長野市議会議員会派

改革ながの市民ネット

課題を整理し、万全の備えを

 1月27日に適用された「まん延防等重点措置」期間が3月6日まで延期されました。2月22日、長野県議会において知事は「感染急拡大していた新規感染者数の伸びが頭打ちになってきている」と述べたように、長野市内においても、一時期の感染急拡大のフェーズからは脱しているように感じます。  既に県は、まん延防止等重点措置解除の目安として確保病床使用率の数値を示していますが、感染力がより強いとされている“ステルスオミクロン”「BA.2」による感染事例が東京、大阪、神奈川で発表されているように、油断大敵です。  2月23日付けの信濃毎日新聞は、行政は重く受け止め、取り組みに反映させなければならい重要な問題提起を行った、と受け止めています。  以下、まとめますと、記者さんのお子様が通う小学校で、新型コロナの影響により、今年4回目の学級・学年閉鎖となった。 学校から、校内で感染者が確認されたことから学年閉鎖となる、お子さんの迎えの依頼があった。周囲から「感染可能性の説明」を含め「学校からの説明が不十分」との声が聞かれるなど、学校からの説明が不十分であること、更に、学校から送られるメールの内容が、①閉鎖期間 ②PCR検査の対象となった場合、保健所から連絡がくる ③不要不急の外出を控える等の内容が主で、同居家族の外出制限はない。④体調不良でなければ兄弟姉妹の登校可能とする等、「理由なき指示」の羅列といった印象がある、と指摘しています。 更に、保護者として、子どもに対し、家庭内における感染対策や、学校での感染予防について明確に指導できるような説明を求めている、としていました。  更に、記事では、Q&Aで大変分かりやすくまとめていましたが、その中で、家族に外出制限を求めない理由を長野市に尋ねたのに対し、市は、「感染可能性の高い集団に限定的に外出制限を要請するのが国の方針。学校も陽性者が出たら学級単位の閉鎖で感染の連鎖を断ち切るのが原則。一方、家庭内感染のリスクは否定できず、家庭内の感染予防を呼び掛けている」と回答していました。十分にご納得のいく回答ではなかったのではないか、と推察します。  第68回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料. 2022年1月20日によりますと、国内の流行初期の多くの事例が従来株やデルタ株と同様の機会(例えば、換気が不十分な屋内や飲食の機会等)で起こっていると考えられましたが、市中で感染拡大している地域においては、感染の場が児童施設、学校、医療・福祉施設等に広がっているとの認識があり、実際、第6波の長野市における感染動向からも、同居家族内での感染拡大が市内全体の感染拡大に繋がっている、ことは明らかだったはすです。  市が言う、国の方針に則って進める対策や学校、学級単位での閉鎖で感染の連鎖を断ち切ることは、当然の取り組みです。国の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」の中では、「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」等を踏まえた対応を基本としつつ、感染状況を踏まえ、学校設置者の判断で機動的に行い得る、としていますし、家庭内が、感染予防を懸命に呼び掛けても感染可能性の高いある意味リスクのある場所だったわけですから、限定的な外出等の自粛要請を行うケースだったのではないか、行うべき感染拡大防止策だったのではないか、と考えます。  第6波の対応にあたった市保健所、医療機関、学校や保育園、高齢者施設等でご奮闘いただいたすべての皆様に敬意を表しますとともに、心より感謝申し上げます。 その上で、第6波までの対応において、長野市の感染状況に応じた独自の対策を講じる場面があったと思いますし、その必要性を感じています。基本的対処方針は必ずしもがんじがらめのものではないのではないか、その枠から出ない範囲で、信毎記者さんの事例に対応できる取り組みができるのではないか、と思います。市民の皆様から信頼を得るに足る対応ができるよう、これまでの課題を整理し、第7波に備えなければなりません。

オミクロンに対応できる具体策を論じる場は

 昨年11月、ニッセイ基礎研究所主任研究員、篠原拓也氏が論じた『新型コロナ 社会的な終息に向かう?』について、オミクロン株による新型コロナ急拡大下にある今、大変重要な指摘であると思いますので、以下、概要を紹介します。 <楽観バイアス>  コロナ禍が始まって2年となるが、この間、感染の波は何度も襲来した。昨年夏、緊急事態宣言が発令されている中、東京オリンピック・パラリンピックが開催され、自粛と祭典という正反対のメッセージを人々に発した。結果として、コロナ軽視の楽観バイアスが生じた。  一昨年、最初の緊急事態宣言が発せられ、誰もが未経験の事態に直面し、社会全体で自粛に努める動きがみられたが、その後、徐々に人々に馴れが生じ、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の実効性が薄れていくと同時に人々はコロナ禍に順化していったといえる。 <2通りのパンデミック終息>  一昨年5月、アメリカの歴史学者は、パンデミックの終わり方には2通りある、と述べていた。 1つは「医学的な終息」で、罹患率や死亡率が大きく低下し感染が終息すること。もう1つは、「社会的な終息」、感染状況が変わらないまま、病気に対する恐怖心が薄らぎ、人々は疲弊し病気とともに生きることで終息するとうこと。 <過去の社会的終息>  社会的収束の代表例が、1918年にアメリカを起点に流行が始まったスペインかぜ。世界全体で5000万~1億人が死亡したといわれたが、第一次大戦とも重なったことで、感染拡大のニュースが敵国を奮い立たせる恐れやパニックを避ける必要があったことから、病気の深刻さが過小評価され、マスコミ報道も少なかった。  その後、弱毒化したインフルエンザに変わることでスペインかぜは終息を迎えた。 <異なる時代背景>  現下の新型コロナウイルスは、かつてのペストやスペインかぜの時代背景と異なり、公衆衛生、医療インフラ、ワクチンや治療薬開発が進み、感染症対策は確立されている。  一方、グローバル化の進展により、人の移動や人と人との接触の機会も格段に広がり、多角化している。よって、過去の終息の形とは異なることも考えられる。 <オミクロンは楽観バイアスを助長>  以上、簡潔に紹介しました。昨年11月、ワクチン接種率の向上などにより新規感染者数が急速に減少した時期の論文ですが、オミクロンが猛威を振るっている中、改めて考えさせられます。 オミクロン株の特性は、①感染力の強さ ②症状が軽く、重症化率が低い ③ワクチン効果の低下、ブレークスルー感染等が挙げられていることから、新規感染者数の急増の一方で、重症化リスクが低いことから、いわば、楽観バイアスを助長させる要素を持っている側面があるのではないか、と思います。  しかし、これ以上の新規感染者数の増加は、高齢者など重症化リスクのある人たちにとって感染リスクが高まろとともに、入院患者、重症者数が比例し増え、医療逼迫にも繋がりかねない、と危惧します。 <長野市に適した対策の議論を>  先月(1月)、長野市は、これまでにないほどの新規感染者数が報告されました。アルファ株、デルタ株が持っていた特性と異なるオミクロン株への対策は、これまでの踏襲ではなくオミクロン株の特性に適した取り組みとしなければ、更に、楽観バイアスを助長させ、後手に回った対策に留まってしまうかもしれません。  先述したように、長野市は、病気に対する恐怖心の薄らぎによるWithCoronaで第6波を沈めていくとは思いませんが、国などのデータや知見、市内感染状況の分析、有効な検査方法、感染拡大防止と経済社会活動の両立などについて、昨年末、新たに医療や経済の有識者で構成され設置された「長野市新型コロナウイルス有識者会議」を、単なる状況説明の場とするのではなく、長野市に適したオミクロン株対策について論議し、具体の対策を講じる場としていくべきだと考えます。

