特別交付税による措置など財政措置を講じている、国及び県の支援制度を最大限に活用しするとともに、長野市の財政調整基金の大幅な取崩しなどで市民生活への影響を最小限に抑えていきたい。
現在、作業を進めている新年度(令和2年度)予算編成では、これまでになく厳しい状況が予想されるが、災害からの復旧、復興への予算配分を最優先にしながらも、将来にわたり安心して暮らせる長野市とするために創意工夫を図り、健全財政を堅持していきたい。
以上、概略です。
冒頭でも記しましたが、私も多くの要望や質問、提案をいただいております。復興、復旧の途上にある中でも、『ワン ナガノ』を合言葉にし、少しでも希望を見い出していただけるような支援を確立していかなければなりません。
17日、松代へ。この日は地区内の仮置き場に山積みされた災害ゴミを指定場所に排出する作業に取り掛かる。今日も市外県外からのボランティアの方が多く参加。その中に、私の中学、高校の同期生の姿も。更に、昨日一緒に作業をした駒ヶ根から来られた方、1日、一緒に作業、心強い限り。
私たちボランティアが現場に到着すると、ボランティアとして参加された産廃の業者の方が既に作業をされていた。今日は、運搬用のトラックも十分で、業者の方の指導で災害ゴミを分別しながら積み込む事が出来た。山の様に積み上がったものも予定よりも早く搬出する事が出来た。こうした専門家が居られた事は偶々であるが、本当に大きな力となる。
昨日は道路沿いに出されたものを積み上げ運搬、今日は仮置き場から搬出。昨日も感じたが、この作業をいかに効率良く行うことが出来るかが大事。この作業がスムーズに進むことで被災された方の精神的な苦痛が多少和むことになるのだから。
夕方、友人より「知人が被災された。最寄りの指定された集積場所(豊野)まで往復で2時間、更に、集積場所近くでの交通整理が不十分」等と言った内容のご意見を頂いた。北部へのボランティア派遣が本格的に始まり、少しでも負担軽減に繋がればと思う。それにしても、私も二日間ボランティアに入り感じたことは、正に、災害ゴミの処理を如何に効率良く行うかだ。日々の状況を踏まえ、ニーズに速やかに応えいかなければならない。