会期中の長野市議会9月定例会において、去る9月11日、一般質問(個人質問)を行いました。
今回私が取り上げたテーマは大きく3つ、洪水時における指定緊急避難所及び自主避難所、そして、河川整備についてです。
いづれも、私が初当選以降、最重要テーマの一つとして、継続して取り組んでいる事項です。気候変動の影響で、台風の大型化、梅雨前線の影響等、犀川と千曲川を擁している長野市にとって、市民の生命と財産を守り抜く上で、対策の強化は待ったなし、だと考えています。
質問の要旨を掲載いたします。(質問時では、割愛している文脈があります。長野市議会HPで映像をご覧いただければ幸いです)
以下、質問要旨となります。
令和6年6月定例会一般質問で「洪水時における避難場所等の選定、開設」について質問したところ、「本市は人口の多い平地部を中心に浸水想定区域が広範囲となるため、避難場所等を確保するには、安全性が確認できる限りにおいては、浸水想定区域内の指定緊急避難場所、避難所は必要である」との答弁があった。
また、令和元年東日本台風災害対応検証報告書は「推定した避難者数に応じて、できるだけ多くの避難場所・避難所を開設する」べき、との改善策を示している。
災害時における避難場所の開設は、市民の命を直接まもる最も重要な手段であることから、引き続き、避難場所及び自主避難所に関して伺う。
1.指定緊急避難場所等について
(1)浸水深5M未満について
本市が策定した「指定緊急避難場所・指定避難所の選定基準」によれば、更北中学校は指定緊急避難場所に選定できるのではないか、と質問した。それに対し、「3階以上の条件付きで選定することについて検討する」との答弁であった。例として挙げた更北中学校含め、浸水深2m以上5m未満の施設選定について、その後の、検討状況について伺う。
(2)浸水深5M以上について
ア:現状について
本市の「指定緊急避難場所・指定避難所の選定基準」は、構造基準を満たした上で、浸水深5M以上の場合は4階以上の施設について指定できる、としているが、この基準に合致する施設はあるのか。仮に、無い、とか、少ない、ということであれば、現状について、本市はどう受け止めているのか。
※災害時における避難場所の開設は、市民の命を直接まもる最も重要な手段である。市が策定し、基準を示した以上、何らかの対応策を打ち出すことは行政の責務と、受け止めていただかなければならない。
イ:指定緊急避難場所の高さ基準について
内閣府策定の「指定緊急避難場所の指定に関する手引き」は、指定緊急避難場所について、管理条件と立地条件を満たすことを基本としているが、仮に、立地条件を満たさない場合であっても、異常な現象に対して、安全な構造であることと、想定水位以上の高さに受け入れ部分があり、かつ、有効な経路があれば、避難者の身が安全に守られ、緊急時の避難場所として指定しても特段の支障は生じないものと考えられる」としている。つまり、浸水想定区域における施設を評価する場合、最も重要なポイントとなるのは、高さなのである。
そのため、本市の「指定緊急避難場所・指定避難所の選定基準」で示している2階、3階、4階に加え、相当する高さ(m)を基準として示すべきではないか。それにより、浸水想定区域内における避難場所確保の可能性が期待できると考えるが。
※より多くの指定緊急避難場所を確保することが、市民の命を守る上での最も重要な手段なのだ。
ウ:ホワイトリングについて
先の高さの考え方に基づき、ホワイトリングの指定緊急避難場所選定の可能性を、私なりに建物の階数と高さの関係について、図面に基づき検証してみると、浸水深5Mから10M未満に所在するホワイトリングの場合、3F客席部分では約11Mと推計され、想定水位以上の高さに避難スペースがあるものと考える。(参考までに、東日本台風災害時の本市における浸水域は約1、541ha、浸水深は推定値で最大約4.7Mであった)
洪水災害の場合、より安全な避難場所への移動が前提だが、ホワイトリング周辺の地域住民は、身近な緊急避難場所を切に希望している。
構造条件と高さ基準を満たしていると思われるホワイトリングを指定緊急避難場所として活用することを、強く提案する。
※正確に検証し、条件に合致していれば指定すべきである、何よりも命を守ることを優先しなければならない。
2.自主避難所について
(1)行政の支援について
「長野市地域防災計画(第2章災害予防)の10、避難の受入活動計画」及び「指定緊急避難場所・指定避難所の選定基準」には、「指定緊急避難場所のほかに、住民等が身の安全を確保するために、まず駆け込む施設等について、住民自治協議会等と民間施設との協定により確保するための支援を行う」とあり、更に、「地域防災計画(第3章災害応急)避難の基本方針」の項には、「住民は地区で自主的に開設した避難所、(自主避難所)等に避難する」とあるが、地域自らが自主避難所を開設しようとした場合、行政はどうのように関与し、どのように支援をするのか。
(2)行政の関与と開設基準
令和元年東日本台風災害時に市内で開設された23カ所の自主避難所の内訳は、浸水想定区域内で15カ所、そのうち、浸水深5M以上の地域内では7カ所、5M未満で8カ所、浸水想定区域外で7カ所となっていた。これは、市民は、より身近な避難場所を求めている、と受け止めたが、こうした実態をどう捉えているのか。
福井県あわら市は、区長・自主防災リーダー・施設管理者向けに「自主避難所運営手引き」を作成し、洪水等の災害が発生する恐れがあるとき、また、警戒レベル3~5といった情報を待たずに避難を希望する市民のための一時的な避難場所として自主避難所を位置付けている。
更に、市民から自主避難したい、との要請が市に寄せられた場合、市は、自主避難所開設を区長等に要請する、としており、行政の関与において、自主避難所を明確に一時的な避難場所と位置付けているのだ。
台風19号の教訓と市民の命をまもるという行政の使命を踏まえ、自主避難所について、選定基準3「地域の実情に応じた選定」の中に、行政の責任において、地域住民の意見を十分に踏まえ、地域にある公共施設等の安全性とリスクを確認し、共有した上で、「駆け込む施設」として明確に位置付け、自主避難所開設基準と運用手引き等を策定すべき、と考えるが。
※避難収容活動計画における「まず駆け込む施設等について、住民自治協議会等と民間施設との協定により確保するための支援」や「地区で自主的に開設した避難所」との表現は、住民の命を守る責任を区長等に委ねていることになるのではないか。地域への丸投げではないか。市民の安全をまもることは、行政の使命だ。
3.河川整備について
6月定例会において、更北地区内における犀川右岸の浸食と千曲川右岸の土砂堆積による狭窄化について、流域住民から水害リスクの高まりを心配する声が寄せられていると申し上げた際、市長は、私の質問に対し、「水害被害を助長する要因を把握し、市全体で共有することは重要。千曲川河川事務所と連携し、河川の状況を把握していく。治水事業は優先度の高い事業である。長野治水対策研究会、流域治水協議会などを通じて取組を深める。各同盟会が一体となって千曲川、犀川での治水事業のさらなる促進について国に強く働きかけを行っていく」と答弁された。
台風10号による災害を鑑みると、改めて、整備の遅さに危機感を憶える。早急に、より具体的な対策を講じる必要があると考えるが。
※更北地区内の犀川は高水敷がやせ細っており、千曲川では狭窄化しており、窮屈な川となっているのだ。
以上となります。私の問題意識について、市長はじめ担当部には共有していただけたと思いますが、まだまだ、実現に向けては、課題がありうそうです。私も、更なる調査を続け、市民の生命と財産を守り抜くために、取り組んでまいります。
過日(9月5日)、令和6年長野市議会9月定例会が開会となりました。提案された案件は、「令和6年度長野市一般会計補正予算」、条例改正等の議案29件、認定2件、報告16件で、一般会計補正予算では、歳入歳出それぞれ1億9、230万2千円追加され、今年度の予算総額が歳入歳出それぞれ1、750億5,649万2千円となります。
物価高対応はじめ、これまで議会で議論されてきた内容等に要する経費等が計上されています。市長からの議案説明がありましたので、その内容の一部をご報告します。
<物価高>
