会期中の長野市議会3月定例会について報告します。
まず、近況ですが、3月3日に会派を代表し、初となる代表質問をしました。
質問内容は以下の通りです。
1.新年度予算編成方針について
2.PCR検査の現状について
3.感染拡大防止のためのPCR検査について
4.命と地域医療を守る医療提供体制について
5.ワクチン接種について
6.コロナ禍と今後の保健所機能について
7.コロナ禍での事業所等支援について
8.コロナ禍の雇用支援について
9.災害に強いまちづくりについて
議事録が出来ましたので、ご紹介します。文字数が多いので項目ごと、数日に分けて掲載します。
ちなみに、代表質問は、一括質問・一括答弁方式となりますが、項目ごとに答弁を掲載します。
1.新年度予算編成方針について
世界のGDPは、2020年3月の1.97パーセントから、4月にはマイナス2.68パーセント、5月にマイナス4.36パーセントと、2008年の世界金融危機を上回る落ち込みとなり、7-9月に入り持ち直しの動きを見せているものの、感染拡大が続く欧米のGDPは、依然としてコロナ前の水準を下回っております。IMFが6月に発表した世界経済見通しは、現在の状況を第二次世界大戦以降で最も深刻な景気後退へ向かっていると表現しております。
日本経済について2月2日に公表された大和総研のレポートは、2021年1-3月期の実質GDP成長率を戦後最悪となった2020年4-6月期のマイナス7.9パーセントに次ぐマイナス7パーセントと予測していますが、新型コロナウイルス感染拡大が収まらず、2020年4-5月期と同程度の規制となるが、2桁のマイナス成長に陥る可能性があるとし、感染拡大防止を最優先すべきとまとめております。
また、長野経済研究所が行った新型コロナウイルス感染症の県内企業への影響に関するアンケートの結果によれば、コロナ前の売上水準に回復する時期が2022年度以降になると回答した割合は、サービス業の49.3パーセント、建設業55.3パーセント、卸小売業32.1パーセントとなり、コロナ禍における県下の厳しい経済状況を表しております。
私たちは平成以降、数々の危機に直面してまいりました。
幾つか挙げますと、
1995年1月の阪神淡路大震災、
2001年の9.11同時多発テロ、
2008年9月のリーマンショック、
2011年3月11日の東日本大震災、
長野市では4,000棟を超える家屋が被害を受け、災害関連死を含め15名の尊い命が失われた令和元年東日本台風災害等ですが、
しかし、今回直面している新型コロナウイルス感染症は、これまでの危機と違い、人と人との接触、人の移動により国民全てが当事者となり得る、正に非常時と捉えるべきであり、私が考える非常時に求められる行財政運営の在り方について、4点挙げさせていただきます。
一つ、市民の命と健康、生活と地域経済を守り抜く市長のリーダーシップ。
二つ、政策プライオリティの明確化。
三つ、柔軟な発想による柔軟な財政運営。
四つ、先送り可能な事業は先送りする決断力であります。
そのような視点から幾つかの自治体が新年度予算編成について、コロナシフトへ転換をはかっております。
2020年10月1日に、市制施行以来初めて、財政非常事態宣言を発令した埼玉県新座市は、新型コロナウイルスの影響により、令和2年度事業の一部執行停止を行い、さらに、新年度予算編成では思い切った事業の見直しを進めています。
大阪府堺市では、新年度予算編成に当たり、新型コロナウイルスの影響により市税収入が過去2番目の落ち込みとなることから、市長は、今は平時ではなく有事であるとし、財政危機を宣言しました。
静岡県裾野市は、2月に財政非常事態宣言を発出し、総人件費の抑制、6次事業全般の見直し、大型公共事業の一時停止や先送りなどを示しました。
大分市は、コロナ終息を想定した予算と、コロナが継続した場合の事業先送りを想定した予算の二通りを作成。
相模原市は、各事業を見直し、コロナ対策緊急シフトを策定し、コロナ関連以外の新規拡充事業は原則として一時凍結、毎年実施している事業も一時凍結や見直し、廃止を検討し、
静岡市は、市長の肝入り事業である清水庁舎の移転と海洋文化施設整備の凍結などであります。
以上を踏まえ、4点伺います。
(1)新年度予算は、コロナ対策を優先した予算となっているのでしょうか。
(2)コロナ終息を想定した予算と、コロナが継続した場合の予算の二通りの検討があったのか。また、非常時においては、本予算の他にプランBのようなものを用意しておく必要があるのではないか。
(3)年度途中において、コロナの状況に応じた予算の組み替えなど、柔軟な対応が取れるのか。
(4)2021年度予算編成方針において、コロナ対策の財源捻出のために、先送り可能な事業はどれだけあったのでしょうか、答弁を求めます。