不安を期待に変えるたの新年度予算を

 新型コロナウイルスのオミクロン株が急拡大し、既に長野市は県が示す感染警戒レベル5に引き上げられています。昨日開会した通常国会ではコロナ対策について十分な議論と適宜適切な取り組みを期待したいと思います。  通需要国会が開会し、岸田総理による施政方針演説が昨日行われました。施政方針演説を読んでみると、市の施策へ大いに反映可能である事項について興味深く受け止めました。国の政策・方針を理解し、国の新年度予算を長野市の新年度予算にうまく反映させなければなりません。 以下、施政方針演説から (1)新しい資本主義の実現 「市場に依存し過ぎたことで、公平な分配が行われず生じた、格差や貧困が拡大した」 「市場や競争の効率性を重視し過ぎたことで、中長期的投資不足、持続可能性の喪失」 「行き過ぎた集中によって生じた、都市と地方の格差」 「自然に負荷をかけ過ぎたことによって深刻化した、気候変動問題」 「分厚い中間層の衰退がもたらした、健全な民主主義の危機」 「世界でこうした問題への危機感が高まっていることを背景に、市場に任せれば全てが上手くいくという、 新自由主義的な考え方が生んだ、様々な弊害を乗り越え、持続可能な経済社会の実現に向けた、歴史的スケールでの「経済社会変革」の動きが始まっている」 所感:岸田総理就任後、「成長と分配の好循環」を強調していますが、新しい資本主義の理念や立ち位置を明確に示したものだと思います。今後、より具体的な対策が問われていくこととなり、地域振興、安心して暮らせる日常生活に如何に結び付けていくのか、長野市としても考えていく必要があります。 (2)成長戦略に関して 「第一の柱はデジタルを活用した地方の活性化」 「新しい資本主義の主役は地方」 「デジタル田園都市国家構想を強力に推進し、地域の課題解決とともに、地方から全国へと、ボトムアップでの成長を実現していく」 「そのためインフラ整備、規制・制度見直し、デジタルサービスの実装を、一体的に動かしていく」 「高齢化や過疎化などに直面する地方においてこそ、オンライン診療、GIGAスクール、スマート農林水産業などのデジタルサービスを活用できるよう、5G、データセンター、光ファイバーなどのインフラの整備計画を取りまとめる」 「デジタルサービスの実装に向けて、規制・制度の見直しを進める」 「単なる規制緩和ではなく、新しいルールを作ることで、地域社会に新たなサービスを生み出し、日々の暮らしを豊かにすることを目指す」 所感:GIGAスクール、スマート農業等、既に長野市でも事業に着手しているものもあります。私も昨年と今年、長野市議会農林業振興対策特別委員会において調査研究を続けておりますが、特に、スマート農業についてはまだ緒に就いたばかりであり、地域の実情等をしっかり検証することで、多くの農業従事者にとって実のある施策としなければ掛声倒れに留まってしまいかねません。施政方針演説にある「第一の柱はデジタルを活用した地方の活性化」、「新しい資本主義の主役は地方」を実感できる具体的な取り組みに期待したいと思います。 (3)気候変動問題への対応 「過度の効率性重視による市場の失敗、持続可能性の欠如、富める国と富まざる国の環境格差など、資本主義の負の側面が凝縮しているのが気候変動問題」 「新しい資本主義の実現によって克服すべき最大の課題」 「この分野は、世界が注目する成長分野である。2050年カーボンニュートラル実現は、世界全体で間1兆ドルの投資を、2030年までに4兆ドルに増やすことが必要との試算がある」 「我が国においても、官民が、炭素中立型の経済社会に向けた変革の全体像を共有し、この分野への投資を早急に、少なくとも倍増させ、脱炭素の実現と、新しい時代の成長を生み出すエンジンとしていく」 「2030年度46%削減、2050年カーボンニュートラルの目標実現に向け、単に、エネルギー供給構造の変革だけでなく、産業構造、国民の暮らし、そして地域の在り方全般にわたる、経済社会全体の大変革に取り組む」 「送配電インフラ、蓄電池、再エネはじめ水素・アンモニア、革新原子力、核融合など非炭素電源。需要側や、地域における脱炭素化、ライフスタイルの転換。資金調達の在り方。カーボンプライシング。多くの論点に方向性を見出していく」 「我が国が、水素やアンモニアなど日本の技術、制度、ノウハウを活かし、世界、 特にアジアの脱炭素化に貢献し、技術標準や国際的なインフラ整備をアジア各国と共に主導していく」 所感:私も昨年の9月市議会定例会において具体的な議論をしましたが、温室効果ガス排出量削減は、これまでの経済社会全体の大幅な見直しが必要です。総理は「子や孫の世代のためにも、共にこの困難な課題に取り組もう」と述べていることから、国のリーダーシップを発揮していただくとともに長野市も積極的な気候変動問題と向き合っていく必要があります。  2022年度の長野市予算編成作業は大詰めを迎えています。荻原市長にとって初となる予算編成ですが、ご自身が掲げた公約に基づいた施策が明確に示すことができるのが当初予算案であり、将来像を如何に具体的に示しながら、国や県の動向を踏まえた構造的な課題への対策や市が抱える喫緊の課題に対して、どう向き合うのかが試されます。不安を期待に変えるために、私も心して新年度予算等に関する議論を行ってまいりたいと思います。

