長野市議会議員会派

改革ながの市民ネット

会派行政視察最終日

 会派行政視察最終日は、下関市から福岡県北九州市に移動(普通電車で10分程度の移動距離)し、北九州市立子育てふれあい交流プラザを視察。子育て環境日本一の北九州市ですが、小児医療では24時間体制の病院が市内4か所設けているなど全国にはない取り組みがなされております。北九州市には今回視察した交流プラザの他に八幡地区に「子ども館」が設置されており、市として積極的に子育て交流施設を展開しているところであります。平成9年開設の「子ども館」では0歳~18歳の子どもたちが利用でき、これまでの利用者数は延べ1,000万人に迫る勢いで、今回視察した「交流プラザ」は0歳~6歳の子どもたちに開放している中で、平成13年開設してから今月中には述べ利用者数が500万人を見込んでいるようです。利用者は1,200人~1,300人/日、指定管理者による管理の下、正規職員12名、見守りスタッフとして、5時間パートさんが30名の体制で運営されております。  交流プラザでは、遊び場、育児相談、親子・市民活動団体の情報交換や交流が図れる場として広く提供され、まさに、子育て支援の総合的な活動の拠点として広く認知されるとともに多くの市民に活用されている施設に大きく成長しているようです。  館内3,000㎡を上述のプレイゾーン(遊び場)として1,500㎡と広く、視察した際にも多くの親子連れが楽しく遊びながら親子間はもちろん、親子同士での交流を図っているという微笑ましい光景に溢れておりました。こうしたプライゾーンの他に、親育ちゾーン、地域子育て支援ゾーン、併せて、子育てに少々疲れた体を癒すためのリフレッシュルームには「ソファー型のマッサージ機」が6台程度設置されており、保護者にとってまさにリフレッシュできる場も設けられているといった子育てを北九州市として支援して行こう、という環境がこのセンターには凝縮されている印象を受けた次第であります。  核家族化が進む中で「子育ての不安についての相談体制」、「親としての心持」、「安心して子育てしたい」等といった課題を解消するための役割を果たしていると思います。  現在長野市においても、子ども広場「じゃんけんぽん」、「このゆびとまれ」があります。この施設については、母親にとっては大助かり!、同じような施設が増えればお母さんたちも助かるし、こどもたちにとっても良い、といったコメントが寄せられております。子育て先進都市を目指す長野市、しっかり保護者の立場で、保護者の目線に立って、これからの公共施設の在り方と共に、子育て施設の充実を図っていかなければなりません。  

会派行政視察2日目

 会派行政視察2日目は山口県下関市の「ジビエ有効活用事業について」調査研究を行いました。下関市の野生獣による被害額の推移をみてみると鹿7600万強、猪で4200万、猿2900万強と野生獣により農作物被害が深刻化している中で、中山間地域での農村地域の活力衰退等の対策としてジビエの有効活用と有害獣被害軽減を目的として「みのりの丘ジビエセンター」の設立しました。    まずは、基本計画を策定、その目的は地域における有害獣被害を軽減するための仕組みを構築するもので、下関型ジビエ活用モデルを打ち立て、捕獲処理機能を高めるとともに加工販売機能に加え地域ぐるみの有害獣被害軽減対策機能をもって平成21年以降、様々な議論が交わされてきました。基本計画の中で猪と日本鹿の2種類について販路の確保、食肉としての加工、地域資源として販売を行っているところであり、下関市北部中山間地域に平成25年4月に「みのりの丘ジビエセンター」の共用が開始されました。総事業費5600万強とのことで食肉加工会社が指定管理者となって運営されているようです。この施設における年間計画処理頭数は猪310頭、鹿290頭、年間600頭であり、平成26年度以降、加工12品を販売しておりますが、特に地元での拡販には中々結びついていないようです。  それでも当初は600万の販売額が現在では1100万弱となっているとのことで、鹿肉については相当な需要もあるとのことでした。そうした状況から「みのりの丘ジビエセンター」の果たす役割には期待が持てると思います。    野生獣による農業被害額の抑制に重点を置くのか、それに合わせて目的にも掲げられているように下関型の有効活用となっていくのか先進的な取り組みの途上ではないかと思います。  長野市においてもすでに若穂地区に解体処理施設が設けられており、平成30年度には市内2つ目の施設が中条地区に開設が予定されております。目的を明確に定めることにより成果が出てくる事業だと考えます。いかにして地域資源としての活用出来るのか、簡単ではないことだからこそ、関係団体との連携を深め、真に長野市としての資源とすべく活用できるように本気で取り組まなければなりません。

