4月28日、「特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案」いわゆる流域治水関連法案が成立しました。それにより、上流・下流や本川・支川の流域全体を俯瞰し、国や流域自治体、企業・住民など、あらゆる関係者が協働し「流域治水」への取り組みが推進されることとなります。
国は、長野市にも大きな被害をもたらした台風第19号災害など、毎年のように、全国各地で大規模な洪水災害が頻発し、今後更に、気候変動の影響から激甚化に繋がる集中豪雨や台風の大型化等による洪水等の自然災害が増加するとの危機感を募らせています。
まず、気候変動については、既に、平成30年12月に「気候変動適応法」が施行されており、温室効果ガスの排出削減対策(緩和策)と気候変動の影響による被害の回避・軽減対策(適応策)を車の両輪として法的に位置付け、関係者一丸となった取り組みが進められています。
気候変動適応法は大きく4つの柱をもって構成されていますが、その中の「適応の総合的推進」では、「農林水産業」、「水環境・水資源」、「自然生態系」、「自然災害」、「健康」、「産業・経済活動」、「国民生活」の7分野において、気候変動による影響評価しながら、きめ細かな情報に基づく効果的な適応策を推進する、としています。
長野県は2021年4月1日「長野県ゼロカーボン戦略(案)」と、別冊で「気候変動の影響と適応策」を策定、公表しました。その中で一例ですが、大雨による災害リスクの増加を指摘し、また、気候変動による水稲病害の発生に備えた管理技術の確立を目指す等が示されています。
気候変動適応法施行により、県や長野市においても、気候変動がもたらす影響や、今後更に影響が及んでくる事象に対し如何に対策を講じ、必要な取り組みを示し、実行していくのか、具体的な施策の展開が大きな責務となります。
そして、「特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案」いわゆる流域治水関連法案についてです。
国は、降雨量の増大等に対応するために、ハード整備の加速化・充実や治水計画の見直しに加え、上流・下流や本川・支川の流域全体を俯瞰し、国・流域自治体、企業、住民等、あらゆる関係者が協同して、流域治水の実効性を高める法的枠組みとして、流域治水関連法案を施行させました。
関連法と言われているのは、9つの法律を改正したことにあります。
①特定都市河川浸水被害対策法 ②水防法 ③建築基準法 ④下水道法 ⑤河川法 ⑥都市計画法 ⑦防災のための集団移転促進事業に係る国の財政上の特別措置等に関する法律 ⑧都市緑地法 ⑨土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律、それぞれの一部改正でありました。
それぞれ改正されることにより、(1) 流域治水の計画・体制の強化(特定都市河川法)、(2) 氾濫をできるだけ防ぐための対策 (河川法、下水道法、特定都市河川法、都市計画法、都市緑地法)、(3) 被害対象を減少させるための対策(特定都市河川法、都市計画法、防災集団移転特別措置法、建築基準法) (4) 被害の軽減、早期復旧・復興のための対策(水防法、土砂災害防止法、河川法)、が強化されることとなり、私も期待するところであります。
詳細は省きますが、今回の法改正でより重要となったのは、地方公共団体、地方自治体による流域治水推進の役割が更に増していくことだと受け止めております。
例えば、氾濫をできるだけ防ぐための対策として挙げられている「利水ダムの事前放流の拡大を図る協議会の創設」、また、「下水道の樋門・樋管等の操作ルールの策定義務と河川から市街地への逆流等の確実な防止」、「貯留機能保全区域の創設で沿川の保水・遊水機能を有する土地の確保、浸水被害防止区域を創設」、「住宅や要配慮者施設等の安全性の事前確認」等、これまで以上に、長野市が主体的に取り組まなければならない進まない対策が数多くあります。
長野市は、流域住民や事業者と一体となって、市民の生命と財産を守るために、何をすべきか、何を優先しなければならないか等を明確にし、市民への情報公開、そしてリスクを共有し、市長のリーダーシップのもと、丁寧な説明を重ね、住民の合意形成を図り、早急に流域治水対策に取り組まなければなりません。
地球温暖化対策、とりわけ温室効果ガスの排出削減対策(緩和策)と気候変動の影響による被害の回避・軽減対策(適応策)と、流域治水対策を確実に前に進めることにより、真の安全・安心につながる災害に強いまちづくりを進めなければなりません。これからも私の最大のテーマとして捉え、取り組んでまいります。
政府は、東京、大阪、京都、兵庫の1都3県に3回目となる緊急事態宣言を発令し、2度目となるコロナ禍でのGWに入りました。
現在、県が示す感染警戒レベル4の長野市にとっても他人事ではありません。長野市での感染者数は昨年3月29日以降、これまで972例(4月28日公表分まで)が確認され、本年3月の1か月の感染者数は255例と過去最多の1か月となり、更に、4月は(4月28日公表分まで)更に増加し、274例となっています。
更に、県内では、4月25日までの1週間に検査した検体のうち5割が変異株に感染していたと明らかにし、従来株から変異株への置き換わりが進みつつある状況にあることを示しました。県内での変異株感染者は、累計188例が確認されています。
緊急事態宣言が発令された大阪府では既に変異株が主流となっており、報道は、「変異株の特性ともいえる働き世代である50代以下の重症者が昨年冬から2倍近くまで増加し、全体の3割余を占めている」と報じています。
長野市の変異株対策について、3月定例会代表質問で私と保健所長との議論において、保健所長から「長野市では陽性者すべての検体についてスクリーニング検査を実施する」との答弁がありましたが、比較的若い世代や基礎疾患のない人でも重症化しやすいことから、長野市として更に警戒感を強め、従来株から変異株の急拡大に備えた対策について改めて議論を進めていく必要があります。
そうした状況下でありますが、ワクチン接種への期待が高まっています。長野市における高齢者向けワクチン接種の予約が5月12日から始まりますが、接種にあたり未だ具体的なスケジュールが示されておらず、更なる混乱を招く可能性があります。
