長野市議会議員会派

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長野市議会3月定例会 代表質問その3 医療提供体制について

 3月21日に期限を迎える緊急事態宣言は、病床使用率の改善が解除条件の一つになります。埼玉県の大野知事は「新規陽性者数がリバウンド(再拡大)の兆候を示している」と指摘し、延長を要請する可能性について「当然あり得る」とし、更に、千葉県の森田知事も「解除といえる状況にしたいが、リバウンドが心配」と述べるとともに、両知事とも県内での変異株感染者の増加も懸念した、との報道であります。  一方、政府分科会の尾身会長は1都3県の緊急事態宣言について、新規感染者数が「下げ止まり」の状態になっている原因究明などを行わずに宣言の“解除”や“再々延長”を決めても本質的な解決にならない、更に、参議院予算委員会で、“これまでの防止策だけでは効果は乏しい”という認識を示した、との報道がありました。  この1年間の感染状況と病床の逼迫度との関係を考えると、常に、医療提供体制の拡充を含めた構築が求められていると思います。以下、代表質問で取り上げた長野市における医療提供体制に関し、議事録を掲載します。 4.命と地域医療を守る医療提供体制について  1月、日本医師会会長は、現在の医療提供体制について、全国的に医療崩壊が進行している。更に感染者数の増加が続くと、医療崩壊から医療壊滅につながるおそれがあると警告されました。県の医療非常事態宣言発令後の1月17日20時時点の長野県内における実質的な病床使用率は61.3パーセント、県が新たに公表した病床逼迫度の件平均は74.8パーセント、長野市を含む北信圏域では83.3パーセントでした。首都圏などで行った病床の逼迫は、長野県や長野市においても他人事ではありません。  松本市をはじめ幾つかの地域では、医療の連携強化と役割分担の明確化により、地域の医療を守っています。 千葉県安房地域では、コロナ軽症、中等者は公立病院、重症者は総合病院、救急病院にはコロナ患者を受入れないと役割分担を明確にし、それぞれの医療機関が状況に応じて相互応援に入るなど、地域全体で一体となった取組を進めているとのことであります。  仮に、長野市において、長野県が示す警戒レベル5となれば、新規陽性者は1週間で約80人となり、2週間続けば宿泊療養施設に入る患者があったとしても約160人と、県が確保している434床に対し、長野市だけで病床使用率の30パーセント以上を占めることとなります。そのため地域における医療機関同士の連携と役割分担を明確にし、無症状者も含め、全ての感染者がスムーズかつ速やかに入院できる宿泊療養施設も含めた病床の確保と人員体制の強化をはからなければならないと考えます。病床の逼迫は、コロナ患者以外の一般救急患者にも影響を与えています。  消防庁は、全国52消防本部における患者受入れ時に3回以上断られる、搬送現場で30分以上とどまるといった救急搬送先の決定困難件数が12月7日から13日で1,554件、1月11日から17日では3,317件と発表しました。医療崩壊の危機的状況を感じさせる事例であり、救急搬送は全ての市民の命と健康を守るためでなければなりません。 そこで、4点伺います。 (1)第1波、第2波のときと比べ、現在必要な資機材と消耗品は十分に備わっているのか。加えて、ECMOなど重症患者に必要となる医療機器の増強が行われたのか。また、県内の434床は当面確保されるのか。さらに、長野医療圏内のコロナ対応病床数の増床はあったのか。 (2)本市の医療機関における情報の共有化をはかり、県が示す警戒レベルやクラスターの発生に応じた病院ごとの役割分担の明確化と人員不足が生じた場合の協力体制をはかることが必要ではないでしょうか。 (3)救急搬送先の決定困難事例はあったのか。 (4)入院療養など調整に時間を要したことはあるのか。あれば、現在は改善がはかられているのか。また、宿泊療養施設で容体が急変した事例はあるのか。また、感染症法の改正により自宅療養が可能となりましたが、その対策として、パルスオキシメーターの貸与が必要ではないでしょうか、見解を伺います。 <保健所長>  医療体制についてですが、医療に必要な資機材、消耗品につきましては、一時不足感がございましたけれども、最近は流通量も増加をいたしまして、医療機関からの発注におおむね応えられているということで、安定的に入手ができる状況になっているというふうに捉えております。 また、県の方でも緊急時の不足に備えまして、手袋などの消耗品を大量に備蓄を、今、してございますので、現時点においては必要量の確保がされているというふうに考えてございます。 重症患者に必要な医療機器についてですが、患者さんを受け入れていただく医療機関では、県や市の補助制度なども活用いたしまして、高性能の患者モニター、人口呼吸器、体外式膜型人工肺、いわゆるECMO、こういった機械などが必要な台数配備をされてございます。 県が確保しております434の病床につきましては、長野医療圏内の医療機関の増床分も含まれておりまして、この病床の扱いにつきましては、感染者の発生状況等も踏まえ、県において判断されることとなってございます。  病院ごとの役割の明確化と協力体制につきまして、本市では昨年の1月、この早い段階から市内の5病院さんに入院の受け入れ、また検査の実施の依頼をしておりまして、その後も長野医療圏における医師会、病院、さらには県及び私どもの保健所、こういった関係者による会議を頻回に開催し、さらにはその後、北信医療圏の方々も含めた10病院の院長、担当医師等と保健所長によるウェブ会議を多いときには週に2回、これまでも累計で47回開催をして、感染のレベルや患者さんの病態に応じた入院受入れの役割分担や人員不足の医療機関に対する支援等をお互いに協議をするなどして、協力体制を取ってきたところでございます。 <消防局長>  新型コロナウイルス感染症が蔓延する中での救急搬送困難事案の発生状況につきましてお答えをいたします。 このような案件に関しましては、総務省消防庁から受入れ医療機関の決定に苦慮している実態把握や医療機関の受入れ態勢の整備などの検討に活用するため、救急搬送困難事案に関わる照会がなされてございます。  その内容といたしましては、救急隊から医療機関への照会回数が4回以上で、かつ現場滞在時間が30分以上要した事案でございました。 消防局管内では、昨年4月1日から本年2月21日までの約11か月間で、救急出動1万5,440件のうち、この要件に該当した事案は、急病で軽症の案件が7件、一般負傷で骨折の案件が3件、合計10件で、前年同期と比較いたしますと2件の増加という状況でございました。 なお、消防庁で公表している全国で52の政令市及び各都道府県代表消防本部の中では、7番目に少ない状況となってございます。以上でございます。 <保健所長>  入院療養等の調整につきましては、昨年11月に本市において感染者が急増した折には、県の患者受入調整本部の御支援もいただきまして、他の医療圏への入院又は入所、こういった状況がございましたけれども、医療機関からの発生届を受けた場合に、その当日又は翌日には入院、入所の場所を確保することができております。  また、宿泊療養施設において、入所した後に発熱やせきによる体調を来した事例につきましては、本市に関する事例につきましては6件ございまして、いずれも必要な受診や入院等の対応を行ったところでございます。 御自宅で療養されている方に対するパルスオキシメーターの使用につきましては、これまで医師の指示に基づいて貸出しを行っておりましたけれども、現在は全員に貸出しを行うこととしてございます。 <鈴木の所感>  県は15日、長野市を含む長野広域圏(須坂市、千曲市、埴科郡坂城町、上高井郡2町村、上水内郡3町村)に県独自の感染警戒レベルをら「3」に引き上げ、「新型コロナウイルス警報」を出しました。  長野広域圏の3月14日までの1週間の新規感染者数41人のうち長野市が38人であり、感染の再拡大が懸念されます。感染者の急拡大は医療現場に与える影響が大きく、医療提供体制の確認は欠かせない行政としての取り組みであるはずです。  2月、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」が、宿泊・自宅療養を法的に位置づけ、入院勧告・措置の取り扱いを見直し、国・自治体の権限を強化する等が追加される内容で改正されました。  改正法では「医療関係者や民間等の検査機関に対して、感染症のまん延防止等のために必要な協力要請ができ、正当な理由がなく当該要請に応じなかったときには勧告や公表が行える」といった厳しい内容となっている、と個人的には受け止めていますが、感染が拡大してからの調整は困難であることから、常時、「感染症患者、感染疑い患者を受け入れる医療機関」、「その他の救急患者を受け入れる医療機関」などの機能分化を地域ごとに定めてという内容が加えらたことは重要なことだと思います。  上述の保健所長の答弁では、現時点における長野医療圏では構築されているとのことですが、改正法を踏まえ、県、医師会、病院等との更なる連携の強化や役割分担を明確にする必要があります。また、救急搬送困難事案の発生状況で前年同期で2件の増ということですので、少なからず、コロナの影響があったのではと推察します。大事なのは、誰もが安心して医療機関を利用できることです。今後も、調査していきたいと思います。