会派行政視察一日目

8月2日~4日まで、所属会派による管外視察を行っております。初日の2日は山口県宇部市の「宇部市健康づくり推進条例」、「学校給食における地産地消の取り組み」について主に調査研究を行いました。  「宇部市健康づくり推進条例」について 少子高齢化が急速に進行する中で、平均寿命は延びているものの生活習慣病の増加、重症化により要介護状態となる臣民が増え、市民全体の健康度を高めるためには個人の努力だけでなく、社会共通の課題として個人を支える環境づくりを進めることことが必要であり、健康づくり、まちづくり、ひとづくりの一体化を図りながら、住民全体の取り組みを進め、市民一人ひとりが生活の中で健康づくりを習慣化し、健康文化のあるまちづくりを推進していくことを目的に制定されました。  平成27年4月に施行され、行政の責務、市民の役割、地域コミュニティーの役割、関係機関団体の役割を定め取り組みが進んでおります。策定までの過程では平成24年に歯科医師会から条例策定の提案を受け、平成26年12月に市議会に上程されましたが実に2年半かけ、市民71人が参加したワークショップ、パブリックコメントなどまさに市民と一体となって作り上げた条例とも言えます。  この条例施行された後、それまでの「健康づくり推進協議会」が条例に基づく審議会となり、また、第3次宇部市健康づくり計画(元気プランうべ)にも大きく反映される等、健康長寿のまちづくりの推進体制が明確になったことで、具体的な方策について健康づくり計画に盛り込むことができた、とのことでした。更に、審議会に市民公募による委員も参画し、関係機関、団体と連携して協働のまちづくりを進めながら様々な施策を推進するといった効果が生まれるに至っております。  宇部市では健康づくりの観点からいくつかの取り組みが行われているようですが、積極性を感じる事業をご紹介します。 ○無料クーポン券・・・それまでは、所謂、市の封筒でクーポン券を郵送していたが、中身の確認もしてもらえずにそのままゴミ箱へということも多かったが、封筒のデザインを少し工夫したことでしっかり中身を確認してもらい受診率の向上につなげていこうというものです。 ○宇部市はつらつポイント制度・・・40歳以上の市民が健康づくりのイベントや講座等に参加したり、上述のがん検診の受診によりポイントが与えられ、そのポイントを換金または寄付できる、といった取り組みです。平成24年からはじまったこの事業の登録者は、2年目の平成26年、2022人が平成29年3月には4413にとなるなど、市民の健康への意識も確実に高まっているのではないかと感じます。 健康寿命、長野市にとっても重要な課題である故に、長野市としても今後、どんな取り組みを行うことができるのか、また、重要なのはしっかり市民に受け入れられることで、その効果を発揮できるような手法を同時に考えていかなければなりません。 「学校給食における地産地消の取り組み」について  宇部市は平成11年に宇部産米を米飯給食に導入して以降、生産者、JA、業者、県等と連携を図りながら学校給食における地産地消に取り組んでおります。平成28年の金額ベースでの実績は32.2%、今年度の目標を40%に定めているところです。しかし、中々、課題も多いようで、宇部市では、野菜の生産規模が小さく安定生産できる品目が少ないこと、「じゃがいも、玉ねぎ、にんじん」を供給している学校給食応援団への加入生産法人の高齢化、人手不足、新規加入の生産法人がいないといった作付面積の拡大が困難なこと、野菜や魚介類は天候等の影響で量や価格の変動が激しく安定供給が難しいなど、平成28年実績で野菜=15.8%、魚介類=7.8%と今後の対策が重要であるといったことがうかがえます。そうした難しい課題を抱えながらも取り組むことは大変重要なことであります。昨今、朝食欠食等、食習慣の乱れであったり、食べ過ぎ、偏った食事による肥満、生活習慣病の増加など給食が担う健康増進への期待は高まっております。健康第一に考え、健全な学校生活を過ごしていく上で行政として何ができるのか、常に考えていく必要があります。加えて、地産地消を推進することで地域内経済の循環を生み出すこと、農業振興を合わせて、宇部市の取り組みのように各団体がしっかり連携を図っていくことが更に求められるのではないかと考えます。

