昨日(9月9日)、長野市議会9月定例会一般質問で登壇しました。先のブログでお知らせしましたが、長野市の財政運営、物価高騰の下での長野市公共工事への柔軟な対応、入札における不落、不調への対策について取り上げました。
現在、長野市が直面している財政運営や公共工事等における課題は、国の経済金融政策と密接に関係していると思います。財務省は、先月の8月10日、国債と借入金、政府短期証券を合計した額は、6月末時点で1255兆1932億円と発表しました。
8月10日付けの日本経済新聞は、いわゆる国の借金は、本年3月末から13.9兆円の増加で、過去最多を更新し、債務の膨張に歯止めがかからず、金利上昇に弱い財政構造になっている、と報じていましたが、新型コロナウイルス対策や物価高対策など、必要な支援策の必要性は依然として高い状況であることを考えると、その財源として国債の発行に依存することを真っ向から否定するものではないと、と考えます。
政府は、物価高騰の対策として、2022年度予算の予備費を活用し、住民税非課税世帯約1600万世帯への5万円/世帯の給付金支給、ガソリン補助金を年末まで延長する等を決めた、との報道がありました。
更に、物価高騰対策として、地方自治体がその対策に充てるための地方創生臨時交付金を新たに6千億円の枠を設ける、とのことです。
地方創生臨時交付金は、政府が推奨する事業を示したとしても、長野市は、市民が有益と感じる施策を講じていく必要があると思います。
直面している物価高騰への対策を適宜、講じていただくことにより、市民生活を支え、より多くの方々が安定した暮らしを保つことは重要なことだと思います。
先に、直面している物価高騰に対応するための国債発行を否定するものではない、と書きましたが、更なる
財政悪化への懸念を考えていく必要があり、翻って、今後、長野市の行財政運営に何らかの形で影響が及んでくることを想定しておくことが大事ではないかと考えます。
昨日の一般質問で取り上げた、今後の長野市財政に関し、「6月の消費者物価指数は、3カ月連続で2%を超え、7月の貿易赤字は2.1兆円(季節調整済み)となり、年間ベースで20兆円を超える赤字が見込まれる等、貿易赤字に歯止めがかからず、更に、6月単月の経常収支は、1300億円超の赤字。これらのマクロ経済数値の動向は、金融緩和政策の変更を想起させ、金利政策の変更は、国の財政運営に直接影響を与えることから、地方財政計画や本市の標準財政規模が縮小されるのではないか。これは杞憂にすぎないのか。こうしたケースを想定し、対策を講じていくべきだ」と述べました。
その背景には、世界各国での物価高騰対策の動きがあります。欧米を中心に利上げの動きが加速しており、欧州中央銀行は、物価高対策を優先し、主要政策金利を0.75%引き上げることを決定し、また、連邦準備制度理事会は、0,75%への引き上げを視野に入れており、更に、カナダは、今月に入り、0.75%の大幅利上げに踏み切った、といった動きを見せています。これらは、すべて、物価高騰への対策として各国が行っている政策です。
他方、日本は、異次元の金融緩和政策を継続しており、円安の状態です。素人的な考え方かもしれませんが、上述のように、各国が物価高対策として金利の引き上げを行っていることから、現在の金融政策が市民の福祉の向上に繋がっているのか、市民益をもたらしているのか、根本的な解決方法となっていないのではないか等、と考えてしまします。
異次元の金融緩和が円安を進行させ、それが物価高騰の大きな要因となっているのであれば、社会や市場、経済を混乱させてはなりませんが、ソフトランディングを図るための議論(いわゆる出口戦略)を国において、国民に見える形で進めていただくことを期待したいと思います。
いよいよ明日からの3日間、本会議場において、一般質問が行われます。私も9日(金)10:30頃から概ね30分間、担当部長と議論する予定です。
今回私が取り上げるテーマは、
1.今後の財政運営について
2.建設資材高騰に対する柔軟な対応について
3.入札の不落・不調時の対応について
等です。
8月以降、今日まで質問準備の他にも、いくつかの案件が重なり、その対応に謀殺され、腰の落ち着かい日々が続いております。
明日、明後日の2日間、改めて、質問原稿を見直し、最終の確認を行い、万全な体制で論戦に臨みたいと思います。
本日(9月1日)、令和4年9月定例会開会が開会し、「令和4年度長野市一般会計補正予算」など議案 21 件、認定2件、報告 10 件が上程されました。
初日の今日は、市長より議案の提案説明等がありましたので、一部、ご紹介します。
<新型コロナ>
新型コロナウイルス感染症の状況について、市内新規感染者数は、8月 19 日発表分で過去最多の 817 人となり、外来診療や救急医療体制に大きな負荷が生じている。
そのため、医療機関の負担軽減を図るため、検査キットを医療機関等への緊急配布、医療機関を受診せずに自己検査で陽性確定ができる「新型コロナ自己検査オンライン登録システム」、陽性者の濃厚接触者が有症状となった場合、医師の判断により、検査を行わず臨床症状で診断する、いわゆる「みなし陽性」の運用を、先月上旬から、実施してきた。
