長野市議会議員会派

改革ながの市民ネット

平成30年長野市議会9月定例会開会

 6日03:08頃に胆振地方中東部を震源としたM6.7の地震があり、北海道安平町で震度6強の揺れを観測。私も朝のニュース番組で状況を目にしました。厚真町での大規模な土砂災害、札幌市の液状化、道内全域に及んでいる停電等、心よりお見舞い申し上げます。 本日(9/6)から9/26までの21日間の会期で長野市議会9月定例会が開会しました。 今定例会では、平成30年度一般会計補正予算はじめ議案22件、認定2件、報告10件が提出され、本会議並びに委員会にて審議されます。  補正予算は歳入歳出それぞれ18億5,883万強が追加されております。その主な中身として、今年7月に発生した集中豪雨等により被災した道路、河川、農道、水路、農地及び林道等の施設の災害復旧に要する経費として4億5,800万弱が、また、市立小中学校での安全点検により判明した危険ブロック塀の解体・復旧に要する経費、城山公園再整備、もんぜんぷら座の耐震補強及び防災設備の更新工事に係る経費等が追加されております。  今議会にて報告案件の一つである長野市が一定割合以上を出資している法人の経営状況について地方自治法第243条の3第2項の規定により、平成29年度の株式会社エムウエーブの経営状況報告があります。(株)エムウエーブは、「エムウエーブ」と「ビッグハット」の管理運営をしています。「エムウエーブ」の述べ利用者数は23万3,563人、「ビッグハット」(若里市民文化ホール含む)では39万590人で、当期純利益は1,259万8,581円となりますが、長野オリンピック、パラリンピックのシンボルの一つとして更に、大型イベントの企画、誘致、積極的な営業展開とサービスの向上に期待するところであります。  もう一つ、長野市民病院ですが、受け入れ述べ入院患者数13万6,320人、述べ外来患者数23万4,554人となっており、決算は収益総額151億5,579万に対し、費用総額149億812万で2億4,766万強の黒字決算との報告です。    上述を含めて主に常任委員会で審議が行われますが、私も所属委員会に付託された議案を中心に議論を深めて参ります。    そして、市長が議案説明の際に、平成29年度一般会計決算について触れられました。歳入では、法人市民税などの市税や国からの地方交付税交付金が減少したものの、国庫支出金、建設債、臨時財政対策債などの市債の増加により昨年度比で21億円増の1,531億余りです。 歳出については、扶助費や公債費、国庫補助金を活用した普通建設事業費、豪雨災害に伴う災害復旧費などが増加したことにより前年度比で25億増の1,501億余りとなり、実質収支額は17億7,000万余りの黒字となるとのことでした。 ただ、私も一般質問で取り上げましたが、財源不足を補うために財政調整基金17億円余りが取り崩され、また、平成25年度以降、その取り崩し額が年々拡大している、とのことでした。この財政調整基金は、急激な歳入減・突発の歳出増に備えて積み立てなので、ある程度保有しておく必要があります。年々積立額が減少していくことは将来に向けて立て直していくことが求められると思いますので、私もしっかり調査研究を行いながら議会の中でも取り上げていきたいと思います。

改革ながの市民ネット行政視察(その2)

