長野市議会議員会派

改革ながの市民ネット

TPP意見書否決・可決について

3月14日、長野市議会総務委員会において、私が提出した「環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加に反対する意見書(案)」と、新友会提出の「環太平洋経済連携協定(TPP)に関する意見書(案)」の審議がなされました。

私は当然のことながら、自身の意見書(案)を通すべく論陣を張り、TPPが如何に危険で益少なく害多い協定であるかを説明させていただきました。小林義和委員・池田清委員からもご賛同をいただき、特に小林義和委員は絶対に反対することが国民の利益である旨の討論をいただきました。新友会案は、本文では地方から反対・慎重な声が上がっていることを指摘しつつも、交渉参加を前提にした上で、国民に対し説明をするようにという及び腰のものでした。

残念ながら、新友会・公明党の皆さんは、TPPは農業問題に過ぎず、我が国全体としてはメリットの方が大きいとの観点から私の案には反対で、新友会案を通す情勢になったところ、池田委員から、より良い形で修正出来ないかとのご提案があり、暫時休憩を設け、すり合わせを行いました。新友会も「守るべきは守る」「慎重に」との文言に修正することを了としていただきましたので、私は、自身の反対案と新友会案双方に賛成することにいたしました。新友会案は、交渉参加を前提としたものなので、受け入れかねる気持ちも大きいのですが、「守るべきは守る」というのは、TPP交渉においては、実質的には「交渉参加反対」と同義語なので、悩みつつも賛成することにしました。

採決において、まずは私の反対案が採決され、小林義和委員・池田清委員・小泉一真委員・私が賛成しましたが、賛成少数で否決されました。ご賛同いただいた皆様に心から感謝いたします。

新友会修正案は、小林義和委員以外の賛成多数で可決されました。私も忸怩たる思いで賛成しましたが、反対を貫いた小林義和委員に敬意と感謝を申し上げます。現実問題としては、「慎重に」との意見書も国に上げられないよりは、可決した方がいいのでは?との苦渋の選択から私は賛成しましたが、あの程度の意見書案には反対したかったというのが正直なところです。

3月25日の最終日、思いのたけを述べる「賛成討論」(T-T)を行いたいと決意しております。

否決された私の意見書案です ↓

TPP交渉参加反対の意見書案

TPPに「聖域」なきことが判明!

2013年3月12日付の日本農業新聞に、第16回のTPP交渉会議において、日本が交渉に参加した場合は、既に確定した内容について再交渉も文言修正も認めない上、新たな提案もさせないと、アメリカが各国交渉官に対し伝えていたことが判明したとの記事が掲載されました。要は、交渉の余地はほとんど全くない、とのことです。

まあ、だからこそTPPであり、だからこそ私は絶対反対を貫いているわけで、目新しい情報とは感じませんが、嘘八百並べ立てて「聖域」を守れる・その交渉力が自分にはあると豪語した安倍総理の、お気の毒な実態が明らかにはなりました。日米首脳会議における共同声明の問題点については、篠原孝衆議院議員がブログに書いていますのでご参照くださいhttp://www.shinohara21.com/blog/archives/2013/03/5130312.html#more

同時に、民主党の前原誠司元国家戦略相は、11日の衆議院予算委員会で、民主党政権時代のTPP交渉においてアメリカ側から突き付けられた要求が「あまりに不平等で、参加表明に踏み切れなかった」と述べました。真の国益の何たるかをおそらく理解出来ていない、TPP推進派の筆頭だった前原氏ですら「あまりに不平等で、参加表明に踏み切れなかった」協定に参加しようとする政治家の、知性と志・愛国心を疑わざるを得ません。

14日、長野市議会3月定例会の総務委員会にTPP反対の意見書を提出する予定です。副委員長の立場で意見書の提案は控えるべきかもしれませんが、タイムリミット寸前の現在、ご寛恕を賜り、対案で出される予定の「慎重に」ではなく、「反対」の意見書を通すべく全力を尽くします。

TPPについて

現在、足寄町職員の村石氏から譲っていただいたJAグループ十勝作成の反TPPバッジを胸に活動しており、新年会等でそれを見て話題にしていただく機会があるのですが、マスコミ報道が偏向しているため、TPPは農業問題に過ぎず、経済全体ではプラスだと思い込まされている方が多いようなので改めて説明させていただきます(^-^)。

TPPはもちろん農業・農村・地域社会の問題でもあります。農水省の試算では、TPPに参加した場合、我が国の食糧自給率は13%に落ち込むとのことです。現状ですら年金をつぎ込んで農業を維持している小規模農家が多い中、TPPに参加して関税をゼロにすれば、ほぼ全ての中小農家は崩壊します。採算のとれない職業を選択する方はまずいませんので、農家の跡取りも実家を離れ都会に職を求めて離村し、農村はご老人しか住まない限界集落になることは必至です。また、農村の疲弊は地元商店街での購買にも直結し、商店街も壊滅的ダメージを受け、こちらでもシャッター通り化が加速し、後取りは都会へ移住するでしょう。そして、労働人口がない地方に企業が進出することはありえませんし、そもそもTPPは企業が海外進出しやすくする協定ですので、体力のある企業はこぞって日本を後にすることは明白です。TPPは、地方における農業・商業・工業、そして雇用を軒並み潰す協定であると言っても過言ではないでしょう。