国から、感染第7波の現状を踏まえ、新規感染者の全数把握を見直す方針が示されたが、感染者への対応を含め、長野県や医師会、医療機関等と連携し、適切に対応していく。
<物価高騰と豪雨災害>
ウクライナ情勢などに伴う原油価格や物価の高騰による市民生活への影響が続いている。「令和4年度長野市一般会計補正予算」において、原油価格・物価高騰対策として、地方創生臨時交付金を活用し、市独自で、食費などの物価高騰に直面する全ての子育て世帯に対し、児童一人当たり 1 万円を支給するほか、市民税非課税世帯等を対象とした冬季の暖房費の補助や、燃油価格高騰の影響を受ける農業者に対する支援などを行っていきたい。
学校給食費についても、保護者に追加負担を求めることなく、これまでどおりの栄養バランスや質・量を保った安全でおいしい学校給食を安定提供できるよう、学校給食食材費の物価高騰分を一般会計で賄うための費用を補正予算案に計上した。
<本年度の主な施策・事業の動向>
(令和元年東日本台風災害からの復興)
「令和元年東日本台風災害からの復興」では、8月10日、長沼体育館の復旧工事が完了した。また、(仮称)豊野防災交流センターの整備については、当初予定である令和6年8月のオープンに向け、事業を進めている。
治水対策は、浅川第一排水機場の災害復旧工事が昨年度末に完成し、令和元年東日本台風災害で被災した本市が管理する排水機場は全て復旧した。
(KURURUからSuicaへ)
バス共通ICカードである「KURURU」は、JR東日本が開発した「Suica」と連携した地域連携ICカードとして、令和7年春の導入方針を決定し、現在、JR東日本と導入に向けた協議を行っている。
(住宅の耐震)
災害に強いまちづくりのために、耐震性の低い住宅の所有者に対し、耐震化の必要性を啓発し、耐震診断が必要とされた家屋所有者に対し、昨年度から耐震改修工事の補助率を、2分の1から5分の4に引き上げたこと等についてダイレクトメールを活用し、耐震改修を働きかけ、住宅の耐震対策を促進していく。
(空き家対策)
空き家対策では、専門家団体の御協力の下、空き家ワンストップ相談会を開催し、空き家問題解決への支援を行うほか、周辺環境に悪影響を及ぼしている特定空家等の解消に向け、老朽危険空き家解体事業補助金限度額を 50 万円から 100 万円に拡充し、活用を促している。
老朽危険空き家解体事業補助金に対し、本年度は現在までに 14 件の申請がある。引き続き、補助金の活用により、危険空き家の解消を促進していきたい。また、管理不全の空家等で所有者不明のものもあり、課題となっている。空家等対策協議会において対策を検討していく。
(新たな学びの場)
少子化に対応した子どもにとって望ましい教育環境の整備について、子どもたちの教育環境を第一に考えながら、保護者との話し合い、地域の意見を踏まえ、進めてきた。信更中学校は来年度から「新たな学びの場」へ移行することとしており、七二会中学校は、保護者との話し合いを踏まえ、令和6年度から「新たな学びの場」へ移行するための条例改正案を本定例会に提出した。※「新たな学びの場」とは、指定校を含め、複数校から選択できること。
教育委員会では、子どもたちが「新たな学びの場」へ円滑に移行できるよう、関係する学校との調整など、準備を進めていく。
(移住・定住)
移住・定住の促進について、40 歳未満の若年層や中学生以下の子どもを持つ子育て世帯等の移住者に対する家賃支援制度を開始し、また、若者のUJIターンを促進し、市内に定住し、市内企業に就職した場合などに奨学金の返還支援を行う制度も本年度創設している。両制度の更なる周知に努め、若者や子育て世帯の本市への移住・定住を促進しいく。
(善光寺御開帳)
善光寺御開帳の期間中の参拝者は、過去最高であった前回のおよそ9割に当たる 636万人で、経済効果も前回に迫る 1,095億円となるなど、市内経済回復の大きな一歩となった。
(マイナンバーカード)
国は本年度末までに全国民にカードが行き渡ることを目指す方針で、健康保険証としての利用、運転免許証との一体化、マイナポイント事業第2弾の実施等に取組んでおり、本市としても、マイナンバーカードはデジタル社会の構築や行政事務の効率化を図るためにも重要であり、広報活動を強化し、窓口体制の充実、地区や企業等に出向き、出張申請実施等により、積極的に取得促進を図っている。
(市長のトップセールス)
先月は出荷の最盛期を迎えたモモ、ネクタリン、プルーンのトップセールスを日本最大の青果市場である大田市場で実施し、9月はブドウとリンゴのトップセールスを予定している。さらに、10 月末に東京日本橋で開催される物産販売イベントで、長野市の物産と観光をPRする予定。
今後も、市内事業者の販売力・営業力の底上げや販路開拓・取引機会の創出等を目指し、首都圏等へのトップセールスを積極的に行っていく。
