昨日(3/20)、長野市議会3月定例会が議了となりました。今定例会に上程された議案については全て可決され、新年度に向けた準備が加速していきます。
まず、私は、担当している常任委員会(総務委員会)及び、本日の本会議においても請願2件を除く議案については賛成をいたしました。
特に、新年度予算に関しては、本会議において賛成討論を行いました。新年度予算案への討論は、令和3年度予算一般会計予算案への賛成討論を行って以来、2度目となります。作成いたしました原稿を掲載いたします。
17番、改革ながの市民ネット 鈴木洋一でございます。
議案第1号、令和5年度長野市一般会計予算について、賛成の立場から、討論を行います。
令和5年度予算案は、「未来の担い手を支える子育て・教育・若者の活躍」、「未来の経済基盤を確かなものにする新産業創造へのチャレンジ」、「商工業や農業などの産業の振興による地域経済の成長」、「未来を切り拓くスポーツの力」の4つの柱に加え、東日本台風災害からの復興や、新型コロナウイルス、物価高騰、公共施設長寿命化対策に重点配分されたもので、大いに期待します。
その上で、何点か、更なる取り組み強化について、申し上げます。
はじめに、市民が主役のまちづくりの推進について、地域市民生活部の企画政策費、地域振興費等は、住民主体で持続可能なまちづくりを進めていく上で、重要な予算です。
他方、総務委員会委員長報告にあったように、住民自治協議会の運営にあたっては、負担感が増してきている状況への対策が求められているとともに、市の政策決定に繋がる重要な案件に係わる情報の提供方法等、庁内はもちろん、住民自治協議会と連携の図り方を再構築し、プロセスへの疑念が生じることが決してないような手法を早急に整えたうえで、各地域が直面している諸課題の解決に向けた積極的な取り組みが必要ではないでしょうか。
次に、治水対策についてです。新年度予算では、排水機場整備事業、令和元年東日本台風災害関連復興道路整備事業、信濃川水系緊急治水対策事業、河川水路改修事業に加え、公共施設や住宅などへの貯水施設等、市民も参加して流域全体で取り組むための予算が措置されています。
これらは重要な措置ですが、これまでの定例会一般質問において、取り上げましたが、流域治水に関しては更なる強化が必要だと考えます。
本市は、昭和62年に「総合治水計画」を策定し、現在、国が積極的に推進している流域治水対策を先取りし、個人住宅、アパート、工場、倉庫、店舗及び民間駐車場に対し、建築、改築を問わず雨水貯留及び浸透施設設置を要請してきましたが、道半ばで終わっています。
今回の流域治水については、本市として出来ることはすべてやりきる、という強い信念のもと、例えば、民間の大型駐車場等を雨水貯留浸透施設として位置づけ、雨水の貯留及び浸透の能力を上げ、雨水をできるだけ河道に流出させない流出抑制対策を講じていくこと等により、流域治水対策の更なる強化への取り組みが求められています。
加えて、信濃川水系緊急治水対策プロジェクトで示されている、ため池等既存施設の有効活用や田んぼダムを活用した雨水貯留機能の確保等を強力に進め、地域住民の生命と財産を守り抜くという行政の基本使命に基づいた能動的に取り組むべきです。
そして、「農業振興」です。私が、本定例会個人質問で予定していた項目であります。諸事情により、本会議場での議論が出来ませんでしたので、この場で述べさせていただきます。
本市の基幹産業である農業は、多面的機能を持つ社会的共通資本であり、集積・集約による効率化だけを目指すのではなく、行政が責任を持ち、農業者全体の所得増に向けて、積極的に取り組むべきです。
新年度の取り組みでは、ワイナリー施設整備事業補助金を新設し、農業機械化補助金、松くい虫被害木処理事業、農業者育成事業等が拡大され、農林業費全体では、5000万円増額の23.4億円となっており、農業委員会は大きな期待を寄せていました。
他方、長野市農業を支える多くの農業従事者に対する視点はどうなっているのか。いささか、物足りなさを感じます。
長期戦略2040は、現状と課題の項で、「果樹は機械化が難しく経営の規模拡大が困難、零細農家が多いことも後継者不足の一因」とまとめているが、その通りであります。これに対する手立てが十分とは言えないのでは、と受け止めています。
昨年12月定例会で指摘しましたが、本市の農業経営体4、214のうち、90%を500万円未満の経営体が占め、更に、100万円未満の経営体は2、340と全体の55.6%を占めています。
新年度予算は、認定農業者や大規模農家への支援が中心となっており、多くの農業者に行き届く支援とはなっていないのではないでしょうか。
国の「食料・農業・農村政策審議会」は、大規模農家を軸とした農政から、家族経営を含む多様な担い手が地域の農業と農地を維持し、地域の活性化に寄与する農政への転換について議論しています。より多くの農業者に支援が行き渡る施策を講じるとの発想を持ちながら、取り組むべきであります。
最後に、多くの市民の皆様から、新型コロナウイルス感染拡大、物価高騰等による生活の厳しさや台風災害からの持続可能な地域づくりの難しさ等、将来への不安の声を耳にします。その背景には、人口減少、少子超高齢社会の進展、更に、社会保障や財政状況の厳しさ、そして、気候変動という深刻な課題が顕在化しているからだと考えます。
新年度予算に求められているのは、市民生活の安定を確保するとともに、長期的な課題に取り組むことにより、不安を解消し、多くの市民が幸福を実感することに直結することだと考えます。