長野市議会3月定例会 代表質問その2

 前回に引き続き、代表質問の議事録を紹介しますが、新型コロナ感染症対策のPCR検査についてです。 2月1日から3月3日(私の代表質問は3月3日)の概ね1か月間、長野市保健所並び2か所のPCR検査センターでの検査数は273、感染者数が4でしたが、3月4日から3月13日の検査数をみると156、感染者が32となっております。県の感染警戒レベルが2に引き上げられ、少し心配な状況です。感染拡大防止を進める上で重要なのは検査体制を含むPCR検査だと思います。市長、保健所長からの答弁です。文字数が多くなりますが、ご容赦ください。 2.PCR検査の現状について。  昨年、年の瀬が迫る中、耳を疑う一報が飛び込んできました。羽田雄一郎参院議員の突然の逝去です。異変が起きたのは12月24日のことで、羽田氏は知人が新型コロナウイルスに感染したことを受け、かかりつけ医にPCR検査を受けたいと申出たものの、当該病院ではPCR検査をしておらず断られ、翌日PCR検査のできる病院を予約し、27日に検査を受けることとなりましたが、その前に容体が急変されました。 東京都を中心に、首都圏では昨年11月以降感染者が増え、医療現場の逼迫等、大変な混乱であったと思いますが、残念でなりません。  私自身、羽田議員の異変が起きた前日、23日に会議で御一緒しました。管轄の保健所からは、濃厚接触者に該当しないとの連絡でしたが、念のため12月29日の朝、民間病院に相談し、同日の昼頃抗原検査を受けることができました。  また、そのおおむね1か月前の11月中旬、私が濃厚接触者となり、その連絡を受けたのが月曜日、その4日後の金曜日に保健所でPCR検査を受けることができました。  一方、もう一つ、私の友人からの苦言を紹介します。 その方が12月9日の夜から熱があると、12月10日の朝、長野市の案内どおり、かかりつけ医に電話相談したが、来院を拒否された。その後、相談センターに電話し、別のクリニックを紹介してもらい電話したところ、11時に来院するようにと指示を受け、自らの運転で11時に到着したものの1時間待たされた。診察では喉から来る熱だろうとの診断で、PCR検査をするなら、もう一度明日11日10時までに来てもらえれば紹介状を書くので、午後にはPCR検査ができるとのことでしたが、体調が優れない中、何度も医院に通わなければPCR検査を受けられないのかと嘆いておりました。  後日、顛末を確認すると、熱が下がったことと、面倒くさくなったことから、診察もPCR検査も受けなかったとのことでした。これが検査の現実だと思います。  羽田議員や私の友人の例から考えると、PCR検査までの流れに構造的な問題があると考えざるを得ません。発熱や倦怠感のある人に対する医療行為としてのPCR検査をどこの医療機関でもスムーズに診察、検査が受けられるようにするべきであります。 コロナ禍で市民が最も不安に感じているのは、感染リスクに加え、感染を疑う場合に、すぐにPCR検査にたどり着けない現実だと思います。  長野市におけるこれまでのピークは、検査数1,586件で、陽性者数206人だった昨年の11月と、1,715件の検査に対し112件の陽性者数となった12月です。  現在、国内で既存の変異型ウイルス以外の起源や不明なウイルスが見つかっていることを考えると、第4波が来ることを想定し、いかなる状況に直面しても、市民の命と健康を守り、市民が不安を覚えることなくスムーズにPCR検査を受け、診療に結び付く体制を整えなければならないと考えます。 そこで、4点伺います。 (1)まず、基本的な確認ですが、現在、保健所では発熱や倦怠感等がある人へのPCR検査をやっていないという認識でよろしいでしょうか。また、かかりつけ医やクリニックでPCR検査を受け、陽性だった場合、それ以降は保健所の管理下で治療や療養が開始されるという理解でよろしいでしょうか。ちなみに、クリニックでの最初のPCR検査費用は自己負担なのでしょうか。 (2)あらかじめコロナ対応が可能な病院、クリニックを市民に公表し、季節性インフルエンザのような医療行為としてのPCR検査の実施、治療に至る体制を構築すべきではないでしょうか。また、現在市内でコロナ対応が可能な医療機関は何院あるのか。また、医療機関の検査能力はどの程度なのでしょうか。 (3)現在のPCR検査体制は、医療機関と市保健所及び2か所のセンターの二通りありますが、保健所及びセンターは、主に積極的疫学調査を担当するなど、民間医療機関との機能分担ができているのでしょうか。 (4)危機的状況であった昨年の11月、12月に、スムーズにPCR検査が受けられないといった事例や問い合わせはあったのでしょうか、答弁を求めます。 <保健所長>  新型コロナウイルス感染症対策のうち、保健所が担当いたします項目について順次お答えを申し上げます。 最初にPCR検査についてですが、保健所では濃厚接触者等の症状の無い方に対するPCR検査を実施しておりまして、発熱などの症状のある方につきましては、診療ができる医療機関を御紹介してございます。 診療を行う医療機関の検査につきましては、医師が必要と認めた場合には、行政検査の取扱いになりまして、無料となってございます。 検査の結果、陽性となり、医師からの発生届が保健所に提出をされますと、保健所が医療機関の入院や宿泊療養施設への入所を決定いたしますが、治療そのものにつきましては、当該医療機関の医師の裁量で行われておりますので、保健所といたしましては、医療機関や療養施設に対して、感染者の方の状況等を確認するということで対応してございます。  次に、医療体制についてですが、インフルエンザ等の同時流行を見据えまして、昨年の11月から医師会や医療機関の御協力を頂きまして、診療検査体制を構築しておりまして、本年2月末現在で90か所の医療機関がこの体制に参加をしていただいております。 この体制におきましては、市民の方から直接医療機関に相談をしていただいて、受診をしていただくという流れになっておりまして、検査の能力といたしましては、これまでの実績を見ますと、1日300件程度の検査を行っております。  これらの医療機関の公表についてですが、一部の医療機関への受診の偏り、また、医療機関と、その職員に対する誹謗中傷などの懸念がありまして、これにつきましては、医師会さんや医療機関と御相談をした結果、公表しないという扱いを取ることといたしました。  しかしながら、保健所を含む医療関係者の間では、この情報を共有し、どこに受診をしたらいいか分からない方につきましては、近くの対応可能な医療機関さんを保健所や医療機関から御紹介するということで、市民の皆さんの受診先の確保をはかっているところであります。  次に、保健所と医療機関の役割分担についてですが、保健所は積極的疫学調査により確認されました濃厚接触者など、無症状の方の検査を実施しております。  一方、PCR検査センターを含む医療機関、こちらの医療機関は民間、公的、公立を問わず全ての医療機関になりますけれども、症状があって受診した患者さんの診療をしていただいておりまして、検査が必要な方につきまして検査を行っておりますので、保健所と医療機関の間につきましては、これまでもそれぞれの機能分担ができているものと考えております。  次に、昨年の11月、12月に検査が受けられない事例があったかの御質問につきましては、その時期には検査を実施できる医療機関が増えておりましたので、本市におきましては、御指摘のような事例や問い合わせはございませんでした。 