6月6日、県道清野篠ノ井停車場線(辰巳新道)改良促進期成同盟会総会が開催されました。辰巳新道は、通明小学校区で最も危険な通学路ですが、70年以上、一部を除いて改良がされず、子ども達を始めとする通勤・通学の方々が危険にさらされてきました。
期成同盟会ができたことにより、ようやく県が改良を進めることになり、昨年度予算で測量、今年度予算で詳細設計を行うところにこぎつけました。しかしながら、県の単独事業であるため、予算の関係で御幣川五差路から旧国道までの3割分を整備するのに8年以上かかる見込みです。
子ども達の安全のため、志半ばで逝去された須坂前会長の思いに報いるためにも、一日も早い拡幅と歩道の設置を、関係する皆さんと一致団結して取り組んでいく決意を新たにしました。
昨日、地元更北地区内の真島地域の一部にて、5月31日夜に降った雹(ひょう)による農業被害について何軒かの農家さんを回って、現状をみさせていただきながらお話しを伺いました。雹は激しい上昇気流を持つ積乱雲内で生成され、そのため雷とともに起こることが多い、ということですが、確かに、31日の夜はあちこちで雷が発生しており、私も車中から激しい雨とともにピカピカ光るものを目にしておりました。
そんな翌日夜に、ある方より、リンゴが雹の被害を受けている、酷いところは9割以上が傷が入ってしまった、との話を伺い現地をじっくり回らさせていただきました。実際に、お話をお聞きしていると、「60年間ここでリンゴを作っているが、こんなのは初めてだ」、「来年のこともあるので、いくら傷が入ってしまったといえでも、収穫時期まで通常の作業を行わなければならない」、「こういった状況で、今年はリンゴづくりのモチベーションが上がらない」等、かなり困惑されておりました。また、今回の雹は局地的であったようで、同じ地域の別の場所で作業中の農家さんに畑の中で話しを伺うと、雹による被害は全くなく、同じ地域で発生した、ことをご存知ないようでした。
また、リンゴの他に、桃、ぶどうにも影響が出ており、作業中のぶどう農家さんにも状態をみさせていただきながら、お花しを伺った次第です。
6/2付けの信濃毎日新聞によれば、県が発表した速報値では、県下5市町村、179haに被害が及び、被害額は7500万との報道です。これからこの数字が上がっていくことが予想されます。
農業は天候であったり、不慮の災害等により大きく農業経営に影響します。こうした地球温暖化、異常気象による様々な災害が毎年発生している昨今です。真島地域の大きな魅力であり特色である果樹ですので、最終的な被害がより少なくなることを願っております。
行政視察最終日は奈良県奈良市へ。奈良は中学3年生時に修学旅行で訪れて以来でしたが、当然、観光等は出来ませんでしたが、多くの外国人観光客、修学旅行に生徒さんで溢れるまちをみて、流石、奈良!と思わせるところでした。さて、奈良市での行政視察目的は「奈良市空き家対策計画及び空き家バンク・ならまち町家バンク」の取り組みについての調査でした。
まず、空き家対策の中で管理不全な空き家の解消に向けた取り組みでは、平成26年に「空家対策の推進に関する特別措置法」が成立され、奈良市においても人口減少、今後も更に空き家等が増加していくことを想定されていることから平成27年7月に空家等対策推進協議会を設置し、平成28年3月に奈良市空家等対策計画を策定、現在、様々な課題を抱えながら取り組みがなされているところです。そこで、水道閉栓データから抽出されたデータに基づき、現地調査対象を抽出、業者に委託し、敷地外からの外環目視等の実態調査を行ったとのことでした。
管理不全な空き家の解消に向け、住宅課が市民に対応する窓口となり、庁内各課との連携を図りながら適切な対応が出来るように取り組んでおられるようですが、この日も、この空き家を奈良市定住促進事業との連携を踏まえ、奈良ブランド推進課の方からの説明も受けました。