長野市新型コロナウイルス感染症有識者会議が始まる

 ここにきて、世界各地のみならず国内においても新型コロナウイルス「オミクロン株」の感染拡大傾向が危惧され、大阪での市中感染が報告されるなど第6波への警戒が更に強まることが予想されます。  そんな折、長野市は「新型コロナウイルス感染症有識者会議」を新たに設置し、本日、第一回目の会議が開催され、私も傍聴してまいりました。  まず、有識者会議の設置目的ですが、新型コロナウイルス感染症の感染予防、感染拡大防止に係る対策について、専門的知識、意見を既存の「長野市新型コロナ感染症対策本部」に反映させること、としています。  そもそも「長野市新型コロナウイルス感染症対策本部」では、新型コロナウイルス等対策特別措置法に基づく国・県の取り組みを踏まえ、長野市としての感染症対策を決定し実施することとされています。場合によっては、有識者会議で専門的見地からの国や県以上の更に踏み込んだ取り組みが必要、といった具申がなされることもあり得るのではないか、と考えます。万全に万全を期す意味からすれば、むしろ、そうであるべきではないか、と考えます。  例えば、オミクロン株の市中感染を把握するため、全ての陽性者についてゲノム解析を実施することや、希望するすべての者が安価に PCR 検査を受けられるよう体制を整備することや、エッセンシャルワーカーや感染が拡大している地域との往来があった市民が希望した場合、無料で PCR 検査を受けられるようにする等、長野市での感染拡大防止の観点から必要と思われる取り組みを強く提案された場合、市としての取るべき対応を国や県ということではなく、必要性について専門的な見地から議論を深め、その是非を決定していくことが会議設置の効果ともいえるのではないでしょうか。言い換えれば、これまで通り国や県の指針通り進め、その追認機関であっては会議設置の真の目的は達成できないのではないか、と考えます。  本日の会議において、ある委員さんから、「新規感染者数が低い状態であっても、企業や団体、また、それぞれの地域において各行事の開催可否の判断が難しい局面が続いており、頭を悩ましている人も少なくない。開催判断を如何にしたら良いのか、に対応する必要があるのではないか」といった趣旨の質問がありました。  感染拡大傾向の場合は警戒レベルによってそれぞれ感染予防対策(〇〇はしない方が良いといった基準)が相召されますが、いざ、レベルが低くなった際の対策(やっても良いですよ、といった基準)が具体的に示されておらず、それぞれの企業団体、地域等における開催を躊躇させてしまっている状況は決して少なくないのではないか、と思います。  有識者会議では、感染予防、感染拡大防止策に加え、社会経済活動を踏まえた感染症対策のあり方も協議事項の一つとされています。つまり、できる、やっても良いですよ、といった基準を明確に市民に示していくことも協議していく必要があるのではないか、それにより、社会経済活動を押し上げていくことに繋がり、同時に感染症対策をより具体的かつ明確に市民にお伝えできるのではないか、と考えます。  国や県の取り組みに則っていくことは大事なことですが、せっかく専門家による有識者会議が設置されたのですから、市民がこれまで以上に安心できる体制を整えていくことが必要です。