これまで物価高騰などにより影響を受けている市民や事業者の皆様に対し、様々な支援策を講じてきたが、食材費等の上昇が続いており、学校給食の食材価格上昇分を保護者に転嫁することなく、これまでどおり安定的に提供するために公費負担分として3、546万9千円を増額。
また、物価変動や人件費の上昇の影響により生じた赤字の補填として、福祉施設及び観光施設管理に対する指定管理料748万5千円、同じくスポーツ施設に対し1、703万4千円を計上(対象施設21件)
<子どもの福祉医療費と部活動地域移行>
令和7年4月診療分から18歳年度末までの子どもを対象とした「子どもの福祉医療制度の窓口無料化」に係るシステム改修等の関係経費として1,669万円計上。
令和7年度の部活動地域移行に向け、新たな移動手段や活動場所拡大に向けた実証を行うため358万6千円を増額。
<台風19号からの復興>
台風災害からの復旧・復興及び防災・減災対策として、長野市豊野防災交流センターが8月3日から供用開始となった。また、長沼地区河川防災ステーション整備は、国の地盤改良工事が始まり、長野市施工エリアについて本定例会に契約締結の議案を提出しているが、国と連携し、早期に整備できるよう進めていく。
<新型コロナウイルス感染症>
ワクチン接種について、本年度から、主に65歳以上の高齢者の方を対象に定期接種を実施しているが、自己負担額を1,800円とし、10月から開始したい。
<放課後子ども総合プラン、夏休み中の昼食提供>
事業の充実策の一環として、保護者から希望の多かった夏休み中の昼食提供を、16か所の児童館・児童センター・子どもプラザで試験的に実施した。実施主体である「ながのこども財団」を中心に、こうした新たな取組を含め、更なる充実を図っていく。
<住民自治活動の課題解消に向け>
本年度から本格的に実施している「住民自治リフレッシュプロジェクト」では、住民参加のワーキンググループによる検討会の開催や地区活動支援担当が主体となり、地域の課題分析のための地区ドックを開始し、住民と行政とのまちづくりの仕組みの見直しに向けた取組を進めている。
また、中山間地域の担い手不足等の課題解決に向けて、中山間地域のあり方研究会において、関係する住民自治協議会と共に人的支援策の検討を進めている。
<(仮称)茶臼山スケートパーク>
旧茶臼山市民プール跡地を活用した(仮称)茶臼山スケートパークは、9月中の整備完了予定。本定例会での条例改正案の議決を経た上で、10月14 日オープンとしたい。
<新たな産業団地>
エムウェーブ南で進めている官民連携による産業用地開発について、8月、造成工事に着手した。また、企業立地推進に向け、「長野市産業立地ビジョン」を早期に策定し、経済基盤の強化や都市の活力を高めるため、取組進めていく。
等となります。来週からの個人質問、その後、開かれる各常任委員会において審議が行われることとなりますが、私もしっかり準備をして臨んでまいります。
<政治倫理審査会>
初日の本会議終了後、2回目となる政倫審が開催されました。私も委員を務めておりますが、審査請求した3議員よりその理由等について説明がありました。
これまで議会運営委員会において、これまでの経緯や詳細について議論を行ってまいりましたが、詳細な事実確認について曖昧な点等があったことから、今後、審査会の中での議論を通じ、内容を確認していきたいと思います。
昨年の市議選から1年が経とうとしています。この1年、これまで以上に慌ただしい毎日を過ごしていますが、多くの方々から激励賜り、貴重なご意見を届けていただき、また、苦し時には助けていただき、感謝しています。これからも、全力投球で邁進してまいります。
~6月定例会 一般質問のお知らせ~
次のとおり、私、鈴木洋一は、6月定例会一般質問(個人質問)で登壇します。
質問項目
1.河川整備について
(1)更北管内における犀川・千曲川の現状と課題について
(2)砂州と樹林化について
(3)水害リスクの共有と減災に向けた活動
2.洪水時における避難場所等の選定・開設について
(1)緊急指定避難場所・指定避難所の選定基準について
(2)自主避難所について
日 時:2024年 6月19日(水)13:25頃~(概ね25分間)
場 所:長野市役所第一庁舎8階(本会議場)
ご都合付けて、お越しいただければ幸いです。よろしくお願いします。
尚、市議会インターネット中継、ケーブルテレビでの放映もあります。
令和6年長野市議会6月定例会が去る6月13日(木)開会し、28日(金)までの16日間の会期となります。今定例会に上程された、令和6年度長野市一般会計予算(案)、条例改正(案)等について審議が行われます。
まず、補正予算(案)について、総額53億34、185千円 (補正後の総額1、703億64、190千円)となり、その主な内容は、
・ながのこども館管理運営事業費87、115千円(開館予定:令和6年7月28日(日))
・定額減税を補足する給付金 29億91、878千円(全額、地方創生臨時交付金)
国の経済対策に基づき実施される所得税及び個人住民税の定額減税の実施に併せて、定額減税しきれないと見込まれる者に対する調整給付に要する経費(支給開始:9月中旬予定)
・住民税非課税世帯等価格高騰重点支援給付金 7億82、000千円(全額:地創交付金)
物価高騰による家計負担を軽減するため、令和6年度に新たに住民税非課税世帯等となった低所得世帯に対する給付金(支給開始:8月上旬予定)
・災害復旧1億73、050千円)
4月9日に発生した大雨により、被災した施設等の復旧に要する経費(農業20、000千円、林業21、000千円、道路81、000千円、道路・河川51、050千円)
・書かない窓口推進事業60、918千円
マイナンバーカードを活用した申請書自動作成システム導入に要する経費(R7、1導入予定)
・新型コロナウイルスワクチン定期接種事業9億73、122千円
65歳以上の高齢者等の定期接種実施に要する経費(自己負担額:1800円)
・多子世帯等保育料軽減事業63、538千円
3歳未満児の保育料軽減に要する経費の増額(R6.4分から遡及適用)
多子世帯・・第3子以降無償化(拡充)、第2子2分の1軽減(新規)
低所得世帯・・第1子2分の1軽減(新規)、第2子無償化(新規)
等となります。
そのうち、ながのこども館管理運営事業費87、115千円やながのこども館に関する条例の改正案について、開館日を7月28日としていることから、初日採決という慌ただしさを感じ得ない審議が行われました。
ながのこども館は、上述のとおり、7月28日(日)開館を予定しており、開館初年度、つまり、今年度は、より多くの子ども達に施設の魅力を体験してもらうとともに、まずは、「安全の確保」及び「円滑な利用」に十分配慮した運営を行うことを重点方針としています。
そうしたことから、市は安全管理と混雑対策として、予約制で、館内の回遊を2時間程度(時間帯を9:30~11:30、12:30~14:30、15:00~17:00)と区切り、かつ、入替制とし、入場者数を制限し、以降、状況を見ながら順次検討する、としています。
「安全の確保」や「円滑な利用」、また、「安全管理」と「混雑対策」を図ることは施設運営においては至極当たり前のことだと考えます。他方、これから現場では、開館日に間に合うよう、様々な準備が進められていくこととなります。私たちの会派には、人員確保の見通しが立っていない中、「安全の確保」、「円滑な利用」、「安全管理」、「混雑対策」に加えて、来館者に満足していただけるサービス提供を行う上で懸念している、とのご意見が届けられています。それは、開館日が唐突に決められてしまった、準備が不十分な中、開館日ありきで市が進めてきたのではないか、との疑念を生じさせています。こうしたことから、開館日を多少、遅らせてでも、万全な準備の下、開館したほうが良いのではなか、ということで、この補正予算案には反対をいたしました。
最近、こうした結論ありきでの市の進め方に対し、市民の方からご意見をいただく機会が増えた、と感じます。例えば、以前のブログでもご報告した「社会体育館有料化」についてです。これも、いきなり新聞報道で案とはいえ、具体的な料金が示され、その示された額があまりにも高い、といった印象を与える等、丁寧かつ慎重な議論を経たものとは言い難いものでありました。
私たち議会の大きな役割は、行政の監視機能です。市民の方が疑問に思うことや市の姿勢に納得されない事項については、議場にてその意をしっかり示していくことが必要だと思います。