令和5年度が、市長のリーダーシップの下、本市が目指している「幸せ実感都市ながの」へと、更に前進することを切に願い、賛成討論といたします。
以上です。
2023年(令和5年)の幕が開け、早いもので3か月が経過しようとしていますが、本年の干支は卯年です。更に、卯年の中にあって「癸卯(みずのとう)」という年になります。ネットで調べてみますと、「「癸(みずのと)」は十支の最後にあたるため、物事の終わりと始まりを意味すると考えられる。
「卯(う)」はウサギを示し、元気に跳ねることから飛躍や向上を意味する。この二つが掛け合わさった「癸卯(みずのとう)は、「種がエネルギーを貯めて発芽し、芽吹き、グングンと成長して実り始める」いくような年になると考えられている」と言われています。そんな令和5年度とすべく、私も全力を尽くしてまいります。
昨日(3/2)、長野市議会3月定例会一般質問で登壇しました。前日の3月1日、他議員からの青木島遊園地に関した質問に対する市長の答弁を受け、私は、市が下した最終判断の内容に理解が及ばず、通告済であった質問項目の順番を入れ替え、青木島遊園地のみの質問となりました。ちなみに、通常であれば質問原稿を念入りに作成するところでありますが、午前中の同僚議員の質問及びそれに対する答弁を踏まえ、ほぼ、ぶっつけ本番で質問に臨みました。その概略をご報告させていただきます。
以下、私の質問内容です(議事録未入手のため、答弁は後日、別途掲載します)
<冒頭>
これまでの議論、市長の答弁をお聞きし、私が当初予定していた質問項目の順番を入れ替え、質問せざるを得ない状況となった。私のみならず、多くの市民、特に、地元の子供たち、住民にとって、大きな衝撃であり、大変ショッキングな結論だ。
<修正が必要な最終判断の理由>
市長が、廃止判断について、地権者の意向を理由としていることに大変な違和感を覚える。昨日(3/1)の市長答弁の「市が昨年、地権者に対し、廃止方針を示し、今年度いっぱいでの現状復旧を申し入れて以降、地権者が新たな土地利用を計画されている」ことと、引き続く論戦で「2月11日の住民説明会を経て、2月中旬に関係者との調整を行った」との答弁から、地権者の行動(新たな土地利用を模索すること)は、至極当たり前のことだ。
仮に、関係者との調整(本年2月)の中に地権者が入っていたのであれば、地権者に、概ね1年前に、廃止方針を示し、今年度いっぱいでの現状復旧を申し入れて以降、先月中旬まで、遊園地として継続利用について交渉をされてこなかったこととなる。よって、地権者の新たな土地利用計画を廃止決定の理由とするのは不適切であり、筋が違っているのではないか。「地主の方が新たな土地利用を計画されているから」との理由は修正すべきだ。
<この期に及んで、土地の継続利用はそもそも無理がある>
概ね1年前に、来月末で廃止と伝えているにもかかわらず、2月11日以降の段階で土地利用継続に関する調整(継続のお願い)に応じて欲しい、など無理がある。本年2月11日に開催した「住民説明会」の時点において、存続に向けての最大の課題は「土地の継続利用」だったのではないか。
<なぜ、施政方針(2/22)で示さなかったのか>
本定例会初日の市長施政方針演説において、青木島遊園地の課題として「周辺の住環境、子育て環境等、顕在化してきた課題を含め、総合的に改善・解決していく必要がある」、また、「近く、私が考える解決策を示す」と述べられた。2/22議会初日において、既に廃止決定の結論が出ていたのでは。なぜ、施政方針の際に、昨日(3/1)の答弁内容について説明されなかったのか。
<来月に迫った新学期に間に合うのか>
市長は、青木島遊園地問題の改善・解決策として「長期展望として学校の空き教室活用、青木島小学校敷地内への遊具増設、保護者の送迎用駐車スペース確保、校庭の開放、青木島保育園、児童センターの活用」を挙げられ、関係部局に検討を指示した、と述べられた。概ね1か月後には新学期が始まる。改善・解決策は、新学期に間に合うのか。
以上ですが、納得のいく答弁とは言い難い状況でした。更に、本日(3/3)繰り広げられた議論においても納得できる答弁とは言えず、でした。正直、私は、市長がこれまで会見等で、存続に向けた前向きな発言をされている、と受け止めてきました。青木島遊園地を巡る顕在化してきた課題解決に向けた取り組みを進めながら、少なくとも、廃止の延期、凍結等といった一歩前進した結論に繋がるのでは、と大きな期待を寄せておりました。
質問とは「わからないことや知りたいことなどを問いただすこと」です。私を含め、今定例会で複数の議員から青木島遊園地に関する質問がなされましたが、かみ合う場面がほぼありませんでした。残念でなりません。おそらく、来週の一般質問においても取り上げられると思いますが、説得力のある、多少なりとも納得のできる答弁を期待したいところです。
昨日(3/2)、長野市議会3月定例会一般質問で登壇しました。前日の3月1日、他議員からの青木島遊園地に関した質問に対する市長の答弁を受け、私は、市が下した最終判断の内容に理解が及ばず、通告済であった質問項目の順番を入れ替え、青木島遊園地のみの質問となりました。ちなみに、通常であれば質問原稿を念入りに作成するところでありますが、午前中の同僚議員の質問及びそれに対する答弁を踏まえ、ほぼ、ぶっつけ本番で質問に臨みました。その概略をご報告させていただきます。
以下、私の質問内容です(議事録未入手のため、答弁は後日、別途掲載します)