3.感染拡大防止のためのPCR検査について  ウイルス学者である東大名誉教授の山内一也先生は、2002年に出現したSARSが残した最大の教訓は、集団防衛によるウイルスの封じ込めの重要性だ、発病した患者を迅速に見いだし、隔離し、接触して感染したおそれのある人については、健康監視や隔離を行う対策だったと著書で論じ、さらに、先生は、新型コロナ感染症は、軽症者や無症状者により伝播され、短期間で感染が広がったとしております。  現時点におけるPCR検査センターを含む保健所の検査は、積極的疫学調査実施要領に基づいて検査を行っていると思いますが、それでは軽症者、無症状者を迅速に見出すことは難しく、感染拡大防止には限界があるのではないでしょうか。  世田谷区では、感染拡大防止のために定期検査、随時検査、プール方式採用の社会的検査に取り組んでおり、広島県は広島市内の感染状況が急速に改善しましたが、今後に備え、中区の一部地域でおよそ8,000人を対象とした試験的な検査を行ったとのことであります。  長野市も医療機関や福祉施設で懸命に働く医療従事者、福祉施設職員などのエッセンシャルワーカーや、常時不特定多数の人との接触が避けられない職種の方々への定期的な検査を検討すべきだと考えます。 そこで、4点伺います。 (1)県が示す警戒レベルに応じた社会的検査の方針を定めておくべきではないでしょうか。こうした取組が、市長がおっしゃる感染防止と経済との両立につながるのではないか。また、やむを得ない事情で警戒レベルの高い地域へ往来した市民に対し、希望があればPCR検査を実施すべきではないでしょうか。 (2)三密回避、マスク着用、換気など、これまで行ってきた基本的対策に加え、飲食店などに対し、感染防止対策の具体的な相談に乗ると共に、必要な場合は、坑ウイルス性素材などの設置を促進するなど検討してもいいのではないでしょうか。 (3)1月8日、厚労省新型コロナウイルス感染症対策推進本部からの通達、新型コロナウイルス感染症患者に関する保健所体制の整備と感染拡大期における優先度を踏まえた保健所業務の実施についてに基づき、東京都や神奈川県では保健所での積極的疫学調査の対象を絞り、重点化することとしました。この通達を受け、長野市保健所の積極的疫学調査における変更点はあるのか、あるのであれば、何がどう変わるのか。 (4)政府のコロナ対策分科会の尾身会長は、緊急事態宣言解除後の大事な取組は、リバウンドを防ぐことだとし、そのためには無症状者に視点を合わせ、無症状の感染者を探り出すことだと述べたことを踏まえて、長野市においても、無症状者の感染者を発生させないための方策が必要ではないでしょうか、答弁を求めます。 <市長>  新型コロナウイルス感染症の拡大防止のためのPCR検査についてお答えいたします。 最初に、社会的検査の方針についてですが、今回の全国的な感染拡大を受けて、国から緊急事態宣言の対象となっている都道府県に対して、高齢者施設の従事者等に対する集中的な検査の実施が要請されていることから、本市におきましても、国の緊急事態宣言の対象となる程度の感染拡大レベルに達した場合におきましては、同様の検査を実施することと考えております。  なお、緊急事態宣言の対象となっていない地域におきましては、高齢者等において症状を有している従事者、入所者に対して、早期に検査を実施し、陽性が判明した場合には、当該施設全員を検査するよう国から示されておりました。本市におきましても、同様な対応を取っております。  次に、やむを得ない事情で警戒レベルの高い地域に往来した市民に対する検査ですが、症状が無く、医師が必要と認めないケースにつきましては、陽性検査ならず実施となるわけであります。幾つかの医療機関で検査が実施されております。  なお、実施検査にあっても、65歳以上及び基礎疾患を有する方については、重症の防止の観点から、長野市民病院及び長野松代総合病院における検査の費用を一部補助しております。 <保健所長>  飲食店等の事業者に対する支援につきましては、県の地域振興局から業種別の感染拡大防止ガイドラインが周知をされておりまして、長野市保健所といたしましては、県と連携いたしまして、感染拡大防止の取組をまとめたチェックシート、こちらを配布し、こういった資料を活用して事業者さんからの御相談に応じていると共に、保健所では衛生監視として監視を行っておりますので、その際に感染拡大防止策を個々に確認をして指導する他、業界団体さんとの会議等を行っておりますので、そういった機会を活用させていただいて周知をはかっているところであります。  坑ウイルス性素材も含めまして、事業者さんが店舗等において講じる感染防止対策につきましては、商工労働部におきまして昨年7月から新型コロナウイルス対策事業者等支援事業を実施いたしまして、このうち店舗や事業所の関係につきましては、692件の補助金申請がありました。今後も飲食店等の事業者に対しまして、きめ細かく御相談に応じるなどして、感染拡大防止対策の徹底を支援してまいります。  次に、積極的疫学調査の対象者についてですが、本市では昨年感染者が急増した折にも職員を総動員いたしまして、該当者全員に対して聞き取り調査や必要な検査を実施しておりましたので、議員御指摘のような、首都圏等で行われました対象者の重点化や限定化といった取扱いはございませんでした。今後とも同様の対応を取ることによりまして、感染拡大を最大限食い止めてまいりたいと考えております。  次に、無症状の感染者を発生させない方策についてでありますが、まず、濃厚接触者につきましては、症状が無くても全員の方に検査を実施してございます。  また、高齢者施設や、いわゆる三密状態の場所など、感染リスクが高いと考えられる場合には、濃厚接触者に加えまして、接触者まで幅広く検査の対象として対応してきているところであります。  また、検査の結果に関わらず、全ての人が、自分は感染しているかもしれないという認識の下で、マスクの着用、手洗い、手指消毒の徹底、三密状態の回避などの基本的な感染防止対策を着実に実行していただく必要がありまして、そのための普及啓発にも引き続き取り組んでまいりたいと考えております。 <鈴木の所感>  昔から、パンデミックは繰り返す、と言われています。東大名誉教授の黒木登志夫先生は著書の中で、コロナ医療と一般医療が両立できる医療体制と病院や介護施設の患者と職員を守るための定期的なPCR検査が重要である、と述べています。この1週間弱の市内の感染者の推移から、無症状者を探り出し、感染を拡大させないための検査の強化が改めて必要だと思います。  併せて大事なことは、新型コロナ以外の病気の人が安心して医療を受けられる当たり前の状態にしなければならないことです。  3月1日、WHOテドロス事務総長は、世界の新型コロナ新規感染者数が、先週、7週間ぶりに増加に転じたことを明らかにし、「落胆させられるが、驚きではない、ワクチンのみに頼る対応は間違いだ、基本的な公衆衛生措置が、引き続き、新型コロナ対応の基盤」と強調し、感染拡大抑制に向け、一連の措置を緩和しないよう、各国に訴え、また、マイケル・ライアン緊急対応チーム長は、「ウイルスは制御されているが、年内の収束を考えるのは、非現実的な期待」との報道がありました。  市民へのワクチン供給時期が、不透明であることから、仮に、感染が再拡大した場合でも、市民が安心できる対応がとれるような措置が求められていると考えます。