今週前半、長野市議会総務委員会による行政視察に行ってまいりましたので、内容についてご報告いたします。
令和6年5月20日(月)東京都墨田区
「墨田区シティプロモーション戦略プラン」について
<特長>
墨田区は第1期広報広聴戦略プランを策定し、平成28年4月から令和4年3月まで第1期のシティプロモーションに関する取り組みを進め、令和4年4月から第2期プランに基づき、現在、取り組みを進めている。
平成27年に就任した新区長による積極的な取り組みにより、シティプロモーションが重要事項と位置付けられ、更に、平成31年に開催された外部委員を含めた有識者会議において、第1期で掲げた目標「暮らし続けたいまち、働き続けたいまち、訪れたいまち」等といった一般論に基づいた考え方から、「区民、また、区職員が自分たちのまちに自信と誇りを持ち、発信していく」という“地域力日本一“を目指す、ことを目標に捉える方向へと転換が行われ、今日に至っている。
地域力日本一を目指す上で、「シビックプライドとスタッフプライドの醸成」の強化が図られており、シビックプライドの醸成では、フォトコンテスト、千葉大学写真部との連携、伝え合いラボ、中学生議会の事業に加え、墨田区の良さを区民自身が認識し、情報発信していくことに力点が置かれ、スッタフプライドの醸成では、庁内において、SNSやチラシ、動画の作成等の研修を重ね、職員全員で広報できる組織体制を構築している。
<所感>
第2期に掲げた方針、目標の背景には、平成27年度比で人口が1.6万人増、また、東京スカイツリーや国技館、また、大花火大会等、定住人口のみならず観光客数の増加等、従来から墨田区が持っている強みを認識するとともに、これからのまちづくりに必要なことを正確に捉えていることに他ならない、と推察する。
このような強みを認識しているからこそ、シティプロモーションを進めていく上で、現在の課題や明確な目標、つまり、自分たちが住んでいるまちに一人一人が誇りと自信を持つことの重要性を共有することで、具体的な施策の展開が図られていると受け止めた。
シティプロモーションや都市ブランディング等、言葉だけが独り歩きする形式的な取り組みではなく、重視すべき点は、住民が自信と誇りを持つことによって、持続可能なまちづくりに貢献できる取り組みを進めていくことだ、再認識した。
令和6年5月21日(火)茨城県つくば市
つくばスマートシティ協議会「新たな投票方法導入の取り組み」について
<特長>
つくば市は、2022年4月、「スーパーシティ型国家戦略特別区域」に指定された。スーパーシティやスマートシティには「未来をつくる」、「地域の課題解決」の2つの軸とされているが、同市は後者の視点から出発し、各種施策を展開している。
課題として「都市と郊外の二極化」、「多文化共生の不備」、「都市力の低下」、「市民と科学技術の乖離」の4つをあげ、それぞれの問題にアプローチし、解決を図るため6つの分野として、「移動・物流」、「行政」、「医療」、「防災・インフラ」、「デジタルツイン・まちづくり」、「オープンハブ」と整理し、社会実装、実験及び検証を重ね、課題の解消に向け取り組んでいる。
先述のように、つくば市の特長は、より地域社会や住民の近くにある技術の実験を通し問題にアプローチしていくことにあり、地域の課題解決として捉えられている項目の一つとして「インターネット投票」があり、投票に関する課題、「投票に行きたくても行けない人達に向けた対策」として、明確に位置付けている。
これまで、マイナンバーカードを活用した技術検証を重ね、2022年に14、000人規模の模擬住民投票を実施した。本人確認含めセキュリティー上の課題、公正性と信頼性の向上、新たな課題等への対策を含め、投票機会の確保への取り組みを進めている。
しかし、現行法で定められている「自ら投票所に行く」、「投票用紙への自書による投票」、「投票管理者および投票立会人の設置」といった規制により、インターネット投票の実現が適わない状況であるが、つくば市は、法改正の必要性と、直ぐに実行できる体制の構築を進めている。
こうした現実的な問題はあるものの、投票に行きたくても行けない人たちの投票機会の確保への取り組みとして「オンデマンド型移動期日前投票所」実施に向け準備中。2024年1月23日から27日、つくば市内の2地域で18歳以上862人を対象に、「自宅巡回投票所」及び「移動投票所送迎」を試行した。本年秋に予定されている市長・市議会議員選挙時には、オンデマンド型移動期日前投票所の運用により、移動困難者や障害者等がより投票しやすい環境をつくり、つくば市が直面している課題の解消に向けた準備を進めている。
<所感>
スーパーシティへの取り組みについて、地域課題解決を軸に進めている点は評価したい。また、この視点が重要なことだと再認識するに至った。特に「移動・物流」については、つくば市のインターネット投票やオンデマンド型移動期日前投票所はその一つであるとともに、例えば、高齢者等が直面している買物や通院等といった日常生活を送る上で必要となる移動手段の確保への対応等について、本市が我がごととして、つくば市の取り組みを検証、また、参考としていく必要がある。
インターネット投票の実施には法改正等の必要性から困難な側面がある一方で、オンデマンド型投票により投票機会を確保するために、課題を明確化し、運用に向け取り組んでいる姿勢は、地域課題に真摯に向き合いながら、施策を展開している表れであると受け止めた。
令和6年5月22日(水)千葉県松戸市
ちば北西部消防指令センター 消防通信指令業務の共同運用について
<特長>
消防通信指令業務の共同運用について、令和3年2月より松戸市を含め10市、管轄人口は256万人にて運用が始まった。
平成17年9月、消防庁次官通知により、県が主導した形で協議会が設立され、平成20年に千葉県内を2つのブロック(千葉市グループ、松戸市グループ)に分け整備することとなった。
平成23年4月、松戸市を含む北西部の6市による新たな協議会が設立され、平成25年、6市での共同運用が始まるとともに、第2期整備に向けた調査研究が始まった。平成27年、共同運用の計画書が示され、平成32年(令和2年)度に北西部10市での共同運用を目指す方向性が示された。令和元年、共同整備に関する業者との契約が締結され、また、令和2年度、共同運用に参画する各市消防本部での個別整備に関する契約が締結され、令和3年2月、10市による通信指令業務の共同運用が始まり、今日に至っている。
共同運用は、松戸市が代表自治体となりNEC製の設備を10年間のリース契約を結んでおり、また、各消防本部での設備においてもNEC製を利用している。ちなみに、各消防本部における個別整備とは、車両内のモニター等の通信システム、庁舎内の通信システム等であり、保守点検などにおいて、迅速な対応が可能となっている。
共同運用に関する予算は23億円で、松戸市に対し、他9市は負担金として松戸市に対し支出している。負担割合は人口割90%、均等割10%で、個別整備については各市100%負担する取り決めとなっている。
共同運用によりメリットとして、小規模の通信システム10基を各々で運用するより、大規模なシステム1基での運用の方が10市全体への貢献度が高く、コストの抑制や職員の適正配置等、各消防本部、それぞれの相乗効果として表れている。
他方、デメリットとして、各消防本部からの派遣職員により構成されていることから、各消防本部での人事異動等の配置換えにより、安定した業務の継続等の課題がある。しかし、研修制度等を充実させることで、業務に影響が及ばないよう取り組みを進めている。
<所感>
10市での共同運用までの経緯について、消防本部同士の調整等において困難な面もあったようだが、概ね順調に今日に至っているものと受け止めた。共同運用による最大のメリットは、上述のように、10年間のリース契約により、整備費、維持管理費等の費用について、各消防本部が独自で運用した場合と比べ、30%ほどの削減効果を推定している、とのことに加え、適正な職員配置が可能となるなど、市民の安全安心への貢献は大きなものであると考える。
現在、長野市と須坂市での通信指令業務の共同運用に向け、準備が進められているが、ちば北西部消防指令センターの通信指令業務の共同運用の状況から、経費の面に加え、職員の適正配置が、より市民の安全安心に繋がるものとなること、更に、長野及び須坂の両市消防本部の業務力向上に資する取り組みに向け、期待を持つに至ったものとなった。