防災意識の醸成を

 九州北部での記録的な豪雨では、甚大な被害をもたらし、多くの死傷者が出ていることに対し、心よりご冥福を申し上げますとともに、お見舞いを申し上げます。  猛烈な雨は、積乱雲が帯のように連なる「線状降水帯」によるもので、平成27年に起こった常総市における水害で私も初めて耳にした言葉ですが、平成26年の広島の土石流災害も同様の原因ということでした。  私も昨年の3月市議会一般質問でこのことを取り上げました。 「12月議会において、大雨による水害発生から地域住民の生命を守るためのソフト対策について質問をさせていただきましたが、今回は市民の財産と地域の資源をしっかり守り、地域住民が安心して暮らせるための河川整備、特に重要水防箇所の安全対策について伺います。前回も申し上げたとおり、常総市における鬼怒川の堤防決壊やIPCCの報告書などから、本市における洪水リスクは高まっているのではないかと危惧しております。・・・」(平成28年3月議会原稿より抜粋)  気候変動による局所的な集中豪雨が懸念され、いつ、どこで起こってもおかしくない集中豪雨は、決して他人ごとではない、と改めて考えます。台風のようにある程度進度を予測できれば、長野市でも策定している「タイムライン(事前防災行動計画)」で生命を守る観点から対応ができますが、こうした集中豪雨に対し、すべてをハード対策で補うことは中々困難であるのが現状です。また、所謂、一級河川のような大きな河川ではなく、支流による氾濫が原因で多くの被害を生じさせてしまう、ということを考えると、国、県、市町村が一体となり、それぞれの地域で現状を把握し、対策を講じていかなければならないと思います。これまでに経験したことがなうような災害への備えが求められます。  また、九州でも多くの方々が避難所生活を余儀なくされているなかで、連日の猛暑から熱中症対策であったり、感染症対策も併せて行わなければなりませんし、長野市での避難所ではどう対応していくのか、環境の整備にも更に踏む込んだ議論を重ねていくべきかと考えます。    確実に市民の生命を守ることが絶対必要ですが、事前の対応がカギとなる際の判断基準が明確になっているのか、運用を適切に行うことが出来るのか、改めて、行政として我が事として取り組まなければなりません。様々な災害を長野市としても検証しながら、私も今後の議会でも取り上げていきながら、あらゆる災害に対する意識の醸成を図り、体制の整備に取り組んでいきたいと思います。

6月議会議了!