荻原市長、初定例会 長野市議会12月定例会が開会

 長野市議会12月定例会が本日(12/2)から12/20までの19日間の会期で始まりました。 荻原市政初の定例会ということで、数多くの報道機関が議場に押し寄せ、関心の高さを窺わせる初日となりました。  今定例会には、令和3年度長野市一般会計補正予算案、条例改正案等の議案48件、承認1件、報告8件が上程されました。 本日、令和3年度一般会計補正予算のうち、3、836、300千円について初日議決分として審議が行われ、採決、賛成多数(私も賛成)で可決されました。主な内容は次の通りです。 ・子育て特別給付金(国の経済対策) 2、815、000千円  18歳以下の子どもを養育する者(年収960万円超世帯は除く)、子ども一人当たり5万円 市内32、000世帯(子ども56、000人) ・ながの子育て応援給付金(長野市独自支援)336、300千円  18歳以下の子どもを養育する者で、  ①ひとり親世帯・・・児童扶養手当受給世帯2、300世帯(子ども3、500人)  ②ふたり親世帯・・・市民税非課税世帯等1、700世帯(子ども3、200人)で、子ども一人当たり5万円 ・地域応援クーポン事業 165、200千円  商店街などで利用可能なクーポン券付チラシに係るプレミアム分、事務経費の支援  ①商工団体、商店街団体、10以上の事業者からなる任意団体  ②1、000円以上の買い物で利用できる500円クーポン券  ③200枚(1店舗)×2、000店舗(想定)で令和4年2月実施予定   ・生活困窮者世帯灯油購入費助成金 48、000千円  市民税非課税世帯で、高齢者のみ世帯、重度要介護者世帯、重度心身障害者世帯、  指定難病等患者世帯、生活保護世帯 に対し、購入実績に応じ1世帯あたり上限5千円  等です。  また、明日以降の審議となる追加補正予算として692、745千円があり、主な内容は、 ・路線バス運行支援事業 地域鉄道運行支援事業 学校教育活動感染症対策事業、現年災害道路施設復旧事業等となります。  来週から本会議場にて各議員との論戦が始まり、更に、委員会審査等で慌ただしくなりそうですが、本日、荻原市長が所信を述べられましたので、一部ご紹介します。  市政の安定性・継続性を大事にしつつ、必要なアップデートやバージョンアップし前進させたい。政策の柱は「守る」、「育てる」、「輝く」の3つ。 令和元年東日本台風災害での甚大な被害、新型コロナウイルス感染症の影響により、市民生活に大きな影を落としている。自然災害や感染症から市民の健康と財産を守り、市民の暮らしをしっかり守りたい。  子どもの貧困、虐待などの課題への対応を含めた子育て支援、高齢者の健康づくり、生きがいづくりの支援、障害のある方の相談支援体制の整備など、支援が必要な方々を守りたい。  子育て支援策として、公約に掲げた「子育て総合支援センター」の設置に向け、具体的な機能を含めて庁内で検討を進めている。 長野市が、希望ある未来に向かって更に発展するために、人を育て、産業を育て、まちを育てることが必要。  長野市は1998年の長野冬季オリンピック・パラリンピックの開催都市であり、豊富な観光資源や優れた自然環境、農産品などを有している。オリンピック・パラリンピックムーブメントの推進と合わせ、「ナガノ」の知名度を更に向上させ、世界のナガノとして輝くよう努めていく。  新型コロナウイルス感染症対策では、間もなく始まる3回目のワクチン接種を着実に進めていく。新たに確認されたオミクロン株に対する警戒を含め、次の感染の波に備え、万全を期すとともに、社会経済活動の再開に向けた出口戦略として、大規模イベント時などの感染対策などについて、専門的な助言ができる組織を年内に設置したい。  来年、善光寺御開帳が行われるが、今後の感染状況を注視しながら、善光寺御開帳を日本一の門前町大縁日で盛り上げ、市内経済回復の起爆剤にしたい。  台風災害からの復旧・復興について、長野市災害復興計画に基づき進められてきた取組を、国、県に更に強力に働きかけながら、着実に進め、流域治水対策として、ため池等の既存施設の有効活用を進めるなど、災害に強いまちづくりを進めていく。  長野市の財政運営について、台風災害や新型コロナウイルス感染症の影響により依然として地域経済が低迷しており、今後5年間の財政推計では、社会保障関係経費や公共施設の老朽化対策経費の増加等により、大幅な財源不足が生じるため、基金を取崩しての厳しい財政運営となることが見込まれる。  令和4年度当初予算の編成に当たっては、財政推計の状況を踏まえ、政策効果の高い支出を徹底し、「健全財政の維持」を大前提としつつ、「躍進の幕開けとなる施策実現」を図ることを予算編成の基本としている。新型コロナウイルス感染症対策と防災、復興への取組みを着実に進め、善光寺御開帳を契機とした市内経済回復に繋がる事業、公約に掲げた基本政策に関する事業にも積極的に予算配分していく。  新型コロナウイルス感染症対策のワクチン接種について、11月25日現在、市内の12歳以上における2回目の接種率は87.0%、65歳以上は92.5%。3回目の追加接種は、2回目接種から8か月経過後、出来るだけ速やかに接種することとし、県の方針を踏まえ、遅くとも10か月経過するまでに接種することを基本とし進めていく。対象となる方に順次、接種券の発送を行っており、今月から医療従事者への接種が開始されている。  令和元年東日本台風災害からの復旧・復興について、長野市が国と共同で整備する「長沼地区河川防災ステーション」に建設予定の長沼地区の支所・交流センター、消防団詰所などの複合施設は、地元検討組織と配置案・レイアウト等の協議を進めており、本年度中には、地元要望を取りまとめ、基本設計に反映していく予定。長沼体育館は、来年8月に復旧工事が完了する予定で、長沼児童センター、長沼保育園についても予定どおり移転・復旧を進めている。  豊野地区では、(仮称)豊野防災交流センターを令和5年度中の完成を目指し、地元検討組織と配置案・レイアウト等について検討しており、(仮称)豊野消防分署も来年5月から消防業務を開始する予定。災害公営住宅美濃和田団地は、先月完成し、12/1から入居が始まった。国が定める延長要件に該当する75戸の仮設住宅入居者について、住宅再建に向け、個別に被災者に寄り添い支援を継続していく。  千曲川の治水対策では、立ヶ花狭窄部の河道掘削による拡張工事が行われており、遊水地整備を国と連携して進めている。塩崎遊水地について、関係者と合意形成を図りながら、国の事業に積極的に協力していく。  市民生活と地域経済を守るための施策を着実に実施し、元気な長野市を創っていきたい。希望ある未来に向かって長野市が大きく飛躍できるよう全力で取り組んでいく。  以上です。今回、私の一般質問はありませんが、来週から始まる市長と各議員との議場での論戦を、次回以降、私自身の質問にも活かしていきたいと思います。