<冒頭>
これまでの議論、市長の答弁をお聞きし、私が当初予定していた質問項目の順番を入れ替え、質問せざるを得ない状況となった。私のみならず、多くの市民、特に、地元の子供たち、住民にとって、大きな衝撃であり、大変ショッキングな結論だ。
<修正が必要な最終判断の理由>
市長が、廃止判断について、地権者の意向を理由としていることに大変な違和感を覚える。昨日(3/1)の市長答弁の「市が昨年、地権者に対し、廃止方針を示し、今年度いっぱいでの現状復旧を申し入れて以降、地権者が新たな土地利用を計画されている」ことと、引き続く論戦で「2月11日の住民説明会を経て、2月中旬に関係者との調整を行った」との答弁から、地権者の行動(新たな土地利用を模索すること)は、至極当たり前のことだ。
仮に、関係者との調整(本年2月)の中に地権者が入っていたのであれば、地権者に、概ね1年前に、廃止方針を示し、今年度いっぱいでの現状復旧を申し入れて以降、先月中旬まで、遊園地として継続利用について交渉をされてこなかったこととなる。よって、地権者の新たな土地利用計画を廃止決定の理由とするのは不適切であり、筋が違っているのではないか。「地主の方が新たな土地利用を計画されているから」との理由は修正すべきだ。
<この期に及んで、土地の継続利用はそもそも無理がある>
概ね1年前に、来月末で廃止と伝えているにもかかわらず、2月11日以降の段階で土地利用継続に関する調整(継続のお願い)に応じて欲しい、など無理がある。本年2月11日に開催した「住民説明会」の時点において、存続に向けての最大の課題は「土地の継続利用」だったのではないか。
<なぜ、施政方針(2/22)で示さなかったのか>
本定例会初日の市長施政方針演説において、青木島遊園地の課題として「周辺の住環境、子育て環境等、顕在化してきた課題を含め、総合的に改善・解決していく必要がある」、また、「近く、私が考える解決策を示す」と述べられた。2/22議会初日において、既に廃止決定の結論が出ていたのでは。なぜ、施政方針の際に、昨日(3/1)の答弁内容について説明されなかったのか。
<来月に迫った新学期に間に合うのか>
市長は、青木島遊園地問題の改善・解決策として「長期展望として学校の空き教室活用、青木島小学校敷地内への遊具増設、保護者の送迎用駐車スペース確保、校庭の開放、青木島保育園、児童センターの活用」を挙げられ、関係部局に検討を指示した、と述べられた。概ね1か月後には新学期が始まる。改善・解決策は、新学期に間に合うのか。
以上ですが、納得のいく答弁とは言い難い状況でした。更に、本日(3/3)繰り広げられた議論においても納得できる答弁とは言えず、でした。正直、私は、市長がこれまで会見等で、存続に向けた前向きな発言をされている、と受け止めてきました。青木島遊園地を巡る顕在化してきた課題解決に向けた取り組みを進めながら、少なくとも、廃止の延期、凍結等といった一歩前進した結論に繋がるのでは、と大きな期待を寄せておりました。
質問とは「わからないことや知りたいことなどを問いただすこと」です。私を含め、今定例会で複数の議員から青木島遊園地に関する質問がなされましたが、かみ合う場面がほぼありませんでした。残念でなりません。おそらく、来週の一般質問においても取り上げられると思いますが、説得力のある、多少なりとも納得のできる答弁を期待したいところです。
昨日開会した長野市議会3月定例会には、もう一つ大きな議案がありました。本年秋に改選される長野市議会議員の定数に関する議案です。この議案は、自分たちのことは自分たちで決める、という原則に基づき、議会自らが提出した議案です。
昨年から長野市議会は、議会活性化検討委員会において議員定数削減について論議して参りました。私も同委員会の委員を務めてまいりました。振り返ってみると、まず、自分自身で頭の中でしっかり整理し、会派内での議論、それを踏まえての委員会での議論等、大変な重責を担わせていただいた、と感じています。
そして、昨日、議会提出議案として「長野市議会の議員の定数を定める条例の一部を改正する条例案」上程され、採決が行われました。結果、賛成多数となり、長野市議会議員定数が現行の39人から36人へと削減し、次期市議会議員選挙が挙行されることとなります。
採決の前に、本議案について「賛成」の立場から討論を行いました。私なりに熟考を重ね作成した原稿ですが、掲載させていただきます。
~冒頭~
議会第3号 長野市議会の議員の定数を定める条例の一部を改正する条例案に対し、賛成の立場から討論する。
平成29年7月、長野市住民自治連絡協議会会長から、議長あてに、議員定数の在り方に関わる要望書が提出された。また、市民からは「議員が多すぎる」、「報酬が高すぎる」等、厳しい意見が寄せられている。
一方、形式的な議員定数削減は、地方公共団体の二元代表制を担う議会機能の低下につながることが懸念されるため、市民参加の機会拡大等による議会の機能強化と併せて定数問題を考えていかなければならない。
1.議会の機能強化
龍谷大学の土山教授は、議員定数について「どんな規模の自治体であれ、市民の多様な意見を拾い上げ、市政に反映していくことは、市民に最も近い地方議会としての重要な機能である。
そのため、議員の「代表性」機能を重視すると、代表者の数が多いことが好ましいことになる」としつつ、同時に、「議会への市民参加の機会拡大によって代表性機能の充実を図る必要がある」と述べている。