現段階で、長野市が示しているスケジュールは、
①5月12日から、高齢者の基礎疾患のある人を優先して予約を始める。
②基礎疾患のある高齢者の接種終了後、7月ごろをめどに基礎疾患のない高齢者の受付を開始。
③基礎疾患のない高齢者は、土・日に開設する集団接種会場も利用でき、5月21日から予約をはじめる。
であります。
菅総理は、7月末を目途に高齢者の接種を終えたい、と時期を明言しています。医療関係者への1回目の接種も未だ見通しが不明確であることや、人員確保等の接種体制への課題もありますが、長野市においては、医療関係者や基礎疾患のある高齢者への接種が6月末までに完了し、基礎疾患のない高齢者への接種が8月初旬に完了するように、これから状況をしっかり把握しながら、議会でも行政側と議論を重ねていくことになります。
大和総研シニアエコノミストの神田慶司氏は、4月24日信毎紙面で、政府は当面、感染拡大防止に力点を置くことの重要性を説きつつ、最も注力すべきは、ワクチンの供給も含めた接種体制の強化だ、と述べ、接種率の高い海外の例を参考に柔軟な運用と、財政面からの手厚い支援の必要を強調しておりました。
国のワクチン確保の動向に大きく左右されますが、混乱を最小限に抑えるために、どの段階で、誰が、どれだけ接種可能となるのか等、市民に分かりやすい情報発信を今まで以上に求めて参ります。
政府は、東京、大阪、京都、兵庫の1都3県に3回目となる緊急事態宣言を発令し、2度目となるコロナ禍でのGWに入りました。
現在、県が示す感染警戒レベル4の長野市にとっても他人事ではありません。長野市での感染者数は昨年3月29日以降、これまで972例(4月28日公表分まで)が確認され、本年3月の1か月の感染者数は255例と過去最多の1か月となり、更に、4月は(4月28日公表分まで)更に増加し、274例となっています。
更に、県内では、4月25日までの1週間に検査した検体のうち5割が変異株に感染していたと明らかにし、従来株から変異株への置き換わりが進みつつある状況にあることを示しました。県内での変異株感染者は、累計188例が確認されています。
緊急事態宣言が発令された大阪府では既に変異株が主流となっており、報道は、「変異株の特性ともいえる働き世代である50代以下の重症者が昨年冬から2倍近くまで増加し、全体の3割余を占めている」と報じています。
長野市の変異株対策について、3月定例会代表質問で私と保健所長との議論において、保健所長から「長野市では陽性者すべての検体についてスクリーニング検査を実施する」との答弁がありましたが、比較的若い世代や基礎疾患のない人でも重症化しやすいことから、長野市として更に警戒感を強め、従来株から変異株の急拡大に備えた対策について改めて議論を進めていく必要があります。
そうした状況下でありますが、ワクチン接種への期待が高まっています。長野市における高齢者向けワクチン接種の予約が5月12日から始まりますが、接種にあたり未だ具体的なスケジュールが示されておらず、更なる混乱を招く可能性があります。
現段階で、長野市が示しているスケジュールは、
①5月12日から、高齢者の基礎疾患のある人を優先して予約を始める。
②基礎疾患のある高齢者の接種終了後、7月ごろをめどに基礎疾患のない高齢者の受付を開始。
③基礎疾患のない高齢者は、土・日に開設する集団接種会場も利用でき、5月21日から予約をはじめる。
であります。
菅総理は、7月末を目途に高齢者の接種を終えたい、と時期を明言しています。医療関係者への1回目の接種も未だ見通しが不明確であることや、人員確保等の接種体制への課題もありますが、長野市においては、医療関係者や基礎疾患のある高齢者への接種が6月末までに完了し、基礎疾患のない高齢者への接種が8月初旬に完了するように、これから状況をしっかり把握しながら、議会でも行政側と議論を重ねていくことになります。
大和総研シニアエコノミストの神田慶司氏は、4月24日信毎紙面で、政府は当面、感染拡大防止に力点を置くことの重要性を説きつつ、最も注力すべきは、ワクチンの供給も含めた接種体制の強化だ、と述べ、接種率の高い海外の例を参考に柔軟な運用と、財政面からの手厚い支援の必要を強調しておりました。
国のワクチン確保の動向に大きく左右されますが、混乱を最小限に抑えるために、どの段階で、誰が、どれだけ接種可能となるのか等、市民に分かりやすい情報発信を今まで以上に求めて参ります。
3月29日、長野県は県独自の感染警戒レベルを長野市で5に引き上げ、また、4月2日から4月15日(当初は4月8日)まで出されていた市内17地域に対する営業時間短縮等の要請を行いました。
3月初旬以降、今日まで特に長野市での感染拡大が続き、未だ収束の気配が見えず、それどころか、更なる感染の拡大を懸念しています。
そんな中、県は市内17地域に対する営業時間短縮等の要請を予定通り4月15日までとする、としました。長野市の感染警戒レベルが未だ「5」の状態であること、4月14日発表された新規感染者が22例であったこと、更に、感染経路不明が6例あることなどを考えると、むしろ、更なる延長に加え、飲食店での感染防止対策の強化、積極的な見回り活動を進めるべきではないか、と考えます。
時短要請解除の理由として県は、感染者数が減少傾向にあること、飲食の機会が原因とした感染が落ち着きつつある、としています。更に、長野市から飲食店関連の感染が落ち着いている、といったことから総合的に判断した、としています。しかし、信毎は、県は長野市の飲食関連の感染者数の推移を把握できていない、と報じています。
昨年12月、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は「現在直面している3つの課題」とし、感染拡大までの課題を整理しています。
【課題1】
・首都圏からの染み出し
【課題2】
・感染者の多くは20~50歳代、二次感染者の多くも20~50歳代
・歓楽街や飲食を介しての感染が感染拡大の原因
(家族内感染や院内感染は、感染拡大の結果である)
【課題3】
・飲食店でのクラスターが多い