以上です。人口減少や少子高齢化の進展により、各地方自治体では様々な課題に直面し、また、今後、更なる課題を抱えることが考えられます。今回の視察を通して、改めて感じたことは、将来のため、という概念も必要ですが、将来のために、今、日常生活を送っている市民等が、今の生活や住んでいる地域、自治体に愛着や誇り、自信を持つことが重要なことだと思います。例えば、将来のために、ということで、今を生きる人たちに悪影響を及ぼすことが、本当に将来のためになるのか、また、今満足できない、期待していない状況で、愛着や自信、誇りを持つことができるだろうか、と考えます。将来を見据えるうえで大事なのは、墨田区ではありませんが、シビックプライドの醸成に繋がるような環境整備が必要だと思います。
令和6年度の幕が開きました。「長野市の強みを活かした未来への戦略的な投資」という基本方針に基づきながら、様々な事業が進められていきます。それぞれの進捗等、引き続き、確認してまいります。
そうした中、最近、多くの方々からご意見を届けていただいているのが、長野市の社会体育館有料化についてです。
はじめに、長野市の社会体育館の現状ですが、市内には32の社会体育館があります。長野市は、老朽化が進んでおり、その対策などの費用が増加し、適宜対応できるだけの財源確保が見込めない、また、近年の温暖化によりエアコン設置の要望が激増している、維持管理、老朽化対策、機能向上等、現在直面している課題への対策等を先送りせざるを得ない状況である、としています。
長野市は、社会体育館を存続させ、利用者と協力しながら、多くの人が快適で安全に使える体育館としたい、と考えており、設備や運営管理を維持しつつ、利用者負担を充てることで社会体育館の利便性や施設全体の環境を向上していきたいとの方向性を示しています。
そこで、肝心な利用者の負担についてですが、長野市は、平成20年7月に「行政サービスの利用者の負担に関する基準」を策定しており、基本的な考え方として、市が提供する様々なサービスに要する費用は、市民からの税金によって市民全体で負担としていますが、特定の人だけが利用するサービスの場合、利用する人としない人との間に税負担の不公平が生ずることになることから、公平性が確保され、市民全体で納得できるものとするために、サービスを利用した人に利用することによって受ける利益に応じて負担を求めていくことを原則とする、としています。
更に、同基準の中で社会体育館について、市が公益的な目的から提供するサービスで、市民や社会全体にサービスの効果・利益が及ぶ半面、利用者が限定されるものや利用者個人にサービスの効果・利益が留まる部分も多く、公益・私益の両方を併せ持つため、利用者と税で負担を分け合うべき、とし、負担割合の考え方を利用者と税で折半としています。
平成28年2月に開催された「平成27年度第3回長野市スポーツ審議会」において、社会体育館の有料化について議論があったようですが、その時点では、料金徴収によって人員等の新たなコストが生じることから当面は現行のとおり無料とする、とされましたが、コストを抑えた料金徴収の新たな手法の可能性が見えてきたことで、有料化の議論を進めている、ということです。
長野市が試算している社会体育館使用料は、市内32の社会体育館の1年あたりのコストを施設機能向上・施設老朽化対策・維持管理で、3億1、095万5千円としており、この額を年間コマ数で割った基準コストを算出すると、5、400円から7、000円となり、利用者と税で負担を折半すると、標準的な体育館の場合、1利用(1コマ2時間)あたりの使用料は、2、700円から3、500円と試算しています。
令和4年度に行った「社会体育館利用者アンケート」によると、現在、利用人数で最も多いのは「5~9人」43.7%、「10~14人」33.3%で10人前後の利用が77%であるとのことです。私のもとに寄せられるご意見の中に、「普段3~5人で卓球をしている」、「7~8人で運動をしている」、何れも高齢者の方からですが、示された額(案)であれば、個人の負担が大きくなり、これまでどおりの活動ができなくなる、とのものでした。
また、4月6日付信濃毎日新聞の中で利用者の声として「サークル活動に影響が出る」との切実な声が上がっている、との報道がありました
ちなみに、長野市を含む中核市の社会体育館の利用者負担の状況は、有料が13市(76%)、無料4市(24%)、県内市では12市すべてが有料とのことですが、県内市の昼間2時間あたりの平均使用料は1、328円であることを踏まえると、長野市が試算した利用料は高い、と言わざるをえないと考えます。
そこで、改めて、「行政サービスの利用者の負担に関する基準」をみてみますと、使用料の見直しについて、「積極的な利用促進など、利用率、施設の稼働率向上を図るための取り組みによる収入増加とコスト削減の具体的な目標を定めるとともに、利用者の負担増加を最小限に抑制したうえで、負担を求める」としており、また、「昼間・夜間、平日、祝祭日、大人・子どもなど利用時間や利用対象者による料金は、利用実態、利用者の要望等を勘案」とあり、更に、「利用者に新たな負担を求める場合は、急激な負担増加とならないよう、負担割合の2分の1を上限とし、3年後に再度見直しを行う」といった激変緩和措置の必要性が明記されています。
これらのことを踏まえ、長野市スポーツ部と議論いたしましたが、その際に分かったことは次の通りです。
1.現在示しているのはあくまで案であり、審議会で議論を行っているところ。
2.使用料等、今後、様々な意見を聴きながら検討していく。
3.案で示されている使用料は体育館の1面を基本としているが、例えば、1面分を2分割、3分割で使用の場合は、それぞれ使用料は、2分の1、3分の1となる。
4.令和6年6月~9月に、スポーツ推進審議会、利用者意見聴取を行い、10月に使用料を決定し、令和7年度の有料化を予定。
ということです。令和6年度の長野市の行財政運営を進めていく上での基本方針「長野市の強みを活かした未来への戦略的な投資」からすると、まず、長野市は32もの社会体育館を持っており、実に多くの市民にご利用いただいていることを長野市の強みであると改めて認識すべきです。更に、数多ある社会体育館が市民の健康増進に多大な貢献をしていることから、積極的な投資が必要で、最も重要なのは、利用者たる市民の負担を抑制することが戦略的な投資であると捉えることだと、考えます。
今後、スポーツ推進審議会、利用者からのご意見等を踏まえ、有料化に関し議論が進んでいくことになりますが、私も様々なご意見をお聴きしながら、長野市社会体育館の利用促進、利用率、施設の稼働率向上、そして、誰もが気軽に、安心して利用できる社会体育館とすべく取り組んでまいります。
令和6年度の幕が開きました。「長野市の強みを活かした未来への戦略的な投資」という基本方針に基づきながら、様々な事業が進められていきます。それぞれの進捗等、引き続き、確認してまいります。
そうした中、最近、多くの方々からご意見を届けていただいているのが、長野市の社会体育館有料化についてです。
はじめに、長野市の社会体育館の現状ですが、市内には32の社会体育館があります。長野市は、老朽化が進んでおり、その対策などの費用が増加し、適宜対応できるだけの財源確保が見込めない、また、近年の温暖化によりエアコン設置の要望が激増している、維持管理、老朽化対策、機能向上等、現在直面している課題への対策等を先送りせざるを得ない状況である、としています。
長野市は、社会体育館を存続させ、利用者と協力しながら、多くの人が快適で安全に使える体育館としたい、と考えており、設備や運営管理を維持しつつ、利用者負担を充てることで社会体育館の利便性や施設全体の環境を向上していきたいとの方向性を示しています。
そこで、肝心な利用者の負担についてですが、長野市は、平成20年7月に「行政サービスの利用者の負担に関する基準」を策定しており、基本的な考え方として、市が提供する様々なサービスに要する費用は、市民からの税金によって市民全体で負担としていますが、特定の人だけが利用するサービスの場合、利用する人としない人との間に税負担の不公平が生ずることになることから、公平性が確保され、市民全体で納得できるものとするために、サービスを利用した人に利用することによって受ける利益に応じて負担を求めていくことを原則とする、としています。
