ライオンズクラブによる慈善事業(福祉・防災に向けた寄贈) / コロナ禍の真に厳しい状況
◇ライオンズクラブの主要行事が行なわれる
この日(3日)、長野市内で ライオンズクラブの広域の主要行事があり、所属クラブのメンバーとして参加しました。
ライオンズクラブは 世界で200以上の国において組織されており、日本では35の「地区」において 約3,200のクラブと10万人を超える会員をもって構成されています。
そのモットーは「We Serve.(私たちは奉仕する)」。奉仕を旨としてさまざまな活動を展開しています。
この日は、長野県内の地区(334-E地区)の「ゾーン(2R1Z)」に加盟するライオンズクラブが、そのゾーンを統括する今期リーダー(ガバナー)を迎える記念行事(ガバナー公式訪問)を行なったものです。
この行事の中の「記念事業」として、長野市(こども未来部)に対し「気化式小型冷風機(3台)/放課後こども支援施設向け」の寄贈が行なわれました。
会場には 長野市こども未来部のH部長が来駕され、目録が授与されると 大きな拍手が送られていました。
長野市には 40を超える放課後こども支援施設(児童センター等)がありますが、施設内の居室によっては冷房設備がゆき届いていない施設もあることから、それらの利用者(こども)のニーズに応える形で寄贈させていただいたものです。
この寄贈により 少しでも放課後児童の居室環境が向上することを願うと同時に、ライオンズクラブとして、今後もさまざまな面で社会奉仕に取り組む旨が再確認されました。
なお この地区のライオンズクラブ(国際協会傘下)においては、さき(6月)に「未来型災害支援ターミナル(蓄電池含む)及びドローン」を寄贈した経過もあります。
さきの「令和元年東日本台風」を経験した同地区のライオンズクラブ幹部が、国際協会と談判して今回の大規模な寄贈にこぎ着けました。
この寄贈事例は いわば大きなミッションではありますが、これ以外にも 地道な奉仕活動を通じて社会生活の向上に努めるところです。
一つの大きな節目となったライオンズ行事でありましたが、私も いちメンバーとして「できること」を模索しながら奉仕活動に挺身してゆきたいと思いを新たにいたしました。
◇コロナ禍:囁(ささや)かれる〝危機的状況〟
ところで、私の所属するライオンズクラブ(長野千曲ライオンズクラブ)の今期のH会長は 市内の医療機器の関連メーカー(代理店)に勤務しており、その関係で病院等の医療機関に出入りしているそうなですが、そのHさん 最近のコロナ禍の状況を甚(いた)く憂慮しておられます。
曰(いわ)く「コロナによる死者数がジワジワと増えている。これは医療崩壊の実態を悪しけく裏付けているのではないか。」とのことでありました。
「コロナ〝第7波〟は、当初「感染者数は多いものの その多くは軽症か無症状」とのことだったよね。でも、これだけ分母(感染者の総数)が増えた中 高齢者や既往症者に感染が広がり→軽症で済まない患者(感染者)が増え→そうこうしているうちに病床が逼迫され→病院自体が治療に手が回らなくなり→死者が増える結果となってしまっている。いわば〝負のスパイラル〟に陥ってるんじゃないか。」とのことなのです。
Hさんの言うとおり 長野市の報告を見ると、今年に入ってから 市内の感染者の死者数(下図グラフの赤い線)は右肩上がりを辿っており、そのラインは今も右上へと向かっています。
さらにHさん「今 医療現場は、オレたち一般人が考える以上にタイヘンなことになっている。社会全体は「コロナもさることながら、社会経済活動も復活せねば」としており そのこと自体は間違っているとは言わないけれど、この際は一人ひとりが 今の医療現場の厳しい状況を再認識して日々の生活を送ってゆかないと、この負のスパイラルから抜け出せないと思う。」と深刻な表情で話しておられました。
で、Hさんは最後に「もたもたしてると、じき 感染症が活発化する冬が来るゼ。」と言(ご)ちておられたのでした。
医療現場と直に接するHさんの〝所感〟は、今の「実質的な医療崩壊」に言い及んでいるものであり、コロナ禍(第7波)の真に厳しい状況を生々しく伝えてくれるものでありました。
私たちは「社会経済活動」を旗印に〝ウィズ・コロナ〟をめざして日々の生活を送っていますが、そんな中「足下(あしもと)を見よ。」というような警鐘発言でありました。
8/31日(火) 長野市におけるコロナ感染症の発生(533人/市36858~37390例)について
[PDFファイル]
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https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/753949.pdf
