長野市議会議員会派

改革ながの市民ネット

一つ一つを教訓とする

 梅雨前線の影響で、中国地方では、広い範囲で土砂災害、河川の氾濫の危険性が高まっており、厳重な警戒が呼び掛けられています。 長野市でも、6日朝、篠ノ井小松原で地滑りが発生しました。発生場所は、県が指定する土砂災害警戒区域ではないものの、開発に制限がかかる国の砂防指定地、地滑り防止区域に指定されています。長野市担当課から、土砂崩落により工場一部が損壊、人的被害無し、国道19号線の通行止め、県土尻川砂防事務所において、検討会議を開催し、当面の対応について協議していく、と報告ですが、警戒が必要です。 ここ数年、この時期の集中豪雨、長雨による災害はほぼ常態化していると捉え、我が事として我が地域の防災・減災への取り組みを強化していかなければなりません。  7月3日に発生した静岡県熱海市の土石流災害現場は、土砂災害警戒区域に指定され、市もハザードマップに反映していたとのことですが、多くの家屋等が失われ、多数の負傷者、更に、7名の尊い命が奪われ、未だ、安否不明者が25名(7月7日時点)との報道です。心から哀悼の意を、心からお見舞いを申し上げます。 報道によると、市は2日午前10時に高齢者避難を発令するも、土石流発生までの間、避難指示の発令しなかった、とのことです。  5月、政府は避難情報に関するガイドラインを改定しました。改定の目的として、従来の「警戒レベル」をよりわかりやすくし、災害発生の危険度と、取るべき避難行動を、住民が直感的に理解するため、としています。 重要なのは、住民が速やかに状況を理解し、避難行動への判断へと繋げるための行政による正確な情報提供と適切な避難指示であるはずです。  私は、平成28年9月定例会個人質問で避難指示について、「水害に際して、住民の命を守る決め手となるのは、住民一人一人に正しい情報が確実に伝わる情報発信と、近隣住民が助け合って迅速に避難する住民避難の2点ではないか」と取り上げましたが、自治体には、空振りを恐れず、常に最悪の事態を想定し、確実に命を守る行動を促すための適切な判断がより求められている、と考えます。  長野市にも急傾斜地が多く、そこに暮らす市民も少なくありません。更に、避難場所が少ない、とも言われています。改めて、早急に解消すべき課題を洗い出さなければなりません。  加えて、7月7日付け信濃毎日新聞は重要な記事を掲載しています。熱海市は、安否不明者の氏名を公表したことで、一気に情報が集まり、一気に不明者が減少した、ということです。東大名誉教授の片田敏孝氏は、「対応が早く適切だった」と評価し、「公表が早いほど、救助できる可能性が高まる。不明者の情報がある程度絞り込まれたら、できるだけ速やかに公表する流れを災害対応のモデルケースにしなければならない」と述べています。  長野県は、安否不明者の氏名公表について、原則公表とし、熱海市の対応を「効果がある」とし、他方、長野市は、「方針が決まっていない。本人の意志が確認できていない中で情報提供できるのか判断が難しい」との見解を示しています。  熱海市は、西日本豪雨(2018年7月)時の岡山県による対応で、70人以上の安否不明者氏名の公表により、急速な被災状況把握に繋がった好例を参考にした、とのことです。 更に、全国知事会は6月、氏名公表について、「対象を明確にした効果的な活動が期待できる」とした意義を指針で記している、との報道があります。  正確な情報入手と伝達、避難指示等の適切な発令、避難場所の確保、安否不明者の氏名公表等、毎年のように起こる自然災害、一つ一つを教訓とし、私たちの生命と財産を守り抜く災害に強い地域づくりに、活かしていかなければなりません。

6月定例会、議了

 6月25日(金)、今定例会に上程された令和3年度一般会計補正予算他16議案、承認6件、報告19件、請願8件等に関し、審議及び採決され、16日間の長野市議会6月定例会が終わりました。  既にご報告の通り、私は一般質問で登壇し、新型コロナワクチン接種、河川整備等について取り上げたところです。  6月定例会では、加藤長野市長の次期市長選への不出馬について大きく報道され、関心が集まりました。これから10月の市長選に向け、具体的な動きが出てくると思いますが、様々な課題に直面している長野市の行財政運営を進めていくに相応しい候補者が名乗りを上げ、候補者間の政策論争を通して、多くの市民の関心を呼び込んで欲しいと願います。  過日、長野市の人口動態最新版(令和3年5月31日作成)を目にしました。令和2年と平成27年との比較で、市の総人口は4、347人減(1.6%減)、総世帯数では6、440増(4.3%増)です。  また、私の地元である更北地区を見てみると、人口は526人増の34,012人、世帯数では947増の13、627世帯となり、人口減少と言われる中、人が集まる魅力のある地区であることを伺わせます。実際、地元地区全体を見まわしてみても、都市化の進展を感じます。  現在、長野市のみならず国全体で人口減少と少子化は、共通の課題となっており、長野市においても、今後の都市政策、農業政策、まちづくり等と密接に関わってきます。  少々、悲観的な表現をしますが、人口減少・超高齢社会への構造変化は現在進行形であり、動かしがたい事実であることを受け止めなければなりません。少子化と高齢化が同時に進んでいくことによる自治体における財政の硬直化に拍車がかかることが予想され、市民生活に及ぼす影響を直視していくことが必要です。  その上で、自治体議員もそうですが、特に首長には、政策のプライオリティーを明確に示すこと、柔軟な発想を持つこと、そして決断力が求められ、今、必要なのは、不安を少しでも確実に解消させる政策の実行により、すべての市民の安全と安心が担保された暮らしの実現を追い求めていくことではないか、と考えます。  現下のCOVID19や気候変動による影響等により、私たちの生活スタイルが見直され、地方回帰やワーケーション等に目が向けられ、国全体で行動変容がもたらされる時代に突入している、と思います。  そうした時代だからこそ、現在直面している人口減少等のマイナス要因ばかりを憂慮するのではなく、改めて、地域の資源、財産、長野市の強みについて見つめ直し、長野市が持つ強みを起点とした政策立案と実行、行財政運営を進め、安全で安心した持続可能な暮らしを将来へと繋いでいくプラス思考の視座に立った取り組みが必要ではないでしょうか。