 平成29年度 長野市議会6月定例会(6月議会)では、1億7800万余りを追加する一般会計補正予算、条例改正案など16議案が提出され、原案通り可決となり議了となりました。  可決された一般会計補正予算案では、長野オリンピック・パラリンピック20周年記念事業として4100億余りが充てられることになります。中でも、「20周年記念式典&スペシャルコンサート」事業に1300万余り、「アイスホッケー・アイスレッジホッケー国際試合」事業に1500万余り、他に、小中学校の教材用DVD制作、配布、オリンピック・パラリンピックへの理解学習実施の事業として140万余、とオリンピック開催都市ながのとして平昌オリンピック、2020年東京オリンピックの機運醸成を図っていくものであります。  条例改正案では、長野市小島田地籍にある「八幡原史跡公園」の公園名を、全国的にみても知名度が高いことから「川中島古戦場史跡公園」に変更する長野市都市公園条例の一部を改正する案が提出され全会一致で可決となりました。長野市南部の玄関口である長野インターに近い立地という観光拠点として、更なる地域活性化にもつながることを期待します。  そして、私が所属する建設企業委員会にて議論が続いている案件の「長野駅周辺第二土地区画整理事業」があります。この事業のこれまでの歩みは実に長く、 •昭和39年 9月 長野駅善光寺口及び東口の再開発整備基本構想が持ち上がる。 •平成 4年 3月 長野駅周辺第二土地区画整理事業基本計画作成承認 •平成 5年 9月 同事業の事業計画決定(知事認可・市決定) を経て、これまで様々な要因から4回の計画変更を行いながら事業が進められてきました。ここに来て、施工期間が2年延長の平成32年度までとする5回目の事業計画変更が行われることとなりました。(変更の概要は下記資料を参照) 平成29年5月末日の段階で、仮換地指定96.1%、建物移転97.5%、公共施設整備89.9%と、あと一歩のところですが、これまでの経緯を考えれば一日も早い完成を期待したいところです。 <変更の概要>         第4回変更(現計画)  第5回変更(変更後) 施工期間  平成5年度~30年度  平成5年度~32年度 事業費    803億円         799億円  国の交付金がここ数年、長野市からの要望額を下回っており十分な事業費が確保できていないことに加え、直接施工を予定している建物移転の法手続き、移転後の公共施設整備等の施工期間を考慮し、2年間延長をするものです。  また、公共施設整備の見直し、過年度実績の反映や経済情勢に応じた残事業の再積算により総事業費を4億円減額となります。 <資金計画(支出)>        第4回変更(現計画)  第5回変更(変更後) 増減 公共施設 整備費      203億円      196億円      ▲7億円 移転移設 補償費      529億円      535億円        6億円 その他工事費・ 事務費等     71億円       68億円       ▲3億円 合 計       803億円      799億円      ▲4億円  駅前広場ぺデストリアンデッキ等の整備内容の見直しにより公共施設整備費が減少となりますが、労務単価や資材費等の高騰、消費税率引き上げにより補償費が増、想定した石炭ガラ等の産業廃棄物処理量の精査による整地費が減少となります。 また、平成 5年12月に工事着手した山王栗田線JRアンダー箇所(駅南幹線アンダーパス)ですが、現在、工事が進められており、こちらの方も一日も早い完成が望まれております。  いずれにしましても、平成5年度からという長期間にわたる土地区画整理事業ですので、多くの市民の利便性が向上し、事業の効果を実感できるものに仕上げていかなければなりません。

6月議会開会!

 平成29年度長野市議会6月定例会が6/9~26まで18日間の会期で始まっております。 平成29年度一般会計補正予算1億7,826万円を追加する議案、小島田地域にある「八幡原史跡公園」の名称を「川中島古戦場史跡公園」へと名称変更する条例の改正案など16の議案と、3つの承認案件、9つの報告案件が上程されております。  新年度に入り、早3か月が経過する中で今年度からスタートした長野市の最上位計画である第5次総合計画の進捗、人口減少社会への対応等、様々な議論が繰り広げられると思います。しっかり、臨んで参ります。 <6月定例会にて登壇します!>  3月定例会に引き続き、一般質問を行います。  日時 : 6月16日(金)        13:45頃~ (答弁含め約40分)  場所 : 長野市第一庁舎8F議場  <質問項目>    1.長野市財政における現状と課題について    2.農業経営の安定化と新たな担い手の確保、新規就農者支援について    3.長野市嘱託・臨時・パート職員の公務災害について  ご都合の就く方は、議場にお越しいただければ幸いです。

辰巳新道改良促進期成同盟会総会が開催されました

6月6日、県道清野篠ノ井停車場線(辰巳新道)改良促進期成同盟会総会が開催されました。辰巳新道は、通明小学校区で最も危険な通学路ですが、70年以上、一部を除いて改良がされず、子ども達を始めとする通勤・通学の方々が危険にさらされてきました。

期成同盟会ができたことにより、ようやく県が改良を進めることになり、昨年度予算で測量、今年度予算で詳細設計を行うところにこぎつけました。しかしながら、県の単独事業であるため、予算の関係で御幣川五差路から旧国道までの3割分を整備するのに8年以上かかる見込みです。