住宅課に寄せられる空き家等に関する相談・苦情では、庭木、雑草の繁茂、進入などの防犯面、スズメ蜂の営巣など平成27、28年度に270件ほどよせられたそうです。ちなみに平成26年度までは毎年平均すると、30件から50件ほどであったようで、担当課を設け、市民窓口を明確化したことで、まずは、解消に向けた取り組みの効果が表れたのではないかと思います。対応については、所有者にしっかりお知らせし、所有者の責任において手入れを行っていただいた、ということと併せて、国庫補助を活用した特定空家等除去費用補助金を設けるなど、補助件数は決して多くはないものの、奈良市としては、出来るだけ空き家を発生させない対策、管理不全にならないようにする対策、管理不全になってしまっ空き家等の管理者、所有者に対する方策など地域、事業者、産官学が相互に連携を図りながら取り組んでいく、というものでした。
平成27年に実施した調査で奈良市の空き家率は3.6%、中心市街地の一部であったり、東部地区といわれる中心市街地から離れた地域が5%以上と高くなっているということですが、平成27年度から奈良市の東部地区(中山間地)を対象とした空き家バンクを、平成23年から町家バンク(奈良市歴史的風致維持向上計画において設定された奈良町および奈良公園地区重点区域内)を策定し、2通りの制度の活用が行われております。町家バンクはいわゆる町場であり、民業圧迫とならないように、ということを踏まえての取り組みとのことでした。市が主体的に取り組んでいる空き家バンクでは2年間で10件の成立があったようですが、物件の登録が少ない、広報の不足、費用面、移住後のサポート体制、などなど今後の課題も山積のようであります。
長野市では、今年度、空家等対策計画作成協議会を発足させたところでありますが、昨年の秋から市内各地区で実態調査が行われ、市全体の空き家率はは4.8%、特に中山間地域では20%~40%強といった数字が出てきております。市の建築指導課、住宅課など11課が連携を取りながらプロジェクトチームを発足させ1年余り議論が交わされてきました。
倒壊などの保安上危険であったり、衛生上有害となるおそれがあったりといった特定空き家は困難かもしれませんが、空家を資源としてしっかり捉え、利活用がスムーズにできるような施策をしっかり構築していくことが大事ではないか、と思います。奈良市同様に長野市でも様々な課題を抱えながらの空き家対策ですが、知恵を絞り、粘り強く取り組んでいかなければなりません。
行政視察2日目、岡山県岡山市の取り組み「県庁通り・西川緑道公園筋回遊性向上社会実験」について調査してまいりました。まず、岡山市は平成21年4月に中核市から政令指定都市へと移行、人口72万弱のいわゆる大都市であります。自然増はないものの、社会増がわずかではありますが、広域から多くの人々が訪れるまちづくりを進めております。
そんな中、岡山市では平成26年に駅前エリアに大型商業施設が新規出店するなどし、江戸時代以降から岡山藩の城下町として古い歴史を持ち、長く商業の中心であった表町エリアの2極化が進み、駅前エリアの集客力を表町エリアなど中心市街地全体へ波及させるための方策に着手しているところです。
そこで、車中心から人優先のまちづくりに取り組むこととして、駅前エリアと表町エリアを結ぶ県庁通りにおいて、平成27年、28年の2年間にわたり、東進一方2車線の車道を1車線化し、歩いて楽しいまちづくりのための回遊性向上社会実験を行うに至ったわけです。さらに、県庁通りと接続する西川緑道公園筋でも歩行者天国化の社会実験にも取り組みました。
車道の1車線化は概ね1週間、歩行者天国は4回実施することで効果、影響、賑わい、などなど道路空間の再構築を検討するにあたって社会実験の検証を行ったとのことでした。
1車線化にともない心配された「交通渋滞」では、深刻な渋滞の発生はなかった、また、業者の荷捌きの需要が高かった、「歩行性・走行性」では、自転車走行レーンを設けるなど歩行者にはより安全で快適な歩行空間が保たれ、自転車利用者には特に快適に走行ができたとのことで、「回遊性・賑わい」に関しては、歩行者天国を行った西川緑道公園筋では通行料が10倍以上になるなど回遊性向上、賑わいの創出の効果があったと判断されているようです。そんな中ではありますが、警察関係とのさらなる協議であったり、地元等との協議、歩行者天国では市民主体の運営体制の構築といった課題を今後、どう解決し前に進めていくのかが更に知恵を絞っていかれるとのことでした。