6月定例会、議了

 6月25日(金)、今定例会に上程された令和3年度一般会計補正予算他16議案、承認6件、報告19件、請願8件等に関し、審議及び採決され、16日間の長野市議会6月定例会が終わりました。  既にご報告の通り、私は一般質問で登壇し、新型コロナワクチン接種、河川整備等について取り上げたところです。  6月定例会では、加藤長野市長の次期市長選への不出馬について大きく報道され、関心が集まりました。これから10月の市長選に向け、具体的な動きが出てくると思いますが、様々な課題に直面している長野市の行財政運営を進めていくに相応しい候補者が名乗りを上げ、候補者間の政策論争を通して、多くの市民の関心を呼び込んで欲しいと願います。  過日、長野市の人口動態最新版(令和3年5月31日作成)を目にしました。令和2年と平成27年との比較で、市の総人口は4、347人減(1.6%減)、総世帯数では6、440増(4.3%増)です。  また、私の地元である更北地区を見てみると、人口は526人増の34,012人、世帯数では947増の13、627世帯となり、人口減少と言われる中、人が集まる魅力のある地区であることを伺わせます。実際、地元地区全体を見まわしてみても、都市化の進展を感じます。  現在、長野市のみならず国全体で人口減少と少子化は、共通の課題となっており、長野市においても、今後の都市政策、農業政策、まちづくり等と密接に関わってきます。  少々、悲観的な表現をしますが、人口減少・超高齢社会への構造変化は現在進行形であり、動かしがたい事実であることを受け止めなければなりません。少子化と高齢化が同時に進んでいくことによる自治体における財政の硬直化に拍車がかかることが予想され、市民生活に及ぼす影響を直視していくことが必要です。  その上で、自治体議員もそうですが、特に首長には、政策のプライオリティーを明確に示すこと、柔軟な発想を持つこと、そして決断力が求められ、今、必要なのは、不安を少しでも確実に解消させる政策の実行により、すべての市民の安全と安心が担保された暮らしの実現を追い求めていくことではないか、と考えます。  現下のCOVID19や気候変動による影響等により、私たちの生活スタイルが見直され、地方回帰やワーケーション等に目が向けられ、国全体で行動変容がもたらされる時代に突入している、と思います。  そうした時代だからこそ、現在直面している人口減少等のマイナス要因ばかりを憂慮するのではなく、改めて、地域の資源、財産、長野市の強みについて見つめ直し、長野市が持つ強みを起点とした政策立案と実行、行財政運営を進め、安全で安心した持続可能な暮らしを将来へと繋いでいくプラス思考の視座に立った取り組みが必要ではないでしょうか。