9/1日(水) 長野市におけるコロナ感染症の発生(443人/市37391~37833例)について
[PDFファイル]
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https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/754004.pdf
9/2日(金) 長野市におけるコロナ感染症の発生(388人/市37834~38171例)について
[PDFファイル]
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https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/754124.pdf
9/3日(土) 長野市におけるコロナ感染症の発生(332人/市38172~38503例)について
[PDFファイル]
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https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/754157.pdf
9/4日(日) 長野市におけるコロナ感染症の発生(292人/市38504~38795例)について
[PDFファイル]
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https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/754163.pdf
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長野市議会9月定例会開会
長野市議会9月定例会開会
長野市議会 令和4年9月定例会が開会
この日(1日)、長野市議会 令和4年9月定例会が開会しました。
コロナ禍「第7波」の最中(さなか)、また 去る8月上旬には集中豪雨により中山間地域に大きな被害が出るなど、様々に課題を抱えながらの長野市政であります。
長野市においては、お盆明けに 全国の傾向に副(そ)うようにコロナ陽性感染者数が過去最多の819人を数えるなど深刻な状況に陥ったほか、これに伴う関係機関の負担軽減を期して今後進められるとする「全数把握見直し」への対応などが課題となっています。
市長の方からも 所信(議案説明)の冒頭にこの件について触れられ、コロナについてはワクチン接種のさらなる促進や コロナ禍や物価高騰に伴う経済低迷に対応するための諸施策について説明されました(詳細については後日に譲ります)。
市長所信においては他に、さきの「令和元年東日本台風」からの復興の成果としての「長沼体育館」の復旧(供用開始)「豊野防災センター」の整備(繰越明許)「浅川第一排水機場」の(県からの)引き渡し完了「千曲川立ヶ花狭窄部」の河道掘削の土砂受け入れ募集が報告され、また SDGs推進・公共交通支援・マイナンバーカード普及推進・健康寿命延伸に向けた〝健幸〟ラジオ体操の推進・住宅耐震化 空き家対策の推進・「こども総合支援センター」や放課後子ども総合プランの一般財団法人化などによる子育て支援の推進・教育環境の整備・移住 定住促進・「地域おこし協力隊」などによる地域活性化・スマートシティーの推進・「長野市バイオマス都市構想」の事業化・林業の人材確保・企業誘致の推進 などについて報告・説明が行なわれました。
今(こん)議会においては、総額36億4,722万5千円の一般会計補正予算を盛った議案第60号を初め 議案21件・認定2件・報告10件が上程され審議に付されることになります。
私は、本会議の個人質問で発言の機会をいただき登壇します(9月7日)。
(私は)特に今回「一石を投ずる」場としたいと考えています。
多岐に亘る課題があるも いかんせん持ち時間が限られている(発言正味15分)ことから、本会議の場では課題(問題)提起を旨とし、後の〝掘り下げ作業〟は 常任委員会や議員活動の中で行なってゆきたいと考えています。
現在、質問項目に基づき発言内容をまとめています。
いつも思うのですが、人間 際限なくダラダラとしゃべるのがイチバン楽(らく)ではないか、と。
限られた時間の中で いかに要旨をまとめ的確に発言できるか。それも 初見で第三者に伝わるようにしなければならず、これは なかなか難しいものがあります。
よくありがちなのが、文章を盛り過ぎて〝早口ことば〟になってしまうケース。
これは 確かに議事録には残りますが、聞いてる者は 何を言ってるか分からないまま終始してしまい、質疑の体(てい)を成さなくなってしまうものです。
私の発言内容については 追ってご報告させていただきますが、しばらくの間 原稿と時計とのにらめっこが続きます。
