昨日開会した長野市議会3月定例会には、もう一つ大きな議案がありました。本年秋に改選される長野市議会議員の定数に関する議案です。この議案は、自分たちのことは自分たちで決める、という原則に基づき、議会自らが提出した議案です。
昨年から長野市議会は、議会活性化検討委員会において議員定数削減について論議して参りました。私も同委員会の委員を務めてまいりました。振り返ってみると、まず、自分自身で頭の中でしっかり整理し、会派内での議論、それを踏まえての委員会での議論等、大変な重責を担わせていただいた、と感じています。
そして、昨日、議会提出議案として「長野市議会の議員の定数を定める条例の一部を改正する条例案」上程され、採決が行われました。結果、賛成多数となり、長野市議会議員定数が現行の39人から36人へと削減し、次期市議会議員選挙が挙行されることとなります。
採決の前に、本議案について「賛成」の立場から討論を行いました。私なりに熟考を重ね作成した原稿ですが、掲載させていただきます。
~冒頭~
議会第3号 長野市議会の議員の定数を定める条例の一部を改正する条例案に対し、賛成の立場から討論する。
平成29年7月、長野市住民自治連絡協議会会長から、議長あてに、議員定数の在り方に関わる要望書が提出された。また、市民からは「議員が多すぎる」、「報酬が高すぎる」等、厳しい意見が寄せられている。
一方、形式的な議員定数削減は、地方公共団体の二元代表制を担う議会機能の低下につながることが懸念されるため、市民参加の機会拡大等による議会の機能強化と併せて定数問題を考えていかなければならない。
1.議会の機能強化
龍谷大学の土山教授は、議員定数について「どんな規模の自治体であれ、市民の多様な意見を拾い上げ、市政に反映していくことは、市民に最も近い地方議会としての重要な機能である。
そのため、議員の「代表性」機能を重視すると、代表者の数が多いことが好ましいことになる」としつつ、同時に、「議会への市民参加の機会拡大によって代表性機能の充実を図る必要がある」と述べている。
人口減少社会において、本市議会が、これまで以上にその役割を果たすためには、本市が直面している課題である、中山間地における過疎化と都市部への人口集中、累次の合併等による市域の広域化、市民生活の多様化や地縁の希薄化等の変化、に対応するため、議会活性化検討委員会で意見があったように、議会が地域に出向き、意見交換会を定期的に開催する等、市民参加の機会拡大策を講じ、議会の機能強化を図っていくことが必要だ。
2.人口動向における規定
明治大学の井田教授が、「全国の自治体議会における人口と議員定数には、ある程度の相関が認められ、人口動向が定数設定における最も強い規定要因となっている」と書いていることや、現在、議員定数については、上限数の制限は撤廃されているものの、1999年の地方分権一括法による地方自治法改正までは、人口区分に応じた法定数を基本としていたことなどを踏まえると、本市議会の議員定数については、人口動態、人口推計に規定されることは妥当であり、適切な判断だと考える。
長野市人口は、本年1月1日で368、717人と既に36万人台へと減少が進み、更に、令和4年2月の「長野市人口ビジョン改訂版」は、長野市の総人口を2030(令和12年)は361,236人、2040年(令和22)年に336,123人、2045(令和27)年には322,177人と更なる減少が続く、と推計している。
3.まとめ
長野市人口は36万人台へと減少し、更に、人口減少が進展していく現状を踏まえると、現在の定数39は、必ずしも適正とはいえないため、議会における市民参加の拡大策等、議会機能の充実について検討することを前提とし、平成18年に議員定数削減の目安とされた「人口一万人あたり一人の議員」との考え方に基づき、次の改選期における議員定数を36とすることは適正である、と考える。以上、賛成討論とする。
最後までお読みおただき、ありがとうございました。
昨日、長野市議会3月定例会が開会し、「令和5年度長野市一般会計予算」など予算関係23件、条例関係12件、その他議案9件、報告5件が上程されました。
本定例会は、新年度予算の審議が中心となり、来週から始まる一般質問、その後に続く各常任委員会での活発な議論が展開されていくこととなります。私も、一般質問、委員会審議に全力を尽くしてまいります。
そして、本定例会において注目され、また、多数の関心が寄せられていることは、青木島遊園地の問題です。市長の施政方針演説の最後に、現在の市長の考え方が次のように述べられましたので、要旨をまとめてみました。
市長:
<これまでの経緯と市長の認識>
遊園地廃止の判断について、市民から遊園地存続を望む意見が多く寄せられた。
再度、青木島地区区長会と懇談の機会を設け、更に、住民説明会を開催し、地域住民の意見を伺ってきた。
住民説明会では、廃止の判断に至るまでの経緯への疑問、子どもたちのために遊園地を存続してほしいとの意見があった。
他方、生活環境の面から遊園地廃止方針に賛同する意見もあった。更に、青木島小学校を含めて、子どもたちが遊べる環境整備への提案をいただいた。
青木島遊園地の利用をめぐるこれまでの状況や関係者との協議、区長会の要望など、18年間の経過を踏まえ、総合的に廃止の判断をしたが、住民説明会などを開催する中で、様々な受け止めがあることを改めて認識した。
<現状の課題>
遊園地存続の選択肢を含めて熟慮してきたが、遊園地の土地が借地であること、遊園地を存続した場合、遊園地の利用方法や管理方法、児童センターや保育園の送迎などの課題がある。
また、個人のプライバシーが侵害される事案が発生している。世間での反響の大きさに地区役員が困惑し、意見の対立から地域の分断、更なる人権侵害につながることを懸念している。