長野市においても中心市街地の活性化、長野駅ー善光寺間の回遊性、また、郊外へのスプロール化など様々な課題が山積している中で、まずは岡山市のような積極的な社会実験などを通して市民全体でムーブメントを巻きおこせるよう知恵を絞り、かき集めながら取り組んでいかなければなりません。
5月22日~24日の3日間、長野市議会建設企業委員会で管外視察をしております。
初日の22日は、山口県宇部市を視察。長野市では、県信濃美術館改装にあわせ、城山公園一帯の整備を計画しており、これからの長野市における都市公園の在り方、整備等について参考yとするために、市民の憩いの場としてはもちろん、観光公園としてさ更なる進化を遂げている『ときわ公園』を視察しました。この公園も昭和30年代に開設し、昭和40年代には入場者数が70万人を超え、平成に入りピーク時から半減し、熱意のある取り組み等を経て現在ではピーク時の入場者数を超える目標を掲げながら取り組んでいるところです。
まず、宇部市は人口17万人弱で県内3番目の人口規模を誇り、明治期には石炭産業で栄え、以後、素材供給化学工業を中心とした臨海工業都市へと変貌した自治体です。ときわ公園は常盤湖を中心にスポーツ施設、ミュージアム、動物園、遊園地が集中しており、平成22年に『ときわ公園活性化基本計画』を策定、28年度に改定しながら今日まで熱意をもって取り組まれております。
直近の再整備ではときわ動物園のリニューアル整備を行い、平成28年3月にリニューアルオープンしたところです。それまでは入園料が無料でしたが、有料化に踏み切り、管理費以上に収入増となったとのことでした。園内は比較的コンパクトにまとめられている印象を持ちましたが、動物の生態を踏まえたゾーンで区分けするなど生息環境展示で特色を打ち出しておりました。ここで、今後の課題について大事な視点をお持ちであったのが印象的で、「公共工事で発注する場合、職員の思い入れがないと、マネになる(特色としている生息環境の再現が出来ない)
」ということです。施設の目的、コンセプトといったものが明確にあって、公共事業の一つという意識では決していいものは作れないだろうし、また、市民の憩いの場にもなり得ないだろうし、重要なことだと思います。
また、ときわ公園内には世界を旅し感動する植物園というテーマで「ときわミュージアム」が動物園同様に生息環境展示を行っており、各ゾーンにシンボルツリーを配置し、やはり特色を打ち出す努力をされております。そのシンボルツリーは輸入等を通し植栽しているものですが、その多くが寄贈といった形で市内企業、団体等から協力を得ているとのことでした。ときわ公園整備において平成12年に「緑の基本計画」、平成25年に「緑と花の計画」に沿って取り組んでこられました。今後の課題も多々あるようですが、この宇部市はかつては工業都市故に公害、環境問題に直面し、産官学民の四者一体となって環境共生都市へと高い意識をもってこられたのだと感じております。
市民全体で享受できる都市公園、まさに市民の憩いの場となりえる公園とするためには長野市としても上述の城山公園整備を行っていく上で、人口減少とともに財政規模も縮小する中で、様々な議論がされることになりますが、熱い思いと地域の特色、さらにワンランク上を目指していかなければならないと思います。
長い方は9連休とも言われた今年のGW、いかがお過ごしでしたでしょうか。