一般質問(個人)で登壇しました。

 6月17日(木)、長野市議会6月定例会、一般質問で登壇しました。 取り急ぎ、質問原稿を掲載します。それぞれの答弁内容について、これから照査し、後日、ご報告したいと思います。 以下原稿ですが、時間の関係で文中、一部割愛している箇所もあります。 1.64歳以下のワクチン接種について  64歳以下の対象者への接種を高齢者と同様の方式で進めるとした場合、いくつかの課題が考えられる。 ①そもそも、かかりつけ医のある者が少ない。②各医療機関における予約等の対応への負担が更に増す。③仕事中に何度も予約の電話ができない方が多い。④予約段階での混乱により、一般接種者の中には、面倒臭い等との理由から接種率の低下を招く恐れがある。⑤土日等の休日の接種希望が多い等であり、予約方法や接種方式の改善が必要、と考える。  接種に向けては対象者から予約を受ける方法と、自治体が日時を指定し対象者を割り振る方法があるが、上越市や小諸市等の場合は、高齢者向け集団接種において、会場と1回目・2回目の接種日及び時間を指定・通知し、日程変更や個別接種希望者、接種を希望されない方に、市コールセンターへの連絡を求めたところ、円滑に進められたことから、一般接種においても同様の取り組みを導入する見込み、とのことだ。  更に、国は新型コロナウイルスのワクチン接種を加速させるため、企業や大学などで行う「職域接種」を6月21日から開始すると発表している。 (1)本市における64歳以下接種では、対象者が多い上、予約時の混乱を避けるため、日時指定型方式による集団接種を前提とした(個別接種希望者(自らの責任で予約をとる)と接種を希望しない者はコールセンターへ必ず連絡する)方式を検討すべきではないか。 (2)「職域接種」はいくつかの課題はあるものの、合理的で効率性が高い、と考えるが、本市の考えは如何。 職域接種については、県が管轄するとの報道であるが、市が管理する集団接種(日時指定方式等)の例外として位置づけたらどうか。 また、接種券に基づく接種であれば、VRSに登録されるものと理解するが、仮に接種券なしでの接種が可能となった場合には、VRS登録についてどんな課題があるのか。 2.ワクチンによる集団免疫獲得と持続について  コロナを克服するための最も重要なことは、早期の集団免疫の獲得だ。米テキサス大学感染症生態系センターのジョン・ドレーク所長は、免疫持続期間について、人によって大きく異なるとともに、新たな変異株の出現等から、今後、追加の接種や定期的な接種の必要性を説いている。  そのため長野市は、持続的な集団免疫を獲得するために、中長期的な視点に立った、中核都市として、モデルケースとなるようなシステムを構築していく必要がある、と考える。 (1)新型コロナワクチン接種は、これまでの予防接種とは異なり、だれが・いつ・どこで・どのワクチンを接種したのか等の接種者情報と接種記録情報を本市が完璧に管理していくことが重要だ。来年以降の追加接種や定期接種が必要となった場合に備え、今回の実績と記録をデータベース化し、長野市が全市民に、責任を持って日時や場所を通知する方式を採用する等、希望する市民が漏れなく安心し、迅速な接種が可能となるようなシステムを構築すべき、と考えるが如何。 3.信濃川水系緊急治水対策プロジェクトの効果について (1)現在、同プロジェクトに基づき、立ヶ花狭窄部等で河道掘削が実施されているが、立ヶ花地点において毎秒8、600tの洪水を越水させず流下させる、ということが前提とした事業、と理解して良いのか。  また、プロジェクトに基づいて行なわれる河道掘削と遊水池整備により、立ヶ花で1.8m、穂保付近で1.2m水位が低下するとの、具体的な数値と見解を示しているが、その理解で良いのか。  更に、現在、毎秒7、600tとなっている、信濃川水系河川整備計画の立ヶ花地点における計画高水流量の見直しが議論されているが、8、600t以上の流量に改訂することが検討されているのか。 (2)合流地点から上流域への効果  上述のように、合流地点から下流への効果は数値で示されているが、合流地点から上流域への効果は曖昧だ。国は、台風19号時の杭瀬下地点の流量は計測できないとしているが、杭瀬下上流の観測地点である生田地点における流量は毎秒7、267tとされており、理論的には、杭瀬下地点での流量はそれ以上となるはずだ。  仮に、生田の7、267tがそのまま流下したとしても、信濃川水系河川整備基本計画で定めている杭瀬下地点の計画高水流量、毎秒4、000tを3、267t上回る流量となる。そのため、杭瀬下の下流域の長野市篠ノ井から若穂に至る70k~79k間で越流が生じた。  プロジェクトは、立ヶ花地点において、毎秒8、600tを確実かつ安全に流下するとしているのであるから、合流地点からの上流域と犀川流域においても安全を確保しなければならないが、立ヶ花の掘削とそれ以外の取り組みにより、安全がどの程度確保されるのか、合流地点から上流域における水位低下の具体的な数値について伺う。 4.河道整備について  平成26年1月策定の信濃川水系河川整備計画は、津野地先55.3kから塩崎地先80k付近間で、流下能力を向上させるための河道掘削を実施する、と明記している。  以前も取り上げたが、同区間では、現況河道計算水位が計画高水位を超える箇所がいくつも存在し、リスクが高い状態が長年続いているにも関わらず、流下能力を高める重要な対策である河道掘削、河床整備の対策は遅々として進んでいない。  年々、土砂は川底に堆積していくことから、具体的かつ計画的な堆積土砂撤去、河床掘削等の抜本的な対策工事が必要だ。 (1)河川整備計画に基づく55.3k~80k間における河道掘削、河床整備について、現在の取り組み状況と、今後の具体的な計画は。 (2)信濃川水系河川整備計画は、河川砂利採取について、河川管理施設等に支障が生じないよう、適切に審査し許可する、としており、千曲川では、昭和38年~56年まで大規模な河川砂利採取が行われていたが、昭和57年以降は減少している。(S42・約80万m3→H16・約10万m3)  砂利採取事業者団体は、定期的な河川砂利採取は河川断面の確保に繋がり、治水上、有益であることから、令和3年度からの次期砂利採取規制計画において採取可能量増加について要望した、とのことだが、なぜ、近年に至って、河川砂利採取が減少したのか、現況河道計算水位の改善が進まないより、砂利採取に河道整備の一端を担ってもらった方が良いのではないか。2点について伺う。 5.スマートシティへの取り組みについて  長野市は令和3年2月「スマートシティNAGANO宣言」を発した。 スマートシティとかSociety5.0、DX等、カタカナや横文字が多く用いられ、抽象的な議論となりがちで、その目的や成果等を具体的にイメージしにくい面がある。スマートシティを推進するにあたり、今、整理すべきことは、長野市がスマートシティの本質を捉えているか、多様な事業者や市民がスマートシティの担い手として主体的に参画できるのか、すべての市民生活の満足度が上がっていく取り組みとなるのか、だと考える。  スマートシティにおけるITインフラの整備やビッグデータの活用は、あくまでも手段であり、目的は住民生活の質の向上である。また、超高齢社会、社会インフラの老朽化、自然災害の頻発と気候変動、過疎地域への対策、農業振興等、地域に身近な課題を起点として、民間の力を最大限活用し、地に足のついたリアルな課題解決に取り組むなど、地域づくりへの手法の転換が求められている。  今年の秋を目途に進められている基本計画の策定に向けて、その目的、何を実現したいのか、その効果が市民にどうもたらされるのか、そのために何を如何に取り組んでいくのか等について市は責任を持って具体的かつ明確に示してくことが求められる。 (1)長野市としてのスマートシティ宣言の理念と哲学、取り組みへの決意は (2)今秋、策定されるスマートシティ基本計画の位置付けと他計画との整合性をいかに図っていくのか (3)長野市としてスマートシティの本質を捉え、どう推進し、実効性を高めていくのか等、更に研究を深めていくために、世界経済フォーラム第4次産業革命日本センターが事務局を務める「G20 Global Smart Cities Alliance(GSCA)」に参画したらどうか。 6.労働者協同組合法について  令和2年12月、労働者協同組合法が公布され、2年以内の施行となる。 本法第一条、目的は、組合員が出資し、それぞれの意見を反映して組合の事業が行われ、多様な就労機会の創出と地域における多様な需要に応じた事業を促進し、持続可能で活力ある地域社会の実現に資すること、としている。長野市が「商工業振興・雇用促進計画」の策定にあたり、新たな視点としている①多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革、②感染症の流行によるライフスタイルの変化を取り入れる、と共通の概念だと考える。  労働者協同組合法による労働者協同組合は、NPOとも企業組合とも違うメリットがある。今後、本市のまちづくり、農林業、子育て、介護、後継者がいない中小事業者の継業など、地域における多様な需要に応じた事業の実施により、みんなが互いに支え合い、不安を安心に転換させ、活力ある地域共生社会の構築に向けた役割を担うことが期待されている。  本法提出者の一人である篠原孝衆院議員は、「日本の伝統的社会にはもともと利潤など二の次で、みんなのために一人一人が汗を流すという協同労働が根付いていた。農山漁村の集落の協同活動を思い出して、分野ごとに応用していくことで本法を有効活用できるのではないか、sustainabilityを重視し働きがいのある人間らしい雇用を促進する労働はSDGsにピッタリな組織だ」と論じている。  以上のことから、本市は、本法施行に併せ、まずは本法を理解し、いかに活用できるのかを早急に検討すべきである。 (1)本市として本法をどう捉えているのか。 (2)法を活用した組織づくり等アドバイス、相談窓口など、積極的に労協を推進し、必要な支援の検討と体制を早急に整えるべきだ。  以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