長野市議会3月定例会 代表質問その1

 会期中の長野市議会3月定例会について報告します。 まず、近況ですが、3月3日に会派を代表し、初となる代表質問をしました。 質問内容は以下の通りです。 1.新年度予算編成方針について 2.PCR検査の現状について 3.感染拡大防止のためのPCR検査について 4.命と地域医療を守る医療提供体制について 5.ワクチン接種について 6.コロナ禍と今後の保健所機能について 7.コロナ禍での事業所等支援について 8.コロナ禍の雇用支援について 9.災害に強いまちづくりについて 議事録が出来ましたので、ご紹介します。文字数が多いので項目ごと、数日に分けて掲載します。 ちなみに、代表質問は、一括質問・一括答弁方式となりますが、項目ごとに答弁を掲載します。 1.新年度予算編成方針について  世界のGDPは、2020年3月の1.97パーセントから、4月にはマイナス2.68パーセント、5月にマイナス4.36パーセントと、2008年の世界金融危機を上回る落ち込みとなり、7-9月に入り持ち直しの動きを見せているものの、感染拡大が続く欧米のGDPは、依然としてコロナ前の水準を下回っております。IMFが6月に発表した世界経済見通しは、現在の状況を第二次世界大戦以降で最も深刻な景気後退へ向かっていると表現しております。  日本経済について2月2日に公表された大和総研のレポートは、2021年1-3月期の実質GDP成長率を戦後最悪となった2020年4-6月期のマイナス7.9パーセントに次ぐマイナス7パーセントと予測していますが、新型コロナウイルス感染拡大が収まらず、2020年4-5月期と同程度の規制となるが、2桁のマイナス成長に陥る可能性があるとし、感染拡大防止を最優先すべきとまとめております。  また、長野経済研究所が行った新型コロナウイルス感染症の県内企業への影響に関するアンケートの結果によれば、コロナ前の売上水準に回復する時期が2022年度以降になると回答した割合は、サービス業の49.3パーセント、建設業55.3パーセント、卸小売業32.1パーセントとなり、コロナ禍における県下の厳しい経済状況を表しております。  私たちは平成以降、数々の危機に直面してまいりました。 幾つか挙げますと、 1995年1月の阪神淡路大震災、 2001年の9.11同時多発テロ、 2008年9月のリーマンショック、 2011年3月11日の東日本大震災、 長野市では4,000棟を超える家屋が被害を受け、災害関連死を含め15名の尊い命が失われた令和元年東日本台風災害等ですが、  しかし、今回直面している新型コロナウイルス感染症は、これまでの危機と違い、人と人との接触、人の移動により国民全てが当事者となり得る、正に非常時と捉えるべきであり、私が考える非常時に求められる行財政運営の在り方について、4点挙げさせていただきます。 一つ、市民の命と健康、生活と地域経済を守り抜く市長のリーダーシップ。 二つ、政策プライオリティの明確化。 三つ、柔軟な発想による柔軟な財政運営。 四つ、先送り可能な事業は先送りする決断力であります。 そのような視点から幾つかの自治体が新年度予算編成について、コロナシフトへ転換をはかっております。 2020年10月1日に、市制施行以来初めて、財政非常事態宣言を発令した埼玉県新座市は、新型コロナウイルスの影響により、令和2年度事業の一部執行停止を行い、さらに、新年度予算編成では思い切った事業の見直しを進めています。 大阪府堺市では、新年度予算編成に当たり、新型コロナウイルスの影響により市税収入が過去2番目の落ち込みとなることから、市長は、今は平時ではなく有事であるとし、財政危機を宣言しました。 静岡県裾野市は、2月に財政非常事態宣言を発出し、総人件費の抑制、6次事業全般の見直し、大型公共事業の一時停止や先送りなどを示しました。 大分市は、コロナ終息を想定した予算と、コロナが継続した場合の事業先送りを想定した予算の二通りを作成。 相模原市は、各事業を見直し、コロナ対策緊急シフトを策定し、コロナ関連以外の新規拡充事業は原則として一時凍結、毎年実施している事業も一時凍結や見直し、廃止を検討し、 静岡市は、市長の肝入り事業である清水庁舎の移転と海洋文化施設整備の凍結などであります。 以上を踏まえ、4点伺います。 (1)新年度予算は、コロナ対策を優先した予算となっているのでしょうか。 (2)コロナ終息を想定した予算と、コロナが継続した場合の予算の二通りの検討があったのか。また、非常時においては、本予算の他にプランBのようなものを用意しておく必要があるのではないか。 (3)年度途中において、コロナの状況に応じた予算の組み替えなど、柔軟な対応が取れるのか。 (4)2021年度予算編成方針において、コロナ対策の財源捻出のために、先送り可能な事業はどれだけあったのでしょうか、答弁を求めます。 <市長の答弁>  初めに、新年度予算編成方針についてお答えいたします。 新型コロナウイルス感染症対策といたしましては、その関連予算に70億4,000万円を重点配備し、ワクチン接種をはじめとした感染症対策の強化の他、推し店プラチナチケット第2段では、発行総額を前回の1.5倍の15億円に拡大をいたしました。地域経済の活性化をはかるなど、感染防止と経済対策を両立させた予算編成を行ったところでございます。  次に、新型コロナの状況を踏まえて、二通りの予算の検討や組み替えなど柔軟な対応策につきましてお答えします。新型コロナの状況は、これまでも常に見通しが不透明であったことから、本年度は8度にわたる補正予算を編成し、迅速に対応してまいりました。令和3年度におきましても、感染症の状況や国の動向に常に注視しながら、補正予算の編成や予備費の活用など、適時適切に対処し、柔軟な財政運営を行うことで市民の安全・安心を確保してまいります。  次に、新型コロナ対策の事業の先送りにつきましては、昨年10月に示した予算編成方針におきまして、大幅な税収の減少を踏まえまして、例年以上に厳しいシーリングを設定いたしました。要求段階において、先送り可能な事業については見送ったところでございます。  併せて、政策プライオリティを明確化するため、特に重点的に取り組む事業は、早い時期から総合計画推進本部会議において議論を重ね、優先的に予算配分を行うことといたしました。  なお、新型コロナ対策につきましては、国の財政支援を最大限に活用し、市財政への影響を最小限に抑えたところでございます。 このような非常時においては、市行政のトップとしてリーダーシップを発揮し、新型コロナ対策と台風災害からの復興を主軸に置きつつ、選択と集中により、ポストコロナ社会を見据えた新たな取組にまちのにぎわいを創出するなど、希望ある未来につなげる安全・安心予算としたのでございます。 <鈴木の所感>  令和3年度予算は、「令和元年東日本台風災害からの復旧・復興」と「新型コロナウイルス感染症」により影響を被った市民生活と社会経済活動を取り戻すための力強い予算編成とすることが必要不可欠だと考えます。  現下の新型コロナウイルス感染症対策については予測が困難であり、長野市単体での対応では限界があります。 令和3年度一般会計当初予算は、1,552億8千万円の歳入歳出ですが、目的別に歳出をみると、前年度比で軒並みマイナス予算となっている中で、人口減少少子高齢化による民生費や公債費に加え、商工観光費が前年度比でプラスとなっています。  地域経済の活性化とまちの賑わいの創出や、長期戦略2040の実現を目指す上で、新規事業である「飯綱高原南グランド整備事業(1億820万円)」、「外部人材活用促進事業(486万円)」、「鏡池トイレ改修事業」や拡大事業の「スタートアップ企業成長支援事業(3,970万円)」などは、長野市として重要な取り組みであると考えます。  しかし、今、コロナ禍の渦中であることを踏まえると、新型コロナウイルス感染症対策70.4億円のうち、「感染症関連資金融資(35億円)」、「感染症対策資金利子補給金(1億523万6千円)」、「推し店プラチナチケット(6.8億円)」等の7事業が主なものとなりますが、新型コロナウイルスの影響により苦しんでいらっしゃる方々に十分届くのかどうか、物足りなさを感じます。  ポストコロナを見据えることは必要ですが、今、市民が必要とする補償や支援について、正確に、適切に捉え、迅速に対応していくことが求められていると思います。  また、台風災害からの復旧・復興については、安心して日常生活を営むことができる住まいの再建が、待った無しの状況にあることから、令和3年度予算案では、災害公営住宅整備(17.5億円)、借り上げ型応急仮設住宅の提供、建設型応急仮設住宅の管理運営(2.4億円)など、51.6億円が措置されておりますが、長沼地区での災害公営住宅建設の議論の途上にあることから、真摯に受け止める必要があります。  加えて、令和元年東日本台風から今日にいたる間も、千曲川、犀川流域にお住まいの市民は、毎年、出水期を前に、恐怖と不安をおぼえ、災害が起きないよう、祈っております。なぜなら、今の治水能力では、幸運を祈るしかないからです。  長野市が、新年度予算のテーマとして掲げる「希望ある未来につなげる安全・安心」は、被災住民のみならず、すべての市民の願いであり、単なるスローガンではなく、必ず、実現する覚悟を持って取り組まなければならないと考えます。