これからの新型コロナウイルス対策は

 本日(11/23)、地元丹波島の於佐加神社において、新穀感謝祭(新嘗祭)が執り行われます。午前中、境内の清掃を行い、午後、秋の稔りを神々に捧げる儀式となります。昨年もコロナ禍の中、祭事が行われましたが、今年も同様、感染対策を徹底しながらの開催となります。午前中の作業も全員マスク着用で、私も眼鏡を曇らせながらの作業となりました。  新型コロナウイルス新規感染者数が減少傾向にある中、既に、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種に関し、2回目の接種から間隔を原則8カ月以上とする方針が国から示されています。  長野市においても、3回目接種に向け、作業が進められている状況だと思いますが、体制を整え、速やかに、大きな混乱を生じさせることなく進めていかなければなりません。  ワクチン3回目接種とともに、これから重要な対策として、抗体カクテル療法や経口治療薬の普及が挙げられると思います。コロナ禍からの脱却に向け、大いに期待したいところです。ここ数日の報道をまとめてみました。 <コロナ対策の4本柱>  去る11月12日、政府対策本部は、新型コロナウイルスの「第6波」に備え、新型コロナ対策の全体像を決定しました。 全体像は、「医療提供体制の強化」、「ワクチン接種の促進」、「治療薬の確保」、「日常生活の回復」の4本柱で構成され、「第5波」のピーク時に比べて、感染力が2倍になっても対応できる体制を築くことを目的としています。 <経口治療薬の確保>  コロナ対策の全体像の4本柱の一つとして「治療薬の確保」があります。1薬剤当たり最大約20億円を支援し、経口薬については、年内の実用化を目指し、必要な量を順次納入できるよう企業と交渉を進めている、とのことです。塩野義製薬は、年内の承認をめざし、経口治療薬の海外治験を開始し、ファイザーは新型コロナウイルス感染症の経口薬「パクスロビド」について、米食品医薬品局に緊急使用許可を申請している、との報道ですが、期待したいところであります。 <抗体カクテル療法>  更に、治療薬確保では、2種類の抗体を同時に点滴で投与する抗体カクテル療法について、軽症から中等症で、かつ重症化リスクがある患者を対象として本年7月に承認、発症7日以内の初期患者に有効とされており、抗体がウイルスの表面にあるスパイクたんぱく質に結合し、人の細胞に侵入するのを防ぐ、との報告です。7月の段階では、流通が不十分として国が供給をコントロールしていたようですが、症状に応じ、迅速な治療に結びつき、生命が守られることを期待します。  では、抗体カクテル療法の提供や広報など、全国の自治体における取り組みはというと、東京都保健局は抗体カクテル療法の内容をHPで解説し、更に、11カ国語のコールセンターの存在や副反応の事例も紹介しているほか、神奈川県は、抗体カクテル療法の対象者に3つのパターンで療法を提供できる体制を構築し神奈川モデルと名付け、拠点病院、協力病院を設けて34病院が稼働している、とのことです。(2021年10月15日時点) <長野市の治療薬確保状況は>  今年に入り、ワクチン接種が急速に進展し、長野市における11月11日現在のワクチン接種状況をみると、対象者327,750人に対し、1回目接種完了者289、067(88.2%)、2回目接種完了者278、221人(84.9%)で、市内の新規感染者は、確実に減少傾向にあり、ワクチン接種の効果といえる、と思います。  しかし、長野市として第6波対策はどのように行っているのか、また、どう進めていくのか、について明確にしていかなければなりません。 更に、国における医療提供体制の強化、ワクチン接種の促進、治療薬の確保、日常生活の回復の4本柱に対するそれぞれの政策を如何に進めていくのか、そもそも、長野医療圏域内の病院で、抗体カクテル療法は導入されているか、抗体カクテル療法の効果と副反応事例の収集が行われているのか、長野市として抗体カクテル療法について如何に広報していくのか。  そして、治療薬が供給された場合に、今後、コロナ対策全体をどのように捉え、進めていくのか等、確認すべき点が多々ありますが、速やかに公表していく必要があると考えます。国の動向を注視しながら、議論を重ね、市民の生命と健康が守れる体制を強化すべく取り組んでまいります。

地域づくりの新たな視点 ~地域としてこれだけはまもりたいものは何か~

 11月16日、長野県農業委員会大会が開催され、出席してまいりました。 大会で、金沢大学准教授の林直樹先生による「地域としてこれだけは守りたいという戦略」と題した講演をお聴きし、これからの地域づくりに大変参考となる内容でしたので、私なりに整理してみました。 <中山間地域の現実とこれから>  一般論として、高齢者に限定した場合、住民の当面の悩みは、買い物、通院・介護、除雪、草刈り、獣害、空き家、耕作放棄地等であるが、それなりに健康で自家用車利用も可能であることから、特段不便ではなく、農水省の平成30年経営形態別統計地域別の総所得では中山間農業地域が4,632千円、山間地農業地域は4、608千円となっており、極端な貧しさはないのではないか。  しかし、数十年の長期スケールで考えてみると、集落の生き残りの形や時代の変化への備えの議論が必要となってきている。 これまでは人口減少等の状況下でも「恵まれた過疎」であったといえるが、更に、人口減少が進むと経済全体が縮小し、お金が回ってこなかったり、「厳しい過疎」へと変貌していく。これからは、縮小を受け入れながら、「よい縮小と悪い縮小」(※)という新たな視点と複線的な地域づくり、複数の状況(最適化)を想定することが肝要である。  (※)「よい縮小」=容認できる縮小、「悪い縮小」=容認できない縮小 <よい縮小>  これまでは「縮小は論外」である、という戦後から続く人口増加時代の基本的な発想が根本にあったが、これからは縮小を基本とし拡大が例外的である、という国レベルでの人口減少時代、との基本的認識が必要。その上で、諦めるものを間違わなければ、地域は生き残ることができる。これからは、個々人や集落がもつ「時代への適応力」の限界が見えてきているが、適応力に収まっているものは「よい縮小」といえる。  適応力に収まっているとは、複数の状況(最適化)を想定することが可能かどうかであり、、つまり、複数の目標(集落の形に関する目標)を設定した集落づくりのパッケージが必要となってくる。 国交省・総務省の平成28年度過疎地域等条件不利地域における集落の現状把握調査報告書によると、平成22年以降、山間地で無居住化した集落数は79で、そのうち61が自然消滅であったが、廃墟だらけの絵に描いたような廃村はむしろ珍しく、深いやぶが生い茂り森林化したところもあるが、旧住民がまめに通いながら丁寧に管理を続けられ、ふつうの集落と見分けがつかないところもある。また、パン屋が経営されていたり、キャンプ場となった無住集落もある。  「よい無住集落を目指すべき」ということではないが、特に、世代交代困難集落では、最悪の場合でも「よい無住集落」で踏む留まるための仕組みが必要。 <石川県小松市西俣町のケース>  石川県小松市西俣町は、通年居住が8戸、13人、うち65歳以上11人(2020年1月時点)で、町内には、耕作放棄地も目立つが、西俣キャンプ場、宿泊可能な西俣自然教室などがあり、通年居住の人口と釣り合わない「不思議な活気」にあふれ、むらおこしの一環として、ドジョウの養殖、ドジョウ料理のレシピ開発も行われている。  西俣町の大きな活力の源は何か。通年居住の住民の不断の努力が大きいことはいうまでもないが、町外在住の西俣町出身者とその縁者が住民共同活動(草刈り・水路掃除・お祭り)の貴重な戦力、主力級の戦力になっており、町外からの参加については、「自分たちの集落や財産を守る」といった責任感のようなものがあるという。数十年先の西俣町については全くの未知数である。通年居住の世代交代が進み、町全体が若返る可能性もあれば、そのまま無住化する可能性もある。しかし、無住化したとしても、西俣町は、町外在住の西俣町出身者やその縁者によってある程度形が維持される、と考えている。決して容易なことではないが、その状態であれば再興も可能である。現在の西俣町の活動は、万が一、無住になっても再興の可能性は残る「無住化保険付き」の集落づくり、ということになる。 (講演に加え、WEB OPINIONS「時間を味方につけた戦略的な集落づくり」林直樹より一部引用) (※)無住化保険=外部旧住民が近くに(概ね30分以内)居住し、集落の活動に参加すること。 <数十年スケールで考える>  私の周囲にも、市内中山間地域ご出身の方が多く居らっしゃいますが、定期的に旧住民として集落に通い、責任ある地域住民として様々な活動に取り組んでおられます。そうした外部旧住民と定住住民(新・旧)が、常に一歩二歩先をよみ、生き残りの形をイメージし、そもそも集落が生き残る、とはどういうことか、地域としてこれだけは守りたいものは何か等を、人口減少、少子超高齢社会が進展している今、複数の目標(集落の形に関する目標)を設定し、縮小、とりわけ「よい縮小」を受け入れ、数十年スケールで、これからの地域づくりを考えていかなければならない時代ではないか、と感じております。