人口減少社会において、本市議会が、これまで以上にその役割を果たすためには、本市が直面している課題である、中山間地における過疎化と都市部への人口集中、累次の合併等による市域の広域化、市民生活の多様化や地縁の希薄化等の変化、に対応するため、議会活性化検討委員会で意見があったように、議会が地域に出向き、意見交換会を定期的に開催する等、市民参加の機会拡大策を講じ、議会の機能強化を図っていくことが必要だ。
2.人口動向における規定
明治大学の井田教授が、「全国の自治体議会における人口と議員定数には、ある程度の相関が認められ、人口動向が定数設定における最も強い規定要因となっている」と書いていることや、現在、議員定数については、上限数の制限は撤廃されているものの、1999年の地方分権一括法による地方自治法改正までは、人口区分に応じた法定数を基本としていたことなどを踏まえると、本市議会の議員定数については、人口動態、人口推計に規定されることは妥当であり、適切な判断だと考える。
長野市人口は、本年1月1日で368、717人と既に36万人台へと減少が進み、更に、令和4年2月の「長野市人口ビジョン改訂版」は、長野市の総人口を2030(令和12年)は361,236人、2040年(令和22)年に336,123人、2045(令和27)年には322,177人と更なる減少が続く、と推計している。
3.まとめ
長野市人口は36万人台へと減少し、更に、人口減少が進展していく現状を踏まえると、現在の定数39は、必ずしも適正とはいえないため、議会における市民参加の拡大策等、議会機能の充実について検討することを前提とし、平成18年に議員定数削減の目安とされた「人口一万人あたり一人の議員」との考え方に基づき、次の改選期における議員定数を36とすることは適正である、と考える。以上、賛成討論とする。
最後までお読みおただき、ありがとうございました。
昨日、長野市議会3月定例会が開会し、「令和5年度長野市一般会計予算」など予算関係23件、条例関係12件、その他議案9件、報告5件が上程されました。
本定例会は、新年度予算の審議が中心となり、来週から始まる一般質問、その後に続く各常任委員会での活発な議論が展開されていくこととなります。私も、一般質問、委員会審議に全力を尽くしてまいります。
そして、本定例会において注目され、また、多数の関心が寄せられていることは、青木島遊園地の問題です。市長の施政方針演説の最後に、現在の市長の考え方が次のように述べられましたので、要旨をまとめてみました。
市長:
<これまでの経緯と市長の認識>
遊園地廃止の判断について、市民から遊園地存続を望む意見が多く寄せられた。
再度、青木島地区区長会と懇談の機会を設け、更に、住民説明会を開催し、地域住民の意見を伺ってきた。
住民説明会では、廃止の判断に至るまでの経緯への疑問、子どもたちのために遊園地を存続してほしいとの意見があった。
他方、生活環境の面から遊園地廃止方針に賛同する意見もあった。更に、青木島小学校を含めて、子どもたちが遊べる環境整備への提案をいただいた。
青木島遊園地の利用をめぐるこれまでの状況や関係者との協議、区長会の要望など、18年間の経過を踏まえ、総合的に廃止の判断をしたが、住民説明会などを開催する中で、様々な受け止めがあることを改めて認識した。
<現状の課題>
遊園地存続の選択肢を含めて熟慮してきたが、遊園地の土地が借地であること、遊園地を存続した場合、遊園地の利用方法や管理方法、児童センターや保育園の送迎などの課題がある。
また、個人のプライバシーが侵害される事案が発生している。世間での反響の大きさに地区役員が困惑し、意見の対立から地域の分断、更なる人権侵害につながることを懸念している。
もはや、青木島遊園地の存廃という問題だけでなく、周辺の住環境、子育て環境など、顕在化してきた課題を含めて、総合的に改善・解決していく必要がある。
<今後>
様々な課題や制約を勘案し、近く、解決策をお示ししたい。
<鈴木洋一の考え、一刻も早い結論を示すべき>
以上ですが、市長が苦心に苦心を重ねていることが伝わってまいります。しかし、これらの状況は廃止の判断に至る間において認識されていたことであると思います。むしろ、こうした現況、現状をないがしろにしてきたのではないか、当初の説明との齟齬があったのではないか等、市長の発言にあった「プライバシーの侵害、地区役員の困惑、地域の分断、更なる人権侵害」に至らしめている、と絵私自身、忸怩たるものがあります。
市長は速やかに、現時点での廃止の判断を撤回もしくは凍結等、明確に示すべきです。その上で、課題への対策について、広く深い議論を重ね、これまで以上の施設としていかなければならない、と考えます。
これまで市長は、自分自身の責任で結論を出す旨の発言をしております。より多くの人たちが歓迎する結論を一刻も早く示すことが求められているのです。
大雪により行程を一部変更しましたが、1月25日、26日の2日間、新潟県三条市と見附市を視察してまいりましたので、視察の報告をさせていただきます。
1月25日(火)
〇過去の災害と災害からの復興について
三条防災ステーション(三条市水防学習館、新潟県三条市)
<概要>
三条市水防学習館は、平成16年の7.13水害及び平成23年7月27日から30日の記録的な大雨による水害、いわゆる7.29水害を受け、水害を忘れず、水害に学ぶことを目的として平成24年5月に設置された。 非常食等が展示され、更に、情報発信モニター、ドア水圧体験、水害降雨再現シアター等により、小学生から大学生、また、各団体等が水害について学ぶ場所となっている。