 行政視察2日目は岩手県盛岡市の「サウンディング型市場調査」取り組みについて調査研究を行いました。 まず、「サウンディング型市場調査」とは、行政が行う公共施設などの大規模改修や新規建設事業等を行う場合に、事業発案段階で官民での対話を通し、市場性の有無や実現可能性、アイデア等を把握する目的で行うもので、事業案が策定された後、事業者公募に反映させ、官民双方にメリットを生み出すためのものです。  この調査の際に重要となるのが、官民による対話であり、精緻な資料等を用いたりせず、負担の少ない中で官民の意思疎通をはかることとなります。そこで得られたことを事業に繋げていかなければなりません。  盛岡市では昨年度、老朽化した勤労者センター「サンライフ盛岡」の大規模改修に関するサウンディング型市場調査を実施し、効率的かつ効果的な工事手法、空調機器使用に対する考え、性能発注や設計施行一括発注などの発注方法に対する考え等についてサウンディングを行い、その結果を踏まえ設計・施工事業者一括選定方式を用いた性能発注による大規模改修実施へとつなげております。この手法を取ることによりコスト削減、工期短縮といった効果が期待されるところです。  更に、盛岡市は、平成28年度に内閣府の地域プラットフォーム形成支援を取り入れ、官民連携プラットフォームセミナーを開催し、以後、PPP、PFI手法の取り組みを推進する体制を整えてきました。民間事業者の創意工夫やノウハウを活かした体制を整備することで事業案件の形成に向けた検討準備の場を設け、金融機関、各団体がコアメンバーとなり「もりおかPPPプラットフォーム」が設置されたということです。  昨年10月に開催されたプラットフォームでは約100人の参加のもと、上述の「サンライフ盛岡」の大規模改修に関するサウンディング型市場調査について議論が交わされたとのことです。  サウンディング型市場調査といえば、横浜市が実施したことから全国的に広がり、現在では様々な事業において取り組みが普及し、盛岡市では上述の他に、現在、(仮称)新盛岡バスセンター整備事業を進める中においても取り入れているようです。  長野市では、今年度に入り、市内全小中学校へのクーラー設置等、サウンディング型市場調査の導入を決めております。盛岡市も緒に就いたばかりの中で、進めていくにあたり留意しなければならないことも見えてきているようです。例えば、参加者によっては、対話への参加が事業者選定時のインセンティブとなると捉えたり、行政側の発言内容を自身の都合のいいような捉え方をしたり、といったことを想定しながら対話参加に係る前提条件を明確に示さねば、という認識を持っているとのことです。また、課題が少しづつ見えてきたようで参加参加事業者が限定的となってしまうといったことから更なる検討が必要としております。あくまで事業を効率よく、かつ、効果的に行うという目的に敵うものである必要があります。  こうしたことも踏まえ、長野市担当課、そして議会としても未知の領域であるとも言えることなので、じっくり検証を行いながら活かし、進めていかなければなりません。

改革ながの市民ネット行政視察(その1)

 7月2日~4日まで会派「改革ながの市民ネット」議員7名で行政視察を行っております。 一日目は、岩手県陸前高田市にて震災からの復興状況及び防災の取り組みについて調査研究を行いました。 平成23年3月11日、陸前高田市を襲った東日本大震災から7年、復興状況について、平成29年度末時点の主要事業は、全165事業のうち51事業が完了。    災害に強い安全なまちづくりを進める上で、市街地や住宅地を津波による浸水から免れるよう高台やかさ上げ地整備をするといった、東日本大震災で防災機能が麻痺した教訓を生かしながらの整備がおこなわれております。  それを踏まえ、本日、現地視察を行った防潮提も目下整備中、また、新しい町づくりとして整備が進められている高台整備もまだ十分とは言えない状態ですが、震災の脅威を改めて感じた次第です。陸前高田駅周辺の整備は、全国チェーンストア進出、飲食店、スポーツショップ等が営業されているものの真の復興までには時間が要するのではとの印象です。そんな中であっても、時間は掛かったとしても復興に向けた市としての取り組みは国からの支援を活用しながら全力を挙げて前に進んでいるものと思われます。    更に、今回の視察では陸前高田市の防災対策管理監より「防災」について丁寧に説明をしていただきました。市として震災検証報告をまとめ、全世帯に配布するといった震災を教訓としながら更なる防災体制の強化への取り組み、あらゆる災害に対する非難マニュアル、ハードとソフトを組み合わせた防災対策が大事、とのことで、全市民が共有することの重要性を強調されておりました。    そんな中で、大いに参考となることとして、①避難所に逃げたら終わりではない。→震災時、一時避難所に避難したにも関わらず300人~400人の方々が犠牲となった。67か所の一時避難場所であっても、津波浸水区域であり50cm未満とされていた場所でも30名弱の犠牲者が出たこともあり、その教訓を生かし、現在の避難場所は震災時に1cmたりとも浸水しなかったところを避難所と指定している。②避難が何より重要! 命を守るためには避難が何より重要であるということ。避難のタイミングと被害状況の分析からも明確になっており、情報の入手、そして、自分の命は自分で守る、という意識の醸成が必要だということです。そうしたことを踏まえると、日ごろからの防災訓練や防災教育が必要であるのは言うまでもないことであろう、と思います。  私も議会にて災害対策について取り上げてまいりましたが、災害発生の危険性が高まった場合の行政からの正しい情報発信を市民がいかに受け取るのか、とかく聞こえ辛いといわれる防災行政無線、防災意識の醸成等は、机上の論理では対応できないことが陸前高田市担当者の話をお聞きし改めて認識しましたが、参考として、陸前高田市では、市民の情報入手についてフリーダイヤルを設置し、無線を聞き漏らした場合等に対応できるといった対策を講じております。また、行政としての取り組みで必要なことは何か、と質問させていただきましたが、専門性があり、経験も重要であるといったことから、2,3年で担当が変わるとか、担当課への人員配置といった手厚い陣営を整えていくことが必要ではないか、とアドバイスをいただいたところです。長野市としての防災対策について、引き続き、安全なまちづくりを目指し、陸前高田の事例などを参考にしながら取り組みを深めていきたいと思います。

