長野市議会議員会派

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ふるさと納税について

 須坂市の「ふるさと納税」に関する報道がある中、長野市でも不適切な返礼品の取り扱い事例があった、との報道がありました。4月25日付け信濃毎日新聞で法政大学の平田英明教授は「ルール順守に必要な人員確保や仕組みづくりが各自治体で追いついていない」と指摘していますが、長野市役所での管理体制が問われているもの、と受け止めています。  ふるさと納税制度は、「生まれ育ったふるさとに貢献できる制度」、「自分の意思で応援したい自治体を選ぶことができる制度」として、2008年5月に始まり、人口減少による税収減少対策や地方創生が目的とされ、今ではすっかりお馴染みの制度となり、多くの方々が活用されているものだと思います。簡単にスキームをまとめてみると、 (1)居住地以外の自治体に寄付。 (2)寄付額の一定限度(寄付金のうち、2、000円を超える額)において所得税、個人住民税の控除がある。 (3)具体例(簡単に)  給与収入700万円の人が30、000円を長野市へ寄付した場合、  住民税22、400円、所得税5、600円の合計28、000円が控除され、2、000円が自己負担額となる。  ※長野市民が他自治体に寄付した場合は概ね同様の計算により控除されることとなり、長野市は住民税減少となる。  次に、長野市の現状を令和5年度決算からみると、 <収入> 寄 付 額 11億9、110万7千円 <支出> 返礼品等に要する経費 5億5、564万5千円 流 出 額 7億7、200万5千円 ※流出額(住民税減少分)のうち75%分は交付税措置(補填)されることから、25%分が収入減となる、となります。    令和5年度の長野市への寄付額はお示ししたとおりですが、報道によると、須坂市が県内市町村では最多規模となり、令和6年度では約47億円を集めている、とのことです。この数字からも須坂市における「ふるさと納税制度」は行財政運営においても、更に、農家さんにとって大変大きなものだったに違いありません。  信濃毎日新聞は、須坂市のある果樹農家さんは、栽培しているシャインマスカットの約4割を返礼品として出荷しており、(返礼品としての出荷が)「収入の大きな部分を占めていたので影響が大きい」と報じています。  これまでも、高額な返礼品や地場産品とは無関係な返礼品の取り扱い、返礼品競争等、制度の問題点や課題が議論されてきましたが、地域の産業振興に大きく貢献するものであると同時に、その地域に興味関心を持っていただく有効な手段であると思います。  よって、自分が生まれ育ったふるさとに貢献できる制度として、いつまでもふるさとに思いを寄せながら、陰ながら応援していく崇高な想いが、地方創生に結びつく制度としなければなりません。