一般質問(個人)で登壇しました。

 6月17日(木)、長野市議会6月定例会、一般質問で登壇しました。 取り急ぎ、質問原稿を掲載します。それぞれの答弁内容について、これから照査し、後日、ご報告したいと思います。 以下原稿ですが、時間の関係で文中、一部割愛している箇所もあります。 1.64歳以下のワクチン接種について  64歳以下の対象者への接種を高齢者と同様の方式で進めるとした場合、いくつかの課題が考えられる。 ①そもそも、かかりつけ医のある者が少ない。②各医療機関における予約等の対応への負担が更に増す。③仕事中に何度も予約の電話ができない方が多い。④予約段階での混乱により、一般接種者の中には、面倒臭い等との理由から接種率の低下を招く恐れがある。⑤土日等の休日の接種希望が多い等であり、予約方法や接種方式の改善が必要、と考える。  接種に向けては対象者から予約を受ける方法と、自治体が日時を指定し対象者を割り振る方法があるが、上越市や小諸市等の場合は、高齢者向け集団接種において、会場と1回目・2回目の接種日及び時間を指定・通知し、日程変更や個別接種希望者、接種を希望されない方に、市コールセンターへの連絡を求めたところ、円滑に進められたことから、一般接種においても同様の取り組みを導入する見込み、とのことだ。  更に、国は新型コロナウイルスのワクチン接種を加速させるため、企業や大学などで行う「職域接種」を6月21日から開始すると発表している。 (1)本市における64歳以下接種では、対象者が多い上、予約時の混乱を避けるため、日時指定型方式による集団接種を前提とした(個別接種希望者(自らの責任で予約をとる)と接種を希望しない者はコールセンターへ必ず連絡する)方式を検討すべきではないか。 (2)「職域接種」はいくつかの課題はあるものの、合理的で効率性が高い、と考えるが、本市の考えは如何。 職域接種については、県が管轄するとの報道であるが、市が管理する集団接種(日時指定方式等)の例外として位置づけたらどうか。 また、接種券に基づく接種であれば、VRSに登録されるものと理解するが、仮に接種券なしでの接種が可能となった場合には、VRS登録についてどんな課題があるのか。 2.ワクチンによる集団免疫獲得と持続について  コロナを克服するための最も重要なことは、早期の集団免疫の獲得だ。米テキサス大学感染症生態系センターのジョン・ドレーク所長は、免疫持続期間について、人によって大きく異なるとともに、新たな変異株の出現等から、今後、追加の接種や定期的な接種の必要性を説いている。  そのため長野市は、持続的な集団免疫を獲得するために、中長期的な視点に立った、中核都市として、モデルケースとなるようなシステムを構築していく必要がある、と考える。 (1)新型コロナワクチン接種は、これまでの予防接種とは異なり、だれが・いつ・どこで・どのワクチンを接種したのか等の接種者情報と接種記録情報を本市が完璧に管理していくことが重要だ。来年以降の追加接種や定期接種が必要となった場合に備え、今回の実績と記録をデータベース化し、長野市が全市民に、責任を持って日時や場所を通知する方式を採用する等、希望する市民が漏れなく安心し、迅速な接種が可能となるようなシステムを構築すべき、と考えるが如何。 3.信濃川水系緊急治水対策プロジェクトの効果について (1)現在、同プロジェクトに基づき、立ヶ花狭窄部等で河道掘削が実施されているが、立ヶ花地点において毎秒8、600tの洪水を越水させず流下させる、ということが前提とした事業、と理解して良いのか。  また、プロジェクトに基づいて行なわれる河道掘削と遊水池整備により、立ヶ花で1.8m、穂保付近で1.2m水位が低下するとの、具体的な数値と見解を示しているが、その理解で良いのか。  更に、現在、毎秒7、600tとなっている、信濃川水系河川整備計画の立ヶ花地点における計画高水流量の見直しが議論されているが、8、600t以上の流量に改訂することが検討されているのか。 (2)合流地点から上流域への効果  上述のように、合流地点から下流への効果は数値で示されているが、合流地点から上流域への効果は曖昧だ。国は、台風19号時の杭瀬下地点の流量は計測できないとしているが、杭瀬下上流の観測地点である生田地点における流量は毎秒7、267tとされており、理論的には、杭瀬下地点での流量はそれ以上となるはずだ。  仮に、生田の7、267tがそのまま流下したとしても、信濃川水系河川整備基本計画で定めている杭瀬下地点の計画高水流量、毎秒4、000tを3、267t上回る流量となる。そのため、杭瀬下の下流域の長野市篠ノ井から若穂に至る70k~79k間で越流が生じた。  プロジェクトは、立ヶ花地点において、毎秒8、600tを確実かつ安全に流下するとしているのであるから、合流地点からの上流域と犀川流域においても安全を確保しなければならないが、立ヶ花の掘削とそれ以外の取り組みにより、安全がどの程度確保されるのか、合流地点から上流域における水位低下の具体的な数値について伺う。 4.河道整備について  平成26年1月策定の信濃川水系河川整備計画は、津野地先55.3kから塩崎地先80k付近間で、流下能力を向上させるための河道掘削を実施する、と明記している。  