<所感>
開所当時は別の団体が指定管理を担っていたが、現在、施設を管理しているのは指定管理者かわまち・ドットコム。開所当時は多くの見学者があり、水防学習の場として機能していたが、昨今に至っては、見学者を呼び込むことが一つの課題であるとのこと。その一環として「ミズベリング三条」と称した自由に利用できるエリアを再構築しながら水防学習に繋げる取り組みを行っている。
7.13、7.29水害発生以降、三条市及び周辺市町村、更に、国や県による復興事業が行われ、水害発生リスク低減が図られている一方で、過去の水害について学ぶ意欲が薄らいでいる側面があると思われる。
長野市は、現在、様々な復興事業、治水対策、とりわけ、国県及び流域市町村とともに河川整備等を進めているが、行政機関はもとより、各議会、住民は進捗状況をつぶさに点検し、過去の水害から得た教訓を後世に繋ぎ、気候変動等の状況の変化に伴う水害発生リスクを忘れないために、長沼防災ステーションにおいて、常時、災害学習が可能な常設型のスペースを充実させることが必要ではないか、と考える。
〇信濃川水系下流域での災害の状況について
信濃川大河津資料館(新潟県三条市)
大河津分水路の川幅拡幅工事について(にとこみえーる館、新潟県三条市)
<概要>
2022年8月、大河津分水路通水100周年と関屋分水路50周年の節目を迎えた。しかしながら、大河津分水路改修事業は現在も継続中であり、更に、令和元年東日本台風等を受け、事業完了年度が当初の令和14年度から令和20年度へ、また、全体事業費も当初予算から500億強増額となる約1,765億円となる大規模な事業である。
また、「にとこみえーる館」は、現在工事中の現場にほど近く、大河津分水路改修事業の工事内容を知ることが出来るとともに学ぶことができる施設となっている。
<所感>
信濃川水系河川整備は、河川法に基づき、平成21年に整備基本方針、平成26年に整備計画が策定され、概ね30年で河川整備を進めるとされてきた。しかし、度重なる洪水被害、特に、令和元年東日本台風災害を受け策定された信濃川水系緊急治水対策プロジェクト、その整合性を取るために変更された河川整備計画により、千曲川、犀川を含めた信濃川水系における河川整備は大きな転換期を迎えている。国等は常に上下流のバランスと口にするが、プロジェクト、河川整備計画はそれに基づいたものだと認識しているが、上下流のバランスを口実に、上流の整備が遅滞することは許されることではない。計画に則り、着実に事業を進めていくことを強く求めたいところだ。
「にとこみえーる館」の存在は、上下流域住民にとって、大河津分水路改修工事の早期完了は悲願である一方で、ハード面強化に関する事業の壮大さと道のりの長さを実感できる場である。予算や工期を再認識することで、ソフト対策への理解と協力の推進につながることに期待を寄せたい。
〇近年の災害と流域治水等の取り組みんについて
災害からの復興と課題 田んぼダム、備蓄等計画(見附市役所、新潟県見附市)
<概要>
見附市を流れる刈谷田川は、信濃川下流域の再上流部に位置する。平成16年7月の7.13水害において、刈谷田川で6箇所の破堤、そのうち5箇所が見附市域であったことに加え、7年後の7.29水害を受け、刈谷田川ダムの治水機能20%の向上、堤防の嵩上げ、屈曲部改修、そして田んぼダム、遊水地整備が進められた。
見附市の田んぼダムは、県営圃場(約1200ha)の活用も功を奏し、長時間降雨では下流、短時間降雨時は上流への効果が大きい等、農業が持つ多面的機能が発揮されており、新潟大学の調査においても、地の利を活かしての効果の高さが評価されている。
<所感>
現在、国を挙げて取り組みが進められているのが「流域治水」である。「流域治水」は、河川、河道への流出量の抑制を目的としている。つまり、農地をはじめ、学校校庭、道路、駐車場等において、最大限貯留し、河川の氾濫を防ぎ、被害を極力小さくするための対策である。刈谷田川ダムの貯水量(393万トン)の64%となる252万トンを貯留可能とする田んぼダムの効果は新潟大学の報告でも裏付けられ、取り組み当初に直面した課題を乗り越え、事業確立に至ったことは、行政はじめ関係者による治水安全度向上に対する強い危機感からだと受け止めた。心より敬意を表したい。
更に、意義のある取り組み事例は、水位調整官の取り換えだ。設置当初の横穴式では、地主の操作が必要であることから田んぼダム実施率が約39%と機能させるには不十分であった。そこで、操作不要となるコーン型に入れ替えたことで実施率が約100%となり、床上浸水ゼロとなる等、関係者の柔軟かつ積極的な姿勢、取り組みは治水対策を進めるうえで、大いに参考とし、長野市でも醸成しなければならないことだ。
長野市を含む千曲川・犀川流域において、見附市スタイルをそのまま採用することは困難かもしれないが、小さくともすべての農地が貯水能力、多面的機能を発揮し、河川への流出量抑制に繋げる取り組みを更に強化する必要がある。
また、見附市田んぼダム事業において特筆すべき点として、総事業費約1,500万円で、実に、刈谷田川ダムの総事業費の0.027%であったことを挙げたい。多額の経費、長年にわたる工期等のこれまでの治水対策における常識を覆す取り組みとなったのではないか、と考える。
本市は、全ての市民、事業所等が協力できる体制構築のための取り組みについて、まだまだ十分とはいえない。流域治水に必要なことは何なのか、再度、検討し、事業化を進め、生命及び財産を守り抜く施策を求めたい。