更に、同基準の中で社会体育館について、市が公益的な目的から提供するサービスで、市民や社会全体にサービスの効果・利益が及ぶ半面、利用者が限定されるものや利用者個人にサービスの効果・利益が留まる部分も多く、公益・私益の両方を併せ持つため、利用者と税で負担を分け合うべき、とし、負担割合の考え方を利用者と税で折半としています。
平成28年2月に開催された「平成27年度第3回長野市スポーツ審議会」において、社会体育館の有料化について議論があったようですが、その時点では、料金徴収によって人員等の新たなコストが生じることから当面は現行のとおり無料とする、とされましたが、コストを抑えた料金徴収の新たな手法の可能性が見えてきたことで、有料化の議論を進めている、ということです。
長野市が試算している社会体育館使用料は、市内32の社会体育館の1年あたりのコストを施設機能向上・施設老朽化対策・維持管理で、3億1、095万5千円としており、この額を年間コマ数で割った基準コストを算出すると、5、400円から7、000円となり、利用者と税で負担を折半すると、標準的な体育館の場合、1利用(1コマ2時間)あたりの使用料は、2、700円から3、500円と試算しています。
令和4年度に行った「社会体育館利用者アンケート」によると、現在、利用人数で最も多いのは「5~9人」43.7%、「10~14人」33.3%で10人前後の利用が77%であるとのことです。私のもとに寄せられるご意見の中に、「普段3~5人で卓球をしている」、「7~8人で運動をしている」、何れも高齢者の方からですが、示された額(案)であれば、個人の負担が大きくなり、これまでどおりの活動ができなくなる、とのものでした。
また、4月6日付信濃毎日新聞の中で利用者の声として「サークル活動に影響が出る」との切実な声が上がっている、との報道がありました
ちなみに、長野市を含む中核市の社会体育館の利用者負担の状況は、有料が13市(76%)、無料4市(24%)、県内市では12市すべてが有料とのことですが、県内市の昼間2時間あたりの平均使用料は1、328円であることを踏まえると、長野市が試算した利用料は高い、と言わざるをえないと考えます。
そこで、改めて、「行政サービスの利用者の負担に関する基準」をみてみますと、使用料の見直しについて、「積極的な利用促進など、利用率、施設の稼働率向上を図るための取り組みによる収入増加とコスト削減の具体的な目標を定めるとともに、利用者の負担増加を最小限に抑制したうえで、負担を求める」としており、また、「昼間・夜間、平日、祝祭日、大人・子どもなど利用時間や利用対象者による料金は、利用実態、利用者の要望等を勘案」とあり、更に、「利用者に新たな負担を求める場合は、急激な負担増加とならないよう、負担割合の2分の1を上限とし、3年後に再度見直しを行う」といった激変緩和措置の必要性が明記されています。
これらのことを踏まえ、長野市スポーツ部と議論いたしましたが、その際に分かったことは次の通りです。
1.現在示しているのはあくまで案であり、審議会で議論を行っているところ。
2.使用料等、今後、様々な意見を聴きながら検討していく。
3.案で示されている使用料は体育館の1面を基本としているが、例えば、1面分を2分割、3分割で使用の場合は、それぞれ使用料は、2分の1、3分の1となる。
4.令和6年6月~9月に、スポーツ推進審議会、利用者意見聴取を行い、10月に使用料を決定し、令和7年度の有料化を予定。
ということです。令和6年度の長野市の行財政運営を進めていく上での基本方針「長野市の強みを活かした未来への戦略的な投資」からすると、まず、長野市は32もの社会体育館を持っており、実に多くの市民にご利用いただいていることを長野市の強みであると改めて認識すべきです。更に、数多ある社会体育館が市民の健康増進に多大な貢献をしていることから、積極的な投資が必要で、最も重要なのは、利用者たる市民の負担を抑制することが戦略的な投資であると捉えることだと、考えます。
今後、スポーツ推進審議会、利用者からのご意見等を踏まえ、有料化に関し議論が進んでいくことになりますが、私も様々なご意見をお聴きしながら、長野市社会体育館の利用促進、利用率、施設の稼働率向上、そして、誰もが気軽に、安心して利用できる社会体育館とすべく取り組んでまいります。
去る3月19日、令和6年長野市議会3月定例会が議了となりました。今定例会に上程されたすべての議案について、原案通り可決となり、新年度に向け、準備が進められることとなります。
定例会最終日の午前に本会議が開かれ、各常任委員会委員長より、それぞれの委員会での審査の結果につき、報告がありました。
それらの報告を受け、同日午後、本会議が再開され、各議案についての質疑、討論及び採決が行われ、私は、議案第2号「令和6年度一般会計予算案」について、賛成の討論をしましたので、ご報告いたします。
改革ながの市民ネット 鈴木洋一でございます。
議案第2号「令和6年度一般会計予算案」に賛成の立場から討論を行います。
初めに、能登半島地震において、犠牲となられた方々に哀悼の意を表しますとともに、心からお悔やみ申し上げます。また、被災に合われ、今この瞬間も懸命に困難に立ち向かっておられる方々にお見舞いを、そして、被災地支援のため、現地でご尽力されているすべての皆様に感謝を申し上げます。
私たち改革ながの市民ネットは、3人の会派ですが、昨年11月、市長に「令和6年度に向けた予算編成・施策に対する要望書」をお渡したところ、今般、多数の項目にわたり、予算案に反映されておりました。改めて、敬意を表します。
市長は、本定例会初日の施政方針の中で、令和6年度予算案の基本方針として掲げた「長野市の強みを活かした未来への戦略的な投資」に基づき、「将来を担う子どもたちの成長に向けた取組、地域経済・農業振興、スポーツによるまちづくり、移住・定住の促進などに予算を重点配分した」と述べられましたが、「長野市の強みを活かした未来への戦略的な投資」という市長のメッセージに、賛同し、触発されました。
そこで、内容を具体的にみてみると、歳出面では、濃淡はあるものの、こども誰でも通園制度試行の3千160万2千円、福祉医療費対象拡大9.3億円、親元就農者支援1、920万円、使用済みおむつの自園処理推進1、029万8千円、川中島古戦場史跡公園周遊拠点整備500万円、地域人材育成プロジェクト1億1、265万円、売れる農業推進2、704万3千円、第2災害支援ターミナル整備1、048万4千円等であり、
歳入面では、国・県支出金が前年度12億円増の358.6億円、地方交付税交付金が前年度6.7億円増の222.7億円等の財源を確保しており、市民ニーズに大いに貢献するものと期待していますが、基本方針に関連して、2点申し上げます。
まず、1点目は、キーワードとなっている「未来への戦略的な投資」についてです。未来投資を私なりに解釈すると、「箱物ではなく、まちのあるべき姿」、つまり、「ビジョン」であると考えます。そうであるならば、その実現に向け最も大切なのは職員や市民との理念共有です。
すべての市職員が市長の基本理念・メッセージを共有し、将来を見据え、市内外から選ばれる都市となるために、前例にとらわれない柔軟な発想により、チャレンジする、気概を持つことです。
また、オールナガノで「投資」を行う、というのは、市民と一緒に作り上げるということを意味しているのであるから、これまで以上に多くの市民と対話の機会を作る必要があると考えます。
いずれにおいても大切なのは、コミュニケーションを深めることによる理念共有です。
2点目は「未来への投資に向けた3つの柱」についてです。
テーマ1の「子どもの夢を育てる」は、公教育に加え地域全体で、リーダーになるための人材育成に取り組み、世界を目指す若者を輩出する教育都市になること、
テーマ2、「スポーツによるまちづくり」では、オリンピック施設等を活用し、日本で一番、医療費のかからない健康増進都市となること、
テーマ3、「チャレンジできるまち」では、家族経営を含むすべての農業者が生き生きと働けるための直売所体制網の構築などにより、地産地消都市となること、
そしてテーマ4、「長野を発信」では、「長野市に行ってみたい、見てみたい、食べてみたい、学んでみたい」を目指し、地域産業と融和する観光都市となること。
といったような柔軟なアイデアで政策展開をされることを期待したいと思います。
令和6年度予算編成の基本方針「長野市の強みを活かした未来への戦略的な投資」は、3つの柱実現に向けた重要なメッセージです。