長野市議会3月定例会 代表質問その1

 会期中の長野市議会3月定例会について報告します。 まず、近況ですが、3月3日に会派を代表し、初となる代表質問をしました。 質問内容は以下の通りです。 1.新年度予算編成方針について 2.PCR検査の現状について 3.感染拡大防止のためのPCR検査について 4.命と地域医療を守る医療提供体制について 5.ワクチン接種について 6.コロナ禍と今後の保健所機能について 7.コロナ禍での事業所等支援について 8.コロナ禍の雇用支援について 9.災害に強いまちづくりについて 議事録が出来ましたので、ご紹介します。文字数が多いので項目ごと、数日に分けて掲載します。 ちなみに、代表質問は、一括質問・一括答弁方式となりますが、項目ごとに答弁を掲載します。 1.新年度予算編成方針について  世界のGDPは、2020年3月の1.97パーセントから、4月にはマイナス2.68パーセント、5月にマイナス4.36パーセントと、2008年の世界金融危機を上回る落ち込みとなり、7-9月に入り持ち直しの動きを見せているものの、感染拡大が続く欧米のGDPは、依然としてコロナ前の水準を下回っております。IMFが6月に発表した世界経済見通しは、現在の状況を第二次世界大戦以降で最も深刻な景気後退へ向かっていると表現しております。  日本経済について2月2日に公表された大和総研のレポートは、2021年1-3月期の実質GDP成長率を戦後最悪となった2020年4-6月期のマイナス7.9パーセントに次ぐマイナス7パーセントと予測していますが、新型コロナウイルス感染拡大が収まらず、2020年4-5月期と同程度の規制となるが、2桁のマイナス成長に陥る可能性があるとし、感染拡大防止を最優先すべきとまとめております。  また、長野経済研究所が行った新型コロナウイルス感染症の県内企業への影響に関するアンケートの結果によれば、コロナ前の売上水準に回復する時期が2022年度以降になると回答した割合は、サービス業の49.3パーセント、建設業55.3パーセント、卸小売業32.1パーセントとなり、コロナ禍における県下の厳しい経済状況を表しております。  私たちは平成以降、数々の危機に直面してまいりました。 幾つか挙げますと、 1995年1月の阪神淡路大震災、 2001年の9.11同時多発テロ、 2008年9月のリーマンショック、 2011年3月11日の東日本大震災、 長野市では4,000棟を超える家屋が被害を受け、災害関連死を含め15名の尊い命が失われた令和元年東日本台風災害等ですが、  しかし、今回直面している新型コロナウイルス感染症は、これまでの危機と違い、人と人との接触、人の移動により国民全てが当事者となり得る、正に非常時と捉えるべきであり、私が考える非常時に求められる行財政運営の在り方について、4点挙げさせていただきます。 一つ、市民の命と健康、生活と地域経済を守り抜く市長のリーダーシップ。 二つ、政策プライオリティの明確化。 三つ、柔軟な発想による柔軟な財政運営。 四つ、先送り可能な事業は先送りする決断力であります。 そのような視点から幾つかの自治体が新年度予算編成について、コロナシフトへ転換をはかっております。 2020年10月1日に、市制施行以来初めて、財政非常事態宣言を発令した埼玉県新座市は、新型コロナウイルスの影響により、令和2年度事業の一部執行停止を行い、さらに、新年度予算編成では思い切った事業の見直しを進めています。 大阪府堺市では、新年度予算編成に当たり、新型コロナウイルスの影響により市税収入が過去2番目の落ち込みとなることから、市長は、今は平時ではなく有事であるとし、財政危機を宣言しました。 静岡県裾野市は、2月に財政非常事態宣言を発出し、総人件費の抑制、6次事業全般の見直し、大型公共事業の一時停止や先送りなどを示しました。 大分市は、コロナ終息を想定した予算と、コロナが継続した場合の事業先送りを想定した予算の二通りを作成。 相模原市は、各事業を見直し、コロナ対策緊急シフトを策定し、コロナ関連以外の新規拡充事業は原則として一時凍結、毎年実施している事業も一時凍結や見直し、廃止を検討し、 静岡市は、市長の肝入り事業である清水庁舎の移転と海洋文化施設整備の凍結などであります。 以上を踏まえ、4点伺います。 (1)新年度予算は、コロナ対策を優先した予算となっているのでしょうか。 (2)コロナ終息を想定した予算と、コロナが継続した場合の予算の二通りの検討があったのか。また、非常時においては、本予算の他にプランBのようなものを用意しておく必要があるのではないか。 (3)年度途中において、コロナの状況に応じた予算の組み替えなど、柔軟な対応が取れるのか。 (4)2021年度予算編成方針において、コロナ対策の財源捻出のために、先送り可能な事業はどれだけあったのでしょうか、答弁を求めます。 <市長の答弁>  初めに、新年度予算編成方針についてお答えいたします。 新型コロナウイルス感染症対策といたしましては、その関連予算に70億4,000万円を重点配備し、ワクチン接種をはじめとした感染症対策の強化の他、推し店プラチナチケット第2段では、発行総額を前回の1.5倍の15億円に拡大をいたしました。地域経済の活性化をはかるなど、感染防止と経済対策を両立させた予算編成を行ったところでございます。  次に、新型コロナの状況を踏まえて、二通りの予算の検討や組み替えなど柔軟な対応策につきましてお答えします。新型コロナの状況は、これまでも常に見通しが不透明であったことから、本年度は8度にわたる補正予算を編成し、迅速に対応してまいりました。令和3年度におきましても、感染症の状況や国の動向に常に注視しながら、補正予算の編成や予備費の活用など、適時適切に対処し、柔軟な財政運営を行うことで市民の安全・安心を確保してまいります。  次に、新型コロナ対策の事業の先送りにつきましては、昨年10月に示した予算編成方針におきまして、大幅な税収の減少を踏まえまして、例年以上に厳しいシーリングを設定いたしました。要求段階において、先送り可能な事業については見送ったところでございます。  併せて、政策プライオリティを明確化するため、特に重点的に取り組む事業は、早い時期から総合計画推進本部会議において議論を重ね、優先的に予算配分を行うことといたしました。  なお、新型コロナ対策につきましては、国の財政支援を最大限に活用し、市財政への影響を最小限に抑えたところでございます。 このような非常時においては、市行政のトップとしてリーダーシップを発揮し、新型コロナ対策と台風災害からの復興を主軸に置きつつ、選択と集中により、ポストコロナ社会を見据えた新たな取組にまちのにぎわいを創出するなど、希望ある未来につなげる安全・安心予算としたのでございます。 <鈴木の所感>  令和3年度予算は、「令和元年東日本台風災害からの復旧・復興」と「新型コロナウイルス感染症」により影響を被った市民生活と社会経済活動を取り戻すための力強い予算編成とすることが必要不可欠だと考えます。  現下の新型コロナウイルス感染症対策については予測が困難であり、長野市単体での対応では限界があります。 令和3年度一般会計当初予算は、1,552億8千万円の歳入歳出ですが、目的別に歳出をみると、前年度比で軒並みマイナス予算となっている中で、人口減少少子高齢化による民生費や公債費に加え、商工観光費が前年度比でプラスとなっています。  地域経済の活性化とまちの賑わいの創出や、長期戦略2040の実現を目指す上で、新規事業である「飯綱高原南グランド整備事業(1億820万円)」、「外部人材活用促進事業(486万円)」、「鏡池トイレ改修事業」や拡大事業の「スタートアップ企業成長支援事業(3,970万円)」などは、長野市として重要な取り組みであると考えます。  しかし、今、コロナ禍の渦中であることを踏まえると、新型コロナウイルス感染症対策70.4億円のうち、「感染症関連資金融資(35億円)」、「感染症対策資金利子補給金(1億523万6千円)」、「推し店プラチナチケット(6.8億円)」等の7事業が主なものとなりますが、新型コロナウイルスの影響により苦しんでいらっしゃる方々に十分届くのかどうか、物足りなさを感じます。  ポストコロナを見据えることは必要ですが、今、市民が必要とする補償や支援について、正確に、適切に捉え、迅速に対応していくことが求められていると思います。  また、台風災害からの復旧・復興については、安心して日常生活を営むことができる住まいの再建が、待った無しの状況にあることから、令和3年度予算案では、災害公営住宅整備(17.5億円)、借り上げ型応急仮設住宅の提供、建設型応急仮設住宅の管理運営(2.4億円)など、51.6億円が措置されておりますが、長沼地区での災害公営住宅建設の議論の途上にあることから、真摯に受け止める必要があります。  加えて、令和元年東日本台風から今日にいたる間も、千曲川、犀川流域にお住まいの市民は、毎年、出水期を前に、恐怖と不安をおぼえ、災害が起きないよう、祈っております。なぜなら、今の治水能力では、幸運を祈るしかないからです。  長野市が、新年度予算のテーマとして掲げる「希望ある未来につなげる安全・安心」は、被災住民のみならず、すべての市民の願いであり、単なるスローガンではなく、必ず、実現する覚悟を持って取り組まなければならないと考えます。