6月定例会で登壇します!

 お伝えの通り、平成30年度長野市議会6月定例会が会期中です。 先の3月定例会に引き続き、今定例会において、明日、一般質問を行います。  定例会初日、市長の議案説明の中で、すべての市民が生涯現役で活き生きと健康で生活していけるように「ながのベジライフ宣言」の取り組みと、市民が主体的に食生活や運動などの生活習慣の改善等について述べられました。このテーマについて、私もこの6月議会の個人質問で取り上げたいと考えているところです。    日時 :  6月14日(木)   13時40分頃~ (答弁含め約30分)  場所 : 長野市第一庁舎8F議場   <質問項目>1.国民健康保険制度改正について         2.健康増進策について         3.観光施設などでの正確な情報発信について         4.その他  人口減少と高齢化社会が進展していく中で、全市民の健康増進への取り組みが将来に渡って財政的な面から考えても必要なことだと思います。前向きな答弁を引き出せるよう、当日ギリギリまで頭を悩ませながら、しっかりとした質問としていきたいと思います。        

6月定例会開会

 本日(6/7)、長野市議会6月定例会が、6月22日まで16日間の会期で始まりました。本定例会には平成30年度一般会計補正予算など議案14件、承認案件5件、報告案件12件が提出され、まず、それぞれの常任委員会で、その後、最終日の本会議にて審議、採決されることとなります。 開会にあたり、市長の議案説明の中から抜粋しますが、次のようになります。 1、平成29年度一般会計決算について、本市の基幹収入となる市税は、前年度を若干下回る583億円となる見通しである。 2、平成29年度は、例年になり規模の災害復旧への対応から、基金取り崩しが前年度を3億円上回る17億円となる。更に、市債残高が前年度比で11億円増加、1,538億円余りとなる。等の決算見込みについて説明がなされ、 市の動向については、 1、交通対策について、市中心部と南部地域間の渋滞解消について、五輪大橋の無料化の早期実現、東外環状線の早期開通、落合橋の架け替えなど、国や県に働きかけを行い、早急に実現していきたい。 2、セントラルスクゥエアの整備では、現在、設計が進められており、平成32年度の供用開始を目指し、今年の「長野びんずる」以降に整備工事を行う計画である。また、「もんぜんぷら座」の老朽化や耐震化などの対応として、必要最低限の補強と防災設備の改修を行い、長期的な視点で新田町交差点周辺のまちづくり構想の検討をしていく。 3、2027年に長野県開催が内定している国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会について、施設要件を満たす南長野運動公園のオリンピックスタジアムを検討していただくよう、県に提案した。 等々です。  また、市長の議案説明で、上述の他に、すべての市民が生涯現役で活き生きと健康で生活していけるような「ながのベジライフ宣言」の取り組みと、市民が主体的に食生活や運動などの生活習慣の改善等について、私もこの6月議会の個人質問で取り上げたいと考えているところです。 人口減少と高齢化社会が進展していく中で、全市民の健康増進への取り組みが将来に渡って財政的な面から考えても必要なことだと思います。前向きな答弁を引き出せるよう、当日ギリギリまで頭を悩ませながら、しっかりとした質問としていきたいと思います。  今年度がスタートし、2か月が経過しましたが、平成30年度では最初の定例会となります。本会議、委員会、しっかりと臨んでまいります。