以上です。来週から、一般質問が行われます。私も、登壇を予定しており、現在、質問原稿を作成しているところです。今回の私の質問では、今後の長野市財政運営について、建設資材の高騰に対する長野市における柔軟な対応について等を取り上げる予定です。改めて、本ブログにおいて、質問と答弁内容をご紹介させていただきます。
本日(9月1日)、令和4年9月定例会開会が開会し、「令和4年度長野市一般会計補正予算」など議案 21 件、認定2件、報告 10 件が上程されました。
初日の今日は、市長より議案の提案説明等がありましたので、一部、ご紹介します。
<新型コロナ>
新型コロナウイルス感染症の状況について、市内新規感染者数は、8月 19 日発表分で過去最多の 817 人となり、外来診療や救急医療体制に大きな負荷が生じている。
そのため、医療機関の負担軽減を図るため、検査キットを医療機関等への緊急配布、医療機関を受診せずに自己検査で陽性確定ができる「新型コロナ自己検査オンライン登録システム」、陽性者の濃厚接触者が有症状となった場合、医師の判断により、検査を行わず臨床症状で診断する、いわゆる「みなし陽性」の運用を、先月上旬から、実施してきた。
国から、感染第7波の現状を踏まえ、新規感染者の全数把握を見直す方針が示されたが、感染者への対応を含め、長野県や医師会、医療機関等と連携し、適切に対応していく。
<物価高騰と豪雨災害>
ウクライナ情勢などに伴う原油価格や物価の高騰による市民生活への影響が続いている。「令和4年度長野市一般会計補正予算」において、原油価格・物価高騰対策として、地方創生臨時交付金を活用し、市独自で、食費などの物価高騰に直面する全ての子育て世帯に対し、児童一人当たり 1 万円を支給するほか、市民税非課税世帯等を対象とした冬季の暖房費の補助や、燃油価格高騰の影響を受ける農業者に対する支援などを行っていきたい。
学校給食費についても、保護者に追加負担を求めることなく、これまでどおりの栄養バランスや質・量を保った安全でおいしい学校給食を安定提供できるよう、学校給食食材費の物価高騰分を一般会計で賄うための費用を補正予算案に計上した。
<本年度の主な施策・事業の動向>
(令和元年東日本台風災害からの復興)
「令和元年東日本台風災害からの復興」では、8月10日、長沼体育館の復旧工事が完了した。また、(仮称)豊野防災交流センターの整備については、当初予定である令和6年8月のオープンに向け、事業を進めている。
治水対策は、浅川第一排水機場の災害復旧工事が昨年度末に完成し、令和元年東日本台風災害で被災した本市が管理する排水機場は全て復旧した。
(KURURUからSuicaへ)
バス共通ICカードである「KURURU」は、JR東日本が開発した「Suica」と連携した地域連携ICカードとして、令和7年春の導入方針を決定し、現在、JR東日本と導入に向けた協議を行っている。
(住宅の耐震)
災害に強いまちづくりのために、耐震性の低い住宅の所有者に対し、耐震化の必要性を啓発し、耐震診断が必要とされた家屋所有者に対し、昨年度から耐震改修工事の補助率を、2分の1から5分の4に引き上げたこと等についてダイレクトメールを活用し、耐震改修を働きかけ、住宅の耐震対策を促進していく。
(空き家対策)
空き家対策では、専門家団体の御協力の下、空き家ワンストップ相談会を開催し、空き家問題解決への支援を行うほか、周辺環境に悪影響を及ぼしている特定空家等の解消に向け、老朽危険空き家解体事業補助金限度額を 50 万円から 100 万円に拡充し、活用を促している。
老朽危険空き家解体事業補助金に対し、本年度は現在までに 14 件の申請がある。引き続き、補助金の活用により、危険空き家の解消を促進していきたい。また、管理不全の空家等で所有者不明のものもあり、課題となっている。空家等対策協議会において対策を検討していく。
(新たな学びの場)
少子化に対応した子どもにとって望ましい教育環境の整備について、子どもたちの教育環境を第一に考えながら、保護者との話し合い、地域の意見を踏まえ、進めてきた。信更中学校は来年度から「新たな学びの場」へ移行することとしており、七二会中学校は、保護者との話し合いを踏まえ、令和6年度から「新たな学びの場」へ移行するための条例改正案を本定例会に提出した。※「新たな学びの場」とは、指定校を含め、複数校から選択できること。
教育委員会では、子どもたちが「新たな学びの場」へ円滑に移行できるよう、関係する学校との調整など、準備を進めていく。
(移住・定住)
移住・定住の促進について、40 歳未満の若年層や中学生以下の子どもを持つ子育て世帯等の移住者に対する家賃支援制度を開始し、また、若者のUJIターンを促進し、市内に定住し、市内企業に就職した場合などに奨学金の返還支援を行う制度も本年度創設している。両制度の更なる周知に努め、若者や子育て世帯の本市への移住・定住を促進しいく。
(善光寺御開帳)
善光寺御開帳の期間中の参拝者は、過去最高であった前回のおよそ9割に当たる 636万人で、経済効果も前回に迫る 1,095億円となるなど、市内経済回復の大きな一歩となった。
(マイナンバーカード)