もはや、青木島遊園地の存廃という問題だけでなく、周辺の住環境、子育て環境など、顕在化してきた課題を含めて、総合的に改善・解決していく必要がある。
<今後>
様々な課題や制約を勘案し、近く、解決策をお示ししたい。
<鈴木洋一の考え、一刻も早い結論を示すべき>
以上ですが、市長が苦心に苦心を重ねていることが伝わってまいります。しかし、これらの状況は廃止の判断に至る間において認識されていたことであると思います。むしろ、こうした現況、現状をないがしろにしてきたのではないか、当初の説明との齟齬があったのではないか等、市長の発言にあった「プライバシーの侵害、地区役員の困惑、地域の分断、更なる人権侵害」に至らしめている、と絵私自身、忸怩たるものがあります。
市長は速やかに、現時点での廃止の判断を撤回もしくは凍結等、明確に示すべきです。その上で、課題への対策について、広く深い議論を重ね、これまで以上の施設としていかなければならない、と考えます。
これまで市長は、自分自身の責任で結論を出す旨の発言をしております。より多くの人たちが歓迎する結論を一刻も早く示すことが求められているのです。
大雪により行程を一部変更しましたが、1月25日、26日の2日間、新潟県三条市と見附市を視察してまいりましたので、視察の報告をさせていただきます。
1月25日(火)
〇過去の災害と災害からの復興について
三条防災ステーション(三条市水防学習館、新潟県三条市)
<概要>
三条市水防学習館は、平成16年の7.13水害及び平成23年7月27日から30日の記録的な大雨による水害、いわゆる7.29水害を受け、水害を忘れず、水害に学ぶことを目的として平成24年5月に設置された。 非常食等が展示され、更に、情報発信モニター、ドア水圧体験、水害降雨再現シアター等により、小学生から大学生、また、各団体等が水害について学ぶ場所となっている。
<所感>
開所当時は別の団体が指定管理を担っていたが、現在、施設を管理しているのは指定管理者かわまち・ドットコム。開所当時は多くの見学者があり、水防学習の場として機能していたが、昨今に至っては、見学者を呼び込むことが一つの課題であるとのこと。その一環として「ミズベリング三条」と称した自由に利用できるエリアを再構築しながら水防学習に繋げる取り組みを行っている。
7.13、7.29水害発生以降、三条市及び周辺市町村、更に、国や県による復興事業が行われ、水害発生リスク低減が図られている一方で、過去の水害について学ぶ意欲が薄らいでいる側面があると思われる。
長野市は、現在、様々な復興事業、治水対策、とりわけ、国県及び流域市町村とともに河川整備等を進めているが、行政機関はもとより、各議会、住民は進捗状況をつぶさに点検し、過去の水害から得た教訓を後世に繋ぎ、気候変動等の状況の変化に伴う水害発生リスクを忘れないために、長沼防災ステーションにおいて、常時、災害学習が可能な常設型のスペースを充実させることが必要ではないか、と考える。
〇信濃川水系下流域での災害の状況について
信濃川大河津資料館(新潟県三条市)
大河津分水路の川幅拡幅工事について(にとこみえーる館、新潟県三条市)
<概要>
2022年8月、大河津分水路通水100周年と関屋分水路50周年の節目を迎えた。しかしながら、大河津分水路改修事業は現在も継続中であり、更に、令和元年東日本台風等を受け、事業完了年度が当初の令和14年度から令和20年度へ、また、全体事業費も当初予算から500億強増額となる約1,765億円となる大規模な事業である。
また、「にとこみえーる館」は、現在工事中の現場にほど近く、大河津分水路改修事業の工事内容を知ることが出来るとともに学ぶことができる施設となっている。
<所感>
信濃川水系河川整備は、河川法に基づき、平成21年に整備基本方針、平成26年に整備計画が策定され、概ね30年で河川整備を進めるとされてきた。しかし、度重なる洪水被害、特に、令和元年東日本台風災害を受け策定された信濃川水系緊急治水対策プロジェクト、その整合性を取るために変更された河川整備計画により、千曲川、犀川を含めた信濃川水系における河川整備は大きな転換期を迎えている。国等は常に上下流のバランスと口にするが、プロジェクト、河川整備計画はそれに基づいたものだと認識しているが、上下流のバランスを口実に、上流の整備が遅滞することは許されることではない。計画に則り、着実に事業を進めていくことを強く求めたいところだ。
「にとこみえーる館」の存在は、上下流域住民にとって、大河津分水路改修工事の早期完了は悲願である一方で、ハード面強化に関する事業の壮大さと道のりの長さを実感できる場である。予算や工期を再認識することで、ソフト対策への理解と協力の推進につながることに期待を寄せたい。
〇近年の災害と流域治水等の取り組みんについて
災害からの復興と課題 田んぼダム、備蓄等計画(見附市役所、新潟県見附市)
<概要>
見附市を流れる刈谷田川は、信濃川下流域の再上流部に位置する。平成16年7月の7.13水害において、刈谷田川で6箇所の破堤、そのうち5箇所が見附市域であったことに加え、7年後の7.29水害を受け、刈谷田川ダムの治水機能20%の向上、堤防の嵩上げ、屈曲部改修、そして田んぼダム、遊水地整備が進められた。
見附市の田んぼダムは、県営圃場(約1200ha)の活用も功を奏し、長時間降雨では下流、短時間降雨時は上流への効果が大きい等、農業が持つ多面的機能が発揮されており、新潟大学の調査においても、地の利を活かしての効果の高さが評価されている。
<所感>