本日(5/8)の朝、地元更北地区の「更北支所」の開所式に参加。旧更北支所は昭和53年に竣工し、耐震に問題有という事で耐震工事を行う予定でしたが、基礎部分にも問題有、結果、改築の1期工事工事が行われておりました。本日竣工した新支所事務所棟は耐震性に優れ、広い待合ホール、手続しやすいローカウンター、プライバシーに配慮したブース、授乳室、多目的トイレが設置され、また、駐車場も79台分確保されるなど、まさに伸びゆく更北地区の安全・安心の拠点としてスタートしました。第2期工事は解体から竣工まで1年ほどかかる予定ですが、支所の役割を存分に発揮できるようにしていかなければなりません。
午後、長野市議会「まちづくり対策特別委員会」委員と権堂まちづくりに携わる方々との意見交換会に出席をしました。特別委員会でも議論を行って参りましたが、実際に権堂の関係者との直接対話ということで、中心市街地活性化の難しさを改めて感じた次第であります。
これまでの地元の方々による積極的な取り組みにより権堂地区では現在空き店舗は1つだけということですが、中心市街地活性化への貢献という意味では課題は山積している状況だと思います。
大型商業施設の老朽化、2000年の大店法改正、車社会の更なる進展、それに伴いロードサイド店が一気に増加する、更に、駐車場の問題、等の経済社会環境であったり、これまでの営業形態からの脱却を図りながらも、なかなか消費者の多様な嗜好に対応できいという商品力、価格競争力等の小売り業界における大手大型至上主義であったり、権堂を取り巻く環境は厳しくなっているのは言うまでもありませんが。。。
本日の意見交換会にて地元のある方より、大型商業施設有りきでない権堂の在り方についてのご意見がありました。施設は老朽化しますし、経済社会状況の変化で商業施設は決して永遠ではありません。企業ですし、不採算であれば閉鎖もあり得ます。オープン当初は良いけれども、時が経てば、今と同じような活性化議論が湧き出てくる可能性があります。大型商業施設も活性化を図る上で重要だと思います。しかしながら、”それ”有りきのまちづくりに拘るのではなく、これまでも議論が重ねられ、アンケート調査等も行ってこられましたが、中心市街地だからこそ、全市的に議論を展開させ、まずは、長野市民、そして周辺市町村民が訪れたくなるまちとは?、将来、どんなまちに育てていくのか、理想を描きながら、知恵を絞っていくことが改めて大事ではないか、と考えます。決して大型商業施設しかないまちとすべきではなく、大型商業施設もあるまちとすべく考えなければならないと思います。
クラシノソコアゲ応援団! 働く者の連帯で「ゆとり・豊かさ・公正な社会」を実現し、自由で平和な世界をつくろう をメインスローガンに掲げて、本日、第88回長野県中央メーデーが雨が降り注ぐ中、城山公園ふれあい広場で開催され出席して参りました。悪天候の中、3,500名程の組合員が一同に介し盛大に行われました。
この数年に亘り、長時間労働のために命や健康を損なう労働者が後を絶たない中で、国でも働き方改革が進められようとしておりますが、中々改善されてこないのが現状ではないかと思います。ニッセイ基礎研究所のレポートでは、日本の労働者一人当たりの総実労働時間では、パートタイム労働者を含めた労働者一人当たりの平均総実労働時間は1994年の1,910時間から2013年には1,746時間に大きく減少している、という結果が出ております。しかしながら、一般労働者(フルタイム労働者)だけの平均総実労働時間をみると、2013年に2,018時間で1994年の2,036時間と大きく変わっていない、とのことです。つまり、日本の最近の労働時間の減少はパートタイム労働者を含めた非正規職の増加に影響を受けた可能性が高く、実際に正規職の労働時間は大きく変化していない、と纏められています。
私も16年半、企業で働いておりましたが、仕事は自分自身を大きく成長させる人生の中でも大きく、重要なステージだったと思います。私の企業人生活の中で、例えば極端な長時間労働を強いられた経験はありませんが、部署によってはどうしても繁忙期であったりすれば、残業時間が増えてしまう、といったことも現実なのではないかと思います。それが現実だからこそ、職場というものは健全なものでなければなりません。長時間労働により自分自身を停滞させてしまってはなりません。職場環境がそこで働くすべての人たちの仕事、生活に大きな影響を与えていく、ということを改めて考えるところです。