地球温暖化対策、市長のリーダーシップと国の本気度が問われている

 長野市では、いよいよ荻原市長のもと、新たな市政運営が始まりました。2期8年の加藤前市長には心から敬意と感謝を、新市長には大きな期待をしております。  私自身に公務に加え、衆院選、市長選の対応等、まったく余裕がない状況であったため、事務作業がたまりにたまっている状況ですが、この間に書き留めていた原稿を見直し、本ブログに掲載させていただきます。  10月31~11月12日、英国・グラスゴーで国連気候変動枠組条約第26 回締約国会議(COP26)が開催されました。 COP26では、議長国の英国が「脱石炭」を最重要課題と位置づけ、温室効果ガス排出対策が取られていない石炭火力の段階的廃止を盛り込んだ声明に、46カ国・地域に加え企業組織が署名した、と報じられています。 しかし、米国、中国に加え、日本は署名を見送っており、環境NGOは、地球温暖化対策に後ろ向きな国に贈る「化石賞」に日本が選ばれる、という残念な結果が付されてしまいました。  環境活動家のグレタ・トゥンベリさんはグラスコーでの演説で、世界の気温上昇を1.5度に抑える国際枠組みである「パリ協定」の努力目標達成について、「今すぐに思い切った排出削減が必要、政界やビジネス界は後ろ向きで、歴史が彼らを裁くだろう」と述べた、といいます。  日本政府は、地球温暖化対策について、2020年10月、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言し、カーボンニュートラル達成のため、温室効果ガスの排出量の削減並びに吸収作用の保全及び強化をする必要がある、としています。  長野県では、本年6月、「長野県ゼロカーボン戦略」(2021年度から30年度までの10年間)を策定し、2030年度における温室効果ガス総排出量を基準年度(2010年度、H22)の16、980千t-CO2から7、987千t-CO2、55%削減する目標値を定めました。日本国内において、これから!という時に、化石賞を贈られる、というのは大変残念なことではないでしょうか。  そんな中、現在、長野市は来年度からの第3次環境基本計画が策定途中にあります。来年度から環境基本計画に統合される予定の本市地球温暖化対策地域推進計画の方針3「歩きやすい、暮らしやすい環境の整備」で、公共交通機関の利用促進、自動車利用の見直し、を掲げていますが、温室効果ガス排出量削減に向け、マイカー規制等、取組はまだまだ不十分です。  また、県のゼロカーボン戦略にある「吸収・適応分野」は、長野県の恵まれた自然環境「山・里・まち」を最大限活かすとし、CO2吸収量増加に向け、森林整備や県産材の需要拡大の推進など、グリーンインフラの推進を掲げられていますが、現在の第2次環境基本計画後期計画では目標未達成の分野となっています。長野市が持つ森林や農地等を最大限活かしたCO2吸収に繋がる具体的な取り組みが必要なのは言うまでもありません。  更に、長野市環境審議会地球温暖化専門部会は、審議会に対し環境基本計画策定における温室効果ガス排出量削減について、①国・県の動向を踏まえ、二酸化炭素排出量を2050年までに実質ゼロとすること ②2030年の中間目標においても、高い削減目標を設定すること ③長野市の特長を活かした戦略的な計画とすること等を提言しています。  部会の中で委員の発言で、「相当な覚悟と施策を掲げなければ不整合となるおそれがあると考える。また、市の取り組みによる実現可能性は未知数」とあったようですが、長野市として、第3次環境基本計画で定める目標達成のため、着実かつ責任を持って取り組んでいかなければなりません。  そのためには、市長のリーダーシップとともに国の本気度が問われます。国内はもとより、世界からも地球温暖化に向けて積極的な国であると位置づけられるような具体的な取り組みと発信が求められ、それが国内の地方都市に波及する効果を生み出さなければなりません。グレタさんが言うように、「今すぐに思い切った排出削減が必要」なのではないか、と考えます。  安全で安心な長野市を私たちの子や孫、その先の世代に引き継いでいくために、新市長と議会での議論を続けてまいります。