以前も取り上げたが、同区間では、現況河道計算水位が計画高水位を超える箇所がいくつも存在し、リスクが高い状態が長年続いているにも関わらず、流下能力を高める重要な対策である河道掘削、河床整備の対策は遅々として進んでいない。  年々、土砂は川底に堆積していくことから、具体的かつ計画的な堆積土砂撤去、河床掘削等の抜本的な対策工事が必要だ。 (1)河川整備計画に基づく55.3k~80k間における河道掘削、河床整備について、現在の取り組み状況と、今後の具体的な計画は。 (2)信濃川水系河川整備計画は、河川砂利採取について、河川管理施設等に支障が生じないよう、適切に審査し許可する、としており、千曲川では、昭和38年~56年まで大規模な河川砂利採取が行われていたが、昭和57年以降は減少している。(S42・約80万m3→H16・約10万m3)  砂利採取事業者団体は、定期的な河川砂利採取は河川断面の確保に繋がり、治水上、有益であることから、令和3年度からの次期砂利採取規制計画において採取可能量増加について要望した、とのことだが、なぜ、近年に至って、河川砂利採取が減少したのか、現況河道計算水位の改善が進まないより、砂利採取に河道整備の一端を担ってもらった方が良いのではないか。2点について伺う。 5.スマートシティへの取り組みについて  長野市は令和3年2月「スマートシティNAGANO宣言」を発した。 スマートシティとかSociety5.0、DX等、カタカナや横文字が多く用いられ、抽象的な議論となりがちで、その目的や成果等を具体的にイメージしにくい面がある。スマートシティを推進するにあたり、今、整理すべきことは、長野市がスマートシティの本質を捉えているか、多様な事業者や市民がスマートシティの担い手として主体的に参画できるのか、すべての市民生活の満足度が上がっていく取り組みとなるのか、だと考える。  スマートシティにおけるITインフラの整備やビッグデータの活用は、あくまでも手段であり、目的は住民生活の質の向上である。また、超高齢社会、社会インフラの老朽化、自然災害の頻発と気候変動、過疎地域への対策、農業振興等、地域に身近な課題を起点として、民間の力を最大限活用し、地に足のついたリアルな課題解決に取り組むなど、地域づくりへの手法の転換が求められている。  今年の秋を目途に進められている基本計画の策定に向けて、その目的、何を実現したいのか、その効果が市民にどうもたらされるのか、そのために何を如何に取り組んでいくのか等について市は責任を持って具体的かつ明確に示してくことが求められる。 (1)長野市としてのスマートシティ宣言の理念と哲学、取り組みへの決意は (2)今秋、策定されるスマートシティ基本計画の位置付けと他計画との整合性をいかに図っていくのか (3)長野市としてスマートシティの本質を捉え、どう推進し、実効性を高めていくのか等、更に研究を深めていくために、世界経済フォーラム第4次産業革命日本センターが事務局を務める「G20 Global Smart Cities Alliance(GSCA)」に参画したらどうか。 6.労働者協同組合法について  令和2年12月、労働者協同組合法が公布され、2年以内の施行となる。 本法第一条、目的は、組合員が出資し、それぞれの意見を反映して組合の事業が行われ、多様な就労機会の創出と地域における多様な需要に応じた事業を促進し、持続可能で活力ある地域社会の実現に資すること、としている。長野市が「商工業振興・雇用促進計画」の策定にあたり、新たな視点としている①多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革、②感染症の流行によるライフスタイルの変化を取り入れる、と共通の概念だと考える。  労働者協同組合法による労働者協同組合は、NPOとも企業組合とも違うメリットがある。今後、本市のまちづくり、農林業、子育て、介護、後継者がいない中小事業者の継業など、地域における多様な需要に応じた事業の実施により、みんなが互いに支え合い、不安を安心に転換させ、活力ある地域共生社会の構築に向けた役割を担うことが期待されている。  本法提出者の一人である篠原孝衆院議員は、「日本の伝統的社会にはもともと利潤など二の次で、みんなのために一人一人が汗を流すという協同労働が根付いていた。農山漁村の集落の協同活動を思い出して、分野ごとに応用していくことで本法を有効活用できるのではないか、sustainabilityを重視し働きがいのある人間らしい雇用を促進する労働はSDGsにピッタリな組織だ」と論じている。  以上のことから、本市は、本法施行に併せ、まずは本法を理解し、いかに活用できるのかを早急に検討すべきである。 (1)本市として本法をどう捉えているのか。 (2)法を活用した組織づくり等アドバイス、相談窓口など、積極的に労協を推進し、必要な支援の検討と体制を早急に整えるべきだ。  以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