職場では、これまで築き上げてきた伝統であったり、風土、慣習、言ってみれば右肩上がりの古き良き時代を強く感じさせるところもあるかと思います。それが企業の成長を支えてきた、または、支えている、といったことも一方では大事なことだと思います。しかし、もっと大事なことは、多少の不平不満を言われつつも、働く者の命と健康をしっかり守り、ワークライフバランス(仕事と生活の両立を図る)、といった心身ともに豊かさを醸成できるような職場環境の整備を労使一体となって進めていくことが求められているのではないでしょうか。本日のメーデー『長時間労働を是正する取り組みの強化に向けた特別決議』の中に、「8時間の労働、8時間の睡眠、8時間の余暇」を目指し先人の方々が取り組んでこられた、というものがありました。今後もしっかり目指さなければなりません。
昨年度より、人口減少社会、更に、少子化による児童数・生徒数の減少の中で、これからの子ども達にとって望ましい教育環境とは、を問いかけられた「長野市活力ある学校づくり検討委員会」が開催されております。本日開催された第6回検討委員会を傍聴させていただきました。
今回は特に小規模校についての議論が交わされておりましたが、過日、委員さんが市内小学校2校、中学校1校を視察した際の感想、そして連携推進ディレクターと呼ばれる校長経験者の非常勤嘱託指導主事が見た小規模校の学習面、生活面、学校運営・財政面からのメリットとデメリットについて様々な所感が明示されました。
例えば学習面から見たメリットでは「児童・生徒の一人ひとりに目がとどきやすく、きめ細かな指導が行いやすい」といった内容のものがあげられる一方で、デメリットとしては「集団の中で、多様な考え方に触れる機会や学びあいの機会、切磋琢磨する機会が少なくなりやすい」といったものがありました。
色々な意見があるのは当然ですが、私は、小規模校におけるデメリットが本当にダメージを受けるようなデメリットなのか、却って、そのデメリットはメリットとまではいかなくてもメリットに近づけることができるのではないか、と個人的には考えてしまう節もあります。
例えば、学級という枠組みではなく、学年を超えた繋がりの中であったり、地域の大人、就学前の子供たち等との関係性から多様な考え方に触れる機会や学びあいの機会、切磋琢磨する機会を得ることもできるのではないか等、まさに地域の特性から得られるものも多々あるはずです。つまりデメリットを上回るメリットが子どもたちの成長により必要なことなのでは、と思います。
検討委員会の委員を務める私も昨年度お世話になったT先生より小規模故の利点として発達段階で、きめ細かく指導を行うことができる環境は大事な視点である、といった発言もありました。
少し話しが変わりますが、先日、某県立高校の校長先生と話す機会がありました。最近は心の弱い生徒が多くなってきた、とのことです。効率や横並びの考え方がすべてではないのではないか、高校生であっても個々の生徒で指導方法が大きく異なったり、難しい時代です。ましてや発達段階である小学生では余計個々の子どもたちをきめ細かく指導することが求められるのではないでしょうか。大規模校が故のデミリットを大きく上回るメリットではないかと思います。
適正規模がすべてではなく、自分が生まれ育った地で近所の人たちに見守られながら、地域も一緒になって子供たちを育てていけるような、それぞれの子供たちにあった教育環境を整えることが大事なのではないか、と思います。人口減少社会の中で、長野市も公共施設縮減に向けた施策を加速化させていくはずです。そんな中、特に小学校については、少人数、小規模だからこそ得られるメリットを最大限生かすことを改めて検証していくことが大事ではないかと考えます。
先日、東京で行われた多摩住民自治研究所主催「よくわかる市町村財政講座」を受講して参りました。