思い出多い「飯綱スキー場」

 新聞、TVで報じられております、飯綱高原スキー場について、市営スキー場としての運営は、長くても2019年度シーズン終了までとする、という方向性が示されました。過日行われた市当局からの政策説明会にて所管部局より説明を受けましたが。改めてまとめたいと思います。  今後、民間への譲渡、完全民営化に向けてサウンディング調査を経て、今年度中に譲渡先の公募等を行っていく予定で、もし、譲渡先が見つからなかった場合は、閉鎖し、施設の後利用の検討を行う、具体的には、国有林化に向けたリフトなどの工作物を撤去し、森林の再生を行っていくというものです。  飯綱スキー場といえば、私も子どもの頃からの慣れ親しんだ愛着のあるスキー場であり、今でも、近くて安くて安全であることから、スキーと言えばまずは飯綱、という意識でおります。小学生の頃、学校でのスキー教室は当然、飯綱であり学年が上がるにつれて難易度の高いゲレンデ、第5リフトで滑ることが当時で言えば、一つのスタータスのようなものでした。思い出深いスキー場であります。  そんな飯綱高原の年別来訪者数の推移をみてみると、平成18年72万人、平成28年には104万人と、ここ10年間の平均で約90万人が訪れる長野市にとっても重要な観光拠点であると言えます。更に、過去10年間の月別来訪者の状況で言えば、5月が19万人弱、8月が最も多い24万人弱で、GWやお盆休み等の長期休暇を利用し、多くの方々の足が飯綱に向かっております。特に、4月~10月のグリーンシーズンでは、年間来訪者の85%を占めている状況である一方、ウインターシーズンの来訪者は、過去10年間で年間でいえば全体の15%と、スキー人口の減少や温暖化による雪不足等から年々客足が伸び悩んでいるのが実態です。こうした数字を改めて眺めてみると、飯綱高原はグリーンシーズンの観光スポットとして認識され、位置付けられていると改めて感じます。  飯綱スキー場の財政について、長野市では飯綱高原スキー場事業特別会計という公営事業会計としております。簡単に言えば、長野市が経営する会社のようなもので、会社であれば利益が出なければ倒産、こうした仕組みに当てはまります。 飯綱高原スキー場は、長野市が長野市開発公社(以下、公社)を指定管理者としており、公社によって管理運営が行われております。平成29年度は、長野市一般会計からスキー場の特別会計へ約1億円が繰り出され、ほぼそのまま、公社への指定管理料となるわけです。  スキー場経営自体が大変厳しい状況にあり、更に、人口減の中にあって更に、スキー人口減、雪不足といった面から、これから毎年、一般会計から繰り出し続けていいのか、といった議論を私が所属している会派においても行ってきた経緯があり、平成30年度の予算要望でも取り上げております。    私自身、思い入れのあるスキー場でありますが、現実を受け止め、更に、将来の長野市における財政推計、人口動態などを踏まえれば、今回示された方向性を私は評価しますし、サウンディング調査等に期待をしております。ただ、懸念する部分は、譲渡先が見つからなかった場合のことです。国有林として工作物の撤去等の森林整備を行うわけですが、その場合にかかる多額の費用についての議論はまだまだ深まっておりません。譲渡先が見つかるか、後利用における財政負担はどうするのか、方向性は理解するものの、解決すべき課題は残っておりますので、私自身勉強を重ね、しっかり議論を深めていきます。