・クラスターの発生は、飲食店で先行した後に医療・福祉施設で発生する
・(欧州でも)レストランの再開が感染を最も増加させる
ここで受け止めなければならないことは、家族内感染や院内感染は、歓楽街や飲食を介しての感染が感染拡大の結果である、ということです。
今、長野市の感染拡大の状況について各課題を踏まえ考えてみると、
1.首都圏からの染み出しは否めない。
2.感染者の多くは20~50歳台である。
3.飲食店でのクラスターの影響については定かではないが、飲食店での感染後に医療・福祉施設において感染が拡大した可能性は否めない。
以上のように捉えることができると思います。期間を絞り、ダラダラと長引かせるべきではありませんが、現状を正確に捉え、危機感を市民と共有することが求められており、今回の時短要請終了のタイミングが適切なのかどうか、せっかくの時短要請効果が薄まってしまうのではないか、と懸念しています。むしろ、私は、この1年間の首都圏はじめ、各地の感染再拡大(リバウンド)を考えると、感染拡大防止を更に強化する具体策を講じるべき時期なのではないか、と考えます。
例えば、山梨県の例です。
山梨県は一早く「やまなしグリーン・ゾーン構想」を打ち出し、東京都の隣に位置していながら感染を抑えています。取り組みの一つとして飲食店等への設備改修補助金を設け、令和3年3月1日以降でも飲食業、宿泊業、ワイナリー、酒蔵における換気設備、パーテーション、自動扉、自動水栓等の改修を進め、継続的に行うことで強靭な社会・経済の形成を目指しています。こうした具体的な感染防止対策の強化の繰り返しにより、3月10日、知事の「送迎会、お花見は大いにやっていただきたい」との発言につながったのではないでしょうか。具体的な目標を状況に応じ示しながら取り組みを進めることで、県全体でリスクコミュニケーションを共有し、グリーン・ゾーン認証施設を明確にし、県民自ら安全性を確認できる態勢が整っているのではないか、と思います。
長野県、そして長野市の取り組みには物足りなさを感じます。3月定例会で物足りなさについて指摘しましたが、長野市での第4波と変異ウイルスについての見通しが甘かったのではないか、ポストコロナに偏り過ぎていたのではないか、と考えます。
大事なのは、市民に「このままで大丈夫なのか?」との不安を払拭できるような具体的な取り組みが求められており、私も調査研究を深め、議論していきたいと思います。
3月29日、長野県は県独自の感染警戒レベルを長野市で5に引き上げ、また、4月2日から4月15日(当初は4月8日)まで出されていた市内17地域に対する営業時間短縮等の要請を行いました。
3月初旬以降、今日まで特に長野市での感染拡大が続き、未だ収束の気配が見えず、それどころか、更なる感染の拡大を懸念しています。
そんな中、県は市内17地域に対する営業時間短縮等の要請を予定通り4月15日までとする、としました。長野市の感染警戒レベルが未だ「5」の状態であること、4月14日発表された新規感染者が22例であったこと、更に、感染経路不明が6例あることなどを考えると、むしろ、更なる延長に加え、飲食店での感染防止対策の強化、積極的な見回り活動を進めるべきではないか、と考えます。
時短要請解除の理由として県は、感染者数が減少傾向にあること、飲食の機会が原因とした感染が落ち着きつつある、としています。更に、長野市から飲食店関連の感染が落ち着いている、といったことから総合的に判断した、としています。しかし、信毎は、県は長野市の飲食関連の感染者数の推移を把握できていない、と報じています。
昨年12月、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は「現在直面している3つの課題」とし、感染拡大までの課題を整理しています。
【課題1】
・首都圏からの染み出し
【課題2】
・感染者の多くは20~50歳代、二次感染者の多くも20~50歳代
・歓楽街や飲食を介しての感染が感染拡大の原因
(家族内感染や院内感染は、感染拡大の結果である)
【課題3】
・飲食店でのクラスターが多い
・クラスターの発生は、飲食店で先行した後に医療・福祉施設で発生する
・(欧州でも)レストランの再開が感染を最も増加させる
ここで受け止めなければならないことは、家族内感染や院内感染は、歓楽街や飲食を介しての感染が感染拡大の結果である、ということです。
今、長野市の感染拡大の状況について各課題を踏まえ考えてみると、
1.首都圏からの染み出しは否めない。
2.感染者の多くは20~50歳台である。
3.飲食店でのクラスターの影響については定かではないが、飲食店での感染後に医療・福祉施設において感染が拡大した可能性は否めない。
以上のように捉えることができると思います。期間を絞り、ダラダラと長引かせるべきではありませんが、現状を正確に捉え、危機感を市民と共有することが求められており、今回の時短要請終了のタイミングが適切なのかどうか、せっかくの時短要請効果が薄まってしまうのではないか、と懸念しています。むしろ、私は、この1年間の首都圏はじめ、各地の感染再拡大(リバウンド)を考えると、感染拡大防止を更に強化する具体策を講じるべき時期なのではないか、と考えます。
例えば、山梨県の例です。
山梨県は一早く「やまなしグリーン・ゾーン構想」を打ち出し、東京都の隣に位置していながら感染を抑えています。取り組みの一つとして飲食店等への設備改修補助金を設け、令和3年3月1日以降でも飲食業、宿泊業、ワイナリー、酒蔵における換気設備、パーテーション、自動扉、自動水栓等の改修を進め、継続的に行うことで強靭な社会・経済の形成を目指しています。こうした具体的な感染防止対策の強化の繰り返しにより、3月10日、知事の「送迎会、お花見は大いにやっていただきたい」との発言につながったのではないでしょうか。具体的な目標を状況に応じ示しながら取り組みを進めることで、県全体でリスクコミュニケーションを共有し、グリーン・ゾーン認証施設を明確にし、県民自ら安全性を確認できる態勢が整っているのではないか、と思います。
長野県、そして長野市の取り組みには物足りなさを感じます。3月定例会で物足りなさについて指摘しましたが、長野市での第4波と変異ウイルスについての見通しが甘かったのではないか、ポストコロナに偏り過ぎていたのではないか、と考えます。