国は本年度末までに全国民にカードが行き渡ることを目指す方針で、健康保険証としての利用、運転免許証との一体化、マイナポイント事業第2弾の実施等に取組んでおり、本市としても、マイナンバーカードはデジタル社会の構築や行政事務の効率化を図るためにも重要であり、広報活動を強化し、窓口体制の充実、地区や企業等に出向き、出張申請実施等により、積極的に取得促進を図っている。
(市長のトップセールス)
先月は出荷の最盛期を迎えたモモ、ネクタリン、プルーンのトップセールスを日本最大の青果市場である大田市場で実施し、9月はブドウとリンゴのトップセールスを予定している。さらに、10 月末に東京日本橋で開催される物産販売イベントで、長野市の物産と観光をPRする予定。
今後も、市内事業者の販売力・営業力の底上げや販路開拓・取引機会の創出等を目指し、首都圏等へのトップセールスを積極的に行っていく。
以上です。来週から、一般質問が行われます。私も、登壇を予定しており、現在、質問原稿を作成しているところです。今回の私の質問では、今後の長野市財政運営について、建設資材の高騰に対する長野市における柔軟な対応について等を取り上げる予定です。改めて、本ブログにおいて、質問と答弁内容をご紹介させていただきます。
新型コロナウイルス第7波では、各医療機関、保健所での業務が逼迫している、また、政府が第7波収束後に、2類相当から5類相当への見直し、全数把握や入院調整等について検討する旨の報道がなされています。
私も7月、陽性者となり、10日間の自宅療養を活用しました。7月31日時点の長野市における療養状況は次のとおりでした。
療養者3758人 医療機関入院41人 宿泊療養施設58人 自宅療養3659人
重症者0人 中等症5人 軽症・無症状3753人
療養者の97%が自宅療養、99%が軽症・無症状ということになりますが、軽症者でも苦しい療養生活を強いられている方も少なくないことは認識しておかなければなりません。
医療機関の業務が逼迫している、とのことですが、新潟県では、コロナ検査を受けた本人が、検査結果が判明する前に患者情報を入力するフォームを導入し、検査で陽性となった時には、既に患者情報が確実に取得できていて、速やかに適切な療養につなげることができる体制としています。
更に、保健所がこれまで行ってきた陽性の人の症状などの電話での聞き取り調査は、60歳以上など重症化リスクが高い人に集中させるといった対応をとっている、とのことです。 長野市においても、保健所が担う業務を重症化リスクの高い人に集中した体制を取っていると認識していますが、医療機関における業務の負担軽減に向けた取り組みとして、更なる工夫が必要だと考えます。
また、感染者についてですが、報道でも大きく取り上げられている神奈川県では、抗原検査キットや無料検査により陽性が判明した場合、医療機関を受診せずに「自主療養」を選ぶことができ、罹患者が自主療養届け出システムに申請をすると、毎日の健康観察がLINEやAIコールにより行われ、療養終了後、療養証明書が発行され、保険金請求に活用できる、とのことです。
この神奈川方式は、私の体験からも、罹患者自身の負担も少なく、健康観察についても安心できる体制ではないか、と感じます。
新型コロナも第7波です。この間、ウイルスも変異してきました。私もほぼ無症状であったので、罹患後、保健所や医療機関に相談する等といったことはありませんでしたが、家族も感染したことで、日常生活を送る上で、大変な不便を感じました。そして何より、無症状が故に、周囲に感染を拡げてしまうといった恐怖を覚えました。感染拡大によって、重症化リスクのある方々の感染リスクが高まり、仮に、そうした方々が感染した際、迅速な診療に繋げなければならず、決して支障を来してはなりません。また、例え、軽症であっても症状の急変に十分に対応できる体制を整えておかなければなりません。
第7波における長野市保健所業務の逼迫状況、陽性者とのコミュニケーションと症状急変への対応、食料など物資の配送状況、医療機関からの発生報告提出による業務逼迫状況、発熱外来の混雑状況とその対策等、確認しなければならないことは多岐に渡ります。
重要なことは、命の危険にさらされる事態に至らしめることなく、罹患したとしても安全安心な医療と保健の提供体制の確立です。感染症法の分類について見直しが言われていますが、長野市として、第7波の検証、そして、第8波、9波等、先を見越した対応について議論を深め、体制の整備を確立していかなければなりません。
連日、新型コロナウイルス第7波の猛威が報道されています。私と家族も感染しましたが、感染力の強さ、感染のリスクの高まりについて、身をもって感じたところです。また、ここに来て、幾つかの行事等について中止、延期の連絡が入っていますが、行動制限等の強い宣言はないものの、自粛を余儀なくされることも少なくなく、社会経済活動への影響が懸念されます。
経済社会活動への懸念では、ウクライナ危機を受けた資源や穀物の価格の高止まり、円下落による輸入品の急騰等、私たちの生活に影響が及ぶ事態に直面しています。
ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査部長のレポートで現下の経済状況、とりわけ、7-9月期の実質GDPについて次のようにまとめています。
「2022年4-6月期の実質GDPは、前期比0.8%(前期比年率3.2%)と2四半期ぶりのプラス成長と推計。
まん延防止等重点措置の終了を受け、外食、宿泊などの対面型サービスを中心に民間消費が前期比1.4%の高い伸びとなり、プラスの成長主因となった。更に、高水準の企業収益を背景に設備投資が前期比1.2%の増加となったことも成長率を押し上げた。
2022年4-6月期の実質GDPは、コロナ前(2019年10-12月期)の水準を回復したとみられるが、消費税率引き上げの影響で、新型コロナウイルス感染症の影響が顕在化する前に経済活動の水準が大きく落ち込んでいた。直近のピークである2019年4-6月期と比較すると、2022年4-6月期の実質GDPは▲2.6%低くなることが見込まれ、経済活動の正常化までにはかなりの距離があるといえる。
7月に入り、新型コロナウイルスの新規陽性者数は急増しているが、政府は今のところ特別な行動制限を課していない。物価高による家計の実質購買力の低下が下押し要因となるものの、行動制限がなければ消費性向の引き上げによって個人消費の回復基調は維持されるだろう。米国をはじめとして海外経済が減速しているため、輸出が景気の牽引役となることは当面期待できないが、民間消費を中心とした国内需要の増加を主因として7-9月期もプラス成長となることが予想される」
以上のように、第7波や物価高騰といった景気後退圧力を感じながらも、個人消費の回復基調は維持され、民間消費を中心とした国内需要の増加により7-9月期もプラス成長が期待される、としています。
他方、民間消費等の国内需要が増加することは歓迎すべきことですが、家計の逼迫について目を向けて考えなければならないと思います。
過日、2022年度の最低賃金について、全国平均31円引き上げ、時給961円(引き上げ率3・3%)とする、との報道がありました。
2022年度の消費者物価指数は前年度比2・6%上昇する見通しで8年ぶりの高水準、といわれています。物価高騰による影響は低所得者層ほど深刻だと言われていますので、賃金上昇は生活を安定させるために重要なことです。今回の最賃引き上げがどこまで現状を踏まえたものなのか、生活の安全に直結するものなのか、昨年を上回る引き上げ率とのことではありますが、物足りなさを感じます。
以前のブログでもご紹介しましたが、経済財政諮問会議による1994年と2019年の世帯所得を年代別で比較した調査結果では、世帯所得の中央値が、35歳から44歳の世代では104万円減少し、45歳から54歳の世代では184万円減少、全世帯の所得分布は、65歳以上の高齢者世帯(20%→36%)、単身世帯の増加(26%→38%)に伴い低所得階級の割合が上昇した、とまとめています。未だ、多くの国民の生活は楽ではなく、物価高騰への対応に四苦八苦しているのではないでしょうか。
世帯所得の増と生活の安定に繋がる政策が重要で、現在、直面している少子化対策や除族可能な社会づくりにも繋がっていくのでは、と思います。こうした視座に立った議論を進めていかなければなりません。
6月9日、長野市議会6月定例会が、一般会計補正予算(案)等の議案10件、承認4件、報告11件が上程され、開会しました。
主な一般会計補正予算(案)について、①新型コロナウイルス感染症対策関連事業として、「子育て世帯生活支援特別給付361,414(千円)」は、低所得者の子育て世帯に対し、児童一人当たり5万円の支給(対象児童数見込7,100人)、令和4年度4月分児童扶養手当受給者(児童3,100人)には6月に支給、令和4年度児童手当又は特別児童扶養手当の受給者で市民税非課税の者(児童3,300人)には7月以降に支給、家計急変等で直近の収入が減少した世帯の者は、申請後に支給(児童700人)で全額国庫補助での対応となります。
また、プレミアム商品券事業4,337,500(千円)は、コロナ禍における原油価格・物価高騰により落ち込む消費拡大を図るため、プレミアム商品券発行冊数を増刷するもので、商品券購入申込期間、令和4年9月1日~9月30日(予定)で、商品券利用期間は令和4年11月~令和5年1月末(予定)です。
更に、小売・サービス推し店プラチナチケット事業280,000(千円)は、市内飲食店のみならず、小売店・サービス事業者等を追加し、推し店プレミアム付チケット販売に要する経費で、販売予定:9月(飲食店は7月で、3月定例会で議決済み)となります。
他には、放課後子ども総合プラン運営新法人設立準備補助金2,632(千円)で児童センター、プラザ運営を行う新法人設立に向けた準備会の活動経費を補助するための経費等です。
はじめに、市長より議案説明がありましたので、一部ですが紹介します。
令和3年度の決算見込みについて、基幹収入にある市税は、個人所得の減少と固定資産税の評価替え等の影響で前年度(令和2年度を下回るが、製造業等の増益により法人市民税は前年度を上回り、前年度を2億円程度上回る見通し。国からの交付金については、令和元年10月の消費増率引き上げが年間を通して影響すること等から38億円の増額となる。