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『社会的養護出身の若者サポートプロジェクト』発足ニュースに思う
30日付 信濃毎日新聞の2面[総合面]に、長野県社会福祉協議会が中心になり 県内の児童養護施設や里親家庭で育った若者を支援する『社会的養護出身の若者サポートプロジェクト』を立ち上げたことが報じられ、耳目を引かれました。
前途有為な若者が、多様・多難な社会で生きてゆけるための支援の重要性と 実際の〝生き抜く環境〟の厳しさに思いをいたしたところです。
記事によると、施設などで育った社会的養護経験者は「ケアリーバー」と呼ばれ、彼ら(彼女ら)は 原則18才を契機に施設を離れ、進学や就職など いわゆる「自立」の道を歩むこととなり、その人数は県内で年間約100人いるとのこと。
ところが実際には、身近に頼れる人がおらず 困窮や孤立に陥るケースが少なくないとのことで、そこにコロナ禍のシワ寄せによる雇い止めなどで ここ数年はさらに厳しい状況に陥る人がおり、継続的な支援が課題となっています。
この現状に鑑み、県社協・県児童福祉施設連盟・NPO法人ホットライン信州など6団体が『社会的養護出身の若者サポートプロジェクト』を構成し、施設などで育った若者の自立支援を行なうそうです。
この支援活動は、(本ブログでも従前に触れましたが)原則18歳(最長22歳)までとなっている児童養護施設等の出身者支援の年齢制限が撤廃される2024年度の児童福祉法改正年度までを活動期間として想定しており、若者向け相談窓口を県社協に開設するほか、緊急時の宿泊施設の確保・不動産業者と連携した初期費用が不要な住居の紹介・飲食店関係団体を通じた就労支援などを行なうことが紙面に記されていました。
私の知人で 児童養護施設で働く方(Aさん)がおられるのですが、Aさんは日頃から かかる施設出身者の「その後」について甚(いた)く心配されておられます。
Aさんが働く児童養護施設は「子どもが第一」を掲げ、理事長先生を筆頭に 施設を挙げて子どもたちの日常生活の維持向上に精励しておられます。
まるで我が子…イヤそれ以上ともいえる愛情を(施設の)子どもに注ぎ、3度の食事はもとより 日々の生活についても、「親身」という言葉がピッタリくるような 優しさと厳しさをもって一人ひとりの子ども達と向き合っておられるのです。
で、私が驚いた(感心した)のが「食事の美味しいこと」でした。
施設で提供されている食事メニューを試食させていただいたことがあったのですが、その調理と味ときたら そこらの食堂なんてもんじゃない美味しさで「こんな美味(うま)いものを毎日食べてんの?うらやましい…」と思わず言ってしまうほどの美味しさでありました。
これも一重(ひとえ)に、施設の 子どもに寄せる「愛情」の現れといえるでありましょう。
それだけにAさんは、施設を出た後の子ども達の行く末が心配でならない…と話しておられました。
「施設に居るうちは 手厚い庇護(ひご)を受けて過ごすことができていたけれど、イザ卒園となった後は いきなり社会に出て自活(自立)しなければならない。もとより親御さんが居なかったり疎遠になっていたり、また頼りになる身内も少ない中での〝独り立ち〟は、まるで大海に小舟で漕ぎ出すようなもの…私たち〝親代わり〟の者としては、子ども達の「その後」が心配でならないのです。」とのことでありました。
さらにAさんは、こうも心配されています。
「卒園までに進学や就職が決まった子どもは 卒園後も施設にカオを出してくれるけれど、いわば順調にゆかないままに施設を離れることになった子ども(行く末が心配な子ども)ほど、その後の音信が分からなくなるケースがあり、心配に輪がかかることになります。だから(支援は) 無碍(むげ)に年齢で切るのではなく、あの子らが真に自立できるまで継続してあげてほしいと切に願うところです。」と述べておられました。
「○○ガチャ」との社会造語を、最近 耳にします。
これは、コインを入れて販売機(ガチャ)のレバーを回し「何が出てくるかはお楽しみ」との(ガチャ)の興(きょう)を準(なぞら)えたもので、本人が望む・望まないに関わらず その者の環境が決められてしまう、いわば人生の「運」のようなものを指しています。
例えば「担任ガチャ」これは、学校の担任教諭との相性によって 後の学校生活が左右されることを指しているとのこと。
また「上司ガチャ」も。希望する企業に就職できたものの、最初の上司(課長・係長)との相性によって社会生活の陽陰が決められてしまう悲哀を指しています。
そして、この話題の場合は「親ガチャ」といえるでありましょう。
