長野市議会議員会派

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東北・北陸信越エリアが豪雨災害に ~「令和元年東日本台風」を彷彿とさせる大雨被害~

3日の未明から朝にかけ、東北北部や北陸信越エリアに記録的な大雨が降り、各地で大きな被害が出たことが報じられました。

この報に接し「他人事じゃない」の思いを強くいたしました。

 

 

 

気象庁は、東北エリアと北陸信越エリアに それぞれ「線状降水帯」の発生が確認されたとしました。各地域では多いところで1時間に100mm前後の猛烈な雨が降ったとみられ、河川の氾濫による家屋の浸水や 土砂崩れや(豪雨に伴う)鉄道の乱れなどが相次いだとのことです。

 

 

東北エリアにおいては、青森県深浦町で 午前8時までの3時間に、1時間あたり154mmの観測史上最多の雨が降ったほか、秋田県の十和田湖畔の国道では土砂崩れが発生し 付近を通行中の車が土砂に乗り上げて動けなくなったとのこと。

 

 

 

さらに、大館市を流れる下内川で(堤防の一部が)破堤し 氾濫が起きたそうです。

また、北海道新幹線の奥津軽いまべつ駅の入口が大雨で冠水し、駅構内の出入りができなくなったそうです。

この大雨に伴い、秋田新幹線の盛岡駅⇔秋田駅間は運転見合わせを余儀なくされ、在来線も全線または一部区間で運転見合わせとなりました。

 

 

 

 

 

一方、新潟エリアや北陸エリアでも大雨の特別警報が発表され「経験したことがないような大雨」が降ったことが報じられています。

新潟県村上市では 域内を流れる「荒川」が氾濫、数百棟に及ぶ家屋等が浸水被害を被(こうむ)ったほか、山沿いの集落では土石流による土砂災害が発生したことが報じられています。

 


 

 

村上市では、1日の総雨量が 観測史上最高の410mmを記録し、市内の広域に亘って浸水被害が発生したとのこと。

 

 

 

山沿いの集落では土石流が発生、土砂や流木で多くの家屋等が損壊の被害を受けました。

「たかが雨」されど その降りようは凄(すさ)まじく、住民らは まさに降ってわいた大雨によって、自然の猛威を知らされることになったのでした。

 

 

 

この大雨による被害に伴い、道路の寸断や 電気・水道等の社会インフラが停止するなど、地区住民の復旧作業や日常生活に大きな影響が出ていることが伝えられています。

 

 

 

 

・・・・・。

私が 今回の〝大雨報道〟に触れ 強いトラウマを実感したように、多くの 特に長野エリアの方々は、さきの「令和元年東日本台風」の甚大な被害を思い出されたことでありましょう。

報道で伝えられる河川氾濫(越水)の模様や 土地家屋への浸水の模様は、さながら さきの「令和元年東日本台風」の被害状況の〝生き写し〟であります。

普段は穏やかな河川が、一転 牙(きば)を剝(む)いて住宅等に襲いかかる様(さま)を見せつけられ、そして 不測の浸水被害によって、多くの方々のご自宅などが泥水に浸(つ)かっている様子が伝えられる毎(ごと)に 私たちは〝あのとき〟を思い出し、同じ思いにさせられている現地(被災地)の方々の悲嘆の思いを共有するところであります。

 

 

 

被災地の状況は ことのほか厳しいことが拝察されます。

被災現場の片付け(清掃)のために とにかく先ず必要な水が出ない・このクソ暑い中で電気が通じないことから クーラーはおろか扇風機も回せない状況・そして コロナ禍の最中(さなか)…何というか 三重苦・四重苦の中での復旧作業を余儀なくされていることでありましょう。

 

私は、発災後 直ちに長野市消防局ならびに危機管理防災課に対し、被災地支援の見込み(予定)はどうなっているか照会しました。

今のところ 当該の県市町村から応援要請はありませんが、いずれにしても 総務省 消防庁を頂点とした災害公式ネットワークの連絡方式に準じつつ、応援要請があったときには直ちに飛び出せるよう準備は遅滞なく進めているとのことでありました。