コロナ禍での新年度当初予算、大事なこととは

 国や長野県、そして長野市でも2021年度に向け、慌ただしくなっております。 そんな中、信濃毎日新聞は、2月5日、長野県の2021年度予算案について報じています。 以下、報道からです。 1.新型コロナ感染症対策として1630億円を計上。過去最大となる1兆423億円で過去最大となり、今年度の当初予算を946億円(10.0%)上回る。 2.新型コロナ対策として、専用病床を確保する医療機関への補助、宿泊療養施設設置・運営、ワクチン接種対応事業等の医療提供体制と検査態勢の確保、また、新型コロナの影響により失業した人の再就職支援等を行う。 3.歳出では、義務的経費は前年度当初案とほぼ横ばい。台風第19号災害からの復旧・復興が進んだことから、公共事業等の投資的経費は29.9%減(内訳は土木費マイナス23%、農林水産業費マイナス4%) 4.歳入は、新型コロナの影響により県税が前年度当初比でマイナス7.3%、地方交付税交付金は4.3%増となるものの、不足分を前年度比1.7倍となる臨時財政対策債(赤字地方債)591億円で補う。県債は国の国土強靭化に向けた「5カ年加速化対策」を活用しことによりマイナス10.1%。  ここまで、報道をベースに簡単にまとめましたが、 更にまとめると、 「コロナ対策が盛り込まれ過去最大の当初予算で、歳出は、人件費等の義務的経費は前年度当初と同じ、災害対応が進み土木及び農林水産の予算を削減した。歳入では、県税が減収し、地方交付税を入れても不足する財源は赤字地方債を前年度より1.7倍増やし、財源を確保する、ということではないでしょうか。  ただ気になるのは信毎記事で、各部局で複数の財政担当者が、2020年度当初案と比べ事業の見直し圧力はそれほどでもなかった、と明かし、主な見直し事業による削減額は2億9千万円余に留まった、と報じているところです。  一般会計当初案1兆423億円の約15%、1630億円をコロナ対策としていますが、コロナ後を見据えた事業がちりばめられている、との報道から、それぞれ具体的な事業内容が気になるところであります。  2月6日付け信毎社説で論じられ、私も3月市議会定例会で議論したいと考える当初予算編成におけるポイントについて紹介します。 1.不要不急の出費は抑え、緊急時に備えておく構えが必要。事業を絞り、将来につながる施策であるのか、成果が見込めるの、議会の役割は重い。 2.ワクチン接種が国民に行き渡るまで時間がかかる可能性がある。更に、変異ウイルス蔓延が懸念されていることから、医療現場への支援、検査機能の強化・拡充が喫緊の課題である。 3.コロナ禍で、各地の飲食や観光関連事業者らは、経営難に苦しんでいる。地域の苦境に臨機応援に対応できる予算の活用が求められる。 4.先の見えにくい閉塞感から、県民が抱える不安に対し、行政が支援していくことが求められる。  その通りだと考えます。 長野市の2021年度予算については、2月25日から始まる市議会3月定例会にて議論されます。私は、3月定例会一般質問にて登壇予定です。現在、新年度予算編成と新型コロナ対策を中心に市長はじめ関係部長等と議論するための質問要旨を作成しております。  2019年から2020年、そして2021年は、長野市と市民全員が危機に直面している有事であると思います。この危機を乗り越えるために、今、行政に求められている事は何なのか、優先順位は何なのか、私なりに考えを整理し、長野市議会3月定例会に臨んでまいります。

それぞれの責務と役割

 医療非常事態宣言を発出した長野県は、独自の「病床逼迫度」を公表しました。 県が設けた病床逼迫度は、中等症、軽症者を受け入れる一般病床に対する入院患者の割合で示されています。  まず、長野県下の病床確保数は350床。 そのうち一般病床の302床(重症者向け48床)で、中等症・軽症者向けと精神疾患や小児などの感染者向けの専門病床に分かれているとのことで、今回、公表されたのは中等症・軽症者向けの287床に対し、現在、入院されている患者さんの割合である、との報道です。  1月15日の信濃毎日新聞は、1月13日午後8時時点の実質的な病床使用率が53.1%、非常事態宣言の基準の一つの50%を4日連続で超えた、と報じ、更に、1月17日の記事によれば、1月15日午後8時時点で59.1%と過去最高と報じ、3日間で6%の上昇したこととなります。この数値は、350床に対する入院患者のものであって、今回公表された病床逼迫度とは異なる数値である、ということです。  その上で、長野県の病床逼迫度は70.4%、長野市を含む北信では74.6%、お隣の東信が76.4%、これらの数値を踏まえ、各医療機関における現実的な逼迫状況を改めて受け止めなければならないと思います。施設の問題、そして、マンパワーの課題について様々な議論がなされていますが、やはり大事なのは、県が発令した医療非常事態宣言に伴い県民に要請した事項を踏まえ、一人ひとりの適切な行動が求められている、と考えます。  さて、新年があけ、2週間余が過ぎました。 我が家は例年、元旦の善光寺の初詣、護摩祈願等が年初のお決まりの行事でしたが、今年は、元旦は早朝の参拝のみとしたことから、本日(1/17)午前、護摩祈願を奉納していただき、お守りを授かりました。分散参拝も良いものでありました。  ここのところ、分散参拝のように、「分散」という言葉がよく聞かれます。昨日(1/16)、長野地域防災セミナーが開催され、参加してきました。 釜石の奇跡で有名な東大特任教授で、日本災害情報学会会長の片田敏孝先生、京都経済短大講師の菅野拓先生の講演がオンラインで行われました。  これまで、私も片田先生の書籍や論文等を拝読させていただき、防災について研究してまいりましたが、台風第19号災害を経て、改めてお聞きする講演について、印象に残った言葉を紹介します。 〇防災の実効性のカギは個人と地域である・・・個々の判断が大事であり、個々の防災意識に加え、隣近所、更に地域の中での日常からの防災への意識を養い、いざ、というときに躊躇することなく避難の判断をすること。 〇人は人として逃げられない・・・誰かを助けなければ!という他者への想いがあり、自分一人だけが助かれば良い、と考えない人が大勢いるものだ。 〇主客未分・・・主体と客体が別れていない融合している状態だが、行政が、市民住民に何かをしてあげる、ということではなく、一体となって行動することが求められる。  以上ですが、私は、ハード・ソフトの両面に関し、行政が果たさなければならない役割は多岐にわたり存在し、着実に災害に強いまちづくりを具現化していかなければならない、」と考えます。しかし、気象状況の激変により、そればかりに依存していられる状況ではない、ことは理解しますし、だから、避難行動について、個々の判断の重要性が増してきていると思います。  特に、「分散避難」については、在宅避難が可能なのかハザードマップで自宅の安全性を確認すること、自宅の安全性によっては親戚、知人、職場等への避難を行うこと、そうした避難先が無い場合はためらうことなく避難所への避難、といった先生の考えを更に広く市民全体で共有できるようにしなければならない、と受け止めました。  そして、菅野先生の講演では、「社会保障のフェーズフリー化」という言葉が印象に残っています。身の回りにあるモノやサービスを日常時だけでなく非常時においても役立つものとして設計していくという考え方で、例えば、発電機や蓄電池として利用可能な電気自動車の配置等といった、平常時(日常時)や災害時(非常時)などのフェーズ(社会の概念)に関わらず、適切な生活の質を確保しようとする概念です。私もフェーズフリー化について、防災の観点から、今後、理解を深めていかなければなりません。  新型コロナ、自然災害等々、私たちは、いつ何が起こるか分からない世界に生きており、いつ、どういった事態に直面しても一人ひとりが向き合わなければならない課題もあります。しかし、その前に、行政や政治が果たさなければならない責務を正確に把握し、出来ることを確実に進め、信頼関係を構築していくことが前提であり、必要です。それぞれが、医療非常事態宣言を発出した長野県は、独自の「病床逼迫度」を公表しました。 県が設けた病床逼迫度は、中等症、軽症者を受け入れる一般病床に対する入院患者の割合で示されています。 まず、長野県下の病床確保数は350床。 そのうち一般病床の302床(重症者向け48床)で、中等症・軽症者向けと精神疾患や小児などの感染者向けの専門病床に分かれているとのことで、今回、公表されたのは中等症・軽症者向けの287床に対し、現在、入院されている患者さんの割合である、との報道です。 1月15日の信濃毎日新聞は、1月13日午後8時時点の実質的な病床使用率が53.1%、非常事態宣言の基準の一つの50%を4日連続で超えた、と報じ、更に、1月17日の記事によれば、1月15日午後8時時点で59.1%と過去最高と報じ、3日間で6%の上昇したこととなります。この数値は、350床に対する入院患者のものであって、今回公表された病床逼迫度とは異なる数値である、ということです。 その上で、長野県の病床逼迫度は70.4%、長野市を含む北信では74.6%、お隣の東信が76.4%、これらの数値を踏まえ、各医療機関における現実的な逼迫状況を改めて受け止めなければならないと思います。施設の問題、そして、マンパワーの課題について様々な議論がなされていますが、やはり大事なのは、県が発令した医療非常事態宣言に伴い県民に要請した事項を踏まえ、一人ひとりの適切な行動が求められている、と考えます。 さて、新年があけ、2週間余が過ぎました。 我が家は例年、元旦の善光寺の初詣、護摩祈願等が年初のお決まりの行事でしたが、今年は、元旦は早朝の参拝のみとしたことから、本日(1/17)午前、護摩祈願を奉納していただき、お守りを授かりました。分散参拝も良いものでありました。 ここのところ、分散参拝のように、「分散」という言葉がよく聞かれます。昨日(1/16)、長野地域防災セミナーが開催され、参加してきました。 釜石の奇跡で有名な東大特任教授で、日本災害情報学会会長の片田敏孝先生、京都経済短大講師の菅野拓先生の講演がオンラインで行われました。 これまで、私も片田先生の書籍や論文等を拝読させていただき、防災について研究してまいりましたが、台風第19号災害を経て、改めてお聞きする講演について、印象に残った言葉を紹介します。 ○防災の実効性のカギは個人と地域である・・・個々の判断が大事であり、個々の防災意識に加え、隣近所、更に地域の中での日常からの防災への意識を養い、いざ、というときに躊躇することなく避難の判断をすること。 ○人は人として逃げられない・・・誰かを助けなければ!という他者への想いがあり、自分一人だけが助かれば良い、と考えない人が大勢いるものだ。 ○主客未分・・・主体と客体が別れていない融合している状態だが、行政が、市民住民に何かをしてあげる、ということではなく、一体となって行動することが求められる。 以上ですが、私は、ハード・ソフトの両面に関し、行政が果たさなければならない役割は多岐にわたり存在し、着実に災害に強いまちづくりを具現化していかなければならない、」と考えます。しかし、気象状況の激変により、そればかりに依存していられる状況ではない、ことは理解しますし、だから、避難行動について、個々の判断の重要性が増してきていると思います。 特に、「分散避難」については、在宅避難が可能なのかハザードマップで自宅の安全性を確認すること、自宅の安全性によっては親戚、知人、職場等への避難を行うこと、そうした避難先が無い場合はためらうことなく避難所への避難、といった先生の考えを更に広く市民全体で共有できるようにしなければならない、と受け止めました。 そして、菅野先生の講演では、「社会保障のフェーズフリー化」という言葉が印象に残っています。身の回りにあるモノやサービスを日常時だけでなく非常時においても役立つものとして設計していくという考え方で、例えば、発電機や蓄電池として利用可能な電気自動車の配置等といった、平常時(日常時)や災害時(非常時)などのフェーズ(社会の概念)に関わらず、適切な生活の質を確保しようとする概念です。私もフェーズフリー化について、防災の観点から、今後、理解を深めていかなければなりません。 新型コロナ、自然災害等々、私たちは、いつ何が起こるか分からない世界に生きており、いつ、どういった事態に直面しても一人ひとりが向き合わなければならない課題もあります。しかし、その前に、行政や政治が果たさなければならない責務を正確に把握し、出来ることを確実に進めていくことが必要です。それぞれが、それぞれの責務、役割を果たすことにより、防災力の更なる強化に繋がり、安全安心に繋がっていくのだと思います。 を果たすことにより、防災力、危機管理意識の更なる強化に繋がり、安全安心に繋がっていくのだと思います。