ある日、Aさんの務める施設の子ども(Bくん)が「オレは親ガチャに外れた身だから仕方ないんだ…」と 半ば諦(あきら)め顔で言(ご)ちているのを聞いて 一緒に切ない思いをしたことがあると話してくださいました。
こんな環境は、自分は露(つゆ)とも望んでいなかったのに 親がこんな状態(Bくんの場合はネグレクト/育児放棄)だったから、独りで生きてゆかなければならない。
でも これは自分(Bくん)に課せられた運命だから、受け入れて生きてゆかなければならない…。
今回のプロジェクトに際し、幹事団体で「県社協まちづくりボランティアセンター」のN所長は「施設を離れた若者が困難を抱える実情は 広く知られていない。」としたうえで「(所属する団体の)各分野で できる支援をして、若者に安心感を持って(自立して)もらえるようにしたい。」と述べていました。
それぞれの事情を抱えながら施設で過ごし、いずれは社会で自立しなければならない若者たち。
そんな若者たちが、多様な社会の中に埋没しないよう…いや一見的に埋没していても 実は力強く生きてゆけるよう、多様・多岐な支援が求められています。
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【ご案内】台風19号災害におけるアスベスト対策に学ぶ…報告シンポジウム
夏休み明けの「子どもの自殺急増」に思う ~モノ言えぬ弱者の〝声なき声〟~
時節は夏(暦の上では秋)…降り注ぐ太陽の下で 人々 特に子どもたちの活動(行動)が活発を極めています。
この7月~8月は「夏休み」多くの子どもたちが真っ黒に日焼けし たくさんの思い出をつくったことでしょう。
そして、ほとんどの学校が夏休みを終え 2学期を迎えることとなりました。
そんな、本来は 新学期に向け、胸ふくらませて(新学期に)臨むところであるにも関わらず、この時期…それも、夏休み明けとなる いわばピンポイントともいえる9月初めに増える傾向にあるのが「子どもの自殺」であることが 例年に亘って伝えられています。
「夏休み明け」という〝学校の再開〟は、一般的には何の変哲(へんてつ)も無く カレンダーの一枚がめくられるだけのことと思われるところですが、悩みを抱える子どもにとっては (夏休みが終わることで)自らの環境が変わり 精神的に大きく不安定になりやすくなること、そして、究極的な「自死」という行動に及んでしまうことは 由々しきことなどという言葉で済まされないほどの重大な問題であると言わざるを得ません。
ある調査によると 小中高生の自殺者数は年々増加傾向にあるとのこと。
そして、その悪しきタイミングとして「夏休みの前後」がクローズアップされているのでありました。
この時期に多発する悲劇…その要因には 単に「これだ」と言えない複雑かつ複合的な児童(少年少女)心理が内在しており、いわば〝大人の尺度〟で軽々に推し量れないことを、私たち年長者は理解しなければなりません。
専門家によると、夏休みが明ける2学期の開始の時期が 子供にとって1年の中で一番プレッシャーを感じる時期とのこと。そのことが、9月初旬の自殺数増加の悪しきキッカケになっているそうです。
そのうえで専門家は「児童生徒のえも知れないストレスが さまざまな形で現れる場合が多いので、それらが伝える「サイン」を周囲が察知することが非常に重要になります。」と訴えています。
学校が始まる日に「(学校に)行きたくない…」と言ったり、学校に行く時間に 急に「お腹が痛い」など体調面の不調を訴えたときには、何らかの異変が生じたと判断する必要があるとのことです。
また 前述のように、(学校に行きたくないなど)言葉にして示したり 体調不良として表(おもて)に出るときはまだイイのですが、それが なかなか気づけないままに時間ばかりが経過し、その実 子どもは深い悩みを抱えていて、どうしようもなくなってしまうケースもあり(どちらかといえば こちらのケースが多い傾向)、そういう面では 如何(いか)に周囲の大人が目配り・気配り・見守りができるかが 事(こと/自殺予防)の成否を分けると言っても過言ではないと申せます。
で…かかる「上(あ)げたくても声を上げられない子ども」の存在を再認識する中、私は「いわゆる社会的弱者の〝声にできない実情〟」に思いが及びました。
この〝子どもの夏休み明け問題〟に近似(きんじ)したものとして、例えば 知的障がい者のような社会的弱者の方々が、日常の社会生活の中で さまざまなストレスを抱えるも、それを「言うに言えない」状況に陥って(閉塞されて)いる実態があることを聞き及んでいます。
障がいを抱えている というだけで〝弱者〟に位置づけられた人たちは、ときに望まぬ環境の中で日常生活を送り、その中で さまざまなストレスを余儀なくされ時間を過ごすことになる。
そんな方々は しかし、そのストレスを「声」として上げることができないまま。