<市長の答弁>
初めに、新年度予算編成方針についてお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症対策といたしましては、その関連予算に70億4,000万円を重点配備し、ワクチン接種をはじめとした感染症対策の強化の他、推し店プラチナチケット第2段では、発行総額を前回の1.5倍の15億円に拡大をいたしました。地域経済の活性化をはかるなど、感染防止と経済対策を両立させた予算編成を行ったところでございます。
次に、新型コロナの状況を踏まえて、二通りの予算の検討や組み替えなど柔軟な対応策につきましてお答えします。新型コロナの状況は、これまでも常に見通しが不透明であったことから、本年度は8度にわたる補正予算を編成し、迅速に対応してまいりました。令和3年度におきましても、感染症の状況や国の動向に常に注視しながら、補正予算の編成や予備費の活用など、適時適切に対処し、柔軟な財政運営を行うことで市民の安全・安心を確保してまいります。
次に、新型コロナ対策の事業の先送りにつきましては、昨年10月に示した予算編成方針におきまして、大幅な税収の減少を踏まえまして、例年以上に厳しいシーリングを設定いたしました。要求段階において、先送り可能な事業については見送ったところでございます。
併せて、政策プライオリティを明確化するため、特に重点的に取り組む事業は、早い時期から総合計画推進本部会議において議論を重ね、優先的に予算配分を行うことといたしました。
なお、新型コロナ対策につきましては、国の財政支援を最大限に活用し、市財政への影響を最小限に抑えたところでございます。
このような非常時においては、市行政のトップとしてリーダーシップを発揮し、新型コロナ対策と台風災害からの復興を主軸に置きつつ、選択と集中により、ポストコロナ社会を見据えた新たな取組にまちのにぎわいを創出するなど、希望ある未来につなげる安全・安心予算としたのでございます。
<鈴木の所感>
令和3年度予算は、「令和元年東日本台風災害からの復旧・復興」と「新型コロナウイルス感染症」により影響を被った市民生活と社会経済活動を取り戻すための力強い予算編成とすることが必要不可欠だと考えます。
現下の新型コロナウイルス感染症対策については予測が困難であり、長野市単体での対応では限界があります。
令和3年度一般会計当初予算は、1,552億8千万円の歳入歳出ですが、目的別に歳出をみると、前年度比で軒並みマイナス予算となっている中で、人口減少少子高齢化による民生費や公債費に加え、商工観光費が前年度比でプラスとなっています。
地域経済の活性化とまちの賑わいの創出や、長期戦略2040の実現を目指す上で、新規事業である「飯綱高原南グランド整備事業(1億820万円)」、「外部人材活用促進事業(486万円)」、「鏡池トイレ改修事業」や拡大事業の「スタートアップ企業成長支援事業(3,970万円)」などは、長野市として重要な取り組みであると考えます。
しかし、今、コロナ禍の渦中であることを踏まえると、新型コロナウイルス感染症対策70.4億円のうち、「感染症関連資金融資(35億円)」、「感染症対策資金利子補給金(1億523万6千円)」、「推し店プラチナチケット(6.8億円)」等の7事業が主なものとなりますが、新型コロナウイルスの影響により苦しんでいらっしゃる方々に十分届くのかどうか、物足りなさを感じます。
ポストコロナを見据えることは必要ですが、今、市民が必要とする補償や支援について、正確に、適切に捉え、迅速に対応していくことが求められていると思います。
また、台風災害からの復旧・復興については、安心して日常生活を営むことができる住まいの再建が、待った無しの状況にあることから、令和3年度予算案では、災害公営住宅整備(17.5億円)、借り上げ型応急仮設住宅の提供、建設型応急仮設住宅の管理運営(2.4億円)など、51.6億円が措置されておりますが、長沼地区での災害公営住宅建設の議論の途上にあることから、真摯に受け止める必要があります。
加えて、令和元年東日本台風から今日にいたる間も、千曲川、犀川流域にお住まいの市民は、毎年、出水期を前に、恐怖と不安をおぼえ、災害が起きないよう、祈っております。なぜなら、今の治水能力では、幸運を祈るしかないからです。
長野市が、新年度予算のテーマとして掲げる「希望ある未来につなげる安全・安心」は、被災住民のみならず、すべての市民の願いであり、単なるスローガンではなく、必ず、実現する覚悟を持って取り組まなければならないと考えます。
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