〇近年の災害と流域治水等の取り組みについて
遊水地整備の経過(見附市役所、新潟県見附市)
<概要>
平成16年7月の7.13水害を受け、平成16年から22年、事業費約34億円が投じられ、刈谷田川における洪水対策(新潟県長岡地域振興局整備部の刈谷田川災害復旧助成事業)として、遊水地整備が進められた。
同遊水地は、地役権方式が採用されており、約91町歩(約99ha)、355戸の農地所有者によって、通常は水田としてそれぞれ耕作され、洪水となった際、刈谷田川に流れる水を一時的にため込むことで下流への流量を減少させる機能を担っている。刈谷田遊水地は面積912,000㎡、計画貯水容量は2,347,000㎥で、刈谷田川ダムの貯水量(393万トン)の約60%に値する。遊水地により刈谷田川の水位を約35cm低下させる効果を発揮し、平成23年7月の7.29水害では、平成16年のような大きな災害から地域を守った。
<所感>
長野市を含む長野県域において、信濃川水系緊急治水対策プロジェクトに則り、現在、蓮(飯山市)、上今井(中野市)、塩崎(長野市)、埴生、平和橋(共に千曲市)の5カ所で遊水地整備計画が進められている。しかし、住民の合意形成、他整備の進捗状況等により、着工そのものに遅れが生じると言われており、遊水地整備完了の遅れがもたらす影響を懸念するところである。
篠ノ井塩崎に計画されている遊水地整備における事業進捗管理、更に、その後の維持管理等において、本市には一定の責任がある。地球温暖化が進展し、更なる豪雨災害リスクの高まり、被災地区でもある篠ノ井地区のみならず、水害リスクに不安を募らす多くの流域住民は早期完成に期待を寄せている。
他方、農作物補償、農地移転など、当事者が直面している課題もあり、多くの関係者は理想と現実の間で思いは交錯している、と受け止めている。
しかし、遊水地整備によるリスク軽減は、刈谷田川遊水地の実績からその効果は明らかであり、一刻も早い整備完了が流域住民の生命と財産を守る上で、行政として果たさねばならない責務である。
刈谷田川遊水地は地役権を設定した上での整備が行われた。地役権は原則、洪水により収穫が見込めなくなった場合でも補償されない。刈谷田川遊水地においてもNOSAI等の保険への加入を進めているとのことだ。
それぞれ地域には賛否さまざまな意見、考え方があるが、毎年のように起こり得る記録的な大雨、大型化している台風上陸においても、地域を守り得る安全性をより高めるために、本市は今以上に何ができ、何をしなければならないのか、すべきか等、今こそ整備に向け、主体的かつ能動的に動かなければならないのではないか。
以上です。
つくづく感じるのは、緊急性がありながら中々事業着手に至らないケースが多い、ということです。災害対策だけでなく、日常生活を送るうえで、可及的速やかな対策が必要な事業も然りです。
私たちは、常に、市民生活が第一の視点で、行政に対し、喧々諤々、議論をしていかなければなりません。
治水対策は、私にとっても最重要テーマです。視察で得た事項を今後の活動に活かしてまいります。
早いもので今年もあと少しとなりました。
この1年、おかげ様で元気に活動をすることができ、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
本日は、朝から、地元神社の越年祭準備、その後、我が家の大掃除、挨拶周りを終え、無事に本年締めくくりとなる1日を無事、終えることができそうです(この後、22時30分から越年祭がありますが)
来年はうさぎ年です。穏やかに、そして躍動の年となるよう、何事にも全力を尽くして頑張ります。
少し暖かな大晦日ですが、皆様、体調管理にはご留意いただき、良いお年をお迎えください。
鈴木洋一拝
昨日(12/19)、長野市議会12月定例会が閉会しました。今定例会に上程された議案について、全て原案通り可決となり、私も全ての議案に賛成しました。
まず、令和4年度一般会計補正予算の内容は、既にご報告のとおり、建設業、製造業、運送業を営む市内中小事業者の事業継続を支援するための「建設・製造・運送業対象原油価格高騰対策特別支援事業」640、000千円をはじめ、新型コロナ関連として「新型コロナウイルス感染症入院医療費公費負担事業」61,234千円、「新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業」890,331千円、オミクロン株対応ワクチンの小児(5~11歳)への3回目接種及び乳幼児(6か月~4歳)への初回接種について体制確保に要する経費の増額等です。
いずれも必要な事業であり、早急な対応が求められていることから賛成いたしました。他議案につきましては、法改正等に伴い長野市の関連する条例の改正案であることから賛成した次第です。
そして、今定例会で私も一般質問にて登壇させていただきました(12月9日)。私が取り上げた質問について一部ご紹介します。
<50歳以上の新規就農者への支援>
本市農業政策において強化すべき取組として、50歳以上の新規就農者への支援がある。本年9月30日に公表された令和3年の全国新規参入統計結果によると、全新規参入者5万2、290人のうち、自らリスクを取り、土地や資金を調達し、新たに農業を始めた新規参入者は3、830人、7%となっており、さらに、そのうちの1,140人が50歳以上と3割を占めている。統計数値から見ても、50歳以上の新規就農者への支援は意義のある政策だ。