 

私自身、さきの「令和元年東日本台風」の際には、多くの他自治体職員の方々が当地に出動され さまざまな形で支援してくださった姿を目にし、その度に感謝の思いを新たにしたものでありました。

 

 

 

 

今は まさに「恩返し」のときであろうと思います。

但し いたずらな〝プッシュ支援〟は かえって現地の指揮命令系統に混乱を来(きた)すことになってしまうことから、私の立場として(各所管局課に対し) あくまで先方または国県等の要請に基づくものの、もし それ(要請)があった際には、迅速かつ積極的に対応するよう強く申し入れをいたしたところです。

あのときの 派遣職員の方々が真摯に活動される背中を見て、胸にこみあげるものがあったことを思い出しています。

 

ときと場所を選ばない「線状降水帯」のような異常気象の温床は、いつなんどき自分たちの頭上に降りかかってくるかは予想だにできないところであります。

「明日は我が身」そして「お互い様」なのですから。

 

安全安心な医療と保健の提供体制

 新型コロナウイルス第7波では、各医療機関、保健所での業務が逼迫している、また、政府が第7波収束後に、2類相当から5類相当への見直し、全数把握や入院調整等について検討する旨の報道がなされています。  私も7月、陽性者となり、10日間の自宅療養を活用しました。7月31日時点の長野市における療養状況は次のとおりでした。 療養者3758人 医療機関入院41人 宿泊療養施設58人 自宅療養3659人 重症者0人 中等症5人 軽症・無症状3753人  療養者の97%が自宅療養、99%が軽症・無症状ということになりますが、軽症者でも苦しい療養生活を強いられている方も少なくないことは認識しておかなければなりません。  医療機関の業務が逼迫している、とのことですが、新潟県では、コロナ検査を受けた本人が、検査結果が判明する前に患者情報を入力するフォームを導入し、検査で陽性となった時には、既に患者情報が確実に取得できていて、速やかに適切な療養につなげることができる体制としています。  更に、保健所がこれまで行ってきた陽性の人の症状などの電話での聞き取り調査は、60歳以上など重症化リスクが高い人に集中させるといった対応をとっている、とのことです。 長野市においても、保健所が担う業務を重症化リスクの高い人に集中した体制を取っていると認識していますが、医療機関における業務の負担軽減に向けた取り組みとして、更なる工夫が必要だと考えます。  また、感染者についてですが、報道でも大きく取り上げられている神奈川県では、抗原検査キットや無料検査により陽性が判明した場合、医療機関を受診せずに「自主療養」を選ぶことができ、罹患者が自主療養届け出システムに申請をすると、毎日の健康観察がLINEやAIコールにより行われ、療養終了後、療養証明書が発行され、保険金請求に活用できる、とのことです。  この神奈川方式は、私の体験からも、罹患者自身の負担も少なく、健康観察についても安心できる体制ではないか、と感じます。  新型コロナも第7波です。この間、ウイルスも変異してきました。私もほぼ無症状であったので、罹患後、保健所や医療機関に相談する等といったことはありませんでしたが、家族も感染したことで、日常生活を送る上で、大変な不便を感じました。そして何より、無症状が故に、周囲に感染を拡げてしまうといった恐怖を覚えました。感染拡大によって、重症化リスクのある方々の感染リスクが高まり、仮に、そうした方々が感染した際、迅速な診療に繋げなければならず、決して支障を来してはなりません。また、例え、軽症であっても症状の急変に十分に対応できる体制を整えておかなければなりません。  第7波における長野市保健所業務の逼迫状況、陽性者とのコミュニケーションと症状急変への対応、食料など物資の配送状況、医療機関からの発生報告提出による業務逼迫状況、発熱外来の混雑状況とその対策等、確認しなければならないことは多岐に渡ります。  重要なことは、命の危険にさらされる事態に至らしめることなく、罹患したとしても安全安心な医療と保健の提供体制の確立です。感染症法の分類について見直しが言われていますが、長野市として、第7波の検証、そして、第8波、9波等、先を見越した対応について議論を深め、体制の整備を確立していかなければなりません。