それにより膨大な遊休農地が生じるため、大規模農家がそれを借りて営農すれば確かに規模の拡大は図れますので一見合理化出来て対外競争力がつくようにも思えますが、そもそも、アメリカやオーストラリアのような広大な国とは規模が全然違います。1戸当たりの耕地面積は、アメリカは日本の100倍・オーストラリアは2000倍と、お話にならない格差です。日本農家が今の10倍に集約しても、アメリカの10分の1・オーストラリアの200分の1の規模に過ぎません。土地利用型の作物(米・小麦・大豆・そば等)は規模の大小によって生産コストが決まりますので、日本農家がいかに大規模化しても価格の面で太刀打ち出来ません。その上、アメリカでは輸出補助金までつけて輸出しており、それでいてアメリカ農家の収入は5割が国の補助金で賄われているのが現状です。ろくな農業保護をしてこなかったために心ある兼業農家が給料・ボーナス・退職金・年金をつぎ込んで農業を維持してきた日本農業とは雲泥の差です。そして、そんな素晴らしきお人好しが70歳を越え、後の世代はそこまでする余力もない現状、危機感はつのるばかりです。

TPPは、関税だけでなく、全ての非関税障壁を撤廃しようという協定です。すなわち、アメリカの保険会社が保険を売るために、日本の国民皆保険制度が邪魔なので、「非関税障壁だ!」と国際的司法機関に訴えて勝訴すれば、日本がその企業に莫大な賠償金を支払うはめになるばかりでなく、世界に誇る皆保険制度も撤廃しなければならなくなります。だからこそ、日本医師会はTPPに反対しているのです。アメリカでは、お金がないとわかると救急車から路上に放り出されることもあるやに聞いています。日本をそんな国にしてはなりません。

郵便事業においても、以前からアメリカは郵貯・簡保の資金に触手を伸ばしたくて日米構造協議の名の下に郵政民営化を求めてきました。小泉純一郎内閣がその意を受けて民営化したため郵政のユニバーサルサービス(日本全国どこへでも同じ料金で郵便が届くインフラ)が崩壊しそうになりましたが、何とか改正法により押しとどめています。長野県の栄村(大震災に見舞われた地区です)には銀行・農協のATMもないため、郵便局がなくなったら新潟県にまで年金をおろしにいかなければならないことになるところでした。高齢化が進む中、日頃の「足」にすら困っている方も多いのに、隣の県にまでお金をおろしに行けとは何事だと言わずにはおれません。全国津々浦々に郵便局がある日本を維持するため全力を尽くす覚悟です。

TPPには他にも様々な「トンデモナイこと」が満載で、ラチェット条項なるものも取りざたされています。これは、一度認めた事項については、未来永劫変更出来ない(後戻り出来ない)との条項です。やってみたけど国民生活がトンデモナイ事態になったため変更したいと思っても、「後戻りは許さない」という規定です。まさに、入ったが最後、泥沼・アリ地獄的な協定です。交渉に参加すれば情報が入る・有利に交渉を進められると仰る方もいますが、交渉に参加しても内容は国民に知らせてはいけないという守秘義務もあるやに聞いていますし、交渉内容に影響力を及ぼすには日本の外交力は弱過ぎる上、既に時間的観点から手遅れです。

TPPに関しては、反対者の本は色々出版されていますが、賛成者は新聞紙上には載る反面、本の一冊すら出版していません。これこそが、まともな論理がない証左ではないでしょうか。

経済的利益の面においても、内閣府の試算では、GDPが0.54%向上するだけ!とのことです。およそ2.5兆円の利益に相当しますが、食糧安全保障の観点から農業予算に年間10兆円・20兆円つぎ込むことになれば経済面ですら赤字です。

もし参加してしまったら後世、絶対に後悔することになる協定、私は政治生命をかけて反対を貫いてまいります。ご理解・ご協力のほど、よろしくお願いします(^-^)。

12月議会における質問の動画

平成24年12月定例会において、地方交付税廃止が本市財政に与える影響・新規就農者支援事業の対象年齢拡大・青年就農給付金受給への支援・南長野運動公園総合球技場の「篠ノ井スタジアム」への名称変更と全面屋根かけ・支所の建て替え推進、につき質問いたしました。

1問1答方式の特性を活かし、丁々発止、かつ、議場や答弁者から笑顔や笑いが生じる、真剣な中にも和む質問をいたしました。議場の雰囲気は傍聴してこそなので、動画では伝わらないところもありますが、楽しい質問になりましたので、ぜひ、ご覧ください(^-^)。個人質問5望月義寿です(^-^)。

http://www.city.nagano.nagano.jp/site/siseihousou/64343.html

いよいよ総選挙!