大事なのは、市民に「このままで大丈夫なのか?」との不安を払拭できるような具体的な取り組みです。私も調査研究を深め、議論していきたいと思います。
2月25日に開会した長野市議会3月定例会は、本日、議了となりました。
令和3年度一般会計予算はじめ条例の改正案等、採決が行われ、すべての議案に関し、原案どおり可決となりました。
先に、本ブログでご紹介させていただいた通り、3月定例会では代表質問で登壇し、新年度予算、新型コロナウイルス感染症対策を中心に取り上げましたが、その際の答弁、また、委員会での議論等を踏まえ、議案第1号、令和3年度長野市一般会計予算について、賛成の立場から、討論を行いましたので、原稿を掲載します。
令和3年度予算は、「令和元年東日本台風災害からの復旧・復興」と「新型コロナウイルス感染症により影響を被った市民生活と社会経済活動を取り戻す」ための力強い予算編成とすることが必要不可欠と、考えます。
まず、台風災害からの復旧・復興については、安心して日常生活を営むことができる住まいの再建が待った無しの状況にあり、令和3年度予算案では、災害公営住宅整備 17.5億円 、借り上げ型応急仮設住宅の提供・建設型応急仮設住宅の管理運営 2.4億円 など、51.6億円が措置されておりますが、長沼地区の災害公営住宅建設が議論の遡上に登っているように、災害に遭われた皆様の今後の住まい確保など、市民の多様なニーズを真摯に受け止めるための、更なる財源措置が必要と考えます。
加えて、令和元年東日本台風から今日にいたるまで、千曲川、犀川流域にお住まいの市民は、毎年、出水期を前に、恐怖と不安をおぼえ、災害が起きないようにと、祈っているのであります。なぜなら、今の治水能力では、幸運を祈るしかないからです。
先日、農業委員会の研修会で、長沼地区の農業委員さんより、台風第19号災害時の体験発表がありました。
10月12日、台風到来に備え、2階に必要な荷物を上げたこと、その日の夜、ご子息に促され避難所に避難したこと、翌日、ご自宅が約2m浸水被害にあったこと、3台保有していた軽トラすべてダメになってしまったこと、水の強さ、勢いに驚愕した、ことなど、生々しい実体験をお聴きし、改めて、水害の恐ろしさを認識しました。
長野市が、新年度予算のテーマとして掲げる「希望ある未来につなげる安全・安心」は、被災住民のみならず、すべての市民の願いであることから、今の世代はもとより、子や孫の世代まで、水害から地域の生命と財産を守るため、今、何ができ、何をすべきか、を明確にした上で、令和3年度予算を土台として、災害に強いまちづくりに向け、着実に前に進めていただくことを強く期待します。
次に、令和3年度一般会計歳入予算と昨年10月に策定された財政推計の歳入推移を比較してみますと、国県支出金である、コロナワクチン接種対策、ワクチン体制確保事業補助金、地方創生臨時交付金、災害公営住宅整備事業補助金が増額されたため、財政推計を44億円、上回っておりますが、その他については、概ね推計の通りであります。
また、市債が、財政推計を45億円下回っていることから、予算編成方針にあるように、市債発行に安易に頼らない「健全財政の堅持」が図られたものと受け止めます。
令和3年度一般会計予算、1,552億8千万円の歳出を目的別にみてみますと、前年度比で軒並みマイナスとなっている中で、民生費や公債費に加え、商工観光費が前年度比で増額となっています。
地域経済の活性化とまちの賑わいの創出や、長期戦略2040の実現を目指す上で、新規事業である「飯綱高原南グランド整備事業、1億820万円」、「外部人材活用促進事業、486万円」、「鏡池トイレ改修事業、6,590万円」と、拡大事業の「スタートアップ企業成長支援事業、3,970万円」などは、重要な取り組みであると考えますが、他方、今、コロナ禍の渦中であることを踏まえると、新型コロナウイルス感染症対策70.4億円のうち、「感染症関連資金 融資、35億円」、「感染症対策資金 利子補給金、1億523万6千円」、「推し店プラチナチケット、6.8億円」などの事業では、新型コロナウイルスの影響で、苦しんでいらっしゃる方々に十分な支援が行き届くのかどうか、いささかの物足りなさを感じます。
また、長野労働局は、3月9日、新型コロナウイルス感染拡大による県内の解雇、雇止め人数が2000人を超え、年度末にかけて人員整理に踏み切る企業が増えかねない、と警戒を強めております。
新型コロナによる影響を受けている市民に対する直接的な支援としては、保健福祉部の「生活困窮者住宅確保給付金、2,592万円」が拡大されていますが、3月14日と17日付け信濃毎日新聞社説に、「政府は臨時特別給付金をこれまでに2回支給したが、新たに、コロナ禍で困窮する、ひとり親世帯や所得の低い子育て世帯に給付金の支給を決定した。県や市町村も、より住民に近い立場から、確実に届く支援策について、議会で議論すべきだ」とあるように、社会経済状況の変化に応じて、市民生活を下支えする、切れ目のない支援が求められると考えます。
更に、「withコロナ、社会経済と感染対策の両立」は、感染抑制と感染拡大の波が繰り返され、社会経済活動に対する制約は長期にわたる可能性があります。また、英国などに由来する「変異株」や、3月4日以降の市内における感染者数の推移などを踏まえると、今後も、徹底した感染予防策と、先を見据えた行財政運営に緊張感を持って取り組むことお願いし、令和3年度が、市長のリーダーシップの下、「希望ある 未来につながる安全・安心予算」となることを、切に願い、賛成討論といたします。
2月25日に開会した長野市議会3月定例会は、本日、議了となりました。
令和3年度一般会計予算はじめ条例の改正案等、採決が行われ、すべての議案に関し、原案どおり可決となりました。
先に、本ブログでご紹介させていただいた通り、3月定例会では代表質問で登壇し、新年度予算、新型コロナウイルス感染症対策を中心に取り上げましたが、その際の答弁、また、委員会での議論等を踏まえ、議案第1号、令和3年度長野市一般会計予算について、賛成の立場から、討論を行いましたので、原稿を掲載します。