世帯所得の増と生活の安定に繋がる政策を

 連日、新型コロナウイルス第7波の猛威が報道されています。私と家族も感染しましたが、感染力の強さ、感染のリスクの高まりについて、身をもって感じたところです。また、ここに来て、幾つかの行事等について中止、延期の連絡が入っていますが、行動制限等の強い宣言はないものの、自粛を余儀なくされることも少なくなく、社会経済活動への影響が懸念されます。  経済社会活動への懸念では、ウクライナ危機を受けた資源や穀物の価格の高止まり、円下落による輸入品の急騰等、私たちの生活に影響が及ぶ事態に直面しています。  ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査部長のレポートで現下の経済状況、とりわけ、7-9月期の実質GDPについて次のようにまとめています。  「2022年4-6月期の実質GDPは、前期比0.8%(前期比年率3.2%)と2四半期ぶりのプラス成長と推計。 まん延防止等重点措置の終了を受け、外食、宿泊などの対面型サービスを中心に民間消費が前期比1.4%の高い伸びとなり、プラスの成長主因となった。更に、高水準の企業収益を背景に設備投資が前期比1.2%の増加となったことも成長率を押し上げた。  2022年4-6月期の実質GDPは、コロナ前(2019年10-12月期)の水準を回復したとみられるが、消費税率引き上げの影響で、新型コロナウイルス感染症の影響が顕在化する前に経済活動の水準が大きく落ち込んでいた。直近のピークである2019年4-6月期と比較すると、2022年4-6月期の実質GDPは▲2.6%低くなることが見込まれ、経済活動の正常化までにはかなりの距離があるといえる。  7月に入り、新型コロナウイルスの新規陽性者数は急増しているが、政府は今のところ特別な行動制限を課していない。物価高による家計の実質購買力の低下が下押し要因となるものの、行動制限がなければ消費性向の引き上げによって個人消費の回復基調は維持されるだろう。米国をはじめとして海外経済が減速しているため、輸出が景気の牽引役となることは当面期待できないが、民間消費を中心とした国内需要の増加を主因として7-9月期もプラス成長となることが予想される」  以上のように、第7波や物価高騰といった景気後退圧力を感じながらも、個人消費の回復基調は維持され、民間消費を中心とした国内需要の増加により7-9月期もプラス成長が期待される、としています。  他方、民間消費等の国内需要が増加することは歓迎すべきことですが、家計の逼迫について目を向けて考えなければならないと思います。 過日、2022年度の最低賃金について、全国平均31円引き上げ、時給961円(引き上げ率3・3%)とする、との報道がありました。  2022年度の消費者物価指数は前年度比2・6%上昇する見通しで8年ぶりの高水準、といわれています。物価高騰による影響は低所得者層ほど深刻だと言われていますので、賃金上昇は生活を安定させるために重要なことです。今回の最賃引き上げがどこまで現状を踏まえたものなのか、生活の安全に直結するものなのか、昨年を上回る引き上げ率とのことではありますが、物足りなさを感じます。  以前のブログでもご紹介しましたが、経済財政諮問会議による1994年と2019年の世帯所得を年代別で比較した調査結果では、世帯所得の中央値が、35歳から44歳の世代では104万円減少し、45歳から54歳の世代では184万円減少、全世帯の所得分布は、65歳以上の高齢者世帯(20%→36%)、単身世帯の増加(26%→38%)に伴い低所得階級の割合が上昇した、とまとめています。未だ、多くの国民の生活は楽ではなく、物価高騰への対応に四苦八苦しているのではないでしょうか。  世帯所得の増と生活の安定に繋がる政策が重要で、現在、直面している少子化対策や除族可能な社会づくりにも繋がっていくのでは、と思います。こうした視座に立った議論を進めていかなければなりません。