12月4日、衆議院議員選挙が公示されます。前回の総選挙は、政権交代をかけた極めて重要な選挙であり、有権者の1票で政権交代がなされた、我が国史上初の快挙となりました。民主党政権が成立し、子ども手当・高校授業料無償化・農業者戸別所得補償・農業青年者給付金等々、今までの自民党政権では為し得なかった政策を実現したことは、極めて大きな成果であり、政権交代の意義は確実にあったと考えます。しかしながら、マニフェストに掲げた重点施策であるにも関わらず実現出来なかったことも多々あり、かつ、「やらない」と言っていた消費増税に道筋をつけ、考えてもいなかったTPPに参加したい等、批判されて当然の「お粗末な事柄」も多々ありました。

これらの原因は、民主党が政権奪取を最大の目的としてまとまってきた寄せ集めの政党であったことと、歴代総理が党内合意を経ずして「思いつき」で発言してしまう、経験不足・党内手続きの軽視・他党への説得工作のまずさ・官僚の使い方の失敗、にあると考えます。

民主党が、これらの反省を踏まえて国民との約束を守り、安定した政権運営が出来るならば、私は、子どもや農業に光を当てる理念の実現を心から望むものです。今回の総選挙は、小選挙区制にしたにも関わらず小党乱立状態です。新自由主義的・独裁的傾向が強い日本維新の会が石原前都知事を取り込むため政策棚上げの合併をし、どういう政策を実現したいのか今ひとつ見えなくなりました。自民党も安倍総裁の下、党内でも異論があるであろうタカ派路線に舵を切りました。日本未来の党は、反TPP・卒原発等の理念を共有する政党が大合併して出来ました。共産党や社民党は一貫して反TPP・脱原発・消費増税反対を訴えてきました。

この総選挙後、おそらく政界再編や連立工作が行われると思います。それだけに、投票した政党がその後残るか、どこと組んでどういう方向を打ち出すのかわかりづらい、有権者としては本当に難しい一票になります。しかしながら、国民生活の今後を決めるのは、結局のところ、どの候補者・どの政党が議席を得るかによるのが民主主義です。

大切な一票を託すに値する候補・政党を選んでいただきたいと思います(^-^)。

TPPに関して山場を迎えそうです

TPP(環太平洋連携協定)に関して、山場を迎えそうです。この11月18日、東アジア首脳会議がカンボジアで開催されますが、その場において、アメリカ大統領選後初の日米会談の場面で、野田首相がアメリカに配慮する姿勢を見せるとともに日本経済界に選挙前の「実績」をアピールするために、TPP交渉への参加を表明するのではないかとの懸念が民主党・自民党の心ある議員の間で共有され、期せずして11月1日に民主・自民両党の農林関係議員が、それぞれ「TPP参加を全力で阻止すること」を確認しました。

TPPは農業問題に過ぎないように矮小化して伝えられていますが、国民の食(農業・食糧自給率・安全性・表示)がないがしろにされることはもちろんのこと、医療制度・郵便事業・雇用・環境問題・地方公共団体の公共事業のあり方にまで影響を与え、外資が「問題あり」と言いがかりをつければ国際的な(アメリカ主導の機関)により裁定され、多額の賠償金を国家(日本)が支払うはめになる、とんでもない協定です。(その分、日本の企業も進出先の相手国に対して、その国の国情・環境・労働者の幸せを無視して、やりたい放題できる協定でもありますが・・・。)

私としては、自由貿易自体を否定するものではありませんが、昨今の「行き過ぎた新自由主義」的風潮には本当に危機感を覚えます。貿易は、自国にとって最大の利益を得られるよう考え抜き・交渉して、国家・国民の利益を図るべきなのに、考えることをやめて自国の不利益になる協定に入ろうとするなど、理解に苦しむ以前の話です。(TPPに参加することによる経済的な利益はGDPが年0.54%向上することのみと、内閣府が認めています。それに対して、関税0になれば、国内の農村は間違いなく壊滅し、食糧自給率は農水省の試算である13%どころではなく下がることは必至です。)

現在、輸出産業が苦しいのは、異常な円高が原因であり、円高対策こそが一番の輸出促進策です!

私は、一地方自治体の議員に過ぎませんが、出来ることは全て行い、全力でTPPを阻止し、故郷(ふるさと)守っていきたいと思います。

我が恩師である、篠原孝衆議院議員の反TPP本をご紹介します ↓

http://www.amazon.co.jp/TPP%E3%81%AF%E3%81%84%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84-%E2%88%92%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%AA%E3%82%BC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%81%8B%E3%82%89%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%91%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%82%BC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%81%B8-%E7%AF%A0%E5%8E%9F%E5%AD%9D/dp/4535586233

ぜひ、ご覧ください(^-^)。

 

―その後の展開(2012年11月26日追記)―

東アジア首脳会議において、野田首相は、オバマ大統領にTPP参加に前向きなメッセージを送りましたが、アメリカ側としては、TPPを争点にして民主党が惨敗した時に日本の民意がTPP反対だと捉えられては困るとの判断から、野田首相に自重を求めたそうです。マニフェスト作成の会合に篠原孝代議士が積極的に参加しTPP反対を唱えたことと相まって、マニフェストの表現は「多少」穏健になる予定です。