行政を運営していく上で最も重要なのは財政でありますが、私も議員となって1年半、中身について概略は把握していたつもりでも、詳細までじっくり理解するに至っていなかったことから受講をしてきたわけであります。
<主な研修内容>
(1)資料があれば自治体の財政がわかるのか。
総務省版決算カードを用いて予算・決算状況を読み取る。経年的な視点が必要であり、演習では「決算額の推移」、「歳入決算額の構成比の推移」、「歳入の体系」を経年で手書きで記入。
(2)どのようにすれば自治体の財政がわかるのか。
類似団体、都市化、地域特性との比較。総務省版「財政状況類似団体比較カード」を用いて本市の財政状況を比べてみる。これについても細かな数字を手書きで記入することで用語に慣れ親しむとともに各々の関連性を探ることに繋がる。
(3)決算カード、財政状況資料集
(1)と同様に、決算カードを使って「決算収支」、「財政指標」、「歳入、歳出」といった分野を実際に分析表へ書き込むことで理解を深める。手書きすることで「習うより慣れろ」である。また、財政状況資料集では一般会計、公営企業、一部事務組合等の財政状況、実質公債費比率、将来負担比率の財政当局の分析欄をしっかり経年で比較する。
(4)財政の健全化の手掛かりに類似団体比較カードを使う。
類似団体との比較。一例ですが、平成26年度は歳入合計 長野市443,983円に対し、類似団体では394,627円で112.5%。歳出は430,826円に対し383,682円で112.3%。民生費では類似団体と比較すると125,059円に対し151,972円と82.3%。歳出歳入では類似団体を上回るものの民生費は下回っている等、長野市として取り組み等を読み取ることが出来る。つまり、本市の政策との比較が容易となる。
等、人口減少が進む中で一般会計での主な自主財源となる市税への影響、地方交付税の減少傾向、平成27年に公債費発行のピークであったこと、長野市の予測では、平成34年度には収支が逆転と見込まれている、ことなど、今、しっかり財政の中身を見つめなおさなければないと考えます。
本市のみならず自治体財政を取り巻く情勢はめまぐるしく変化しており、財政危機の中でこれまで通り存続していけるのかが大きな課題です。そうした時代だからこそ、予算議決権を持つ議会は自治体財政に精通していなければなりません。単純に「高い、低い」、「多い、少ない」で数字を見ていくのではなく、「なぜ、こういう数字なのか。なぜこうした違いが出てくるのか」を数字から読み取る力が求められるのではないか。そこから改善に向けた努力を促すこと、例示することで議会としての役割を果たしていく必要があります。
4月2日、毎年恒例の更北地区青少年育成部会主催で子どもたちの無病息災を願う「流し雛」が川中島古戦場史跡公園内にて行われました。第17回目となったこの日、家族連れなど大勢の方々にご参加いただき、小さな雛人形にそれぞれ願いごとを書き入れ、わらで作った小舟に乗せて公園内の小川へ浮かべ、流されていました。開催にあたって母校長野南高校茶道部の生徒さんからお茶の振舞い、唱歌と童謡を愛する会の皆様によるコーラスの披露、穏やかな心地良い時間だったと思います。ご協力いただいた皆様には感謝です。
子どもたちの成長は誰もが願うことであり、4月を迎えこの春入学式を迎えられる幼保小中高、そして大学、専門学校など大いなる期待を抱いているのではないかと思います。また、この春から社会人としての第一歩を踏み出した方々も多いのではないでしょうか。
私自身振り返れば平成5年4月、新入社員として入社式を迎え、期待と不安に胸を躍らせておりました。私の学生時代はちょうど1989年~1992年で1986年12月-1991年2月までの株式や不動産を中心にした資産の過度な高騰、経済拡大期間であったバブルの時代の真っ最中の頃でした。東京都の山手線内側の土地価格でアメリカ全土が買えるといわれたほど日本の土地価格は高騰、好景気の中、東京での学生生活を送っておりました。