現在、国を挙げて取り組みが進められているのが「流域治水」である。「流域治水」は、河川、河道への流出量の抑制を目的としている。つまり、農地をはじめ、学校校庭、道路、駐車場等において、最大限貯留し、河川の氾濫を防ぎ、被害を極力小さくするための対策である。刈谷田川ダムの貯水量(393万トン)の64%となる252万トンを貯留可能とする田んぼダムの効果は新潟大学の報告でも裏付けられ、取り組み当初に直面した課題を乗り越え、事業確立に至ったことは、行政はじめ関係者による治水安全度向上に対する強い危機感からだと受け止めた。心より敬意を表したい。
更に、意義のある取り組み事例は、水位調整官の取り換えだ。設置当初の横穴式では、地主の操作が必要であることから田んぼダム実施率が約39%と機能させるには不十分であった。そこで、操作不要となるコーン型に入れ替えたことで実施率が約100%となり、床上浸水ゼロとなる等、関係者の柔軟かつ積極的な姿勢、取り組みは治水対策を進めるうえで、大いに参考とし、長野市でも醸成しなければならないことだ。
長野市を含む千曲川・犀川流域において、見附市スタイルをそのまま採用することは困難かもしれないが、小さくともすべての農地が貯水能力、多面的機能を発揮し、河川への流出量抑制に繋げる取り組みを更に強化する必要がある。
また、見附市田んぼダム事業において特筆すべき点として、総事業費約1,500万円で、実に、刈谷田川ダムの総事業費の0.027%であったことを挙げたい。多額の経費、長年にわたる工期等のこれまでの治水対策における常識を覆す取り組みとなったのではないか、と考える。
本市は、全ての市民、事業所等が協力できる体制構築のための取り組みについて、まだまだ十分とはいえない。流域治水に必要なことは何なのか、再度、検討し、事業化を進め、生命及び財産を守り抜く施策を求めたい。
〇近年の災害と流域治水等の取り組みについて
遊水地整備の経過(見附市役所、新潟県見附市)
<概要>
平成16年7月の7.13水害を受け、平成16年から22年、事業費約34億円が投じられ、刈谷田川における洪水対策(新潟県長岡地域振興局整備部の刈谷田川災害復旧助成事業)として、遊水地整備が進められた。
同遊水地は、地役権方式が採用されており、約91町歩(約99ha)、355戸の農地所有者によって、通常は水田としてそれぞれ耕作され、洪水となった際、刈谷田川に流れる水を一時的にため込むことで下流への流量を減少させる機能を担っている。刈谷田遊水地は面積912,000㎡、計画貯水容量は2,347,000㎥で、刈谷田川ダムの貯水量(393万トン)の約60%に値する。遊水地により刈谷田川の水位を約35cm低下させる効果を発揮し、平成23年7月の7.29水害では、平成16年のような大きな災害から地域を守った。
<所感>
長野市を含む長野県域において、信濃川水系緊急治水対策プロジェクトに則り、現在、蓮(飯山市)、上今井(中野市)、塩崎(長野市)、埴生、平和橋(共に千曲市)の5カ所で遊水地整備計画が進められている。しかし、住民の合意形成、他整備の進捗状況等により、着工そのものに遅れが生じると言われており、遊水地整備完了の遅れがもたらす影響を懸念するところである。
篠ノ井塩崎に計画されている遊水地整備における事業進捗管理、更に、その後の維持管理等において、本市には一定の責任がある。地球温暖化が進展し、更なる豪雨災害リスクの高まり、被災地区でもある篠ノ井地区のみならず、水害リスクに不安を募らす多くの流域住民は早期完成に期待を寄せている。
他方、農作物補償、農地移転など、当事者が直面している課題もあり、多くの関係者は理想と現実の間で思いは交錯している、と受け止めている。
しかし、遊水地整備によるリスク軽減は、刈谷田川遊水地の実績からその効果は明らかであり、一刻も早い整備完了が流域住民の生命と財産を守る上で、行政として果たさねばならない責務である。
刈谷田川遊水地は地役権を設定した上での整備が行われた。地役権は原則、洪水により収穫が見込めなくなった場合でも補償されない。刈谷田川遊水地においてもNOSAI等の保険への加入を進めているとのことだ。
それぞれ地域には賛否さまざまな意見、考え方があるが、毎年のように起こり得る記録的な大雨、大型化している台風上陸においても、地域を守り得る安全性をより高めるために、本市は今以上に何ができ、何をしなければならないのか、すべきか等、今こそ整備に向け、主体的かつ能動的に動かなければならないのではないか。
以上です。
つくづく感じるのは、緊急性がありながら中々事業着手に至らないケースが多い、ということです。災害対策だけでなく、日常生活を送るうえで、可及的速やかな対策が必要な事業も然りです。
私たちは、常に、市民生活が第一の視点で、行政に対し、喧々諤々、議論をしていかなければなりません。
治水対策は、私にとっても最重要テーマです。視察で得た事項を今後の活動に活かしてまいります。
早いもので今年もあと少しとなりました。
この1年、おかげ様で元気に活動をすることができ、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
本日は、朝から、地元神社の越年祭準備、その後、我が家の大掃除、挨拶周りを終え、無事に本年締めくくりとなる1日を無事、終えることができそうです(この後、22時30分から越年祭がありますが)
来年はうさぎ年です。穏やかに、そして躍動の年となるよう、何事にも全力を尽くして頑張ります。
少し暖かな大晦日ですが、皆様、体調管理にはご留意いただき、良いお年をお迎えください。
鈴木洋一拝
昨日(12/19)、長野市議会12月定例会が閉会しました。今定例会に上程された議案について、全て原案通り可決となり、私も全ての議案に賛成しました。