令和3年度予算は、「令和元年東日本台風災害からの復旧・復興」と「新型コロナウイルス感染症により影響を被った市民生活と社会経済活動を取り戻す」ための力強い予算編成とすることが必要不可欠と、考えます。
まず、台風災害からの復旧・復興については、安心して日常生活を営むことができる住まいの再建が待った無しの状況にあり、令和3年度予算案では、災害公営住宅整備 17.5億円 、借り上げ型応急仮設住宅の提供・建設型応急仮設住宅の管理運営 2.4億円 など、51.6億円が措置されておりますが、長沼地区の災害公営住宅建設が議論の遡上に登っているように、災害に遭われた皆様の今後の住まい確保など、市民の多様なニーズを真摯に受け止めるための、更なる財源措置が必要と考えます。
加えて、令和元年東日本台風から今日にいたるまで、千曲川、犀川流域にお住まいの市民は、毎年、出水期を前に、恐怖と不安をおぼえ、災害が起きないようにと、祈っているのであります。なぜなら、今の治水能力では、幸運を祈るしかないからです。
先日、農業委員会の研修会で、長沼地区の農業委員さんより、台風第19号災害時の体験発表がありました。
10月12日、台風到来に備え、2階に必要な荷物を上げたこと、その日の夜、ご子息に促され避難所に避難したこと、翌日、ご自宅が約2m浸水被害にあったこと、3台保有していた軽トラすべてダメになってしまったこと、水の強さ、勢いに驚愕した、ことなど、生々しい実体験をお聴きし、改めて、水害の恐ろしさを認識しました。
長野市が、新年度予算のテーマとして掲げる「希望ある未来につなげる安全・安心」は、被災住民のみならず、すべての市民の願いであることから、今の世代はもとより、子や孫の世代まで、水害から地域の生命と財産を守るため、今、何ができ、何をすべきか、を明確にした上で、令和3年度予算を土台として、災害に強いまちづくりに向け、着実に前に進めていただくことを強く期待します。
次に、令和3年度一般会計歳入予算と昨年10月に策定された財政推計の歳入推移を比較してみますと、国県支出金である、コロナワクチン接種対策、ワクチン体制確保事業補助金、地方創生臨時交付金、災害公営住宅整備事業補助金が増額されたため、財政推計を44億円、上回っておりますが、その他については、概ね推計の通りであります。
また、市債が、財政推計を45億円下回っていることから、予算編成方針にあるように、市債発行に安易に頼らない「健全財政の堅持」が図られたものと受け止めます。
令和3年度一般会計予算、1,552億8千万円の歳出を目的別にみてみますと、前年度比で軒並みマイナスとなっている中で、民生費や公債費に加え、商工観光費が前年度比で増額となっています。
地域経済の活性化とまちの賑わいの創出や、長期戦略2040の実現を目指す上で、新規事業である「飯綱高原南グランド整備事業、1億820万円」、「外部人材活用促進事業、486万円」、「鏡池トイレ改修事業、6,590万円」と、拡大事業の「スタートアップ企業成長支援事業、3,970万円」などは、重要な取り組みであると考えますが、他方、今、コロナ禍の渦中であることを踏まえると、新型コロナウイルス感染症対策70.4億円のうち、「感染症関連資金 融資、35億円」、「感染症対策資金 利子補給金、1億523万6千円」、「推し店プラチナチケット、6.8億円」などの事業では、新型コロナウイルスの影響で、苦しんでいらっしゃる方々に十分な支援が行き届くのかどうか、いささかの物足りなさを感じます。
また、長野労働局は、3月9日、新型コロナウイルス感染拡大による県内の解雇、雇止め人数が2000人を超え、年度末にかけて人員整理に踏み切る企業が増えかねない、と警戒を強めております。
新型コロナによる影響を受けている市民に対する直接的な支援としては、保健福祉部の「生活困窮者住宅確保給付金、2,592万円」が拡大されていますが、3月14日と17日付け信濃毎日新聞社説に、「政府は臨時特別給付金をこれまでに2回支給したが、新たに、コロナ禍で困窮する、ひとり親世帯や所得の低い子育て世帯に給付金の支給を決定した。県や市町村も、より住民に近い立場から、確実に届く支援策について、議会で議論すべきだ」とあるように、社会経済状況の変化に応じて、市民生活を下支えする、切れ目のない支援が求められると考えます。
更に、「withコロナ、社会経済と感染対策の両立」は、感染抑制と感染拡大の波が繰り返され、社会経済活動に対する制約は長期にわたる可能性があります。また、英国などに由来する「変異株」や、3月4日以降の市内における感染者数の推移などを踏まえると、今後も、徹底した感染予防策と、先を見据えた行財政運営に緊張感を持って取り組むことお願いし、令和3年度が、市長のリーダーシップの下、「希望ある 未来につながる安全・安心予算」となることを、切に願い、賛成討論といたします。
2月25日に開会した長野市議会3月定例会は、本日、議了となりました。
令和3年度一般会計予算はじめ条例の改正案等、採決が行われ、すべての議案に関し、原案どおり可決となりました。
先に、本ブログでご紹介させていただいた通り、3月定例会では代表質問で登壇し、新年度予算、新型コロナウイルス感染症対策を中心に取り上げましたが、その際の答弁、また、委員会での議論等を踏まえ、議案第1号、令和3年度長野市一般会計予算について、賛成の立場から討論を行いましたので、原稿を掲載します。
令和3年度予算は、「令和元年東日本台風災害からの復旧・復興」と「新型コロナウイルス感染症により影響を被った市民生活と社会経済活動を取り戻す」ための力強い予算編成とすることが必要不可欠と、考えます。
まず、台風災害からの復旧・復興については、安心して日常生活を営むことができる住まいの再建が待った無しの状況にあり、令和3年度予算案では、災害公営住宅整備 17.5億円 、借り上げ型応急仮設住宅の提供・建設型応急仮設住宅の管理運営 2.4億円 など、51.6億円が措置されておりますが、長沼地区の災害公営住宅建設の議論が途上にあるように、災害に遭われた皆様の今後の住まい確保など、市民の多様なニーズを真摯に受け止めるための、更なる財源措置が必要と考えます。