とにかく暑い日々/コロナ病症使用率「県平均」の〝?〟

今年の夏は、コロナ感染者発生数と記録的な猛暑(酷暑)と〝高止まりの夏〟となっています(ここに〝値上げの夏〟…これについては後日に触れます)

この日(3日)も、長野県ほぼ全域で猛暑日となり、場所によっては35℃超えの地点もあったことが報じられていました。

で…暑さの弊害の最たる「熱中症」も各地で発生、3日だけで12人が救急搬送されたそうです。

 

 

 

例えは極端ですが 今のわが国の場合、寒さによる「凍死」の事例は ほぼ耳にしませんが、暑さによる「熱中症死」は残念ながら報じられる機会が少なからずありますよね。

それだけ〝暑さ〟という気象は、私たちが思っている以上に身体にダメージを及ぼすということなのでしょう。

実は ウチのオフクロも、従前は頑(かたく)なにクーラーの使用を拒(こば)んでいましたが、数年前に「あわや…」という思いをしてから、今は恒常的に(クーラーの)リモコンスイッチを押すようになっています。

それでも 地域の高齢者宅に足を運ぶと、クーラーがあるのに電源を入れずに「暑い暑い」と言いながらウチワを扇(あお)いで凌(しの)いでいるお宅があります。

その多くは「クーラーの冷気が身体に合わねぇ」とおっしゃるものです。

が、前掲のとおり 暑さは生命にまでも悪影響を及ぼすことから、せめて今の時期の せめて暑い時間帯だけはクーラーを使っていただくよう強く勧めたい(勧めている)ところです。

こんな、暑さ如(ごと)きで体調不全や ましてや生命に響くようになりようでは 合ったものじゃありません。

クーラーを適切に使用する・暑いからといって食事を疎(おろそ)かにしない・こういうときだからこそシッカリ睡眠(昼寝を含む)時間を確保する、これらを励行して 共々にこの難局を乗り切りましょう!

 

 

で…〝難局〟といえば、言うまでもない 現下のコロナ禍であります。

8月に入っても 感染者は高止まり傾向、3日には 長野県は再び過去最多を更新するに至ってしまいました。

 

 

 

長野市においても、週明けから高止まり状態が続いています。

 

7/31日(日) 長野市におけるコロナ感染症の発生(424人/市23923~24346例)について

                              [PDFファイル]

                 ↓

https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/752527.pdf

 

 

8/1日(月) 長野市におけるコロナ感染症の発生(120人/市24347~24466例)について

                              [PDFファイル]

                 ↓

https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/752543.pdf

 

 

8/2日(火) 長野市におけるコロナ感染症の発生(465人/市24467~24931例)について

                              [PDFファイル]

                 ↓

https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/752619.pdf

 

 

8/3日(水) 長野市におけるコロナ感染症の発生(557人/市24932~25488例)について

                              [PDFファイル]

                 ↓

https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/752671.pdf

 

 

 

これから「お盆帰省」も始まるという中、都県を超えての感染拡大には「憂慮」の言葉しかありません。

人の交流=ウィルスの拡大 との〝コロナの法則〟に照らせば、この時期の高止まり傾向はもとより 次週以降に向けての再々々拡大は一体どうなるのか…予想だにできないところです。

 

ところで さきの識者のIさんとの意見交換の中で、都道府県内での「確保病床使用率」における疑問点に話しが及びました。

現在 例えば長野県においては、県内を4つのブロックに分け 各地域の感染状況に応じて「確保病床使用率」が公表されています。

この8/3においては、東信エリアの率が非常に高くなっていました。

 

 

 

で、ここで疑問が寄せられたのが「全県」のパーセンテージです。

8/3をみれば「全県では40%」となっています。

 

 