持続化給付金と家賃支援給付金の申請

 本日、持続化給付金と家賃支援給付金の申請が締め切られます。 立憲民主党は、持続化給付金の申請期限延長、再給付を求めています。  持続化給付金と家賃支援給付金の申請が原則本日1月15日で締め切られ、支給も春までに終わる見通しです。事情がある場合、2月15日まで受け付け可能ですが、この対応だけでは厳しい。事業者に寄り添った支援が本当に必要です。 一律で申請の延長を!再給付を!強く求めます。 https://twitter.com/CDP2017/status/1349905360803401728  持続化給付金の申請期限は本日1月15日までですが、必要書類の準備に時間を要するなど申請期限に間に合わない特段の事情がある方の提出期限は、1月31日から2月15日まで延長されています!ご確認ください。 https://twitter.com/CDP2017/status/1349893509365469186

長野県の医療非常事態宣言と長野市長の言動

 昨日、1月14日、長野県は、1月8日に運用を始めた医療アラートで最も重い「医療非常事態宣言」を発令しました。 医療アラートは、昨年の6月2日、東京都が初めて発令しましたが、感染状況が悪化し、警戒すべき状況だと判断した場合に発令されます。  県内では、年明けに感染者が増加し、県内の新型コロナ患者向けに確保可能とされているとしている350床に対する入院患者の割合が、非常事態宣言の基準とされる50%を4日連続で超えている状況にあり、また、阿部長野県知事は会見で、感染の急拡大で地元広域圏の病院に入院できない感染者、中等症や高齢者の患者増により医療機関の負担、医療従事者の感染により地域医療の弱体に繋がっている、との認識を示しました。  長野県の医療非常事態宣言発出で県民に対し、次のような要請がなされました。 1.人との接触を極力減らす。  高齢者や基礎疾患のある人は不要不急の外出を控える(通院、食料の買い物、出勤、健康維持の散歩などは除く) 2.感染拡大地域への訪問は極力控える(受験、遠隔では難しい仕事は除く) 3.大人数、長時間(概ね2時間超)など感染の恐れが高い会食(自宅、職場も含む)は控える     以上が内容です。そして、長野県は、今後、新型コロナ患者向けに臨時に50床を確保(合計で400床となる)し、医療機関の負担軽減のため、軽症・無症状者向けの宿泊療養施設、自宅での療養を推進するとしています。  昨年11月以降、長野市をはじめとする長野医療圏域で感染者が急拡大して以降、現在の実質的な病床使用率が50%を超えている状況を踏まえると、私は、今回は発出された「医療非常事態宣言」を重く受け止めなければならないと考えます。問題は、長野県の状況はもちろん、1都3県、近畿の3府県、愛知、岐阜、福岡、栃木に国が発出した緊急事態宣言の再発出等を市民、県民が我が事として捉えていただくために、正しい情報と、危機感を正確かつ確実に伝えることが行政の大きな責務であり、果たさなければならない役割ではないでしょうか。  そうした中、加藤長野市長の言動に関する報道がありました。 1月9日、市内のホテルで200人規模で行われた親族が経営する企業の新年会、更に会食に出席した、とのことです。 このことについて市長は会見で「600人くらいが入る会場で、マスクを外すのは飲食の時だけだった。出入り口にはサーキュレーター(送風機)も置かれていた」、と説明。更に、「感染対策をしているところは積極的に出るようにしたいと考えている」と述べ、問題無し、との認識を示した、とのことです。  更に、記者からの「新年会や会食を自粛する企業もあり、市民が混乱する」との指摘に対し、市長は「トップの方針があり会社のそれぞれで対応している」としたうえで、「本当にこのままで飲食店がやっていけるのか。感染防止対策と反対の面も考えなくてはいけない。家族との会食は是非していただきたい」と強調した、と報道されています。  政府の新型コロナ対策分科会は「5人以上の飲食では飛沫(ひまつ)が飛びやすくなる」と注意を呼びかけ、県も新年会などでの感染拡大を防ぐため、普段一緒にいない人との会食や話などをする際は慎重に対応するよう注意を呼びかけていることや、それより、市民県民それぞれが様々な思いで感染しない、させない行動を徹底している中(相当な感染対策を行っていたと推察するが、感染拡大防止のため、多くの企業団体が新年会を自粛している現実がある)、そうした行動に水を差すような言動であり、私は疑問を感じざるを得ませんし、私のもとに何人かの方から、市長が持つ危機管理意識への不信感についてご意見をいただいております。  感染状況は県内でも地域により異なっておりますが、病床確保は市町村や圏域ではなく、県全体で調整しています。長野市の感染者数が3日間居なかった、という問題ではないはずです。感染者の増、感染予防や医療現場のひっ迫度など、現状に対する認識を市民、県民で共有することが最も重要な感染対策ではないかと考えます。まさに、リスクコミュニケーションの共有で、市民が直面する不安等にしっかり応えられる態勢の整備も更に進めなければなりません。市民が首を傾げてしまうことなく、市長がリーダーシップを発揮し感染収束に向けた適切な舵取りを多くの市民が求めている、と思います。