歳出では、台風第19号災害の復旧費の減等により前年度に対し、442億円減と見込んでいる。
このことから、実質収支を39億円となり、財政調整基金の取り崩しを行わず決算を締めることができそうだ。
新型コロナウイルス感染症について、本年1月以降、感染者が高い数値で推移し、4月16日の発表数は過去最多の323人となったが、善光寺御開帳が開催期間中でも、最大限の注意を払ってきたことからピーク時と比較し、新規感染者数も落ち着いてきている。多くの皆様のご協力に感謝申し上げる。
善光寺御開帳を契機に活力を戻しつつある市内経済と市民生活を下支えする切れ目のない経済対策を実施していく。
ワクチンの4回目接種は、60歳以上の方、18歳から59歳までの基礎疾患を有する方が対象となる。60歳以上の方には3回目接種後5か月経過した方から順次、接種券を郵送し、基礎疾患を有する方には案内書を郵送し、接種希望者から申込みをしていただき、順次、接種券を郵送する。
住民自治協議会について、市内全地区での設立から10年経過するが、人口減少、高齢化等により役員の担い手不足が深刻化している。課題解決の方向性を探っていく。
6年後に長野市で開催予定の「国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会」に向け、老朽化した長野運動公園総合体育館の建替え、千曲川リバーフロントスポーツガーデンの移転等、国庫補助金等を最大限活用していきたい。
新たな産業用地開発について、大豆島地区(エムウェーブ南側)において立地開発を希望する事業者グループから選定した。事業計画が具体化することとなるが、市の経済基盤の底上げ、雇用創出などが図れられるよう、詳細な検討を進めていく。
長野市のウクライナ支援として、できるだけの支援をしていきたい。長野県と連携し、避難民の住居、生活、就労、就学など多方面からの支援するための受け入れ態勢を整備した。
本年度の予算に基づく事業を着実に実施し、市民の暮らしがよくなってきた、利便性が増してきた、と実感できることが重要だと考える。全庁一丸となって取り組んでいく。
以上、一部ではありますが、ご紹介しました。
先のブログでもご報告しましたが、経済情勢が混沌としている中です。市民の暮らしを守るという強い意志を持って適宜、適切な行財政運営が遂行されるよう、私も議会の一員として向き合ってまいります。
今月7日、世界銀行が世界経済見通しとして、2022年の世界全体の実質成長率を2.9%と予測し、日本については1.8%の低成長を見込む、と発表し、ロシアのウクライナ侵攻やサプライチェーンの混乱、米欧の物価上昇率、FRB、ECBの金融引き締めによって、スタグフレーションの到来を警告している、と報道されました。
既に、私たちの日常生活にも少なからずスタグフレーションの波が押し寄せ、実感として受け止めている方も多いのでは、と思います。国において様々な議論がされていると思いますが、国民生活の安定に繋がる施策の展開に期待したいところです。
昨日、長野市議会6月定例会が開会しました(定例会の内容については、後日、ご報告します)新年度(令和4年度)が始まり2か月経過し、市民が健康的に暮らし、幸福感を持てる健幸増進都市の実現に向けて、子育て支援、スマートシティや企業誘致、新産業創出等の事業が進められています。
他方、昨今の相次ぐ大規模な自然災害、新型コロナウイルスのようなパンデミックに直面するリスクが高まり、世界情勢等の影響もあり、多くの市民は、これまでにも増して不安要素を抱えているのではないか、と思います。そんな中、財源がないことを理由として必要な対策が後手に回ったり、市民からの財政需要に応えられないといった行政の対応では、幸福感がみなぎる長野市とはなり得ないと思います。
そのため、数多の事業に要する財源が必要となる中、財政健全化を重視している長野市は行財政運営における決断力、判断力、先を見通す力、より深い現状認識等について、これまで以上の高いレベルが求められ、議会も同様、確かな見識を持って臨むことが求められます。
健幸増進都市の実現と地方財政健全化の両立は高いハードルですが、1つでも多くの事業を成功させ、市域全体の活力を高めていくためにマクロ・ミクロの両面から見た長野市の成長戦略が妥当であるのか、問いていく必要があります。
令和4年度は、長野市の最上位計画である「第5次長野市総合計画後期基本計画」の初年度であり、また、2020年5月、長野市の長野地域経済成長けん引プロジェクトチームは、2040年に向けて未来のまちを創るビジョン、その実現に向けて今後、取り組む具体的な方向性について「長期戦略2040」としてまとめました。挑戦期、成長期を経て躍進期には目標に掲げたGDP・GNP向上の実現を目指していく内容となっています。
バブル崩壊後から今日に至る間の国内における厳しい経済状況から、ハードルは決して低いものではありません。