これを見ているIさんは「確保病床使用率に〝県平均〟を出して何の意味があるのか」とおっしゃっています。

曰(いわ)く「コロナの感染状況は 地域によって大きく状況が違うのだから、コロナ対策についても 4地区それぞれの状況に基づき行なわれるべきであって、それを〝足して4で割って現状とする〟というのでは、真の医療サービスは行なえないのではないか。この〝県平均〟に依(よ)るとするならば、例えば(高率の)東信エリアで発生した患者を(低率の)中信エリアに搬送する、というような全体的な作業が必要になってくる。この〝県平均〟は、数字のまやかしと言わざるを得ない。」とのことでありました。

このこと〝県平均〟は、行政統計上の便宜的な対応であったり、県全体で〝宣言〟を発出するときの全体的なデータとして用いられていると思われるところですが、いずれにしても 広域な長野県内において、各エリアごとの〝違い〟を的確に認識し 各エリアの状況に即した対応を取るべきと言う視点で、この〝県平均〟は、何とも課題を水で薄めたようなあいまい感を禁じ得ないところでありました。

 

コロナは、日々動き続けている。

これに振り回されないよう、より エリアごとの適切対応が待たれるところです。

 

 

 

市役所庁舎「清掃ロボット」のデモンストレーション…一方で「障がい者雇用」を期する

この日(2日)の午前、屋内通路の床掃除を自動で行なう「清掃ロボット」のデモンストレーションが長野市芸術館前のフロア(通路)で行なわれたことから、見学に足を運びました。

 

 

 

 

この取り組み(デモンストレーション)は、長野市が進める「行政DX推進計画」の一環として 業務効率化の観点から「ロボット」などの先端技術の活用について調査研究を進めることを趣旨(主旨)として行なわれたものです。

長野市においては 今年度から、総務部の中に「情報化推進グループ行政DX推進課」が新設され、こちらの所管課が中心となって「ロボット化」の研究を進めることになっています。

 

 

 

今回のデモンストレーションについては、さき(26日)に 庁内を巡回する「警備ロボット」のデモンストレーションが行なわれ、この日は〝第二弾〟として「清掃ロボット」のお披露目となりました。

 

 

 

この「清掃ロボ」約50㎤の箱型で、本体が縦横に動きながら床のゴミ(塵/ちり)を吸引するものです。何というか、家庭用の「ルンバ(商品名)」のデッカイ版とでも申しましょうか。

で、その仕様(システム)は意外とシンプル。

 

 

 

まず、本体上部のタッチパネルに業務内容(清掃パターン)等を入力します。

 

 

 

その後、一旦は人力で 清掃させたい範囲を押し歩き、清掃ルートを覚えさせます(AI化)。

 

 

 

その後 スタートボタンを押すと、アラ不思議…件(くだん)の清掃ロボは 静かな音を立てながら 床のゴミ(塵)を吸引しながら自走を開始しました。

 

 

 

この清掃ロボ、多くの人が通る通路を自走させることから (人との)衝突事故が懸念されるところですが、訊けば 前面にセンサーか組み込まれているとのこと、もし自分(ロボ)の前に人がいても、そこを避(よ)けて走行することができます。

 

 

 

【参考】「清掃ロボット」仕様説明サイト

        ↓

https://www.it-ex.com/products/maker/irisohyama/whiz-i-iris.html

 

 

 

こちらの清掃ロボットは、1時間あたり500㎡(テニスコート2面分)の清掃が可能で、遠隔からも稼働状況を確認できるなど〝ロボット化〟に伴う業務効率向上は 一定程度期待できそうであります。

 

しかしながら、です。

私は、今回の「清掃ロボットのデモンストレーション」の知らせを聞いた瞬間から「これ(施設内清掃)って、例えば知的・精神障がい者さん(以下 障がい者さん)の「役務(えきむ)として購(あがな)える作業内容じゃないか。」と思い、今回のデモンストレーションにおけるロボットくんの〝働きぶり〟を見て 一層その思いを強くしたところです。