<優良農地再生事業、草刈りマッチング事業>
遊休農地発生防止解消に向け、草刈りや流木の伐採等を行う組織の募集や、そうした作業も受託する際の支援の必要性が高まっている。藤枝市では、草刈り作業ができない人と草刈り作業が可能な人を登録し、双方の意向をマッチングする草刈りマッチング事業に取り組んでいる。本市においても構築すべきだ。
<優良農地再生事業、農地再生補助金>
浜松市では、市内全域を対象として農地再生補助金を市単独予算で取り組んでいる。本市には優良農地復元事業として、被災地区荒廃農地利活用補助金事業、中山間地域農業活性化事業があるが、平坦地域の荒廃化してしまった農地を耕作可能な農地に復元するための助成措置についても検討し構築すべき。
<農業所得500万円>
長野市認定農業者の認定における農業所得500万円は、目標値として現実と乖離しており、高過ぎる、と指摘されている。本市の農業経営体4,214のうち90%を500万円未満の経営体が占め、さらに100万円未満の経営体は2,340と全体の55.6%だ。
本市農業は兼業農家を含めた多様な農業経営体が担っている一方で、多くの農家に支援が行き届いていないのではないか。
国の食料・農業・農村基本計画は、家族経営を含む多様な担い手が地域の農業と農地を維持し、地域の活性化に寄与できる取組を進めると整理している。農業所得500万円の見直しと経営規模に関わらず、より多くの農業者に支援が行き渡る施策を講じるべきだ。
<青木島遊園地廃止>
現在、報道等により、地域住民はじめ多くの市民が不安や不満等で大変混乱している状況だ。近隣の住民の皆様方はじめ、あらゆる関係者に対し、今回の経緯、今後の対応等について、懇切丁寧な説明が重要だ。
以上です。それぞれの質問に対し、答弁をいただきましたが、特に、農業振興に関しては、まだまだ、議論の余地があり、更に、農業委員会等とも連携しながら、必要な事業の構築に向け、取り組みを深めていく必要があると考えます。
また、青木島遊園地について、信濃毎日新聞で報道されて以降、多くの方々とこれまでの経緯等を含め、意見交換をさせていただきました。今後の対応について、行政、地域、各施設、そして我々等がこれまでの経緯を踏まえ、より多くの方々が納得する最良の案を示し、公園(遊園地)が果たす役割を十分に担える施設について、早急に取り掛からなければなりません。
本日、長野市議会12月定例会が開会し、12月19日までの19日間、本会議場及び委員会室にて論戦が交わされます。今定例会に上程された主な議案は、補正額を2、039、199千円とした令和4年度長野市一般会計等補正予算、条例改正等となります。
私も、12月9日(金)15:35頃から、個人質問で登壇を予定しており、現在、質問に向け準備をしています。本日、市長より、議案提出の説明がありましたので、一部ですが紹介します。
<子育て支援について>
本年5月にオープンした「こども総合支援センターあのえっと」は、 11月25 日現在で849 件の相談をいただいた。そのうち 236 件は他機関との情報共有や連携支援など支援の横展開につながっている。しかし、相談のしやすさを感じていただいていると思う一方で、保護者や子どもたちが様々な悩みや困りごとを抱えていることの表れでもあることから、引き続き、子育て支援に重点的に取り組む。
<市内経済の活性化について>
本年4月からおよそ3か月間にわたり行われた善光寺御開帳では、「日本一の門前町大縁日」を開催して、まちのにぎわいを創出した。イベント主催者に感染対策を講じていただき、市民や来訪者の協力の下、感染拡大を招くことなく、御開帳期間を終えることができた。
御開帳の期間がおよそ1か月延長されたこともあり、636 万人の参拝者と1、095 億円の経済効果を生んだことで、市内経済の回復の足掛かりになったと受け止めている。
御開帳後も切れ目のない経済対策を継続し、現在、発行総額 72 億円の「ながのビッグプレミアム商品券事業」により消費を喚起し、市内経済の下支えを図っている。
また、コロナ禍に加え、原油・物価高が市内経済のリスクとなっていることから、本定例会に補正予算案として、建設業、製造業、運送業を営む市内中小事業者の事業継続を支援するための経費などを計上した。
一例ですが、「建設・製造・運送業対象原油価格高騰対策特別支援事業」640、000千円は、財源を全額、国交付金とし、原油価格高騰等の影響を大きく受ける建設、製造、運送業に対し、経費増大の負担軽減と事業継続の支援に要する経費です。
給付要件:市内で経営の店舗、事業所を有する建設、製造、運送業の中小法人と個人事業主(2,300件を想定)
給付金額:本店所在地(法人)または住民票(個人)が市内にある事業者に、前事業年度の売上高に応じて給付
3億円以上・・50万円
1億円以上、3億円未満・・40万円
3千万円以上、1億円未満・・30万円
3千万円未満・・20万円
※市内に事業所のみ有する事業者及び新規開業者には一律10万円給付
<財政運営について>
10 月に公表した今後5年間の財政推計では、引き続きの社会保障関係経費の増加に加え、公共施設の長寿命化対策、河川防災ステーション等の東日本台風災害復興関連事業の本格化や国民スポーツ大会に向けた施設整備などの普通建設事業費の増加を見込んでいる。これらの財源は、市債の発行と財政調整基金の繰入により対応することとなるため、令和3年度決算で減少させた市債残高は、令和5年度を底に再び上昇し、令和3年度決算で蓄えた財政調整基金は、令和8年度には4割が減少する厳しい財政運営が見込まれている。健全財政の維持に加え、新たな産業の育成など経済基盤の強化を通じた税収の確保が本市財政運営の最重要課題だと認識している。