私たちは、この理念を共有しつつ、行政監視機能による問題点や課題の指摘、また、政策提案を行うことにより、「幸せ実感都市ながの」の実現に向けて、共に汗を流すことを表明し、私の賛成討論といたします。
以上です。ここにきて、日本銀行のマイナス金利政策の解除とイールドカーブ・コントロール撤廃というニュースがありました。マイナス金利政策について、これまで、期待されたような効果を上げられたのか等、様々な議論が重ねられてきました。いずれにしても、政府・日銀には適切な対応により、社会の安定に資する政策展開を期待したいと思います。
国の政策は地方自治体に大きな影響を与えますが、長野市は令和6年度の予算執行と施策の展開により、賛成討論で述べたように、「幸せ実感都市ながの」の実現に向け、取り組みを続けていかなければなりません。私も、一層邁進してまいります。
去る3月19日、令和6年長野市議会3月定例会が議了となりました。今定例会に上程されたすべての議案について、原案通り可決となり、新年度に向け、準備が進められることとなります。
定例会最終日の午前に本会議が開かれ、各常任委員会委員長より、それぞれの委員会での審査の結果につき、報告がありました。
それらの報告を受け、同日午後、本会議が再開され、各議案についての質疑、討論及び採決が行われ、私は、議案第2号「令和6年度一般会計予算案」について、賛成の討論をしましたので、ご報告いたします。
改革ながの市民ネット 鈴木洋一でございます。
議案第2号「令和6年度一般会計予算案」に賛成の立場から討論を行います。
初めに、能登半島地震において、犠牲となられた方々に哀悼の意を表しますとともに、心からお悔やみ申し上げます。また、被災に合われ、今この瞬間も懸命に困難に立ち向かっておられる方々にお見舞いを、そして、被災地支援のため、現地でご尽力されているすべての皆様に感謝を申し上げます。
私たち改革ながの市民ネットは、3人の会派ですが、昨年11月、市長に「令和6年度に向けた予算編成・施策に対する要望書」をお渡したところ、今般、多数の項目にわたり、予算案に反映されておりました。改めて、敬意を表します。
市長は、本定例会初日の施政方針の中で、令和6年度予算案の基本方針として掲げた「長野市の強みを活かした未来への戦略的な投資」に基づき、「将来を担う子どもたちの成長に向けた取組、地域経済・農業振興、スポーツによるまちづくり、移住・定住の促進などに予算を重点配分した」と述べられましたが、「長野市の強みを活かした未来への戦略的な投資」という市長のメッセージに、賛同し、触発されました。
そこで、内容を具体的にみてみると、歳出面では、濃淡はあるものの、こども誰でも通園制度試行の3千160万2千円、福祉医療費対象拡大9.3億円、親元就農者支援1、920万円、使用済みおむつの自園処理推進1、029万8千円、川中島古戦場史跡公園周遊拠点整備500万円、地域人材育成プロジェクト1億1、265万円、売れる農業推進2、704万3千円、第2災害支援ターミナル整備1、048万4千円等であり、
歳入面では、国・県支出金が前年度12億円増の358.6億円、地方交付税交付金が前年度6.7億円増の222.7億円等の財源を確保しており、市民ニーズに大いに貢献するものと期待していますが、基本方針に関連して、2点申し上げます。
まず、1点目は、キーワードとなっている「未来への戦略的な投資」についてです。未来投資を私なりに解釈すると、「箱物ではなく、まちのあるべき姿」、つまり、「ビジョン」であると考えます。そうであるならば、その実現に向け最も大切なのは職員や市民との理念共有です。
すべての市職員が市長の基本理念・メッセージを共有し、将来を見据え、市内外から選ばれる都市となるために、前例にとらわれない柔軟な発想により、チャレンジする、気概を持つことです。
また、オールナガノで「投資」を行う、というのは、市民と一緒に作り上げるということを意味しているのであるから、これまで以上に多くの市民と対話の機会を作る必要があると考えます。
いずれにおいても大切なのは、コミュニケーションを深めることによる理念共有です。
2点目は「未来への投資に向けた3つの柱」についてです。
テーマ1の「子どもの夢を育てる」は、公教育に加え地域全体で、リーダーになるための人材育成に取り組み、世界を目指す若者を輩出する教育都市になること、
テーマ2、「スポーツによるまちづくり」では、オリンピック施設等を活用し、日本で一番、医療費のかからない健康増進都市となること、
テーマ3、「チャレンジできるまち」では、家族経営を含むすべての農業者が生き生きと働けるための直売所体制網の構築などにより、地産地消都市となること、
そしてテーマ4、「長野を発信」では、「長野市に行ってみたい、見てみたい、食べてみたい、学んでみたい」を目指し、地域産業と融和する観光都市となること。
といったような柔軟なアイデアで政策展開をされることを期待したいと思います。
令和6年度予算編成の基本方針「長野市の強みを活かした未来への戦略的な投資」は、3つの柱実現に向けた重要なメッセージです。
私たちは、この理念を共有しつつ、行政監視機能による問題点や課題の指摘、また、政策提案を行うことにより、「幸せ実感都市ながの」の実現に向けて、共に汗を流すことを表明し、私の賛成討論といたします。
以上です。ここにきて、日本銀行のマイナス金利政策の解除とイールドカーブ・コントロール撤廃というニュースがありました。マイナス金利政策について、これまで、期待されたような効果を上げられたのか等、様々な議論が重ねられてきました。いずれにしても、政府・日銀には適切な対応により、社会の安定に資する政策展開を期待したいと思います。
国の政策は地方自治体に大きな影響を与えますが、長野市は令和6年度の予算執行と施策の展開により、賛成討論で述べたように、「幸せ実感都市ながの」の実現に向け、取り組みを続けていかなければなりません。私も、一層邁進してまいります。
長野市議会3月定例会は、今定例会に上程された議案の審議について、先週(7日)から各常任委員会で審議されております。私が所属する総務委員会は、7~8日及び明日の11日、3日間の開催です。
さて、3月1日に一般質問で登壇しました。議事録を掲載いたします。
鈴木:農業振興のうち直売所の充実による販売力強化について伺います。
令和6年度予算案における農林業費は、名古屋市での物産展開催、本市産食材を使用したホテルとの連携などによる売れる農業の推進の取組と、対象年齢を50歳未満まで引き上げる親元就農者支援の拡大や新規事業であるヘーゼルナッツ振興などの生産支援強化策を柱に、今年度比で1,000万円、0.4%増の23.4億円を計上するなど、積極果敢な姿勢が表れていることに敬意を表します。
しかし、令和4年度から8年度までを計画期間としている第2期長野市農業振興アクションプランは、農産物直売所を新鮮な地元農産物を求める市民ニーズに対応しており、地産地消につながっている、また、直売所売上額は増加していると評価していることから、本市農業の販売力強化に直売所の充実は欠かせないものと考えます。
現在、果樹農家の販売方法は、共販による市場出荷や贈答品を中心とした直接販売が主流ですが、商品化率の問題や物流コストの増嵩等で厳しい状況に置かれているため、園地の近くで販売できる直売所の存在は、多くの農業者が望んでいる販売形態だと考えます。
令和6年度予算編成基本方針、長野市の強みを生かした未来への戦略的投資における売れる農業推進策の一つとして、本市の農業振興に寄与する直売所の充実を求めたいと思います。
例えば、新たに本市に所在する直売所やインショップのマップやリストを作成することで、そこに行けば地域の特色を持った取れたての新鮮な旬の地元農産物が手に入ることが理解され、市民にとどまらず観光客を引きつけることができるのではないでしょうか。直売所の充実拡大、組織化は、観光産業と連携した農業の販売力強化の観点から戦略的な投資と考えますが。
農林部長:農産物の直売所は、新鮮な旬な果樹や野菜がそろい、生産者と消費者を結びつける施設として市内外から多くのお客様が訪れ、地元農産品のPRや消費拡大につながっております。
本市の直売所に関する支援といたしましては、昨年実施したまるごと長野市や農業フェアなど、物販を伴うイベントへの出店サポートを行うとともに、長野市地産地消推進協議会が作成する「おいしいながのガイドブック」において市内の直売所を紹介しております。このようなガイドブックを作成して、配布をしているところでございます。