まず、令和4年度一般会計補正予算の内容は、既にご報告のとおり、建設業、製造業、運送業を営む市内中小事業者の事業継続を支援するための「建設・製造・運送業対象原油価格高騰対策特別支援事業」640、000千円をはじめ、新型コロナ関連として「新型コロナウイルス感染症入院医療費公費負担事業」61,234千円、「新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業」890,331千円、オミクロン株対応ワクチンの小児(5~11歳)への3回目接種及び乳幼児(6か月~4歳)への初回接種について体制確保に要する経費の増額等です。
いずれも必要な事業であり、早急な対応が求められていることから賛成いたしました。他議案につきましては、法改正等に伴い長野市の関連する条例の改正案であることから賛成した次第です。
そして、今定例会で私も一般質問にて登壇させていただきました(12月9日)。私が取り上げた質問について一部ご紹介します。
<50歳以上の新規就農者への支援>
本市農業政策において強化すべき取組として、50歳以上の新規就農者への支援がある。本年9月30日に公表された令和3年の全国新規参入統計結果によると、全新規参入者5万2、290人のうち、自らリスクを取り、土地や資金を調達し、新たに農業を始めた新規参入者は3、830人、7%となっており、さらに、そのうちの1,140人が50歳以上と3割を占めている。統計数値から見ても、50歳以上の新規就農者への支援は意義のある政策だ。
<優良農地再生事業、草刈りマッチング事業>
遊休農地発生防止解消に向け、草刈りや流木の伐採等を行う組織の募集や、そうした作業も受託する際の支援の必要性が高まっている。藤枝市では、草刈り作業ができない人と草刈り作業が可能な人を登録し、双方の意向をマッチングする草刈りマッチング事業に取り組んでいる。本市においても構築すべきだ。
<優良農地再生事業、農地再生補助金>
浜松市では、市内全域を対象として農地再生補助金を市単独予算で取り組んでいる。本市には優良農地復元事業として、被災地区荒廃農地利活用補助金事業、中山間地域農業活性化事業があるが、平坦地域の荒廃化してしまった農地を耕作可能な農地に復元するための助成措置についても検討し構築すべき。
<農業所得500万円>
長野市認定農業者の認定における農業所得500万円は、目標値として現実と乖離しており、高過ぎる、と指摘されている。本市の農業経営体4,214のうち90%を500万円未満の経営体が占め、さらに100万円未満の経営体は2,340と全体の55.6%だ。
本市農業は兼業農家を含めた多様な農業経営体が担っている一方で、多くの農家に支援が行き届いていないのではないか。
国の食料・農業・農村基本計画は、家族経営を含む多様な担い手が地域の農業と農地を維持し、地域の活性化に寄与できる取組を進めると整理している。農業所得500万円の見直しと経営規模に関わらず、より多くの農業者に支援が行き渡る施策を講じるべきだ。
<青木島遊園地廃止>
現在、報道等により、地域住民はじめ多くの市民が不安や不満等で大変混乱している状況だ。近隣の住民の皆様方はじめ、あらゆる関係者に対し、今回の経緯、今後の対応等について、懇切丁寧な説明が重要だ。
以上です。それぞれの質問に対し、答弁をいただきましたが、特に、農業振興に関しては、まだまだ、議論の余地があり、更に、農業委員会等とも連携しながら、必要な事業の構築に向け、取り組みを深めていく必要があると考えます。
また、青木島遊園地について、信濃毎日新聞で報道されて以降、多くの方々とこれまでの経緯等を含め、意見交換をさせていただきました。今後の対応について、行政、地域、各施設、そして我々等がこれまでの経緯を踏まえ、より多くの方々が納得する最良の案を示し、公園(遊園地)が果たす役割を十分に担える施設について、早急に取り掛からなければなりません。
本日、長野市議会12月定例会が開会し、12月19日までの19日間、本会議場及び委員会室にて論戦が交わされます。今定例会に上程された主な議案は、補正額を2、039、199千円とした令和4年度長野市一般会計等補正予算、条例改正等となります。
私も、12月9日(金)15:35頃から、個人質問で登壇を予定しており、現在、質問に向け準備をしています。本日、市長より、議案提出の説明がありましたので、一部ですが紹介します。
<子育て支援について>
本年5月にオープンした「こども総合支援センターあのえっと」は、 11月25 日現在で849 件の相談をいただいた。そのうち 236 件は他機関との情報共有や連携支援など支援の横展開につながっている。しかし、相談のしやすさを感じていただいていると思う一方で、保護者や子どもたちが様々な悩みや困りごとを抱えていることの表れでもあることから、引き続き、子育て支援に重点的に取り組む。
<市内経済の活性化について>
本年4月からおよそ3か月間にわたり行われた善光寺御開帳では、「日本一の門前町大縁日」を開催して、まちのにぎわいを創出した。イベント主催者に感染対策を講じていただき、市民や来訪者の協力の下、感染拡大を招くことなく、御開帳期間を終えることができた。
御開帳の期間がおよそ1か月延長されたこともあり、636 万人の参拝者と1、095 億円の経済効果を生んだことで、市内経済の回復の足掛かりになったと受け止めている。
御開帳後も切れ目のない経済対策を継続し、現在、発行総額 72 億円の「ながのビッグプレミアム商品券事業」により消費を喚起し、市内経済の下支えを図っている。
また、コロナ禍に加え、原油・物価高が市内経済のリスクとなっていることから、本定例会に補正予算案として、建設業、製造業、運送業を営む市内中小事業者の事業継続を支援するための経費などを計上した。
一例ですが、「建設・製造・運送業対象原油価格高騰対策特別支援事業」640、000千円は、財源を全額、国交付金とし、原油価格高騰等の影響を大きく受ける建設、製造、運送業に対し、経費増大の負担軽減と事業継続の支援に要する経費です。