加えて、令和元年東日本台風から今日にいたるまで、千曲川、犀川流域にお住まいの市民は、毎年、出水期を前に、恐怖と不安をおぼえ、災害が起きないようにと、祈っているのであります。なぜなら、今の治水能力では、幸運を祈るしかないからです。
先日、農業委員会の研修会で、長沼地区の農業委員さんより、台風第19号災害時の体験発表がありました。
10月12日、台風到来に備え、2階に必要な荷物を上げたこと、その日の夜、ご子息に促され避難所に避難したこと、翌日、ご自宅が約2m浸水被害にあったこと、3台保有していた軽トラすべてダメになってしまったこと、水の強さ、勢いに驚愕した、ことなど、生々しい実体験をお聴きし、改めて、水害の恐ろしさを認識しました。
長野市が、新年度予算のテーマとして掲げる「希望ある未来につなげる安全・安心」は、被災住民のみならず、すべての市民の願いであることから、今の世代はもとより、子や孫の世代まで、水害から地域の生命と財産を守るため、今、何ができ、何をすべきか、を明確にした上で、令和3年度予算を土台として、災害に強いまちづくりに向け、着実に前に進めていただくことを強く期待します。
次に、令和3年度一般会計歳入予算と昨年10月に策定された財政推計の歳入推移を比較してみますと、国・県支出金である、コロナワクチン接種対策、ワクチン体制確保事業補助金、地方創生臨時交付金、災害公営住宅整備事業補助金が増額されたため、財政推計を44億円、上回っておりますが、その他については、概ね推計の通りであります。
また、市債が、財政推計を45億円下回っていることから、予算編成方針にあるように、市債発行に安易に頼らない「健全財政の堅持」が図られたものと受け止めます。
令和3年度一般会計予算、1,552億8千万円の歳出を目的別にみてみますと、前年度比で軒並みマイナスとなっている中で、民生費や公債費に加え、商工観光費が前年度比で増額となっています。
地域経済の活性化とまちの賑わいの創出や、長期戦略2040の実現を目指す上で、新規事業である「飯綱高原南グランド整備事業、1億820万円」、「外部人材活用促進事業、486万円」、「鏡池トイレ改修事業、6,590万円」と、拡大事業の「スタートアップ企業成長支援事業、3,970万円」などは、重要な取り組みであると考えますが、他方、今、コロナ禍の渦中であることを踏まえると、新型コロナウイルス感染症対策70.4億円のうち、「感染症関連資金 融資、35億円」、「感染症対策資金 利子補給金、1億523万6千円」、「推し店プラチナチケット、6、8億円」などの事業では、新型コロナウイルスの影響で、苦しんでいらっしゃる方々に十分な支援が行き届くのかどうか、いささかの物足りなさを感じます。
また、長野労働局は、3月9日、新型コロナウイルス感染拡大による県内の解雇、雇止め人数が2000人を超え、年度末にかけて人員整理に踏み切る企業が増えかねない、と警戒を強めております。
新型コロナによる影響を受けている市民に対する直接的な支援としては、保健福祉部の「生活困窮者住宅確保給付金、2,592万円」が拡大されていますが、3月14日と17日付け信濃毎日新聞社説に、「政府は臨時特別給付金をこれまでに2回支給したが、新たに、コロナ禍で困窮する、ひとり親世帯や所得の低い子育て世帯に給付金の支給を決定した。県や市町村も、より住民に近い立場から、確実に届く支援策について、議会で議論すべきだ」とあるように、社会経済状況の変化に応じて、市民生活を下支えする、切れ目のない支援が求められると考えます。
更に、「withコロナ、社会経済と感染対策の両立」は、感染抑制と感染拡大の波が繰り返され、社会経済活動に対する制約は長期にわたる可能性があります。また、英国などに由来する「変異株」や、3月4日以降の市内における感染者数の推移などを踏まえると、今後も、徹底した感染予防策と、先を見据えた行財政運営に緊張感を持って取り組むことお願いし、令和3年度が、市長のリーダーシップの下、「希望ある 未来につながる安全・安心予算」となることを、切に願い、賛成討論といたします。
1都3県に出されている緊急事態宣言が、新規感染者数、8割以上の減少と、病床のひっ迫について、千葉県などにおける病床使用率が解除の目安となっている50%を下回っていることなどから、3月21日で解除されることとなりました。
宣言解除後の感染の再拡大を防止のために、政府は5つの柱からなる対策を発表しました。
1、飲食を通じた感染防止、
2、変異したウイルスの監視体制の強化、
3、感染拡大の予兆をつかむための戦略的な検査の実施、
4、安全で迅速なワクチン接種、
5、次の感染拡大に備えた医療体制の強化
他方、県が3月18日、長野市を含む長野圏域について県独自の警戒レベルを4に引き上げたことを踏まえると、緊急事態宣言解除の影響が長野医療圏へどのような影響が及ぶのか、危惧するところであります。
これまで、感染拡大によりPCR検査、保健所業務における目詰まりとの指摘が数々指摘されてきました。新型コロナウイルスのように感染症防止の面で、保健所の果たす役割は大きなものがあります。この1年の検証と今後の保健所機能に関して、次のような質問を行いました。
6.コロナ禍と今後の保健所機能について
公衆衛生と保健所の歴史を振り返ってみますと、日本は終戦直後の死亡理由のトップが結核でありましたが、衛生環境の改善、特効薬の開発などを受け、1950年代には死亡理由の上位から姿を消しました。代わりに悪性新生物など、非感染症疾患が疾患の中心となり、感染症対策は医療制度における主要な関心事ではなくなってきました。
感染症法が1999年に施行され、SARSなどの感染症の発生に伴い、2003年10月に改正、更に2007年、結核予防法と統合され、保健所法については1994年に、半世紀ぶりに大改正する形で、地域保健法が制定、このとき広域的な視点が必要な感染症対策よりも住民の生活に根差した健康づくりが重視されることとなりました。
新型コロナウイルス感染症対応業務で、保健所が実際に担っている役割は、住民や関係機関からの相談、医療機関への受診調整、医療機関から患者発生届による積極的疫学調査、検体の搬送と結果確認、自宅療養者、濃厚接触者への健康観察と支援、感染予防の普及、啓発、市内の感染状況の把握、分析、PCR検査実施体制の調整役など多岐にわたっていると思います。