子ども達の安全のため、志半ばで逝去された須坂前会長の思いに報いるためにも、一日も早い拡幅と歩道の設置を、関係する皆さんと一致団結して取り組んでいく決意を新たにしました。

5月31日の雹による被害は

 昨日、地元更北地区内の真島地域の一部にて、5月31日夜に降った雹(ひょう)による農業被害について何軒かの農家さんを回って、現状をみさせていただきながらお話しを伺いました。雹は激しい上昇気流を持つ積乱雲内で生成され、そのため雷とともに起こることが多い、ということですが、確かに、31日の夜はあちこちで雷が発生しており、私も車中から激しい雨とともにピカピカ光るものを目にしておりました。  そんな翌日夜に、ある方より、リンゴが雹の被害を受けている、酷いところは9割以上が傷が入ってしまった、との話を伺い現地をじっくり回らさせていただきました。実際に、お話をお聞きしていると、「60年間ここでリンゴを作っているが、こんなのは初めてだ」、「来年のこともあるので、いくら傷が入ってしまったといえでも、収穫時期まで通常の作業を行わなければならない」、「こういった状況で、今年はリンゴづくりのモチベーションが上がらない」等、かなり困惑されておりました。また、今回の雹は局地的であったようで、同じ地域の別の場所で作業中の農家さんに畑の中で話しを伺うと、雹による被害は全くなく、同じ地域で発生した、ことをご存知ないようでした。  また、リンゴの他に、桃、ぶどうにも影響が出ており、作業中のぶどう農家さんにも状態をみさせていただきながら、お花しを伺った次第です。  6/2付けの信濃毎日新聞によれば、県が発表した速報値では、県下5市町村、179haに被害が及び、被害額は7500万との報道です。これからこの数字が上がっていくことが予想されます。  農業は天候であったり、不慮の災害等により大きく農業経営に影響します。こうした地球温暖化、異常気象による様々な災害が毎年発生している昨今です。真島地域の大きな魅力であり特色である果樹ですので、最終的な被害がより少なくなることを願っております。

建設企業委員会行政視察(3)

 行政視察最終日は奈良県奈良市へ。奈良は中学3年生時に修学旅行で訪れて以来でしたが、当然、観光等は出来ませんでしたが、多くの外国人観光客、修学旅行に生徒さんで溢れるまちをみて、流石、奈良!と思わせるところでした。さて、奈良市での行政視察目的は「奈良市空き家対策計画及び空き家バンク・ならまち町家バンク」の取り組みについての調査でした。  まず、空き家対策の中で管理不全な空き家の解消に向けた取り組みでは、平成26年に「空家対策の推進に関する特別措置法」が成立され、奈良市においても人口減少、今後も更に空き家等が増加していくことを想定されていることから平成27年7月に空家等対策推進協議会を設置し、平成28年3月に奈良市空家等対策計画を策定、現在、様々な課題を抱えながら取り組みがなされているところです。そこで、水道閉栓データから抽出されたデータに基づき、現地調査対象を抽出、業者に委託し、敷地外からの外環目視等の実態調査を行ったとのことでした。  管理不全な空き家の解消に向け、住宅課が市民に対応する窓口となり、庁内各課との連携を図りながら適切な対応が出来るように取り組んでおられるようですが、この日も、この空き家を奈良市定住促進事業との連携を踏まえ、奈良ブランド推進課の方からの説明も受けました。 住宅課に寄せられる空き家等に関する相談・苦情では、庭木、雑草の繁茂、進入などの防犯面、スズメ蜂の営巣など平成27、28年度に270件ほどよせられたそうです。ちなみに平成26年度までは毎年平均すると、30件から50件ほどであったようで、担当課を設け、市民窓口を明確化したことで、まずは、解消に向けた取り組みの効果が表れたのではないかと思います。対応については、所有者にしっかりお知らせし、所有者の責任において手入れを行っていただいた、ということと併せて、国庫補助を活用した特定空家等除去費用補助金を設けるなど、補助件数は決して多くはないものの、奈良市としては、出来るだけ空き家を発生させない対策、管理不全にならないようにする対策、管理不全になってしまっ空き家等の管理者、所有者に対する方策など地域、事業者、産官学が相互に連携を図りながら取り組んでいく、というものでした。  平成27年に実施した調査で奈良市の空き家率は3.6%、中心市街地の一部であったり、東部地区といわれる中心市街地から離れた地域が5%以上と高くなっているということですが、平成27年度から奈良市の東部地区(中山間地)を対象とした空き家バンクを、平成23年から町家バンク(奈良市歴史的風致維持向上計画において設定された奈良町および奈良公園地区重点区域内)を策定し、2通りの制度の活用が行われております。町家バンクはいわゆる町場であり、民業圧迫とならないように、ということを踏まえての取り組みとのことでした。市が主体的に取り組んでいる空き家バンクでは2年間で10件の成立があったようですが、物件の登録が少ない、広報の不足、費用面、移住後のサポート体制、などなど今後の課題も山積のようであります。  長野市では、今年度、空家等対策計画作成協議会を発足させたところでありますが、昨年の秋から市内各地区で実態調査が行われ、市全体の空き家率はは4.8%、特に中山間地域では20%~40%強といった数字が出てきております。市の建築指導課、住宅課など11課が連携を取りながらプロジェクトチームを発足させ1年余り議論が交わされてきました。 倒壊などの保安上危険であったり、衛生上有害となるおそれがあったりといった特定空き家は困難かもしれませんが、空家を資源としてしっかり捉え、利活用がスムーズにできるような施策をしっかり構築していくことが大事ではないか、と思います。奈良市同様に長野市でも様々な課題を抱えながらの空き家対策ですが、知恵を絞り、粘り強く取り組んでいかなければなりません。