また、このガイドブックで紹介するだけでなく、直接直売所へ足を運んでいただけるよう市内14の直売所などを巡るスタンプラリーを実施いたしました。
さらに、本年度は新たな取組としてガイドブックに加えインスタグラムを活用し、ホームページとリンクをさせながら、スタンプラリーに参加しやすいよう直売所の所在地や販売品目などの詳細な情報を発信いたしました。その結果、スタンプラリー参加者の約2割は市外の在住者となり、遠くは和歌山県から参加されるなど幅広い誘客につながりました。
また、スタンプラリー参加者に農産品をプレゼントする企画への応募を、従来の郵送方法に加え、本年度から電子申請での受付を始めた結果、20代の方からの応募が増えるなどの効果がございました。
さらに、こうした誘客支援だけでなく、農業法人や農業者団体自らが行う直売所の販売促進に関する支援制度もございますので、具体的な事業の相談に対応してまいりたいと考えております。
今後も、市民だけでなく、市外からの観光客、また、若年層を含めた幅広い世代の方が直売所を訪れて、地元農産品をお買い求めいただけるような仕組みや取組を実施し、販売力強化につなげてまいりたいと考えております。以上でございます。
鈴木: いろいろなお取組には応援をさせていただきたいと思いますけれども、 2月22日の信濃毎日新聞建設標に市民の方からの投稿がありましたので、少し御紹介をさせていただきたいと思います。
「合併前の村だった頃、国道に面した広場の一角に直売所が建てられた、ということです。過疎化、高齢化の地で人と接することはとてもうれしく、みんなのよりどころとなった、売上げがそれぞれの口座に入るのもうれしい、さらに、畑の荒廃を少なくするに張り合いを感じるようになった、これからも達者で直売所の棚に並べられるものを作ることを楽しみにしている」という投稿です。
やはり直売所の設置がより多くの農業者の皆様方の、いわゆる販売にもつながることだと思いますし、地域の農業振興にもつながっていくことだと思いますので、引き続き直売所の充実に関してお取組をお願いしたいと思います。
その上で戦略的な投資の試みとして、市内の直売所同士が高みを目指し、互いに協力、連携できれば、直売所の収益力向上や小規模農家等を含めた、今も申し上げさせていただいたとおり、農業生産者の販路拡大、さらには市民の農業参画への動機づけにつながる取組となるものと考えます。直売所、関係団体、農業生産者が行政と協力し、直売所協議会を設置してはどうでしょうか。
農林部長:直売所関係団体、農業生産者と行政が協力する協議会につきましては、同様の取組を行う組織といたしまして長野市地産地消推進協議会がございます。
この団体は、平成16年に設立をされ、市内で直売所を運営するJAや主に若手生産者の集まりでございます長野市農業青年協議会、長野商工会議所など、農産物の生産から販売、消費に関わる団体などで構成をされております。
協議会の取組の一つといたしまして、地産地消に取り組む直売所や飲食店などを地産地消協力店として認定をしておりまして、認定した協力店をウェブや紙媒体などによりまして情報発信するとともに、他の協力店や関係団体と連携した取組により相乗的な集客効果が生まれるよう支援を行っているところでございます。
この協力店の認定につきましては、経営規模の大小による条件はないことから、農業者が運営する小規模な直売所であっても、要件を満たせば協力店として認定をしているところでございます。
協力店に認定されることで、物販を伴うイベントへの出店機会が増え、直売所のPRや、さらには収益増加に結びつく可能性も高まると考えております。
今後も引き続き、地産地消協力店の認定制度やそのメリットを生産者に周知し、高みを目指して互いに協力できる体制を整えてまいりたいと考えております。
鈴木:周知を図って、しっかりと取組を深めていただくようにお願いしたいと思います。
次に、地域資源を活用した戦略的な投資について伺います。
長野市都市計画マスタープランが農業的土地利用が主な地区では、農地保全を図るとともに、体験型農業や6次産業化などの農業振興に必要な施設の立地が可能な土地については、その利用を検討するとしていることを踏まえ、本市の強みを生かした未来への戦略的な投資における地域振興、農業振興策について例を挙げて考えたいと思います。
真島地域は、スポーツを軸とした地域振興、農業振興への貢献が期待できるホワイトリングに加え、JA旧共選所跡地、集荷と文化の機能を有した市場団地、さらには地域全体に広がる果樹園地など、豊富な地域資源と多様な強みが集積している地域です。この強みを生かし、スポーツツーリズム、アグリツーリズムの創造や関係人口を目的に長野市の強みを生かした未来への戦略的な投資の観点から、本市資産の有効活用による農業公園の設置や、隣接する地域資源の利活用等について検討できないか。
農林部長:地域の農業や自然環境、また、地域の気候風土が生んだ食文化などの地域資源の活用は、地域活性化のための重要な要素であります。
市内でも、鬼無里地域のエゴマ栽培やエゴマ油作りを通じた農業体験による都市と農村の交流や、戸隠地域の特産であるそばは、食を楽しむだけでなく、そば畑の景観自体が地域資源になるなど、農業と地域振興は密接な関係にございます。
また、篠ノ井有旅地区では、ワイン用ブドウの栽培に加えワイナリーの開業が予定され、今後ワインツーリズムへの広がりも期待されるなど、新たな地域資源を活用した取組も生まれております。
真島地区につきましては、農業が盛んな地域で、信州ブレイブウォリアーズの拠点であるホワイトリングがあり、ホームゲーム開催時には地元農産品を販売するなど、市も側面から支援を行っているところでございます。
また、今後、真島地区の皆様がJAの共選所跡地や地元産果樹などの活用を検討する中で、6次産業化などの考えがございましたら、国の補助制度活用についてサポートするなど、その活動を支援してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、まずは地区住民の皆様が農業公園や地域資源を活用したまちづくりについて主体的に考え、取り組んでいただくことが重要であると考えております。その中から生まれる地元産農産品の販売力強化につながる取組につきましては、本市としても支援を検討してまいりたいと考えております。
鈴木: 今回の質問は、市長が今回掲げられました長野市の強みを生かした未来の戦略的な投資とのメッセージに私も大変共感をし、まさに触発をされて提案をさせていただいたところでございますので、直売所や、また、地域資源の活用について、市長にリーダーシップを発揮していただいて取り組んでいただくことをお願いしたいと思います。
次に、中小企業振興資金融資について伺います。
中小企業振興資金融資は、今日まで資金調達が困難な中小企業の保護、育成や中小企業の経営安定、産業振興、操業支援などの歴史を積み重ねてきた政策であり、新年度の商工費予算72億6,059万9,000円のうち62億円、85.39%、さらに、商工業振興費65億9,682万9,000円の実に93.98%を占める本市商工業振興事業の柱と言えます。
しかし、近年の制度融資予算に対する貸出額が占める割合は、令和元年が51.02%、災害とコロナ対策として緊急メニューが追加された令和2年は188.82%で、その後は令和3年20.47%、令和4年が22.21%と推移をしています。そのため、当該事業が十分活用されているのか、市民ニーズに合致しているのか、原点に立ち返り検討すべき時期にあると考えます。
担当課に確認をさせていただいたところ、中小事業者が本制度の活用を希望する場合、事業者は金融機関に相談し、信用保証協会から保証の内諾を得て商工会等の団体に経営相談をし、融資あっせん申込書に必要書類を添えて団体に提出すると、団体は報告書や意見書を作成するため、実地調査を行った上で融資あっせん申込書を市に提出し、市は要件審査を行い、決定した場合は事業者が金融機関と契約を交わし、融資が実行されるという流れとお聞きしました。
商工会等の団体が市に提出する報告書、意見書とはどういうものなのか。また、本市は直接融資を希望する事業者との接点は持たない、関与しない、ということでいいのか、伺います。