で、それ(声)に気づき 特段の配慮をすべき存在であるハズの周囲の者は、そのことに気づいていないのか、それとも 知りながら看過しているのか…いずれにしても いわゆる社会的弱者である彼ら(彼女ら)は「声なき声」を聞いてもらえないままに、ときに諦(あきら)めの境地の中で 今日も時間を過ごしているのです。
多様化し さまざまな面で厳しさを増す現世におい私たち社会を成す者たちは、自分だけ良ければイイとか 他者は関係ないなどの「唯我独尊」的な思考で過ごすことは、今後の循環・共存社会を具現化するのにふさわしくないと言わざるを得ません。
それが 子どもであれ障がい者であれ、そこに内在する「声なき声」に耳を傾け 誤(あやま)てることの無いよう計らってゆくことこそが求められていると強く認識するところであります。
◇長野市コロナ報告
8月21日(日)、長野市内で新たなコロナ陽性感染者の発生が報告されています。
8/27日(土) 長野市におけるコロナ感染症の発生(358人/市35481~35858例)について
[PDFファイル]
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https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/753666.pdf
8/28日(日) 長野市におけるコロナ感染症の発生(358人/市35859~36267例)について
[PDFファイル]
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https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/753674.pdf
8/29日(月) 長野市におけるコロナ感染症の発生(142人/市362689~36409例)について
[PDFファイル]
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https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/753698.pdf
コロナ対応 また迷走か ~感染者「全数把握見直し」の功罪~
コロナ禍「第7波」の伸張が止まらず、各方面で〝手詰まり感〟が蔓延する状況に陥っています。
当初は、(ほとんどの感染者が)軽症または無症状で済む→大事(おおごと)にならないままに推移し「ウィズ・コロナ」が達成できると踏んでいた関係者も、いわば「塵(ちり)も積もれば山となる」状態…たとえ軽症者であっても その数(感染者数)自体が大きく増えることで病床が圧迫されることになり、他方で 高齢者施設等でのクラスターにより、基礎疾患のある高齢者への感染は 重症化や死亡の要因にもなることとなり、いわば〝負のスパイラル〟に陥ることとなっています。
この状況(負のスパイラル)は、感染者の健康被害と平行するように 医療現場や保健(所)業務を大きく圧迫することになっており、その方面の負担軽減も焦眉の急に挙げられることとなっているのは ご案内のとおりです。
で…これらの厳しい状況に対応してか、さき(24日)に政府(総理)は これまで行なわれているコロナ感染者の「全数把握方法」を見直すことを表明しました。
が、この「見直し」について その前段で「自治体の判断に基づき」としたことから、見直しそものは評価されたものの、その(見直しの)結果・運用等について 自治体ごとにバラツキが出るのではないか等との疑問の声が関係者から挙げられ、結果 国(政府)は迷走することとなってしまったのです。
現在 行なわれている新規感染者の「全数把握」は、医療機関が作成した 患者の「発生届」を基(もと)に行なわれています。
コロナ感染症を管轄する「感染症法」は (新型コロナウイルスを)診断した医師に対し、すべての患者の氏名・年齢・連絡先などの情報を「発生届」として保健所に提出するよう義務づけています。
これまでも(現在も)国や自治体は この「発生届」を集計し 全国や地域ごとの感染状況を把握してきたほか、保健所などが「発生届」をもとに健康観察や入院先の調整を行なっているものです。

24日に 岸田首相は「高齢者をはじめリスクの高い人の命を守ることを最優先に考え、さらなる対策強化を指示した。」と見直しの狙いを述べ、医師による患者情報の入力を高齢者などに絞ることで「必要な診療時間を確保していく」と強調したとのことです。
但し、この 一見〝英断〟とも取れる「全数把握見直し表明」は、いわば見切り発車的な感が否めず いろんな面で矛盾や齟齬(そご)が指摘されることとなりました。
そもそも国(首相サイド)は「第7波」が下降局面に入ると見込んでいたお盆明けを念頭に、全国一律での全数把握見直しなど〝コロナ対応の一大転換〟を模索していたようです。