給付要件:市内で経営の店舗、事業所を有する建設、製造、運送業の中小法人と個人事業主(2,300件を想定)
給付金額:本店所在地(法人)または住民票(個人)が市内にある事業者に、前事業年度の売上高に応じて給付
3億円以上・・50万円
1億円以上、3億円未満・・40万円
3千万円以上、1億円未満・・30万円
3千万円未満・・20万円
※市内に事業所のみ有する事業者及び新規開業者には一律10万円給付
<財政運営について>
10 月に公表した今後5年間の財政推計では、引き続きの社会保障関係経費の増加に加え、公共施設の長寿命化対策、河川防災ステーション等の東日本台風災害復興関連事業の本格化や国民スポーツ大会に向けた施設整備などの普通建設事業費の増加を見込んでいる。これらの財源は、市債の発行と財政調整基金の繰入により対応することとなるため、令和3年度決算で減少させた市債残高は、令和5年度を底に再び上昇し、令和3年度決算で蓄えた財政調整基金は、令和8年度には4割が減少する厳しい財政運営が見込まれている。健全財政の維持に加え、新たな産業の育成など経済基盤の強化を通じた税収の確保が本市財政運営の最重要課題だと認識している。
<令和5年度当初予算について>
令和5年度当初予算は、「ウイズコロナ、アフターコロナ」に有効な事業、台風災害からの復興、新型コロナウイルス感染症対策、原油価格・物価高騰対策も加えた「喫緊の課題解決」に対応する事業、公共施設長寿命化対策事業に予算を優先配分し、健全財政を損なうことのないよう予算編成を進めていく。
<コロナウイルス感染症対策について>
10 月中旬以降、新規感染者数が再度増加し、現在、第8波の状況となっている。ワクチン接種は、9月末からオミクロン株対応ワクチンの接種が開始されているが、接種間隔が3か月間へ短縮されたことに加え、季節性インフルエンザとの同時流行を見据え、接種を促進する必要がある。南長野運動公園への臨時接種会場の設置や、ワクチンバスの運用などを追加し、本年中に全ての対象者が接種可能な体制を構築している。多くの市民の皆様になるべく早期に接種していただけるよう、更なるPRに努めていく。
<自治体新電力について>
エネルギーの地産地消を推進し、CO2 排出削減、市外に流出するお金の地域循環化、電力販売収益の再投資によるゼロカーボン事業の推進は、効果が期待できる一方で、電力市場の価格高騰を受け、電力の供給停止や撤退といったケースも報道されている。詳細調査を通じ、事業性やリスク対応をしっかり検証した上で、設立の適否を判断していく。
<農業振興について>
新たな取組では、「ワイン特区」の名称を「長野市ワイン・シードル特区」として10 月21 日に内閣総理大臣に申請した。今後も、ワイナリー開設を目指す事業者の支援を行い、原料果樹の生産拡大につながる事業の実施により、農業振興につなげていく。
<園児送迎バスの安全確認について>
他の自治体で、保育園児が車内に置き去りにされ亡くなる事案が昨年に続き発生した。本市は、送迎バスを運行している市内の保育施設を対象に、緊急点検を行うとともに実地調査を行い、安全確認した。全国では繰り返し同様の事案が発生していることから、国の第二次補正予算案に盛り込まれた「送迎用バスへの安全装置の導入支援」等の補助制度について、活用を積極的に検討していきたい。
以上です。今日から始まった12月定例会、緊張感を持って臨んで参ります。
早いもので、11月も終わります。長野市議会12月定例会を目前に控え、その準備に取り掛かっているところです。
11月29日付けの信濃毎日新聞をみましたら、地方議会改革について、政府の地方制度調査会(地制調)専門小委員会が答申案をまとめた、との記事に接しました。
記事では、「後を絶たない不祥事の抑止」や議会、議員の責務などを地方自治法に規定することを柱とし、国会議員の委員らが参加する総会において年内に正式決定する、また、新たに規定する内容として「自治体の重要な意思決定に関する議決を行う」や「議員は住民の負託を受けて誠実に職務を行う」等、議会が果たすべき役割や議員の心構えを地方自治法に定めるよう政府に求め、議員の深刻な成り手不足を受け、議会に対する住民の関心を高め、女性や若者ら多様な人材の参画を促す、との内容でした。
こうした動きへの私の受け止めとして、法に規定することなのか、と考えてしまう部分も正直ありますが、他方では、それだけ地方議会の形骸化や議員の資質等について課題があるといった現状だとも考えます。
ちょうど、今年の1月、地元有線放送の新年挨拶放送において、議会や議員の役割等について述べさせていただきましたので、要旨をご報告します。
『長野市は、喫緊の課題である、新型コロナウイルス感染症対策、台風第19号災害からの復興及び災害に強いまちづくり、また、人口減少、少子超高齢社会、社会保障関係経費の増大、公共施設の老朽化への対策、健全財政、気候変動など、構造的な課題を抱えている。更に言えば、IPCC第6次評価報告書や環境省の試算、2018年のグローバル気候リスク指標の指摘等を考えると、長野市は災害のリスクを再認識し、ハード対策としての治山治水と、その根本的原因としての温室効果ガス大幅削減に全力で取り組む必要がある。
私たち議会、議員には、様々なリスクを抱えている中であっても、私たちも含め、将来世代が安全かつ安心して住み続けられる長野市をつくり出す責務がある。
地方議会は、住民全体を代表する機関であり、住民の直接選挙で選出される議員で構成されており、地方公共団体の意思を決定する機能及び執行機関を監視する機能を担い、同じく住民から直接選挙された市長はじめ執行機関と相互にけん制し合うことにより、地方自治の適切な運営を実現することとされている。