その結果、保健所に業務が集中し職員を疲弊させており、2020年7月の東京新聞社説は、再流行に備え、分担と連携に知恵を絞り、保健所が積極的疫学調査に専念できるよう外部機関との連携、協力を進める必要があると指摘しております。
地方財政対策は感染症対応業務に従事する保健師の恒常的な人員体制強化を打ち出し、感染症対応業務に従事する保健師を現在の1,800名から2021年度に2,250名、2022年度に2,700名と、2年間で1.5倍に増員するとしていますが、単なる人材や財源の充実だけではなく、保健所がやるべきことを明確にすることと、業務の効率化をはかる必要があり、現在はコロナ禍の渦中にあるので、感染状況に合わせた社会的検査の強化により、地域内感染源を絶つことと、積極的疫学調査によりクラスターを追跡し、感染を封じ込めることが最優先課題だと考えます。
そこで伺います。
(1)長野市は2月18日から新型コロナウイルス変異株を見極めるために、市内の新規感染者のスクリーニング検査を実施するとの報道ですが、変異株が見つかった場合の感染拡大防止のための対策について伺います。
(2)長野市は、医療機関等との連携と役割分担の見直しにより、それぞれが果たす役割を明確にし、保健所は社会的検査や積極的疫学調査に専念できるような体制を構築すべきではないでしょうか。
(3)今後の保健師充実に向けた計画は策定されているのか。また、国の1.5倍増加目標に対して、人員増の予定はあるのか、答弁を求めます。
<保健所長>
新型コロナウイルスの変異株が見つかった場合の対応についてでありますが、この変異株かどうかに関わらず、新型コロナウイルスということで、基本的には同じ対策、対応を取っていくことになるわけですけれども、変異株ですので、感染拡大防止をより徹底して行うということが必要になりますので、国からの通知においては、症状の有無に関わらす、変異株の感染者の方は全員入院をしていただく、それから退院に当たっては、症状だけではなくて、2回のPCR検査を確実に行って陰性確認をする、こういった厳しい対応が追加をされてございます。
また、濃厚接触者以外の接触者につきましても、幅広く検査を行って、この変異株の感染拡大をより徹底して検査をするようにという方針が示されておりますので、当然ながら本市においても同様の対応を取ることとしてございます。
積極的疫学調査等の業務に専念できる保健所の体制についてでありますが、議員御指摘いただきましたけれども、この新型コロナ感染症に関する業務、保健所で様々担っておりますけれども、非常に多岐にわたっております。
一方、医療機関においては、感染者の方の診療、検査、治療、こういった医療行為となりますので、議員御懸念されている医療機関と保健所との役割分担につきましては、既に明確にされておりますし、会議等の開催を通じまして、両者の連携もはかってきているところでございます。
また、感染者が増加をいたしました場合には、保健所の組織であります保健センターや、場合によっては全庁的に他部局の職員の応援も得まして、積極的疫学調査など、増大した保健所業務を迅速かつ適切に対応してきたところでありまして、今後も医療機関との役割分担、連携、それから全庁体制による保健所業務の推進を通じて、感染拡大防止に努めてまいりたいと考えております。
次の保健師の充実についてでありますが、本市では平成15年以降、保健師に関する活動指針と人材育成マニュアルを作成いたしまして、保健師活動の充実に計画的に取り組んできているところでありまして、当然なから、その中に感染症業務の向上も盛り込まれているところであります。
そうした中で、感染症対策業務を担当する保健師の増員をというお話がございました。私とも通常の感染症業務としては、担当4人の保健師を基本に対策を取ってまいりましたけれども、昨年からの新型コロナ感染症に関する業務量が増大してございますので、先ほどのとおり、保健センターや他部局の保健師も含めて、市の中の保健師や職員を総動員して対応に当たってまいりました。
しかしながら、国の方針として、今回そうした保健師の増員といったことも示されましたので、私どもとしても、感染症業務を中心になって進められる保健師を更に育成するため、今年度退職者2人予定されておりますけれども、来年度の採用、内定者は6人の保健師ということにして、保健師の採用を増やす中で、この感染症業務に当たる保健師の増員も、若干になるかと思いますけれども、増員を検討しているところであります。
<鈴木の所感>
先に発生した市内事業所における「集団感染」への対応で、長野市は3月19日までに従業員など全397人の検査を終えた、とのことです。答弁にありように、これまでも、感染者が増加した際、保健センター、更に、全庁で職員の応援を得ながら積極的疫学調査などで迅速かつ適切に対応してきた、とありました。今般もこれまで同様に、積極的疫学調査が行われたものと受け止めています。
しかしながら、緊急事態宣言の解除、市内での感染拡大への兆候を考えると、常に、体制を検証しながら整え、どんな状況となっても目詰まりを起こさない対応が求められると考えます。
1都3県に出されている緊急事態宣言が、新規感染者数で8割以上減少となっていること、病床のひっ迫では病床使用率が解除の目安となる50%を下回っていることなどから、3月21日で解除されることとなりました。
宣言解除後の感染の再拡大を防止のために、政府は5つの柱からなる対策を発表しました。
1、飲食を通じた感染防止、
2、変異したウイルスの監視体制の強化、
3、感染拡大の予兆をつかむための戦略的な検査の実施、
4、安全で迅速なワクチン接種、
5、次の感染拡大に備えた医療体制の強化
他方、県が3月18日、長野市を含む長野圏域について県独自の警戒レベルを4に引き上げたことを踏まえると、緊急事態宣言解除の影響が長野医療圏へどのような影響が及ぶのか、危惧するところであります。
これまで、感染拡大によりPCR検査、保健所業務における目詰まりなどについて数々の指摘がなされてきました。新型コロナウイルスのように感染症防止の面から保健所の果たす役割は大きなものがあります。この1年の検証と今後の保健所機能に関して、次のように質問しました。
6.コロナ禍と今後の保健所機能について