更北有線放送で議会報告録音

 更北有線放送では、定期的に、地元議員による議会報告が放送されます。 今回は、私の担当ということで、昨日、録音してきました。 これまで本ブログでも触れてきたことを織り交ぜながら、作成した原稿を掲載します。  いつも大変お世話になっております。市議会議員の鈴木洋一です。  長野市議会9月定例会ですが、先月の9/2に開会し、9月29日まで、28日間の会期をもって行われました。令和3年度一般会計補正予算や条例の改正案などについて審議され、すべての議案に関し、原案どおりの可決となりました。  また、最終日の9月29日に、議会人事が行われ、新たな正副議長、そして新たな各委員会構成が決まり、今般、私は、長野市議会建設企業委員会委員長を拝命した次第です。これまで以上に精進を重ね、取り組んでまいります。  すっかり秋めいてまいりました。本来であれば、食欲の秋、スポーツの秋等、多くの人がこの季節特有の空気、味覚、心地よさ、体感などを思う存分、満喫するシーズンでありますが、未だ、コロナ禍の渦中であることから、我慢を強いられている方も多いのではないでしょうか。 今日まで、日々御尽力いただいております医療従事者の皆様、市民生活を支え御貢献いただいている皆様、加えて、かつない厳しい経営状況に直撃されている事業主、そこで働く皆様、今日まで懸命な努力をされてきた全ての市民の皆様に心より敬意を表し、感謝申し上げます。  令和の時代に入り、私たちは、まざまざと、自然災害、新たな感染症の脅威など、これまで予期していなかったような事態に直面しています。その根本的な要因ともいえるのが、気候変動、言い換えれば、気候危機ではないでしょうか。  京都大学名誉教授の松下和夫先生はご著書の中で、「新型コロナウイルス感染症と気候危機は人類の生存に関わる問題であり、コロナ禍から脱炭素で持続可能な社会への速やかな移行を進めることが日本と世界が目指すべき方向だ」と述べております。  また、松下先生によりますと、「新型コロナウイルス対策により起こった経済活動の縮小、変化が、短期的には大気汚染物質や温室効果ガス排出量の減少をもたらしているが、パンデミック収束後に、経済活動が元の姿に戻ると、汚染物質や温室効果ガスの排出もリバウンドし、むしろ、新型コロナウイルス対策により起こった経済の停滞・縮小が短期的には気候変動対策の実施を停滞させる可能性がある」と指摘しています。    加えて、8月に公表されたIPCCの第6次評価報告書は、「人間の影響が大気、海洋および陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」、つまり、「人間活動が気候システムの温暖化をもたらした」と結論付け、また、環境省による、「世界の平均気温が産業革命前より2度上昇したと仮定した場合、2019年の台風第19号と同規模の台風が上陸すれば、千曲川・信濃川など8水系の流域で、最大流量は平均15%増え、氾濫の危険性のある支流の中小河川の箇所数は1.44倍となる」といった試算や、2018年グローバル気候リスク指標の「台風や熱波などの災害から最も影響を受けた国は日本である」との指摘等を考えますと、2つの大河と多くの土砂災害警戒区域を擁する長野市こそが、気候危機の渦中にあるとの認識に立って、ハード対策としての治山治水と、その根本的原因としての温室効果ガス大幅削減に、全力で取り組む必要があるのではないか、と、9月定例会の一般質問でとりあげさせていただきました。  気候危機の時代に直面するのは、私たちの世代はもちろん、紛れもなく私たちの将来世代であり、私たちも含め、将来世代が生き続けられる世界をつくり出さなければなりませんが、この問題が有する長い時間軸とCO2費用の外部化といった特徴から、日常生活の中で、市民1人1人が当事者として、意識するのは難しい側面をもっています。  そのため、長野市自ら、「気候非常事態宣言」という強いメッセージを発信することにより、市民の皆様、事業所の皆様から、ご理解とご協力をいただき、早急に、脱炭素社会の実現に向け、積極的に乗り出していくべきではないか、と具申いたしました。市当局からは「実施について検討したい」との答弁を引き出すに至りましたが、IPCCの報告書にある「人間の影響が大気、海洋および陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」ことを重く受け止め、私も責任を持って取り組んでいきたいと考えます。  私は、この1年半に及ぶコロナ禍は、私たちの経済活動・日常生活に確実な変化をもたらし、在宅勤務、時差出勤、リモート会議など環境負荷の少ないワークスタイル、ライフスタイルを普及させ、更なる制度化や高度化が期待できるのではないか、更に、社会全体で共有していた価値観の変化、視座が変わってくるのではないか、と考えます。  大変、僭越ではありますが、この放送をお聞きの皆様にも共有していただければ幸いです。  最後になりますが、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が、先月末で全面解除となりました。長野市及び長野県内の新規感染者数も減少傾向にあります。  しかし、東京新聞は「急速に減る原因はよく分かっていない。全国各地では少人数でも新規感染者の報告が続いている。ウイルス性感染症が流行しやすい冬に再拡大が起こりうると考えておく必要がある」と指摘し、また、岡部信彦・川崎市健康安全研究所長は「解除は妥当」としつつも「一気に解除すると、また一気に感染が増える」と警戒感を示しています。更に、新型コロナアドバイザリーボードの脇田座長は「解除のニュースで逆に安心感が出て、我慢から解放され行動が活発化すると感染拡大につながる。マスク、手洗い、換気に加え、密集、密接、密閉を1つでも避ける「ゼロ密」など基本的な感染対策の重要性を強調」と報じているように、まだまだ、油断は禁物です。  第5波では、軽症者が自宅療養中に症状が急変し死亡する例が報告されるなど、国や自治体による第6波を想定した医療体制の強化は必須事項であり、今は、十分過ぎるほどの体制を整える期間と位置付けることが必要ではないか、長野市としても、まだまだ徹底した感染予防の必要性を、強く訴えていかなければならない、と考えます。  これから寒さ厳しい季節が到来します。どうか、健康管理には一層、注意をはらっていただき、ご自愛くださることをお願いし、鈴木洋一からのご報告とさせていただきます。お聞きくださいまして、ありがとうございました。 最後までお読みいただまして、ありがとうございました。