今年の3月、経済財政諮問会議は1994年と2019年の世帯所得を年代別で比較した調査結果を内閣府に報告し、公表しました。報告書は、1994年と比べ2019年は世帯所得の中央値が、35歳から44歳の世代では104万円減少し、45歳から54歳の世代では184万円減少、全世帯の所得分布は、65歳以上の高齢者世帯(20%→36%)、単身世帯の増加(26%→38%)に伴い低所得階級の割合が上昇した、とまとめています。
私の社会人としての生活が始まったのは1993年4月で、バブル崩壊により景気へのマイナス作用が生じはじめた時期でした。以降、景気の低迷が続くとともに、私の同期入社50名超が、翌1994年以降は一桁の新入社員数に留まるなど雇用情勢の悪化を目の当たりにしてきました。
今日まで景気後退圧力が続き、更に、デフレが長期にわたり、人口減少、少子超高齢社会の進展、気候変動等といった構造的な課題が改善されたとは言い難い状況が続き、未だ、多くの市民は生活の厳しさや将来への不安、悩みを抱えており、閉塞感からの脱却に至っていないと思います。国及び長野市は、この報告書を真摯に受け止め、経済政策を進めていかなければなりません。
報告書は厳しい状況を示していますが、「長期戦略2040」では、成長の果実を企業だけでなく家計にも十分分配される未来をイメージし、その成果を測る一つの物差しとして、市民の平均所得倍増を掲げています。つまり、長野市は経済成長率向上と所得倍増に積極的にかかわることを明確に示したことになります。よって、これまでの行財政運営、特に、予算執行について、財政健全化を図りつつも、掲げた目標を実現させるための積極的な経済財政運営が必要となります。
現在直面している課題を解消していくことが経済成長に繋がり、また、健幸増進都市の実現に近づくと考えます。「経済」は「経世済民」の略語で、「世の中を治め、人民を救う」を意味します。
長野市の経済政策に求められるのは、市民の生活を守るためのものとすることだと考えます。そのための経済財政政策について、私も見識と認識を深め、国等の経済政策を踏まえ取り組んでまいります。
新年度がスタートし、また、GWを目前に控え、何かと慌ただしく過ごしております。久しぶりの投稿となりますが、私が気になった最近のニュースに基づいてまとめたいと思います。
物価高対策についてですが、政府は物価高騰を受け、緊急対策を決定しました。ガソリンなどの燃油価格抑制策、生活困窮者対策、エネルギーや原材料、食料などの安定供給対策など総額6兆2000億円となっています。それらの財源は、新型コロナウイルス対策予備費の支出、今年度の補正予算案との報道です。
物価の高騰は、私自身も目の当たりとしていますし、過日公表された長野市の3月の消費者物価指数(確報値、2020年=100)は、生鮮食品を除く総合は前年同月比1・6%上昇の101・6と8カ月連続で前年水準を上回り、上昇幅は2018年8月以来の実に3年7カ月ぶりの大きさで、また、原油価格高騰で光熱費の値上がりが著しく、原材料価格の上昇によって食料品の値上がりも進み、生鮮食品を含む総合指数は1・9%上昇の101・7、7カ月連続で前年同月を上回った、とのことです。
このことからも、長野市においても物価高による生活への影響が大きく、政府、行政には必要な支援策を講じていただく必要があります。
未だ、ロシアによるウクライナ侵攻が続き、更に、米連邦準備制度理事会(FRB)は米国内のインフレを防ぐため利上げを決定しており、もともと景気の好循環が起きていない日本において、更なる景気後退を引き起こしかねないのでは、と思います。よって、まずは、政府による物価高対策としての国費投入は早急に進めていただきたいと思いますし、期待を寄せる一人でもあります。
しかし、7月に控えた参院選目当てとは決してならないよう、国会での論議が必要であることは言うまでもありません。
4月27日付け信濃毎日新聞は、物価高対策6兆円余の決定に関して、「参院選ありきで調整を進めた結果、国会での議決が不要な予備費を財源に充て、使った予備費を補正予算で補填するという「奇手」を編み出した。政府、自民党はもともと今国会中の補正予算編成には及び腰だった」と解説を付しています。
今、多くの国民が望んでいることは、物価高騰の影響により直面している切実な困難が解決、緩和に結び付く効果の高い施策です。私も期待し、これからの議論の内容や動向を注視していきたいと思います。
新年度(令和4年度)がスタートします。現下のコロナ禍、台風災害からの復興、そして、構造的な課題である人口減少、少子超高齢社会の進展等を抱えながら、持続可能なまちづくりの実現に向け、まずは、新年度の事業を確実に進めていくことが求められています。
厳しい社会情勢下ではありますが、いつまでもそんなことは言っていられないと考えます。
日本においては、未だ、デフレから脱却したとは言えず、貨幣の価値が継続的に上昇し、人々はモノよりもお金を欲し、貯め込み、企業であれば、投資を控え、内部留保を含め貯蓄を増やすといった状態が続いています。