当時、私自身が就職活動を始めた大学3年時の1991年はまだまだ学生側の売り手市場であり、比較的スムーズに就職活動が行えた、と今思えば、恵まれた環境に居たのではと思います。社会人となる!これまでとは大きく異なり、自分で稼いで自分で生きていく、責任と将来をしっかり見据えながら生活をしていかなければ、と考えていたと記憶しております。この春、新社会人となられた方々には前向きに取り組んでいっていただき、仕事を通して一回りも二回りも大きく成長していくことを願っております。
そんな中、今年2月より「プレミアムフライデー」が始まっているようです。実際、多くの企業や団体がこの制度を運用していくことは難しいと思いますが、単なる掛け声で終わってしまうのではないか、日本にはあまり馴染むものではないとも感じますが、しばらくは見守っていくしかないのかな、と感じます。
もう一つ、日本政府は人口や労働力人口が減少している中で、長時間労働や残業などの慣習が日本経済の足を引っ張っており、生産性低下の原因になっているとし、働き方改革に積極的な動きを見せております。
働き方改革を進めている理由は、(1)日本の人口、特に労働力人口が継続して減少していること、(2)日本の長時間労働がなかなか改善されていないこと、(3)政府が奨励しているダイバーシティー(多様性)マネジメントや生産性向上が働き方改革と直接的に繋がっていることが挙げられております。
生産性の向上だとか経済成長を優先する考え方には大きな間違いはないとも思いますが、それに比例して従業員の生活の質の悪化を招くのは大きな問題です。働き方改革が労働者の健康や生活の満足度を優先的に考慮して実施されることを望むところであります。これまでも「ワーク・ライフ・バランス」が声高に言われ続けており、多くの企業でも時間外勤務ゼロ運動(ノー残業デーの実施)、リフレッシュ休暇、有給休暇取得推奨等の取り組まれているのではと思います。例えば、今日でも中々、有給休暇取得率や平均取得日数の改善が進まないのが現状ではないかと思います。その理由は、有給休暇が取れない、若しくは、取り難い職場環境にあるのが現状ではないか。実際、私も17年弱のサラリーマン生活の中で有給休暇を取得したことはありませんでしたし、よっぽどのことが無い限り会社を休む、ということはありませんでした。こうした考え方も良くないのかもしれません。所謂、日本企業文化、美学、忠誠心等々、こうした根本的な考え方の変革が必要なのかもしれません。
厚生労働省が2014年に実施した調査では、回答者の68.3%が有給休暇の取得に対して「ためらいを感じる」と回答、その最も大きな理由(複数回答)では、「みんなに迷惑がかかると感じるから」を挙げ、「職場の雰囲気で取得しづらいから(30.7%)」や「上司がいい顔をしないから(15.3%)」を理由として挙げるなど、多くの労働者が職場の雰囲気や上司・仲間の視線を意識していることが伺えます。
働き方改革は、有給休暇取得、長時間労働の是正、ワーク・ライフ・バランスの実現で生活の質の向上、また、非正規労働者の処遇改善などを通して多様な人材が労働市場で活躍できることを目指していると思いますが、企業、経営者側からすると時には大きな障壁にもなり、重い負担となることもあろうかと思います。私も感じていた日本の労働者側の美学であったり、互いに協力して物事を前に進めていく日本が世界に誇るチームワーク、こうした古き良き時代の伝統を変に壊すことなく、労働者の健康や生活の満足度を高めていく施策が重要であり、実施されることを望みたいところであります。そこは労使が一緒になって会社経営のこと、従業員一人ひとりの生活のこと、職場環境のこと等、考えていくことが大事なのかもしれません。行政として中々立ち入れない事柄も多いのは承知しておりますが、単なる号令であったり、ポピュリズムでない労働行政の手腕が問われているのではないでしょうか。夢や希望を持ち、志を大きく抱いて入社した将来を担う若者に期待に社会が裏切ることのないような社会にしていかなければならないと思います。