更北有線放送で議会報告録音

 更北有線放送では、定期的に、地元議員による議会報告が放送されます。 今回は、私の担当ということで、昨日、録音してきました。 これまで本ブログでも触れてきたことを織り交ぜながら、作成した原稿を掲載します。  いつも大変お世話になっております。市議会議員の鈴木洋一です。  長野市議会9月定例会ですが、先月の9/2に開会し、9月29日まで、28日間の会期をもって行われました。令和3年度一般会計補正予算や条例の改正案などについて審議され、すべての議案に関し、原案どおりの可決となりました。  また、最終日の9月29日に、議会人事が行われ、新たな正副議長、そして新たな各委員会構成が決まり、今般、私は、長野市議会建設企業委員会委員長を拝命した次第です。これまで以上に精進を重ね、取り組んでまいります。  すっかり秋めいてまいりました。本来であれば、食欲の秋、スポーツの秋等、多くの人がこの季節特有の空気、味覚、心地よさ、体感などを思う存分、満喫するシーズンでありますが、未だ、コロナ禍の渦中であることから、我慢を強いられている方も多いのではないでしょうか。 今日まで、日々御尽力いただいております医療従事者の皆様、市民生活を支え御貢献いただいている皆様、加えて、かつない厳しい経営状況に直撃されている事業主、そこで働く皆様、今日まで懸命な努力をされてきた全ての市民の皆様に心より敬意を表し、感謝申し上げます。  令和の時代に入り、私たちは、まざまざと、自然災害、新たな感染症の脅威など、これまで予期していなかったような事態に直面しています。その根本的な要因ともいえるのが、気候変動、言い換えれば、気候危機ではないでしょうか。  京都大学名誉教授の松下和夫先生はご著書の中で、「新型コロナウイルス感染症と気候危機は人類の生存に関わる問題であり、コロナ禍から脱炭素で持続可能な社会への速やかな移行を進めることが日本と世界が目指すべき方向だ」と述べております。  また、松下先生によりますと、「新型コロナウイルス対策により起こった経済活動の縮小、変化が、短期的には大気汚染物質や温室効果ガス排出量の減少をもたらしているが、パンデミック収束後に、経済活動が元の姿に戻ると、汚染物質や温室効果ガスの排出もリバウンドし、むしろ、新型コロナウイルス対策により起こった経済の停滞・縮小が短期的には気候変動対策の実施を停滞させる可能性がある」と指摘しています。    加えて、8月に公表されたIPCCの第6次評価報告書は、「人間の影響が大気、海洋および陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」、つまり、「人間活動が気候システムの温暖化をもたらした」と結論付け、また、環境省による、「世界の平均気温が産業革命前より2度上昇したと仮定した場合、2019年の台風第19号と同規模の台風が上陸すれば、千曲川・信濃川など8水系の流域で、最大流量は平均15%増え、氾濫の危険性のある支流の中小河川の箇所数は1.44倍となる」といった試算や、2018年グローバル気候リスク指標の「台風や熱波などの災害から最も影響を受けた国は日本である」との指摘等を考えますと、2つの大河と多くの土砂災害警戒区域を擁する長野市こそが、気候危機の渦中にあるとの認識に立って、ハード対策としての治山治水と、その根本的原因としての温室効果ガス大幅削減に、全力で取り組む必要があるのではないか、と、9月定例会の一般質問でとりあげさせていただきました。  気候危機の時代に直面するのは、私たちの世代はもちろん、紛れもなく私たちの将来世代であり、私たちも含め、将来世代が生き続けられる世界をつくり出さなければなりませんが、この問題が有する長い時間軸とCO2費用の外部化といった特徴から、日常生活の中で、市民1人1人が当事者として、意識するのは難しい側面をもっています。  そのため、長野市自ら、「気候非常事態宣言」という強いメッセージを発信することにより、市民の皆様、事業所の皆様から、ご理解とご協力をいただき、早急に、脱炭素社会の実現に向け、積極的に乗り出していくべきではないか、と具申いたしました。市当局からは「実施について検討したい」との答弁を引き出すに至りましたが、IPCCの報告書にある「人間の影響が大気、海洋および陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」ことを重く受け止め、私も責任を持って取り組んでいきたいと考えます。  私は、この1年半に及ぶコロナ禍は、私たちの経済活動・日常生活に確実な変化をもたらし、在宅勤務、時差出勤、リモート会議など環境負荷の少ないワークスタイル、ライフスタイルを普及させ、更なる制度化や高度化が期待できるのではないか、更に、社会全体で共有していた価値観の変化、視座が変わってくるのではないか、と考えます。  大変、僭越ではありますが、この放送をお聞きの皆様にも共有していただければ幸いです。  最後になりますが、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が、先月末で全面解除となりました。長野市及び長野県内の新規感染者数も減少傾向にあります。  しかし、東京新聞は「急速に減る原因はよく分かっていない。全国各地では少人数でも新規感染者の報告が続いている。ウイルス性感染症が流行しやすい冬に再拡大が起こりうると考えておく必要がある」と指摘し、また、岡部信彦・川崎市健康安全研究所長は「解除は妥当」としつつも「一気に解除すると、また一気に感染が増える」と警戒感を示しています。更に、新型コロナアドバイザリーボードの脇田座長は「解除のニュースで逆に安心感が出て、我慢から解放され行動が活発化すると感染拡大につながる。マスク、手洗い、換気に加え、密集、密接、密閉を1つでも避ける「ゼロ密」など基本的な感染対策の重要性を強調」と報じているように、まだまだ、油断は禁物です。  第5波では、軽症者が自宅療養中に症状が急変し死亡する例が報告されるなど、国や自治体による第6波を想定した医療体制の強化は必須事項であり、今は、十分過ぎるほどの体制を整える期間と位置付けることが必要ではないか、長野市としても、まだまだ徹底した感染予防の必要性を、強く訴えていかなければならない、と考えます。  これから寒さ厳しい季節が到来します。どうか、健康管理には一層、注意をはらっていただき、ご自愛くださることをお願いし、鈴木洋一からのご報告とさせていただきます。お聞きくださいまして、ありがとうございました。 最後までお読みいただまして、ありがとうございました。