思いやり 乗せて信濃路 咲く笑顔

 「思いやり 乗せて信濃路 咲く笑顔」は、今年度の交通安全年間スローガンです。本日、長野南交通安全協会の平成30年度総会に出席させていただきました。    平成29年中の長野南警察所管内の交通事故発生状況は、428件で前年より32件(7%)減少で、安協の皆様方の日頃からの活動のお蔭ではないかと思います。幼稚園、保育園から高校まで各所における安全指導、街頭での活動、パトロール等、安全への意識が多くの市民お中に醸成されているのではないでしょうか。  しかし、管内の死傷者数は減少傾向にある中でも、高齢者交通事故を課題として捉えられている、とのことです。運転免許人口からみると、免許保有率で長野県は群馬、山梨に続き全国3位の71.6%ですが、県人口に対する高齢者免許保有率では富山県と並び全国1位(19.9%)で、高齢者による交通事故についてはしっかり向き合わなくてはなりません。  私も以前、市議会個人質問で、特に免許返納した高齢ドライバーが移動の手段を失うことがないように公共交通網をきめ細かく設けるべきで、更に、タクシー利用も含め検討を進めるべき、と取り上げました。安協でも課題として遡上に乗せているのであることを踏まえながら長野市として更に真摯に受け止め、施策の展開を図っていくよう、これからも取り組みます。  管内の交通事故発生に伴う死傷者数が減少していることと併せて、一昨年から今年4月中旬まで死亡事故ゼロが570日間続いた(4月中旬に管内で1件死亡事故発生)、とのことです。この数字は凄い数字のようで、管内のみならず確率で言えば最もリスクの高いのが交通事故ですのでドライバーのみならず全員が意識を高めていかなければなりません。  ちなみに交通事故発生状況のデータから、月別では4月と9月が高く、10月が比較的低く、曜日別では、火曜日と木曜日、次いで水曜日が発生件数が高くなっております。更に、時間別では朝の7時代と8時代、13時代、17時代と18時代です。 こうした曜日、時間以外でも相当な注意が必要ではありますが、多発傾向の高い曜日や時間を少し意識してみることも大事なのかな、と思います。  とにもかくにも、交通事故のない安全で快適な交通社会の実現を目指し、私も取り組んでいきたいと思います。

誰のための働き方改革か

 働き方改革関連法案が審議不十分の状況下で衆院厚生労働委員会で強行採決され可決しました。私も16年半をサラリーマンとして過ごし、後半は人事部門の責任者を務めておりましたので、従業員の労働時間管理から職場環境の整備等、今でも相当な関心を寄せており、働くことでもたらされる恩恵、幸福感を増していくことができるような社会の実現を目指しております。  5月26日の午後、連合長野さん主催による2018地域フォーラム㏌長野が開催され、法政大学の藤村博之教授より「働き方改革」は何をもたらすのか、と題した基調講演をお聞きしてきました。  働き方改革の議論は、今から25年前の1990年代半ばの成果主義の議論に似ているとのこと。1990年代半ばといえば、私自身も会社員として仕事をしていた時期ですので、当時、成果主義が人事面に影響を与えるものとなる、との認識を持ち始めた時期であったと思います。 仕事で成果をあげれば給与は上がり、逆に、成果をあげられなければ現状維持で、厳しい社会情勢下で、中々仕事へのモチベーションを高めることが難しかった側面もあったのではないかと思います。同時に、従来の年功序列主義に代わる成果主義の導入、更に、採用抑制等から個々の従業員への負担が増え始めた時期でもあると思います。それが長時間労働時代への本格的な突入に繋がってきているのではないかと思います。  政府の働き方改革の目的はいくつかありますが、藤村先生の講演では、いずれの目的も少子化が問題の根源にあるとのことでした。 人口減少に直面する日本社会→労働力の確保策→女性・高齢者・外国人、特に、一億総活躍社会は女性と高齢者に期待を寄せている→少子化を止めることが大きな課題→若年層の所得向上と長時間労働の是正が有効である、という流れの論理です。  日本では、結婚することが子供を持つことの前提とされており、30~34歳女性の未婚率は1980に年9.1%だったものが、2015年には34.6%へと大幅に上昇。なぜ結婚しないのか、結婚観の変化もあるが、所得の低下が大きな要因となっている。厚労省の成年者継続調査によれば、男女とも初職が正規の方が、非正規よりも結婚経験の割合が高い、また、所得が高ければ高いほど結婚の割合が高くなる、という結果が出ているようです。つまり、所得の向上が婚姻率を上げる、また、少子化対策に繋がる、というものです。  更に、長時間労働と出生率の関係をみると、社人研の出生動向調査では、バブル崩壊後の不況により新卒採用控え、現状の人員で様々な仕事をこなすという職場環境から長時間労働が常態化することとなり、2005年以降から完結出生児数が2.00を割り、2015年は1.94という結果となっております。また、夫の休日の家事・育児時間別にみた出生状況では、家事育児の時間が少ないほど「出生なし」の割合が高く、つまり、夫の家事育児の時間が多くなれば「出生あり」の割合が高まる、という結果も出ているようです。平日の仕事が大変で、長時間労働からくる疲労回復のために土日が休みであっても家事の時間をほぼ持てない、休息の時間に充てざるを得ない、という社会状況では少子化の問題解決にはつながらない、ということです。よって、長時間労働が与える影響は、身体のみならず、少子化対策を考えても、根の深いものであるといえるのではないでしょうか。  誰のための働き方改革なのか、長時間労働の本当の原因はどこにあり、どう解決すれば良いのか、長時間労働の先に何があるのか、表面的な現象のみに捉われるのではなく、本当の原因を解明しながら、働くことで更なる幸福感を高めていくために行政のみならず、労使ともに考えていく必要があるのではないか、と感じた次第です。  