長野市議会令和3年6月定例会開会

 本日(6/10)令和3年6月長野市議会定例会が開会し、一般会計補正予算案など14議案、承認6件、報告12件が上程され、市長から次のように議案説明等がありましたので概略をご紹介します。  長野市の新型コロナウイルス感染状況について、3月中旬以降、感染者が再度増加し第4波の様相を呈した。PCR検査を徹底し、二次感染や集団感染抑止に努めた。また、県と連携し、飲食店などへの営業時間短縮等の協力を依頼するとともに、広報車等による広報活動を強化した。5月の大型連休明け頃より全県で感染警戒レベル3に引き下げられたが、引き続き、感染症対策を進めている。  ワクチン接種について、人的・物的資源をできる限り投入し、7月末までに65歳以上の接種を終えられるよう取り組んでいる。6月6日までの高齢者への接種率(1回目)は約34%。今後、64歳以下市民への接種は、65歳以上の進捗状況に応じ、接種開始時期をお知らせしていく。  令和2年度一般会計決算見込みについて、歳入では、市税は個人市民税や固定資産税が前年度を上回るものの、法人市民税が大きく減少することから、前年度より37億円下回る見込み。歳出では、特別定額給付金、プレミアム商品券、推し店プラチナチケットなどの経済対策等の実施により、前年度を509億円上回る。  東日本台風災害からの復旧・復興について、令和3年5月末時点で、392戸、約930人の方々が応急仮設住宅にお住まいになっている。入居期限が本年11月までとなっている。相当の理由により新居に引っ越しできない世帯もあることから、最大で1年延長できることとなった。入居者の状況を再確認した上で、延長可否の精査を行っていく。  長沼地区の河川防災ステーション整備については、本年4月16日に国交省から登録証が公布され、埋蔵文化財調査、用地測量、用地買収を進めるとともに、地元の皆様と具体的な検討を進めていく。  豊野地区の(仮称)豊野防災交流センターについては、設計業者の選定を進めていく。  令和3年3月に成立した新過疎法について、長野市は過疎地域の指定から外れたが、国の激変緩和支援措置が実施されるため、令和3年度から8年度までの6年間は過疎対策事業債の活用が可能となる。長野市過疎地域持続的発展計画を策定し、計画的で持続的な支援を推進していく。  市内各地における空き家の有効活用は重要な取り組みである。希望する地区に対し、空き家の利活用にかかる地区説明会を実施し、空き家の流通の促進を図っていく。  城山公園整備について、長野県立美術館のリニューアルに合わせて進めてきた城山公園噴水広場の再整備が間もなく完了する。7月7日に開園式を予定している。  子どもの貧困対策について、4月21日に長野市社会福祉審議会に「子どもの貧困対策計画」策定について諮問した。今後も、関係部局が連携し、問題解決に向けた取り組みを進めていく。また、生活支援特別給付金について、低所得のひとり親世帯には令和3年度4月専決補正予算で支給し、今定例会で6月補正予算案では、低所得のふたり親世帯に対し支給に要する経費を計上した。  学校におけるネットワーク環境については昨年度完了し、本年8月までに児童生徒1人1台の端末整備が完了する予定。  本年度は、長野市の将来を見据えた新たな取り組みを進めていく。スマートシティへの取り組み、バイオマス産業都市の認定に向けた取り組み、長期戦略2040等は、将来にわたって長野市が発展し、市民が幸せに暮らしていけるために今やらなければならないことだ。 目下の新型コロナ対策、台風災害からの復興を進め、着実に施策を進めていく。 以上となります。  私は、今定例会では、6月17日(木)10時30分頃から、個人質問で登壇予定です。現在、鋭意、質問原稿の作成に取り組み中ですが、とにかく頑張ります。

長野市議会令和3年6月定例会開会

 本日(6/10)令和3年6月長野市議会定例会が開会し、一般会計補正予算案など14議案、承認6件、報告12件が上程され、市長から次のように議案説明等がありましたので概略をご紹介します。  長野市の新型コロナウイルス感染状況について、3月中旬以降、感染者が再度増加し第4波の様相を呈した。PCR検査を徹底し、二次感染や集団感染抑止に努めた。また、県と連携し、飲食店などへの営業時間短縮等の協力を依頼するとともに、広報車等による広報活動を強化した。5月の大型連休明け頃より全県で感染警戒レベル3に引き下げられたが、引き続き、感染症対策を進めている。  ワクチン接種について、人的・物的資源をできる限り投入し、7月末までに65歳以上の接種を終えられるよう取り組んでいる。6月6日までの高齢者への接種率(1回目)は約34%。今後、64歳以下市民への接種は、65歳以上の進捗状況に応じ、接種開始時期をお知らせしていく。  令和2年度一般会計決算見込みについて、歳入では、市税は個人市民税や固定資産税が前年度を上回るものの、法人市民税が大きく減少することから、前年度より37億円下回る見込み。歳出では、特別定額給付金、プレミアム商品券、推し店プラチナチケットなどの経済対策等の実施により、前年度を509億円上回る。  東日本台風災害からの復旧・復興について、令和3年5月末時点で、392戸、約930人の方々が応急仮設住宅にお住まいになっている。入居期限が本年11月までとなっている。相当の理由により新居に引っ越しできない世帯もあることから、最大で1年延長できることとなった。入居者の状況を再確認した上で、延長可否の精査を行っていく。  長沼地区の河川防災ステーション整備については、本年4月16日に国交省から登録証が公布され、埋蔵文化財調査、用地測量、用地買収を進めるとともに、地元の皆様と具体的な検討を進めていく。  豊野地区の(仮称)豊野防災交流センターについては、設計業者の選定を進めていく。  令和3年3月に成立した新過疎法について、長野市は過疎地域の指定から外れたが、国の激変緩和支援措置が実施されるため、令和3年度から8年度までの6年間は過疎対策事業債の活用が可能となる。長野市過疎地域持続的発展計画を策定し、計画的で持続的な支援を推進していく。  市内各地における空き家の有効活用は重要な取り組みである。希望する地区に対し、空き家の利活用にかかる地区説明会を実施し、空き家の流通の促進を図っていく。  城山公園整備について、長野県立美術館のリニューアルに合わせて進めてきた城山公園噴水広場の再整備が間もなく完了する。7月7日に開園式を予定している。  子どもの貧困対策について、4月21日に長野市社会福祉審議会に「子どもの貧困対策計画」策定について諮問した。今後も、関係部局が連携し、問題解決に向けた取り組みを進めていく。また、生活支援特別給付金について、低所得のひとり親世帯には令和3年度4月専決補正予算で支給し、今定例会で6月補正予算案では、低所得のふたり親世帯に対し支給に要する経費を計上した。  学校におけるネットワーク環境については昨年度完了し、本年8月までに児童生徒1人1台の端末整備が完了する予定。  本年度は、長野市の将来を見据えた新たな取り組みを進めていく。スマートシティへの取り組み、バイオマス産業都市の認定に向けた取り組み、長期戦略2040等は、将来にわたって長野市が発展し、市民が幸せに暮らしていけるために今やらなければならないことだ。 目下の新型コロナ対策、台風災害からの復興を進め、着実に施策を進めていく。 以上となります。  私は、今定例会では、6月17日(木)10時30分頃から、個人質問で登壇予定です。現在、鋭意、質問原稿の作成に取り組み中ですが、とにかく頑張ります。