重要なことは、議会がその責任を全うし、各関係機関が更に、連携、協力しながら、市民生活を取り巻くリスクを最小限に抑え、安全で安心した日々の生活を送ることができる社会を造りあげ、長野市が目指す「幸せ実感都市ながの」の実現に向け、確実に歩を進めていくことだ』
以上ですが、改めて、市民が望む議会、議員とは何なのか、何を期待しているのか、その上で、私たち一人一人が自覚を持って十分な日常活動を行えているのか等、常に、その責任を感じながら、市民の負託に応えていかなければなりません。
その上で、地方制度調査会が最終的に、どのように地方議会改革についてまとめていくのか、私も注視してまいります。
11月に入りました。これから、長野市のみならず国及び地方自治体では、来年度(令和5年度)に向けた予算編成の作業に入っていきます。私が所属する会派においても、今月中旬、市長に対し令和5年度予算・施策に対する要望書を手交する予定で、現在、そのための議論を行っているところです。
予算編成はもとより、議会及び議員は様々な視座から行政側と議論を行いますが、さすがに、各職員は行政のプロであり、そのプロと議論するには私たちもそれ相応に理解を深め、知識を積み上げ、議論を深めていかなければなりません、そうした中、地方自治体の財政運営と議会の役割等について、同志社大学の新川達郎名誉教授の論説に接しました。大変参考になりましたので、ご紹介します。
<財政運営と財政民主主義>
現代社会においては地方自治体も一つの経済主体である。地方自治体の活動は収入と支出によって行われており、収支のバランスをとった運営が求められている。これを一般的には財政運営と呼んでいる。
収入については徴税という強制力のある財源があり、支出については住民の福祉の向上を目的とし、公平公正にお金を使うことになっている。つまり、財政民主主義ということ。
地方自治体の財政民主主義の基本にあるのは、予算制度であり、予算というと予算編成に専ら関心が向きそうであるが、予算制度は、予算編成、予算執行そして決算という一連の財政運営を指すものである。
住民の代表機関である議会は、毎会計年度の事業開始の前にあらかじめ予算を議決しなければならず、当該年度に入ると執行機関はその予算を適正に執行し、その翌年度には執行後の予算について決算を調製し、議会の議決を得る。
自治体議会の地方財政に関し、次年度予算編成に関する審議に関心が集まりやすく、重視されることは当然だが、毎年度の予算編成(計画)は、前年予算の決算(監視評価、修正行動)によって修正あるいは立案されるのであって、議会は決算(評価)を踏まえて、予算(政策形成)審議を行うのである。
<議会として持つべき能力>
議会は、財政運営における政策方針の全体像のみならず、個々の政策・施策・事業の財務についても理解し、事前と事後に政策評価をすることができる能力を持つ必要がある。
議会とその議員は、政策財務の基礎知識、予算と決算の基礎知識を持った上で、決算議案や予算議案のみならず、そこに含まれる政策・施策・事業のそれぞれの政策財務について審議し決定する能力を持たなければならないのである。
<政策の観点から財務を審議する議会>
①政策課題が的確にとらえられているかが問題であり、住民ニーズやその意向の把握が必要となる。予算制度における住民の視点の反映は議会の審議の要点である。
②政策案の妥当性や合理性の審議が必要。政策提案は執行機関からも議会からも可能であり、時には住民提案も考えられる。その際に、提案がその目的を達成することができるものであって、実現可能性があり、必要な財源資金を調達できるかどうかを議会として評価し判断する必要がある。
③政策・施策・事業の実施状況を適切に監視すること。実施過程が適時的確に進捗しているかどうか、とりわけ予算執行状況は、その成果に直結することから、監査委員のみならず議会による監視体制が整えられなければならない。
④政策評価の観点からの審議機能。とりわけ決算過程においては、会計上の適正だけではなく、政策の成果の観点からの評価が求められ、それが次の政策形成に向けての出発点の役割を果たす。
従来軽視されてきた決算や監視の機能を重視し、それを踏まえた政策提言をし、議会と議員が、そうした視点を持って政策財務に取り組む必要がある。
<政策的な財政運営への転換>
地方自治体の財政運営は、これまで一般的に言われてきた「入るを量りて出ずるを制する」という考え方に対して、「出ずるを量りて入るを制する」という視点も重視されるようになってきた。
これまでの発想は、保守的な財源金庫番主義的運営であり、財源中心の財政運営の傾向が強かった。他方、現在、必要とされる支出額を考えて財源を確保するという政策的な財政運営への転換が求められるようになっている。
それは収支の均衡や健全財政の原則を否定するのではなく、「選択と集中」という標語に示されるように、政策意図を明確にした財政運営が求められる。
しかしながら、今日の低成長と財源制約が厳しくなった時代においてこそ、政策的な観点からの地方自治の展開が求められ、それに対応した財政運営が必要。
政策財務はそのためのカギになる観点であり、地方自治を担う自治体議会の中枢的な役割の一つである。そうした観点から政策・施策・事業を監視・評価し、その成果を踏まえて政策提案や審議を行い、議決をしていくことにある。
<自治体議員が備えなければならない能力>
このような議会の権能を果たしていくためには、政策財務に関する知識や運用能力を、自治体議員が備えていかなければならない。政策、計画、事業とその財務を一体的に理解すること、執行監視や成果評価を行い、費用便益を明らかにし、金銭収支の適正を確保し、財源資金の調達と支出の合理性を追求することは、これからの自治体議員にとって必須ということになる。
政策・施策・事業のいずれのレベルにおいても、
①政策問題ないし政策課題の探索ないしは発見が前提となる。