ところが、感染は収まるどころか 新規感染者は連日20万人台を数えるなど、その目論見(もくろみ)は ものの見事に当てが外れることとなってしまいました。
コロナ患者を一般医療(5類)に指定するなどの「ウィズコロナ」への移行は、社会経済活動を重視する首相にとって悲願であるとのことですが、今の感染拡大状況では 国民の理解を得られるハズもありません。
しかし一方で 医療現場や保健所はこれまでになく疲弊し、ある首長は「ダムが決壊しているのに、救助より 水位を測ることを優先している。」と揶揄されるなど 今の旧態依然のコロナ対応に不満が噴出、感染者把握の事務作業に費やす労力を重症化対応に振り向けるべきだという意見が 日増しに高くなっていました。
それ(声)に押される形で見直し施策を打つこととなったのですが、そのタイミングと内容が 時流に合っていないことが伝えられ、間が悪いと言わざるを得ません。
一番の課題は、この見直し作業を「自治体任せ」としたことでしょう。
地域から悲鳴が上がっているとはいえ、自治体によって状況が異なり いわば「温度差」があることなどから、政府関係者の中にからは その上澄みだけを捉えて「(見直しは)やりたいところ(自治体)がやればいい」との 実に雑な判断に基づく声も出されるなどし、24日時点では 自治体の判断に基づき、把握すべき感染者の対象を、65歳以上・入院を要する人・重症リスクがありコロナの治療薬の投与や酸素投与が必要と医師が判断する人・妊婦さん等に限定できる」との〝自治体丸投げ〟で実施しようと考えたようです。
しかし この案に対し、本来 見直しを求めている首長からも「自治体ごとに把握基準が違えば、全体の状況が見えなくなると同時に かえって現場が混乱する。」とか「調査(把握)の対象から外れた人たちの医療費の公費負担がどうなるのか?また 現行の宿泊療養施設への入所等の現行支援の手続きをどのように行なうのか?など、ハッキリしない面が多すぎる。」との異論が出されていました。
また 医療機関からは「患者の中に多い 若い人や基礎疾患のない人でも、最初は軽症だったのにいつの間にか症状が悪化する人もいるので、届け出の対象ではない人も 健康観察そのものから外すのではなく適切なケアを行なう必要があるが、見直しになれば 「発生届」の対象外の人が自宅療養中に体調が悪化しても気付きにくくなるなどの懸念もある。見直しにより それら対象外の人は〝蚊帳の外〟に置かれることになるのか。」などの疑問の声が上げられていることが報じられていました。
「感染者数全数把握見直し(但し主体(責任)は自治体任せ)」の〝英断〟をしてはみたものの、あまりに多くの問題点がクローズアップされることになったことを受け、国(政府)は いわば朝令暮改のままに、この「全数把握見直し」を全国一律で行なうと方針を転換、いろんな面でボタンが掛け違ったままでの提案の軌道修正を図っていることが 併せ報じられています。
この「全数把握見直し」は、感染者数多発の今の状況下では 万(ばん)やむを得ない措置とも申せますが、その制度設計を 例えば自治体ごとのバラツキが生じないように勘案するなどしてゆかなければ、いま以上に(関係者は)無駄な作業を強いられることになってしまうでしょう。
これらの状況に触れ、過日 早いうちに今の検査体制の見直しを提唱していた長野市のK保健所長が「私たち関係職員は、感染者数の低減や環境改善に真に役立つのなら いかなる努力も惜しみません。ところが、現有の事務作業は どう考えても現状に為すべきものに合っていないことが残念でなりません。」と言っていたのを思い出しました。
汗をかくのは厭(いと)わないが、それが真に状況改善に結びつくものでなければ意味がない。
「現場」の悲痛な声でありました。
現下の、前掲の首長が嘆いた「ダムが決壊しているのに、救助より 水位を測ることを優先している。」の発言が言い当てているような現況を打破し、どの地域においても効率よく状況把握できるような「新システム」の発表が待たれるところです。
ただ いずれにせよ、守らなければならない第一義は「国民の健康」です。
効率・簡略主義に走った末に、一部の感染者が支援の手からこぼれる(既に そうなりかかっていますが)ことの無いよう、広く多面的に目配りをして施策展開すべきことは 言うまでもないところであります。
現下、長野域内においても〝高止まり状況〟が続いています。
ここ約1週間の感染状況は下記のとおり。
8/22日(月) 長野市におけるコロナ感染症の発生(194人/市33226~33419例)について
[PDFファイル]
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https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/753321.pdf