コロナ予算か、新年度予算編成へ

 早いもので、令和2年もあと半月を切りました。私自身の今年一年を振り返ると、昨年の台風第19号災害への対応、そして、現時点においても感染が拡大している新型コロナウイルスの影響により、中々、例年通りの思うような活動ができず、歯がゆさとともに精神的に厳しさを感じる日が多かった、と思います。安全で安心できるワクチン接種等により感染が抑制され、一日も早いコロナの収束を願いながら、新年の準備を進めています。  年の瀬が近づく中、国や県、そして長野市では、新年度予算編成に向け、慌ただしさが増していると思います。過日、信濃毎日新聞は、長野県の新年度予算要求概要(県予算要求1兆497億円(一般会計))について報じました。  まず、1兆497億円(一般会計)は、1、599億円に上る新型コロナウイルス感染症対策関連予算要求額により膨れ上がり、2020年度当初予算比で10.8%増、かつ、史上最大であった2001年の1兆562億円に次ぐ規模とのことですが、コロナ関連予算を差し引くと2020年度比で6.1%減の8898億円であり、ここは押さえておくべき点だと思います。  昨今の状況を鑑みると、新型コロナ対策の予算要求は絶対必要であり、状況に応じて可及的速やかな対応が求められます。コロナ関連1599億円の内容については、感染者を受けいれる病床確保に102億円、軽症・無症状者向けの宿泊療養施設確保で39億円と実に141億円の要求がされています。現在、県が公表している確保病床数は、医療機関で350床、宿泊療養施設250室ですが、141億円の中身はどうなっているのか、例えば、病床数は増えるのか、医療従事者のマンパワーの状況はどうなのか(病床の確保数と使用可能数の乖離)、感染者を受け入れている医療機関等の経営状況を正確に把握しているのか、更に、経営支援等を講じていくのか等、気になるところです。  特に、病床確保について長野市保健所長は、県が行っている、こととして、長野市としての具体的な取り組み方針を示していないことから、141億円の内容と病床確保、マンパワー等について、正確な情報提供を期待したいし、してもらわなければなりません。  また、感染拡大に伴い大きな打撃を受けている飲食・観光事業者はじめ資金繰りに悩む中小企業向けの制度融資経費として1682億4800万円の要求額で過去最大規模の支援態勢を整える、としています。  一方で、台風19号災害関連の復旧・復興事業費は20.5%減とされる中、国や県、流域市町村が連携して進めている「信濃川緊急治水対策プロジェクト」事業として、雨水貯留設備普及のための予算39億1400万が要求され、災害時の逃げ遅れをなくすためのマイタイムラインをスマートフォンで作れるアプリ開発などの予算も求められている、とのことです。  長野市も含め、長野県においても直面している課題は多岐に渡っています。県は台風第19号災害に加え、新型コロナにより県税収入の落ち込みを見込み、国庫補助の活用で自主財源の持ち出しを抑えるとしながらも、義務的経費の見直しについても検討する、としています。  税収の落ち込みは日本全体共通の悩みであり、大阪府は、不要不急の事業を先送りして財源をコロナ対策にシフトし、コロナ対策を重点的に行うため、①3密対策に課題があり感染リスクが高い事業 ②社会経済情勢などコロナで事業実施の前提が崩れた事業 ③関係機関の動向で事業実施が困難な事業 ④府庁の業務改善のうち緊急を要しない事業 ⑤その他スケジュール変更が可能な事業、の5項目の事業は原則として見直し、その結果、447事業1050億円をコロナ対策にシフトしていくとのことです。  先行き不透明な要素が多く、各自治体の力量が問われる、そんな新年度となることを想起させます。既に長野市は、令和3年度予算編成方針を示しており、市民の安全で健康な暮らしを守る事業を進め、地域産業を牽引する企業の育成・支援等、市域経済の活性化に向けた事業を積極的に推進していく、とし、一方で財源の不足による事業の停滞が懸念されることもあり、「スクラップ・アンド・ビルド」、「選択と集中」の徹底によりメリハリのある予算と、ICT化、業務の合理化等、行政のスリム化・効率化を進め、安易な市債発行に頼ることなく「健全財政の堅持」を予算編成の基本姿勢として、歳入の確保と歳出の削減に取り組んでいく、としています。    来年早々にも、長野市の新年度予算のより具体的な中身が見えてくると思います。税収減の見通し、各種基金の残高、財源捻出のための事業見直し等、来年度の予算編成方針を厳しくチェックしていくために、年末年始、しっかり整理してまいります。

経済と医療提供態勢への影響を最小限に抑えるために

 長野市議会12月定例会が昨日(12月14日)、閉会しました。今定例会に上程された今年度補正予算13億9千900万円他、条例改正案等、すべて原案通り可決となりましたが、私は、若槻東条に所在する蚊里田市民農園を今年度で廃止するため上程された、長野市民農園の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例については、反対しました。  現在、長野市は、上述の市民農園を含め、公共施設個別施設計画(案)のパブリックコメントの意見を募集中です。意見募集が終わっていない段階で、現在も運営、活用されている市民農園廃止議案として提出されていることや、これまで市と土地所有者との間において、今後の継続的な施設運営等について十分な協議が行われてきたのか、今、このタイミングで可決するに至っているとは判断出来兼ねることから、反対しました。最終的には、賛成多数で可決となりましたが、今後の公共施設に関する議論に影響するかもしれません。  私は、今定例会で一般質問は行いませんでしたが、来年2月下旬に開会となる長野市議会3月定例会において、しっかり質問時間を確保し、しっかり議論をしていきたいと考えます。  そして、新型コロナウイルスが猛威を振るっている中、政府は、GOTOトラベル事業について、12月28日から1月11日まで、全国で一時停止すると表明し、また、感染拡大の傾向が続く中、飲食店等に対し、営業時間短縮を延長する意向のようで、協力金を最大、120万円/1か月とする、と報じられています。  国内に目を転じてみますと、各地において連日、過去最多の感染者数と報じられ、長野市においても連日、感染者が報告されているとおり、12月14日時点で長野市は336件、県では977件、となっており、更なる感染予防の徹底が求められています。  専門家は以前より、秋から冬になると感染拡大の可能性が高くなる、新型コロナと季節性インフルエンザの同時感染拡大が心配だ、と警鐘を鳴らしていましたが、これまで政府は、感染防止対策と経済の両立を掲げ、経済重視に比重を置きすぎた政策が目立っていたのではないか、と私は受け止めております。  実際、特に昨年10月末から12月中旬までを振り返ってみますと、多くの国民は自らの良識において、感染拡大途上という認識のもと、現状を理解し、判断し、旅行や外食に対し、自ら行動制限をかけ自粛されていたと思います。  政府は、国民・市民の良識は我が国の持つ強みととらえ、感染防止対策に比重を置き、安全で安心できる状況を一日でも早く作り上げること優先すべきで有ったと思いますし、今後においても、収束の光が差し込んでくるまで、そうすべきだと考えます。アクセルとブレーキを同時に踏む対策は困難であり、感染を抑えるどころか、拡大させている要因ともなっていると思います。むしろ、感染拡大防止対策としてのアクセルを踏み込むべきではないでしょうか。  夏場以降、徐々に観光・飲食業にお客さんが戻ってきたところでしたが、10月末以降の感染の急拡大により、市民の間で再び自粛的行動が広がりました。回復基調に乗り始めていた事業者の方々を思うと、本当に胸が痛みます。  今求められるのは、ワクチン接種の具体的な計画等が示され、コロナ終息とまではいかなくても、減少が見えてくるまでの間における観光事業者、飲食事業者の皆様方などへの分厚い経済的支援であり、その後、売り上げや利益のV字回復に繋がるような分厚いGOTOに類する経済対策を講じた上で、経済対策重視から感染防止対策へと大きく舵をきることだと考えます。  報道によると、長野県における新型コロナによる入院患者数は12月14日時点で165人にのぼり、確保病床350に対する使用率は47%、とのことですが、県内の新型コロナ対策に詳しい医療関係者は、一般診療を続けながら診られる新型コロナ患者は全県で250人程度ではないか、と指摘している、としています。  更に、県が2カ所のホテルを借り上げて開設した軽症・無症状者向け宿泊療養施設では、175人収容可能に対し、14日の時点で24人に留まっている、十分に活用されていない面もある、と報じています。  新型コロナとの闘いが続く中、長野市は、いつ、いかなる状況に直面しても万全な医療提供体制を整える取り組みを進めなければなりません。医師、看護師さんの確保は容易いことではなく、更なる感染拡大が続くと、長野市を含む長野医療圏域、そして長野県全体でも医療崩壊に繋がりかねません。医療提供体制を守っていく観点、そして、経済再生への兆しを呼び込むために、そして、経済、そして医療への影響を最小限に抑えるために私も含め、一層の感染防止対策に取り組まなければなりません。  この年末年始は、例年とは異なる年末年始となりますが、明るい年を照らす光が一日も早く差し込んでくる日を期待します。