東京五輪、事前合宿

 新型コロナウイルスの流行から一年半が過ぎた今、ワクチン接種が進められているものの、変異株の出現により、未だ、状況は好転していない。長い闘いを強いられている医療従事者はじめ、多くの方々の心労と疲弊は察するに余りある。日々の奮闘に、深く敬意を表したい。  看護職全体の負担は今後ますます増えそうだ。以前、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は日本看護協会に対し、看護師五百人の確保を要請した。通常の診療に加え、ワクチン接種の業務により医療現場は限界に近づいているのでは、と思う。医療提供体制が崩壊すれば、救える命が救えなくなると懸念される、以前からの指摘が続いている状況だ。  昨日、東京五輪に出場する豪州のソフトボール代表選手団が来日し、事前合宿地である群馬県太田市に7月17日まで滞在する、との報道があった。選手たちの移動は制限され、毎日のPCR検査の実施など準備と行動管理等を担う自治体の負担が増すこととなるだろう。 太田市もワクチン接種等で大変多忙な業務の中での対応となるだろう。崇高でおもてなしの心で選手団を迎い入れる自治体、関係者等、全ての皆様に敬意を表する次第である。政府や組織委員会には決して自治体任せではなく、全面的なバックアップを求めたい。  そして、長野市においても、東京五輪事前合宿受け入れ事業が予定されており、7月11日から23日の13日間、デンマークの水泳代表チームが市内ホテルに滞在し、東和田のアクアウイングにて事前合宿に臨むこととなっている。  太田市と同様、選手団等に対し、毎日のPCR検査や公共交通機関の利用を禁じ、行動範囲を制限し、市民との混在を避ける、としているが、選手等の滞在中、長野市として特別な対策を講じる必要がある、と思われる。事前合宿期間の13日間、長野市における選手団に対する体制について確認しなければならない。  また、政府は、五輪期間中、各国の選手等に毎日行う検査の結果、仮に陽性の場合は出場を認めず、濃厚接触者も隔離し、診断を基に出場の可否を判断する、としている。  事前合宿期間中も同様の対応が取られるのか。仮に、事前合宿中に陽性者が出た場合、入院手続き、積極的疫学調査等の対応はどこが行うのか、誰が責任を持って対応にあたるのか、長野市を含む県内の医療機関や行政への負担や影響等はどれほどなのか等、負担は決して軽いものではないと思う。    既に国内では、105の自治体が事前合宿や交流事業を断念している、と報じられている。五輪開催そのものについて国会はじめ様々な議論が進められており、世論調査においても、多くの国民が開催に否定的な回答をしている。今、多くの国民が願っているのは、新型コロナの一日も早い収束なのである。  6月10日から長野市議会6月定例会が始まる。デンマーク事前合宿事業は、私が担当している長野市議会経済文教委員会が所管する事業の一つである。議論を尽くしていきたい。

東京五輪、事前合宿

 新型コロナウイルスの流行から一年半が過ぎた今、ワクチン接種が進められているものの、変異株の出現により、未だ、状況は好転していない。長い闘いを強いられている医療従事者はじめ、多くの方々の心労と疲弊は察するに余りある。日々の奮闘に、深く敬意を表したい。  看護職全体の負担は今後ますます増えそうだ。以前、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は日本看護協会に対し、看護師五百人の確保を要請した。通常の診療に加え、ワクチン接種の業務により医療現場は限界に近づいているのでは、と思う。医療提供体制が崩壊すれば、救える命が救えなくなると懸念される、以前からの指摘が続いている状況だ。  昨日、東京五輪に出場する豪州のソフトボール代表選手団が来日し、事前合宿地である群馬県太田市に7月17日まで滞在する、との報道があった。選手たちの移動は制限され、毎日のPCR検査の実施など準備と行動管理等を担う自治体の負担が増すこととなるだろう。 太田市もワクチン接種等で大変多忙な業務の中での対応となるだろう。崇高でおもてなしの心で選手団を迎い入れる自治体、関係者等、全ての皆様に敬意を表する次第である。政府や組織委員会には決して自治体任せではなく、全面的なバックアップを求めたい。  そして、長野市においても、東京五輪事前合宿受け入れ事業が予定されており、7月11日から23日の13日間、デンマークの水泳代表チームが市内ホテルに滞在し、東和田のアクアウイングにて事前合宿に臨むこととなっている。  太田市と同様、選手団等に対し、毎日のPCR検査や公共交通機関の利用を禁じ、行動範囲を制限し、市民との混在を避ける、としているが、選手等の滞在中、長野市として特別な対策を講じる必要がある、と思われる。事前合宿期間の13日間、長野市における選手団に対する体制について確認しなければならない。  また、政府は、五輪期間中、各国の選手等に毎日行う検査の結果、仮に陽性の場合は出場を認めず、濃厚接触者も隔離し、診断を基に出場の可否を判断する、としている。  事前合宿期間中も同様の対応が取られるのか。仮に、事前合宿中に陽性者が出た場合、入院手続き、積極的疫学調査等の対応はどこが行うのか、誰が責任を持って対応にあたるのか、長野市を含む県内の医療機関や行政への負担や影響等はどれほどなのか等、負担は決して軽いものではないと思う。    既に国内では、105の自治体が事前合宿や交流事業を断念している、と報じられている。五輪開催そのものについて国会はじめ様々な議論が進められており、世論調査においても、多くの国民が開催に否定的な回答をしている。今、多くの国民が願っているのは、新型コロナの一日も早い収束なのである。  6月10日から長野市議会6月定例会が始まる。デンマーク事前合宿事業は、私が担当している長野市議会経済文教委員会が所管する事業の一つである。議論を尽くしていきたい。