8/23日(火) 長野市におけるコロナ感染症の発生(549人/市33420~33968例)について
[PDFファイル]
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https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/753387.pdf
8/24日(水) 長野市におけるコロナ感染症の発生(632人/市33969~34600例)について
[PDFファイル]
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https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/753485.pdf
8/25日(木) 長野市におけるコロナ感染症の発生(482人/市33601~35082例)について
[PDFファイル]
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https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/753532.pdf
8/26日(金) 長野市におけるコロナ感染症の発生(398人/市35083~35480例)について
[PDFファイル]
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https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/753617.pdf
冒頭でも述べましたが コロナ禍〝第7波〟は、長野域内においても 当初の予想(軽症や無症状で収まる)を逸し、それでは済まないことになっており、新たな憂慮の火種となっています。
昨日(26日)には、長野県内で 新たに11人が死亡していたことが報じられています。
また 県内の療養中の人は過去最多の2万7,422人で、そのうち重症が3人・中等症が122人となっており、さらに現在(25日時点)の確保病床使用率は61,2% 6日連続で6割を超えているとのこと…この数字からも 当初の予想を超え、厳しい状況になっていることが窺(うかが)えます。
止まらない第7波・増大する関係者への負担・そして何より 今もどこかでコロナ感染症の影響で病(や)んでる人が居る。
今の第7波も、私たちの人智を超えたレベルで推移しています。
これへの対応…その殆(ほとん)どが〝後手〟に回った顛末が、またも今(第7波)でも繰り返されていることは まさに慚愧の念に堪えないところ。
この状況を挽回するべく 一日も早い適策が待たれています。
現場の切実な事情 ~部活の地域移行~
22日付の信濃毎日新聞 それも第一面に「中学部活の地域移行へ自治体支援」の記事が載りました。
一見すると前向きにも取れる記事でしたが、その背景には 深刻にもなりつつある部活動・学校運営の実態があることが窺(うかが)えました。
記事によると、少子化の影響で 学校単位での部活運営が困難になる中、スポーツ庁と文化庁の有識者会議はそれぞれ「2025年度末までに 公立中の休日の部活指導を地域に移行する」との改革案を提言したとのことです。
具体的には、公立中学校の部活動を地域団体や民間事業者に委ねる「地域移行」を実現するとのことです。
これ(地域移行)に向けて、文部科学省の外局であるスポーツ庁と文化庁は 関係者間の連絡・調整などを行なう「コーディネーター」を自治体に配置して体制整備を進めることを決めました。
各都道府県や市町村が「協議会」を設置したうえで「総括コーディネーター」を配置します。
部活の受け皿となる 総合型スポーツクラブ・民間事業者・文化芸術団体などと学校とをつなぐ「コーディネーター」を地域ごとに配置し、連絡・調整を担ってもらうことを想定しているそうです。
そのプランの具現化のためには「指導者の確保」が焦眉の急であることは論を待ちません。
国は、その(指導者確保)ための人材バンク設置・指導者育成のための講習会の開催などを支援(補助)するとのことです。
また、地域団体や民間団体が(部活動の)運営主体になった場合は 会費などの家計負担が重くなることも想定されることから、経済的に困窮する家庭の生徒が(財政的理由で)部活に参加できなくなる事態を避けるため、新たに必要が生じる会費などの支援も実施するとのことです。
さらに、教職員の(部活指導に際しての)負担を軽減するため、指導や大会引率を担う「部活指導員」を大幅に拡充する方針とのことです。