公衆衛生と保健所の歴史を振り返ってみますと、日本は終戦直後の死亡理由のトップが結核でありましたが、衛生環境の改善、特効薬の開発などを受け、1950年代には死亡理由の上位から姿を消しました。代わりに悪性新生物など、非感染症疾患が疾患の中心となり、感染症対策は医療制度における主要な関心事ではなくなってきました。
感染症法が1999年に施行され、SARSなどの感染症の発生に伴い、2003年10月に改正、更に2007年、結核予防法と統合され、保健所法については1994年に、半世紀ぶりに大改正する形で、地域保健法が制定、このとき広域的な視点が必要な感染症対策よりも住民の生活に根差した健康づくりが重視されることとなりました。
新型コロナウイルス感染症対応業務で、保健所が実際に担っている役割は、住民や関係機関からの相談、医療機関への受診調整、医療機関から患者発生届による積極的疫学調査、検体の搬送と結果確認、自宅療養者、濃厚接触者への健康観察と支援、感染予防の普及、啓発、市内の感染状況の把握、分析、PCR検査実施体制の調整役など多岐にわたっていると思います。
その結果、保健所に業務が集中し職員を疲弊させており、2020年7月の東京新聞社説は、再流行に備え、分担と連携に知恵を絞り、保健所が積極的疫学調査に専念できるよう外部機関との連携、協力を進める必要があると指摘しております。
地方財政対策は感染症対応業務に従事する保健師の恒常的な人員体制強化を打ち出し、感染症対応業務に従事する保健師を現在の1,800名から2021年度に2,250名、2022年度に2,700名と、2年間で1.5倍に増員するとしていますが、単なる人材や財源の充実だけではなく、保健所がやるべきことを明確にすることと、業務の効率化をはかる必要があり、現在はコロナ禍の渦中にあるので、感染状況に合わせた社会的検査の強化により、地域内感染源を絶つことと、積極的疫学調査によりクラスターを追跡し、感染を封じ込めることが最優先課題だと考えます。
そこで伺います。
(1)長野市は2月18日から新型コロナウイルス変異株を見極めるために、市内の新規感染者のスクリーニング検査を実施するとの報道ですが、変異株が見つかった場合の感染拡大防止のための対策について伺います。
(2)長野市は、医療機関等との連携と役割分担の見直しにより、それぞれが果たす役割を明確にし、保健所は社会的検査や積極的疫学調査に専念できるような体制を構築すべきではないでしょうか。
(3)今後の保健師充実に向けた計画は策定されているのか。また、国の1.5倍増加目標に対して、人員増の予定はあるのか、答弁を求めます。
<保健所長>
新型コロナウイルスの変異株が見つかった場合の対応についてでありますが、この変異株かどうかに関わらず、新型コロナウイルスということで、基本的には同じ対策、対応を取っていくことになるわけですけれども、変異株ですので、感染拡大防止をより徹底して行うということが必要になりますので、国からの通知においては、症状の有無に関わらす、変異株の感染者の方は全員入院をしていただく、それから退院に当たっては、症状だけではなくて、2回のPCR検査を確実に行って陰性確認をする、こういった厳しい対応が追加をされてございます。
また、濃厚接触者以外の接触者につきましても、幅広く検査を行って、この変異株の感染拡大をより徹底して検査をするようにという方針が示されておりますので、当然ながら本市においても同様の対応を取ることとしてございます。
積極的疫学調査等の業務に専念できる保健所の体制についてでありますが、議員御指摘いただきましたけれども、この新型コロナ感染症に関する業務、保健所で様々担っておりますけれども、非常に多岐にわたっております。
一方、医療機関においては、感染者の方の診療、検査、治療、こういった医療行為となりますので、議員御懸念されている医療機関と保健所との役割分担につきましては、既に明確にされておりますし、会議等の開催を通じまして、両者の連携もはかってきているところでございます。
また、感染者が増加をいたしました場合には、保健所の組織であります保健センターや、場合によっては全庁的に他部局の職員の応援も得まして、積極的疫学調査など、増大した保健所業務を迅速かつ適切に対応してきたところでありまして、今後も医療機関との役割分担、連携、それから全庁体制による保健所業務の推進を通じて、感染拡大防止に努めてまいりたいと考えております。
次の保健師の充実についてでありますが、本市では平成15年以降、保健師に関する活動指針と人材育成マニュアルを作成いたしまして、保健師活動の充実に計画的に取り組んできているところでありまして、当然なから、その中に感染症業務の向上も盛り込まれているところであります。
そうした中で、感染症対策業務を担当する保健師の増員をというお話がございました。私とも通常の感染症業務としては、担当4人の保健師を基本に対策を取ってまいりましたけれども、昨年からの新型コロナ感染症に関する業務量が増大してございますので、先ほどのとおり、保健センターや他部局の保健師も含めて、市の中の保健師や職員を総動員して対応に当たってまいりました。
しかしながら、国の方針として、今回そうした保健師の増員といったことも示されましたので、私どもとしても、感染症業務を中心になって進められる保健師を更に育成するため、今年度退職者2人予定されておりますけれども、来年度の採用、内定者は6人の保健師ということにして、保健師の採用を増やす中で、この感染症業務に当たる保健師の増員も、若干になるかと思いますけれども、増員を検討しているところであります。
<鈴木の所感>
先に発生した市内事業所における「集団感染」への対応では、長野市は3月19日までに従業員など全397人の検査を終えた、とのことです。答弁にあるように、これまでも、感染者が増加した際、保健センター、更に、全庁で職員の応援を得ながら積極的疫学調査などで迅速かつ適切に対応してきた、とありました。今般もこれまで同様に、積極的疫学調査が行われたものと受け止めています。
しかしながら、緊急事態宣言の解除、市内での感染拡大への兆候を考えると、常に、体制を検証しながら整え、どんな状況となっても目詰まりを起こさない対応が求められると考えます。