訊けば、このロボのリース料は 月額で約5万円とのこと。

で あるとするならば、障がい者さんを雇用して 工賃(役務費)を払った場合、このロボのリース料より安く上がることも考えられます(それはそれで問題なのですが…)。

かかる費用面(費用対効果)での思考は別にしても、今回の〝ロボット化計画〟の趣旨が「(職員等の)業務効率化の一環」であることに鑑(かんが)みれば、そのこと(庁内清掃)の業務について 職員等の業務とせずに 障がい者さんに委託することで、いわゆるWin・Winの相関関係が成り立つのでは と思ったところです。

このことについて 現場にいた職員に「庁内DXの推進については賛同し、今後も積極的に調査研究を進めてもらいたいところだけれど、一方で 機械化・自動化による効率第一主義に拘泥する余り、本来 そこで活躍できるハズの人(障がい者)の(活躍の)場を奪うようなことになってはならない。DXを推進するのであれば、その分 障がい者等の活躍の場を確保してこそ〝一人前〟になるのではないか。」と指摘し、今後の推移を見守ることといたしました。

なお 長野市では、現在も清掃役務で障がい者雇用を実施中ですが、この〝ロボット化〟により そちらの人員削減などに至らないよう、逆に ロボット⇔障がい者が共存共栄できるよう、福祉関係職員とも情報共有し ロボット化が逆に「心の通(かよ)った行政」の原資となるよう、私自身 心を配ってゆきたいと思ったところです。

 

 

そんな「障がい者雇用」に一抹の不安を抱くこととなった後に、その〝暗雲〟を吹き払ってくれるかの好事例に立ち会うことができました。

市内で いわばフリーダムな立場で 主に知的障がい者支援に取り組む団体(企業)である「Gota(このブログでは「チームGota」と呼ばせていただきます)」の代表者Mくんらが、長野市内の知的障がい者支援施設と 就労(作業)について「契約」を締結することになったのです。

その概要は、チームGotaが 飲食店等の店頭に「カプセルトイ(ガチャ)」を設置するので、そのトイ(ガチャ)の内容物の詰め込みを 知的障がい者さんに依頼しようというものです。

注目すべきは、その「工賃」です。

この日に交わされた概要によると、障がい者さんらは「ガチャ」の販売価格の40%を「工賃」として受け取ることができるそうなのです。

「ガチャ」の内容は様々で、廉価なものから 上は数千円に上るものも想定されることから、作業に当たる障がい者さんらは 今までにない高額の「工賃」を得ることができるようになります。

障がい者さんへの「工賃」については、その低劣さ(時給100円程度)が社会問題化しているところですが、そこを問題視した「チームGota」のMくんが 自ら〝ガチャ事業〟を立ち上げ、今までの悪しき常識であった低劣な工賃を劇的に改善し、もって 障がい者さんらに やり甲斐のある役務に携わってもらおうというものなのです。

ただ、これまでの道のりは 容易ならざるものがありました。

最大の障壁は、当事者(障がい者)さんらを見守るべき立場である施設職員の「旧態依然の意識」でありました。

本来は 障がい者さんらの自立を願い、1円でも工賃を上げてやろうと率先して努力すべきハズの職員自身に そのような前向きな意識が無く、逆に 障がい者を障がい者として留め置こうとする〝逆の発想〟のままに(職員自身が)就労している実態がアリ…この悪しき殻(から)を打ち破るのは 至難に満ちた作業であったと聞いております。

(このことの詳細については後日に譲ることとしますが)いずれにしても「チームGota」が温め続けた障がい者支援(就労)のサクセスロードが ようやくスタートを迎えようとしており、今後の有為な展開に大きな期待が寄せられます。

 

今までは、敢えて日陰に留め置かれた障がい者さんらの就労機会に、明るい陽が射(さ)すことを願って止まないところです。

 

 

 