商工観光部長:長野市中小企業振興資金融資制度、いわゆる制度資金は、市内中小企業が事業の発展と経営安定のために必要とする資金を円滑に調達できるよう、市が金融機関に対して資金を預託し、金融機関を通じて長期、固定、定期の融資を行う制度でございます。
融資に当たりましては、一部の資金メニューを除きまして、長野県信用保証協会の保証をつけていただきますが、その保証料は市が一部もしくは全額を保証しております。
御質問の商工団体等が市に提出する報告書、意見書の内容でございますが、商工団体等が行う実地調査の結果に基づき、申込み者の事業内容、経営分析、資金用途となる申込み内容とその効果等をまとめたものとなっております。この報告書に加えまして、資金メニューや資金使途ごとに定められた意見書や設備等の見積書などを添付し、融資の申込書と合わせて市へ提出していただくこととなっております。
次に、市の事業者との接点、関与でございますが、申込み者は事前に商工会議所や商工会など各機関から専門的なアドバイスを受けているため、市は、直接ヒアリングなどは行いませんが、提出書類を厳格に審査した上で最終的に決定しているものでございます。
鈴木: 報告書、意見書に基づいて決定をされるというようなことでございましたけれども、本市はそれに基づいて、接点を持たずにその提出された書類に基づいて最終的な判断をされているということで、基本的には関与していないということでよろしいですか。
商工観光部長: 商工団体等が適切な指導等を行っておりますので、私どもといたしましては書類審査という形になってまいります。
鈴木: 次に、本融資制度の預託金は4月に各金融機関に預託され、期間中の融資の有無を問わず、翌年3月には全額が市に返還されるというものです。
初めに、本市のリスクと費用について2点伺います。本制度は信用保証協会の保証つき融資であり、金融機関と信用保証協会が責任を共有する制度です。仮に事業者が返済困難となった場合、金融機関は融資額の20%のリスクを負い、保証協会が80%の代位弁済が行われるとのことですが、本市のリスクはゼロということでいいのか。
また、融資の際に発生する保証料について、市が全額負担の場合や9分の7を負担する場合があるということでありますけれども、本市に発生する費用はこれだけなのか、伺います。
商工観光部長:事業者が返済困難となった場合の市のリスクにつきましては、債権を有するのは中小企業へ直接資金を貸し出した金融機関と中小企業に代わり返済額を肩代わりする信用保証協会になりますので、市のリスクは制度上発生しないものとなっています。
次に、信用保証料以外の市の負担ですが、市は中小企業の経営安定化を支援するため、本制度資金を利用した企業に対し、資金メニューごとの保証料について全額または9分の7の補助率により負担をしているもので、これら以外の費用負担というものはございません。
鈴木: それでは、この制度資金事業の実態について3点伺います。
年度ごとの融資限度額や融資残高の上限または返済金の回収管理など、実質的な制度の運用は金融機関と保証協会が行っているということでよろしいか。
金融緩和下において金融機関は預託金を必要としているのか、また、預託金は金融機関の調達コストを下げるためのものと考えていいのか。預託金が適正な額なのかを含め、市の預託金の意義や役割はどこにあるのかなど、踏み込んだ協議を進めていくことが必要ではないかと考えますが。
商工観光部長:本制度資金は、市金融機関、信用保証協会が協調し合い、それぞれの立場で責務を果たすことにより、資金調達が困難な中小企業等を支援し、地域経済の活性化を図るものでございます。その上で、年度ごとの融資限度額や融資残高の上限につきましては、実施主体である市が融資を実行する金融機関と預託金額等を含めた協議を前年度中に行い、次年度分を決定しております。
また、返済金の回収管理につきましては、債権を有する金融機関及び信用保証協会がそれぞれを担うこととなっております。
金融緩和下における金融機関の預託金の必要性やコスト及び預託金の意義や役割につきましては、昨今の金融緩和に伴い市場に出回る資金の供給量が多いという状況では、比較的経営が安定している企業は金融機関から直接融資を受けやすくなるものの、操業間もない事業者など経営基盤が弱い企業はこうした資金調達はなかなか難しいというのが現状でございます。
本制度資金では、資金調達困難な事業者を支援するため、貸付けの原資である預託金により、通常金融機関が独自に貸し出すときの金利よりも安い金利で融資が可能になるとともに、金融機関の資金調達コストも下げることができます。また、融資に信用保証協会が保証をつけることで、金融機関の貸し出しリスクも下げることができます。その結果、企業の資金調達を容易にし、長期、固定、低利である融資制度となっております。
なお、令和6年度の預託金予算額は62億円を計上しておりますが、取引や決算が困難となるような突然の災害や急激な景気の後退時においても、迅速かつ柔軟に対応できるような融資枠が必要とされており、引き続き一定枠は確保してまいりたいと考えております。
鈴木: 今、御答弁いただきましたけれども、基本的にこの制度融資の一般的な行政、地方自治体の役割というのは、利用者の負担を軽減するというのが大きな役割だと思います。保証料交付金も、毎年2億4,000万円ほどたしか計上されていると思いますけれども、こういったところにもう少し目を向けるであるとか、今ほども災害等々の場合における対応の部分である程度の額が必要だというようなことではありましたけれども、しかしながら、先ほども御紹介したように、なかなか貸し出しの実績というものが上がっていないというようなことを考えてみますと、やはりこの制度そのものについて改めて検討すべき時期ではないのかなと思いますけれども、この点、部長、もう一回御答弁いただければと思います。
商工観光部長:確かにコロナ禍におきましては、融資額が減少する時期がございました。ただ、今年度、令和5年度におきましてはまた制度融資の申込みが増えている、そういう状況ですので、必要額はこれからも確保していきたいと考えております。
鈴木: 協調倍率とかもありますので、やはりもう一回その額が適正なのかどうかは検討していただきたいと思います。
制度融資自体の評価は、金融機関、保証協会、商工会等から意見収集し、効果的な制度となるような協議が行われているとのことでありますが、一番重要な融資案件ごとの事業評価はどうなっているのでしょうか。
制度融資は本市の責任で実施している事業であり、また、新年度予算編成方針に事業の費用対効果や将来を見据えた投資効果などを検証と掲げていることから、個別案件ごとに融資の効果を検証すべきではないでしょうか。例えば、スタートアップ操業に貢献できているのか。
商工観光部長:融資案件ごとの事業評価と効果の検証につきましては、企業活動をサポートする金融機関、それから信用保証協会及び商工団体など、各機関が案件ごとの評価や効果検証、フォローアップ等の伴走支援を実施しております。
市の役割といたしましては制度全般の効果的な運用を図ることであり、そのためには各機関からの様々な御意見、御要望などを集約するとともに、商工労働課職員が行う企業訪問等で企業が抱える課題等をお聞きしながら、資金メニューの改廃や資金需要が高まる要素のある資金を新たに構築するなど、年度ごとの制度設計に生かしていくことが重要であると考えております。
続きまして、操業支援資金の効果につきまして、先ほども申し上げましたように、コロナ禍前に200件前後あった利用件数が一時期半分程度にまで下がったものの、ここ2年ほどで再び増加しており、今年度は1月末現在で162件に達しております。これは近年、働くことに対する意識や価値観の変化、コロナ禍を経てテレワーク等の普及により働き方の多様化などを受け、キャリアの選択肢として起業、操業に注目が集まっている中、本資金の金利が1.1%と低く、また、保証料が全額補助となる上、信用保証制度の要件に合致すれば連帯保証人が不要となるなど、経営基盤の弱い起業家やスタートアップ企業の経営確立を支援するとともに、チャレンジ意欲の後押しに貢献しているものと考えております。
以上です。今回、時間の配分がうまくできず、予定していた2つの質問に至らず、少々反省ですが比較的前向きな答弁を引き出すことができ、また、私の問題意識を市側に共有してもらったと受け止めています。
兎にも角にも、引き続き、頑張ります!