これまで、新型コロナ対策として、特別定額給付金が交付されましたが、昨年11月、ニッセイ基礎研究所は「特別定額給付金」の使途に関する調査結果を公表しました。子育て世帯では「生活費の補填」(58.5%)、「貯蓄」(33.4%)、「育児や保育関連」(17.9%)、「子どもの教育」(11.2%)が上位を占めていることから、低成長下で賃金が上がらない、少子高齢化が進む中で将来の経済不安が強い等といった現実が如実に表されており、貯蓄へ充てるといった行動は経済合理的であるといえます。しかし、個々の合理的な行動は、経済全体でみると需要の縮小を招きます。ミクロの視点での正しい行動も、その行動を集計したマクロの世界では反対の結果、つまり、デフレをもたらすことに繋がります。合成の誤謬です。政府はデフレにならず、また、過度なインフレを招かないような経済財政運営をしなければなりません。
昨年の秋、長野市は、令和4年度予算編成の基本的な考え方として「公共サービス提供に対するコスト意識を持ちながら歳入・歳出両面から徹底した事業の精査を行う必要がある。政策効果が乏しい歳出を徹底して削減し、政策効果の高い歳出への転換を徹底する。また、業務の合理化など、行政のスリム化・効率化も進め、財政調整基金の繰入や資金手当のための市債発行に安易に頼ることのない健全財政の維持を前提とする」と示しました。
確かに、健全財政の維持は大事なことであり、事業の精査も必要なことです。しかし、デフレ下にあって将来の経済不安等といった不透明な社会や未来に対し、多くの人々が「閉塞感」を感じている現状から抜け出すための行財政運営が必要だと考えます。よって、行政が健全財政を重視しすぎて、財政上の理由で、市民からの財政需要に応えられない状況が続くことは、市民の幸福度向上には繋がらず、また、長野市経済の成長を鈍らせる原因となり得ます。
そこで、改めて、市債発行について考えていく必要があるのではないか、と思います。
長野市は、令和4年度の市債発行額を前年度比12.5億円(9%)増の138.4億円としています。その中身について額の大きなものを幾つかあげると、道路橋りょう整備事業費19億5,330万円、小学校施設整備事業費14億3,470万円等です。総務省は地方債について、原則として投資的経費(建設事業関係の経費)の一定部分に充てられる、としており、長野市においても概ね原則に則ています。しかし、額が最も大きいのは、臨時財政対策債60億1,800万円で、この市債(臨時財政対策債)は、他の市債とは性質が異なっています。
総務省的に言うと、臨時財政対策債は、地方財政収支の不足額を補てんするため、各地方公共団体が特例として発行してきた地方債で、その元利償還金相当額全額を後年度の地方交付税の基準財政需要額に算入され、財政運営に支障が生ずることのないよう措置されているものです。
関単に言うと、国が地方交付税として交付するべき額に満たない分を地方公共団体が自ら地方債を発行することで補填し、後年、国が100%面倒を見る、とうものです。
よって、長野市の令和4年度における市債発行額の約43%である臨時財政対策債は、市債であって市債でないとも言えます。また、長野市は、令和3年度末の市債残高を1、513億円と見込んでいますが、このうち73.7%が今後、地方交付税措置されるとしています。更に、臨時財政対策債の発行額について、令和元年までの10年間の臨時財政対策債が市債全体に占める割合は、の平均43.98%となります。(臨時財政対策債発行については限度額が設けられており、これまで長野市は、概ね、限度額100%の市債を発行している)
つまり、投資的経費に充てられているのは市債全体の約56%となり、この数値が妥当なのか議論していかなければならないと考えます。市民生活の利便性向上加え、例えば、公共事業の増加による民間需要の高まりでデフレ感からの解放に繋がる可能性があります。
平成19年に、地方自治体の財政破綻を未然に防止し、財政の早期健全化を促すことを目的に「地方公共団体の財政の健全化に関する法律(財政健全化法」が制定されました。以降、地方公共団体は、①実質赤字比率 ②連結実質赤字比率 ③実質公債費比率 ④将来負担比率、を毎年度、監査委員の審査に付した上で、議会に報告し、公表しなければならないようになりました。
そして、①~④について基準を上回った場合(イエローライン、レッドライン)、地方債の起債ができない等の制限が伴い、行財政運営に支障をきたし、市民生活への影響に繋がります。長野市は4つの指標を意識しながらの行財政運営が求められています。
令和2年度をみると長野の4つの指標は、いずれも基準を大きく下回っており、特に、市債の密接に関係ある実質公債費比率はイエローライン25%、レッドライン35%に対し3.6%、将来負担比率はイエローライン350%に対し42.8%と、これまでの堅実な財政運営の成果だと思いますが、市民からの財政需要に十分応えきれない状況を受け止め、市債の活用について、これまでの踏襲、常識にとらわれることなく検討していくべきだと考えます。
長野市は財政健全化を重視しすぎず、4つの指標を上回ることがないような行財政運営により、域内の経済成長率を高めていかなければなりません。