建設企業委員会行政視察(2)

 行政視察2日目、岡山県岡山市の取り組み「県庁通り・西川緑道公園筋回遊性向上社会実験」について調査してまいりました。まず、岡山市は平成21年4月に中核市から政令指定都市へと移行、人口72万弱のいわゆる大都市であります。自然増はないものの、社会増がわずかではありますが、広域から多くの人々が訪れるまちづくりを進めております。  そんな中、岡山市では平成26年に駅前エリアに大型商業施設が新規出店するなどし、江戸時代以降から岡山藩の城下町として古い歴史を持ち、長く商業の中心であった表町エリアの2極化が進み、駅前エリアの集客力を表町エリアなど中心市街地全体へ波及させるための方策に着手しているところです。  そこで、車中心から人優先のまちづくりに取り組むこととして、駅前エリアと表町エリアを結ぶ県庁通りにおいて、平成27年、28年の2年間にわたり、東進一方2車線の車道を1車線化し、歩いて楽しいまちづくりのための回遊性向上社会実験を行うに至ったわけです。さらに、県庁通りと接続する西川緑道公園筋でも歩行者天国化の社会実験にも取り組みました。 車道の1車線化は概ね1週間、歩行者天国は4回実施することで効果、影響、賑わい、などなど道路空間の再構築を検討するにあたって社会実験の検証を行ったとのことでした。  1車線化にともない心配された「交通渋滞」では、深刻な渋滞の発生はなかった、また、業者の荷捌きの需要が高かった、「歩行性・走行性」では、自転車走行レーンを設けるなど歩行者にはより安全で快適な歩行空間が保たれ、自転車利用者には特に快適に走行ができたとのことで、「回遊性・賑わい」に関しては、歩行者天国を行った西川緑道公園筋では通行料が10倍以上になるなど回遊性向上、賑わいの創出の効果があったと判断されているようです。そんな中ではありますが、警察関係とのさらなる協議であったり、地元等との協議、歩行者天国では市民主体の運営体制の構築といった課題を今後、どう解決し前に進めていくのかが更に知恵を絞っていかれるとのことでした。  長野市においても中心市街地の活性化、長野駅ー善光寺間の回遊性、また、郊外へのスプロール化など様々な課題が山積している中で、まずは岡山市のような積極的な社会実験などを通して市民全体でムーブメントを巻きおこせるよう知恵を絞り、かき集めながら取り組んでいかなければなりません。