②その政策問題について政策課題として俎上(そじょう)に載せることができるかどうかの判断、いわば政策的に対応できる問題かどうかを判断しなければならない。
③政策的対応ができるとして、その目的達成のための最も合理的な遂行手段(政策手段)を提案できなければならない。
④良い政策提案も、その実現可能性、それに必要な財源資金をはじめとして資源調達が可能か、実施の環境条件が整っているのかを判断しなければならない。
⑤政策の選択や決定を合理的に行わなければならない。
⑥その政策の実施を監視する必要がある。
⑦最後に、その政策の評価を行うこと。
地方自治体が経済主体として政策に、いかにかかわるかというマクロな観点から、個別の政策経費における合理的な資金収支の構成まで、求められている政策財務の知識や技術の範囲は広い。
自治体議員としての政策財務の知識、技法、その運用の習熟には、様々な「議員力」の向上の方策が必要となる。財務会計の基礎知識のみならず、政策財務を議員が作動させる個々の能力の向上、組織や仕組みの理解などの力を養わなければならない。
以上、ご紹介するとともに、私自身、常に留意しながら取り組みを進めたいと思います。
先週の10/5、6の2日間、長野市農業委員会での県外視察が行われ、私も参加してまいりましたので、内容に関し、ご報告いたします。今回の視察において、特に、浜松市及び藤枝市の取り組みは、長野市農業政策においても参考とすべきものであり、積極的な取り組みが必要だと受け止めました。
●三ケ日町農業協同組合(JAみっかび柑橘選果場)
<概要>
令和3年10月、総事業費79億1、529万円の新たな柑橘選果場が完成した。静岡県と浜松市からそれぞれ5億円の助成を含め、補助金総額は48億5,178万5千円。
井口組合長によると、全国の柑橘生産量は、昭和50年代の350万t時代から令和3年度の72万tへと大きく減少している。従前のルールや販売方法等を見直す時期であり、供給体制を整備し、ブランドを活かし市場からあてにされる産地形成の更なる強化を図るための取り組みである。
<所感>
全国的な生産量は減少しているが、三ケ日みかんについては、増加しており安定している。しかし、後継者確保の課題は解消できていない、特に、小さな農地の需要が少ないこと、境界の調整がしにくいこと等、現在の農地法において、対応が困難な事例に直面していることから、カテゴリー毎に解決方法を模索しながら取り組んでいるとのことだ。
長野市農業のみならず全国的な課題である後継者確保と育成、更に、農地法による制約等を踏まえ持続可能な農業を考えていく必要がある。
現在、JA三ケ日は農地銀行による農地の集積・集約に取り組んでいる。資料では、令和10年に営農規模縮小、更に、営農をやめる、との意向を示した数値は35.2%である。また、組合員経営主の年齢構成を令和2年と平成27年を比較すると59歳以下の割合が41.5%から27%へと大きく減少している。こうしたことを受け、職員2名体制で、これまでの受け身の姿勢から組合員からの要請に寄り添った対応へと、将来に向けた積極的な取り組みが行われている。本市のJAにおいても、更なる能動的な対応へと進化させていくために、参考にされたい。
●浜松市農業委員会(農地銀行について)
<概要>
浜松市農業は、恵まれた自然条件、豊富な水を活用し農業基盤整備がなされ、更に、有利な立地条件から、みかんを中心とした果樹、お茶、畜産等の多彩な農産物により発展してきた。令和2年実績で全国第7位の農業産出額を誇っている。しかし、担い手の減少により、総農家数、経営耕作面積は減少傾向にある。
以上を踏まえ、浜松市農地銀行を開設し、農業委員会に申込みのあった「貸したい・売りたい農地」の情報を公開し、担い手確保及び耕作地面積減少に向けた取り組みを行っている。
<所感>
17,500人への調査を行い、情報を専用のホームページで公開している。毎年4月に更新し、以降、適宜、更新している。アクセス数は22、242件(令和3年度)で、毎年5,000筆(360ha)の新規登録があるが、成約数は149筆(13.5ha)。中には使い難い農地があるが、耕作に繋げられる農地については、農地再生補助金を市単独予算を執行している、との説明があった。しかし、耕作に結び付けられない農地が増加していく現状への効果的な解消方法が見つからず、大きな課題であるとの認識を示されていた。
長野市農業においても、担い手確保及び耕作地面積減少、言い換えると、後継者確保、耕作放棄地解消は大きな課題である。しかし、農地の現状や情報を広く公開しているかという視点でみると、決して充分とは言えないと考える。長野市は農業が持つ多面的な効果を市民全体で共有し、更に、農業を長野市における重要な産業の一つとして位置付けているのであれば、農業に関する情報を広く市民に伝える努力を更に強化すべきではないか、と考える。特に、農地情報について、浜松市の取り組みに倣って取り入れるべきである。
●藤枝市農業委員会(ふじえだゼロから農業エントリー制度について)
<概要>
藤枝市農業委員会は、令和3年5月1日より、「ふじえだゼロから農業エントリー制度」を開始した。自給自足や生きがいを目的として耕作や就農を目指す方の、市内遊休農地について10a以下でも使用貸借を可能とするもので、遊休農地発生防止と解消、更に、新規就農促進を図っている。(注:農地法第3条に基づき、藤枝市の使用貸借下限面積は30aとしている)藤枝市が窓口となり、農地の貸し借りを支援するとともに、農地がなくても気軽に農業をはじめるスキームを作ったといえる。
<所感>