部活の地域移行については、自治体が今後 (部活の)休日への移行実現に向けて 具体的な取り組みやスケジュールを定めた「推進計画」を策定し、部活の運営や指導者確保のための費用など さまざまな課題や成果を検証するとのこと。
将来的には、平日の部活動についても 学校から切り離す検討を進めるとのことです。
これらの計画の実施に向け、文科省は2023年度予算の概算要求に80億円超を盛り込む方針であることが 併せ報じられていました。
この報道を見聞し、私(だけでなく)は 部活動の維持に向けた〝現場の切実な事情〟を感じ取りました。
今回の報道では、この〝部活の地域移行計画〟の主たる理由は「少子化に伴い~」となっていますが、実際のところは 今回の報道の後段に挙げられていた「教職員の負担の軽減」という面が大きいのではないか…と思わされたところです。
と いうのも、ここ数年来 部活動等の教務外の仕事を巡る教職員の、時間的・物理的 さらには精神的にも及ぶ「負担感」の増加が顕著であることが伝えられており、さらには かかる部活動以外でも、教職員の負担増に伴う〝弊害〟の発生が伝えられているからです。
教職員の〝多様な負担感〟については、他の報道でも伝えられています。
それによると、福井県内のA中学校に赴任したB教諭は、赴任1年目で 自身が学生時代に続けたスポーツとは違う競技の部活動の顧問となりましたが、いわゆる〝畑違い〟のジャンルのため上手(うま)く教えられないうえに、多感な女子部員の生活指導にも悩みを抱えることとなりました。
一方、日中には 通常のクラス担任や教科担任の勤務も(当然ながら)あり、また 専門職の向上心として専門教科の教材研究もしたい…これらが重なり合って 毎夜9時すぎまで残業し、さらに残って仕事を持ち帰っているそうです。
これに対する手当は 月給4%相当の「教職調整額」のみ。この「4%」は 時間外労働の8時間程度に過ぎないとのことです。
なお この学校では「私生活を犠牲にしてでも指導に熱いのが良い顧問」との〝空気〟があり、部活動の予定を書き込む職員室のホワイトボードは、競い合うように埋まっているそうです。
公私共に辛(つら)い毎日を送ることとなりましたが、いち教諭として耐えるしかないと述懐しているとのことでありました。
今、学校の部活の顧問業務は その過酷な勤務実態をもって「ブラック部活」と称されているとのこと。
福井県教委の過年の調査では、県内中学教職員の残業は平均74時間に及び それに部活動が占める割合は38%に達しているとのこと。
こうした実態を受け、週2日以上の休養日を設けるなど 部活の活動時間短縮を促す国のガイドラインが同年策定されました。
こうした改善策が講じられたものの「週休2日」の未達成は全国の中学で2割・高校では6割もあり(日本スポーツ協会調べ)、また 当該教諭が〝未経験競技〟の部活動の顧問となる「ミスマッチ」が、中学で27%あるそうです。
これらを踏まえつつ 前掲のB教諭は「私も含め 部活に関連する教諭の負担は増大するばかりで、残業も常態化しています。」と訴えておられました。
ところで、かかる〝現場の切実な事情〟は、部活とは全く違う場面でも「問題の要因」となることに。
「いじめ問題」への対応です。
別の報道によると、ある学校で「いじめ問題」が生じ それは被害⇔加害生徒間の問題に止(とど)まらず、保護者や周囲を巻き込んだ争議(裁判)に発展してしまったとのことです。
この顛末(判決)については然るべく下されたところですが、一連の経過の中で大きな問題(課題)となったのが「担任の(いじめに対する)目が行き届かず、早期発見・早期解決ができなかった」ことであり、その(早期解決できなかった)要因が「担任が 日々の業務に追われて、生徒と向き合う時間が少な過ぎた」ということでありました。
今 教育現場は、多様化の波・IT化の波など 新たな潮流の中にあり、教職員は あたかもその波に揉(も)まれる小舟の如(ごと)く、業務・立場・時間・さらには保護者も含んだ人間関係の中で生徒と向き合い 然るべく成果を求めて錯誤を重ねていると申せます。
こんな どうしようも無い過酷な環境の中で、さらに部活指導で成果を出すことは非常に至難とも申せ、そういった意味においても「部活の地域移行」は意味のある計画ではないかと思うところです。
但し…この壮大ともいえる計画は、一朝一夕には成し得ないものでもありましょう。
「協議会」の設置「コーディネーター」の配置など、言葉では易(やす)く述べることができても、文化・スポーツなど多様な部活を地域に移行するには 人材確保を主課題に難儀な作業となることが予想されます。
今後、私の立場でも 事(こと)の推移を見守りつつ、例えば「スポーツコミッション」のスキルをこの計画に反映できないか など、多面的に検証しながら 計画の推進の一助を為(な)してゆければ、と思うところであります。