 

鉄路の安全保障

識者のIさんと意見を交わす機会があり、話しは「鉄路」に及びました。

「鉄路」いわゆる鉄道路線については、わが国においては JRを初め「不採算路線」が常態化しているところであり、各地で(鉄路の)存続の是非について議論が起こっているのは ご案内のとおりです。

そのような厳しい状況を踏まえ Iさんは「鉄路の維持には この際「防衛費」を充(あ)てるべきじゃないか。」と 独特の見解を述べておられます。

 

例えばJR北海道。広大な圏域内の人や物資の移動に「鉄路」は欠かせぬ存在と思われるところですが、実際の収支は非常に厳しいことが伝えられています。

 

 

 

JR北海道による2021年度の線区別収支によると、営業収益が459億8,600万円だったのに対し 営業損失は実に790億600万円。

その現状については、北海道新幹線を含む 実に全線が赤字路線となっているとのことです。

また、サービス業の健全化の指標に用いられる 100円の収入を得るために必要な経費(営業係数)は、(100円を稼ぐために)155円から 地域によっては(100円を稼ぐために)1,000円も経費がかかる路線もあるとのことです。

 

 

 

また、長野県内においても然り。

例えば、さきには 松本と新潟県の糸魚川を結ぶ「大糸線」について、JR西日本が 管轄する南小谷以北の35キロの収支を公表し、その累積赤字は2020年度までの3年間の平均で 年6億円余りに上ることが報告されています。

1km当たりの1日の平均乗客数を表す「輸送密度」は 2020年度で50人と、1987年度の1/20減っていることも併せ報告され、いわゆる〝負のスパイラル〟に陥っていることが実感されたところです。

 

 

 

かかる現状について Iさんは、厳しい認識を共有したうえで「わが国の鉄道路線の内需逼迫(利用者減少)と、一方で高齢化が進行する中、特に国(政府・政治家)は「鉄路の安全保障」を真剣に考えるべきときに来ているのではないか。」と強調したうえで「この際は、日本(国民)の安全を守るために支弁するとされる「防衛費」を 鉄路の維持に遣(つか)うべき。」との見解を示しておられました。

Iさん曰く「大陸を有する国家(国域)において「鉄路」は欠かざる輸送手段。それは 平時の人や物資の輸送に併せ、有事の際にも 軍人や軍需物資の大量輸送の面で非常に有効かつ重要なインフラに位置づけられている。わが国おいては まさに北海道がこの事例が当てはまるだろうね。

そのうえで、今 とりわけ北海道の鉄路が全線赤字の危機に瀕しており、この状況を何とかしなければならなず、そこにこそ「防衛費」を支弁すべきではないかと思うんだ。

但し このこと(鉄路維持への防衛費の支弁)は、何も軍需的な目的での話しじゃない。

要は、将来に亘って国民の生活安全(この場合は〝移動手段〟)を守ること、これは立派な「安全保障理論」であり、国家としてもその維持のための相当の予算を割(さ)いてもバチは当たらないんじゃないか。

で、そのため(鉄路の安全保障)には〝国防の原資〟である防衛費を充てることも念頭に置くべき。戦闘機1機が約120億円(しかも恒常的な維持費が相当額かかり続ける)予算の支弁に比(ひ)せば、鉄路の維持に その一部でも充当することは、わが国の安全保障に叶うものとして国民理解も得られると思う。」と 穏やかに、しかし力を込めて話してくださいました。

 

「鉄路の維持に防衛費を」この 一見には荒唐無稽(こうとうむけい)に映る考え方は、しかしながら「鉄路安全保障」の観点からすれば、究極の〝縦割り排除〟の斬新な考え方であると思います。

それだけ、現下わが国は総体的に危機的状況に陥っていること、それを乗り切るためには 旧態依然の考えから脱却し、今まででは考えも及ばない視点で事(こと)に臨むべきことを示唆してくれた感の「安全保障理論」でありました。