気候変動と流域治水、それぞれへの取り組み

 4月28日、「特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案」いわゆる流域治水関連法案が成立しました。それにより、上流・下流や本川・支川の流域全体を俯瞰し、国や流域自治体、企業・住民など、あらゆる関係者が協働し「流域治水」への取り組みが推進されることとなります。  国は、長野市にも大きな被害をもたらした台風第19号災害など、毎年のように、全国各地で大規模な洪水災害が頻発し、今後更に、気候変動の影響から激甚化に繋がる集中豪雨や台風の大型化等による洪水等の自然災害が増加するとの危機感を募らせています。  まず、気候変動については、既に、平成30年12月に「気候変動適応法」が施行されており、温室効果ガスの排出削減対策(緩和策)と気候変動の影響による被害の回避・軽減対策(適応策)を車の両輪として法的に位置付け、関係者一丸となった取り組みが進められています。  気候変動適応法は大きく4つの柱をもって構成されていますが、その中の「適応の総合的推進」では、「農林水産業」、「水環境・水資源」、「自然生態系」、「自然災害」、「健康」、「産業・経済活動」、「国民生活」の7分野において、気候変動による影響評価しながら、きめ細かな情報に基づく効果的な適応策を推進する、としています。  長野県は2021年4月1日「長野県ゼロカーボン戦略(案)」と、別冊で「気候変動の影響と適応策」を策定、公表しました。その中で一例ですが、大雨による災害リスクの増加を指摘し、また、気候変動による水稲病害の発生に備えた管理技術の確立を目指す等が示されています。  気候変動適応法施行により、県や長野市においても、気候変動がもたらす影響や、今後更に影響が及んでくる事象に対し如何に対策を講じ、必要な取り組みを示し、実行していくのか、具体的な施策の展開が大きな責務となります。  そして、「特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案」いわゆる流域治水関連法案についてです。  国は、降雨量の増大等に対応するために、ハード整備の加速化・充実や治水計画の見直しに加え、上流・下流や本川・支川の流域全体を俯瞰し、国・流域自治体、企業、住民等、あらゆる関係者が協同して、流域治水の実効性を高める法的枠組みとして、流域治水関連法案を施行させました。  関連法と言われているのは、9つの法律を改正したことにあります。 ①特定都市河川浸水被害対策法 ②水防法 ③建築基準法 ④下水道法 ⑤河川法 ⑥都市計画法 ⑦防災のための集団移転促進事業に係る国の財政上の特別措置等に関する法律 ⑧都市緑地法 ⑨土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律、それぞれの一部改正でありました。  それぞれ改正されることにより、(1) 流域治水の計画・体制の強化(特定都市河川法)、(2) 氾濫をできるだけ防ぐための対策 (河川法、下水道法、特定都市河川法、都市計画法、都市緑地法)、(3) 被害対象を減少させるための対策(特定都市河川法、都市計画法、防災集団移転特別措置法、建築基準法) (4) 被害の軽減、早期復旧・復興のための対策(水防法、土砂災害防止法、河川法)、が強化されることとなり、私も期待するところであります。  詳細は省きますが、今回の法改正でより重要となったのは、地方公共団体、地方自治体による流域治水推進の役割が更に増していくことだと受け止めております。  例えば、氾濫をできるだけ防ぐための対策として挙げられている「利水ダムの事前放流の拡大を図る協議会の創設」、また、「下水道の樋門・樋管等の操作ルールの策定義務と河川から市街地への逆流等の確実な防止」、「貯留機能保全区域の創設で沿川の保水・遊水機能を有する土地の確保、浸水被害防止区域を創設」、「住宅や要配慮者施設等の安全性の事前確認」等、これまで以上に、長野市が主体的に取り組まなければならない進まない対策が数多くあります。  長野市は、流域住民や事業者と一体となって、市民の生命と財産を守るために、何をすべきか、何を優先しなければならないか等を明確にし、市民への情報公開、そしてリスクを共有し、市長のリーダーシップのもと、丁寧な説明を重ね、住民の合意形成を図り、早急に流域治水対策に取り組まなければなりません。  地球温暖化対策、とりわけ温室効果ガスの排出削減対策(緩和策)と気候変動の影響による被害の回避・軽減対策(適応策)と、流域治水対策を確実に前に進めることにより、真の安全・安心につながる災害に強いまちづくりを進めなければなりません。これからも私の最大のテーマとして捉え、取り組んでまいります。