<令和5年度当初予算について>
令和5年度当初予算は、「ウイズコロナ、アフターコロナ」に有効な事業、台風災害からの復興、新型コロナウイルス感染症対策、原油価格・物価高騰対策も加えた「喫緊の課題解決」に対応する事業、公共施設長寿命化対策事業に予算を優先配分し、健全財政を損なうことのないよう予算編成を進めていく。
<コロナウイルス感染症対策について>
10 月中旬以降、新規感染者数が再度増加し、現在、第8波の状況となっている。ワクチン接種は、9月末からオミクロン株対応ワクチンの接種が開始されているが、接種間隔が3か月間へ短縮されたことに加え、季節性インフルエンザとの同時流行を見据え、接種を促進する必要がある。南長野運動公園への臨時接種会場の設置や、ワクチンバスの運用などを追加し、本年中に全ての対象者が接種可能な体制を構築している。多くの市民の皆様になるべく早期に接種していただけるよう、更なるPRに努めていく。
<自治体新電力について>
エネルギーの地産地消を推進し、CO2 排出削減、市外に流出するお金の地域循環化、電力販売収益の再投資によるゼロカーボン事業の推進は、効果が期待できる一方で、電力市場の価格高騰を受け、電力の供給停止や撤退といったケースも報道されている。詳細調査を通じ、事業性やリスク対応をしっかり検証した上で、設立の適否を判断していく。
<農業振興について>
新たな取組では、「ワイン特区」の名称を「長野市ワイン・シードル特区」として10 月21 日に内閣総理大臣に申請した。今後も、ワイナリー開設を目指す事業者の支援を行い、原料果樹の生産拡大につながる事業の実施により、農業振興につなげていく。
<園児送迎バスの安全確認について>
他の自治体で、保育園児が車内に置き去りにされ亡くなる事案が昨年に続き発生した。本市は、送迎バスを運行している市内の保育施設を対象に、緊急点検を行うとともに実地調査を行い、安全確認した。全国では繰り返し同様の事案が発生していることから、国の第二次補正予算案に盛り込まれた「送迎用バスへの安全装置の導入支援」等の補助制度について、活用を積極的に検討していきたい。
以上です。今日から始まった12月定例会、緊張感を持って臨んで参ります。
早いもので、11月も終わります。長野市議会12月定例会を目前に控え、その準備に取り掛かっているところです。
11月29日付けの信濃毎日新聞をみましたら、地方議会改革について、政府の地方制度調査会(地制調)専門小委員会が答申案をまとめた、との記事に接しました。
記事では、「後を絶たない不祥事の抑止」や議会、議員の責務などを地方自治法に規定することを柱とし、国会議員の委員らが参加する総会において年内に正式決定する、また、新たに規定する内容として「自治体の重要な意思決定に関する議決を行う」や「議員は住民の負託を受けて誠実に職務を行う」等、議会が果たすべき役割や議員の心構えを地方自治法に定めるよう政府に求め、議員の深刻な成り手不足を受け、議会に対する住民の関心を高め、女性や若者ら多様な人材の参画を促す、との内容でした。
こうした動きへの私の受け止めとして、法に規定することなのか、と考えてしまう部分も正直ありますが、他方では、それだけ地方議会の形骸化や議員の資質等について課題があるといった現状だとも考えます。
ちょうど、今年の1月、地元有線放送の新年挨拶放送において、議会や議員の役割等について述べさせていただきましたので、要旨をご報告します。
『長野市は、喫緊の課題である、新型コロナウイルス感染症対策、台風第19号災害からの復興及び災害に強いまちづくり、また、人口減少、少子超高齢社会、社会保障関係経費の増大、公共施設の老朽化への対策、健全財政、気候変動など、構造的な課題を抱えている。更に言えば、IPCC第6次評価報告書や環境省の試算、2018年のグローバル気候リスク指標の指摘等を考えると、長野市は災害のリスクを再認識し、ハード対策としての治山治水と、その根本的原因としての温室効果ガス大幅削減に全力で取り組む必要がある。
私たち議会、議員には、様々なリスクを抱えている中であっても、私たちも含め、将来世代が安全かつ安心して住み続けられる長野市をつくり出す責務がある。
地方議会は、住民全体を代表する機関であり、住民の直接選挙で選出される議員で構成されており、地方公共団体の意思を決定する機能及び執行機関を監視する機能を担い、同じく住民から直接選挙された市長はじめ執行機関と相互にけん制し合うことにより、地方自治の適切な運営を実現することとされている。
重要なことは、議会がその責任を全うし、各関係機関が更に、連携、協力しながら、市民生活を取り巻くリスクを最小限に抑え、安全で安心した日々の生活を送ることができる社会を造りあげ、長野市が目指す「幸せ実感都市ながの」の実現に向け、確実に歩を進めていくことだ』
以上ですが、改めて、市民が望む議会、議員とは何なのか、何を期待しているのか、その上で、私たち一人一人が自覚を持って十分な日常活動を行えているのか等、常に、その責任を感じながら、市民の負託に応えていかなければなりません。
その上で、地方制度調査会が最終的に、どのように地方議会改革についてまとめていくのか、私も注視してまいります。