長野市の農業政策に積極的に取り入れるべき事業だと考える。要件も実情が考慮されており、一例として、農作業経験のない方の場合は、0.6a(60㎡)以下、農作業経験はないが、営農している方の指導を受けながら農業をはじめられる場合は1a(100㎡)以下等の権利取得が可能となっている。農業に関心を持ち、生きがいや趣味の一環とした意欲的な就農者の増加により、新規就農の促進と荒廃農地解消に向けた効果的な取り組みとなり得ると受け止めている。
これまでの実績は、本年9月末で54件の申請があり、うち、エントリー認定者は52名で29件が農業委員会で許可されたとの説明があった。更に、申請者の年代別でみると、50代以下が37名、約69%を占めていることから、#楽しく、#趣味として、#手始めに、#小規模から、#初心者大歓迎、#農業女子・男子、#家族で、等の本制度が目指している方向に確実に進んでいるのでは、と感じた。
農地の売買、賃貸借は農地法に基づくが、法律の範囲内で出来る策を講じることで、現在直面している課題解決に向け、大いに参考とすべき取り組みだ。
●KADODE OIGAWA
<概要>
静岡県島田市に所在する県下最大規模の体験型フードパークで、地元農産物が集められ、施設内にはマルシェ、産直レストラン、カフェ等があり、令和2年11月に、JAおおいがわが設立した。
<所感>
平日の昼ということもあり、多くの女性が産直レストランで地元産食材を中心に舌鼓を打たれていた。詳細は不明だが、JAの他、行政や各種団体の協力により設立された経緯があると思うが、農業を中心とした地域振興に大きく貢献している施設だと思われる。長野市内には同様の施設がなく、その設置に期待を寄せたい。
以上となります。冒頭でも記しましたが、長野市の農業政策において、欠けていると思われる取り組みが両市において進められ、効果が期待されています。本気で新規就農等の就農人口増や耕作放棄地増加の解消を考えていくのであれば、行政として更に関与を強め、取り入れていく必要があります。今後、議会において提案していきたいと思います。
本日、母校である長野県長野南高等学校創立40周年記念式典並びに記念講演を執り行いました。
昭和58年4月、初めての入学生を迎えて以来、紆余曲折はあったものの、多くくの皆様から温かいご支援等をいただき、節目の年を迎えることができました。記念講演は、ゴルゴ松本さんをお呼びし、「出張!ゴルゴ塾 命の授業」を熱い講演をお聴きすることができました。
私も同窓会長として、節目となる記念事業に携わり、多くの方々にご理解とご協力をいただきながら、無事にやる遂げることが出来、感無量です。
本日の式典において、式辞をのべさせて頂きましたので、ご紹介させていただきます。
本日は、創立40周年を迎え、ご来賓として、長野県教育委員会 高校教育課 主幹指導主事 大倉宏夫様、更北住民自治協議会会長 山野井敏人様にご列席いただき、長野県長野南高等学校創立記念40周年記念式典を挙行できますことは、大変な喜びであります。
実行委員会を代表し、心より感謝申し上げます。ありがとうございます。
40年という歴史におきまして、一つの節目の年を迎えることができ、一層、学校、PTA、同窓会、それぞれの役割を改めて認識するとともに、責任を痛切に感じながら、それぞれ精進し、努力していきたいと思っております。
さて、時代は平成から令和へと移り、人口減少、少子超高齢社会の進展、気候変動等の構造的な問題に加え、新型コロナウイルスの猛威、更に、ウクライナ危機を受けた資源や穀物の価格の高止まり、円の下落による輸入品の急騰等、私たちの生活に大きな影響が及ぶ事態に直面しています。
更に、今後、いつ、何が、どのように、起こるか予測不能な時代ともいえると思います。本校が開校した昭和58年当初、今は当たり前になっていることを予測できたでしょうか、翻って、考えてみると、この先、10年後の日本の姿がどのように様変わりしているのか、時代の大きな渦に翻弄されることも少なくないと思います。
しかし、どんな時代であっても、決して諦めず、前をしっかり向いて歩を進めていく、そんな姿勢が大事だと思います。
私が敬う偉人、西郷隆盛は、その生涯を通じて、天を敬い、人に対し慈愛の心を持つ、「敬天愛人」という目標を掲げていました。
また、西郷は“己を尽くして人を咎めず。我が誠の足らざるを常にたずぬるべし。我を愛する心を以って人を愛せ。自己を許すが如く人を許せ。人を責めるが如く自己を責めよ” という言葉を残しています。
これは、「やりきった」と感じられるまで努力していることはあるか、何かを悔やんだり、人のせいにしたりする前に、本当に自分のベストを尽くしたのか、と自問自答することで、実は、努力が足りなかった自分に気づき、また、努力していないときのほうが、人のせいにしがちとなる、ことへの戒めの言葉であると受け止めています。
先日、信濃毎日新聞に掲載された40周年記念広告で、高山生徒会長は、伝統を次の世代に、と力強いメッセージを寄せられていました。
地域の先人のご苦労の上に創立された長野南高校は、将来に渡って、校是である「意欲 創造 誠実」の精神を伝えていく努力を積み重ねることで、常に、進化を遂げ、次世代へと伝統が受け継がれていくものだと思います。
そのためには、この40周年を契機とし、現状に甘んじるのではなく、己を顧みて、自問自答を繰り返し、常に、ベストを尽くすことのできる学校へと更に大きく成長していくことを願います。
結びに、長野南高校の発展のために、生徒、教職員の皆様のご精励と相まって、県教育委員会のご指導、地域の皆様のご理解とご協力、PTAと同窓会、関係する多くの皆様からご支援をお願いいたしますとともに、これまで以上にご指導ご鞭撻を賜りたくお願い申し上げます。
10年後、また、このような記念式典を行うことができるよう、関係者一同、誠心誠意努力してまいります。本日は、誠にありがとうございました。
以上となりますが、感謝の気持ちとともに、無事に終えることが出来た安堵感にしたりながら、本ブログを投稿いたしました。