誰のための働き方改革か

 働き方改革関連法案が審議不十分の状況下で衆院厚生労働委員会で強行採決され可決しました。私も16年半をサラリーマンとして過ごし、後半は人事部門の責任者を務めておりましたので、従業員の労働時間管理から職場環境の整備等、今でも相当な関心を寄せており、働くことでもたらされる恩恵、幸福感を増していくことができるような社会の実現を目指しております。  5月26日の午後、連合長野さん主催による2018地域フォーラム㏌長野が開催され、法政大学の藤村博之教授より「働き方改革」は何をもたらすのか、と題した基調講演をお聞きしてきました。  働き方改革の議論は、今から25年前の1990年代半ばの成果主義の議論に似ているとのこと。1990年代半ばといえば、私自身も会社員として仕事をしていた時期ですので、当時、成果主義が人事面に影響を与えるものとなる、との認識を持ち始めた時期であったと思います。 仕事で成果をあげれば給与は上がり、逆に、成果をあげられなければ現状維持で、厳しい社会情勢下で、中々仕事へのモチベーションを高めることが難しかった側面もあったのではないかと思います。同時に、従来の年功序列主義に代わる成果主義の導入、更に、採用抑制等から個々の従業員への負担が増え始めた時期でもあると思います。それが長時間労働時代への本格的な突入に繋がってきているのではないかと思います。  政府の働き方改革の目的はいくつかありますが、藤村先生の講演では、いずれの目的も少子化が問題の根源にあるとのことでした。 人口減少に直面する日本社会→労働力の確保策→女性・高齢者・外国人、特に、一億総活躍社会は女性と高齢者に期待を寄せている→少子化を止めることが大きな課題→若年層の所得向上と長時間労働の是正が有効である、という流れの論理です。  日本では、結婚することが子供を持つことの前提とされており、30~34歳女性の未婚率は1980に年9.1%だったものが、2015年には34.6%へと大幅に上昇。なぜ結婚しないのか、結婚観の変化もあるが、所得の低下が大きな要因となっている。厚労省の成年者継続調査によれば、男女とも初職が正規の方が、非正規よりも結婚経験の割合が高い、また、所得が高ければ高いほど結婚の割合が高くなる、という結果が出ているようです。つまり、所得の向上が婚姻率を上げる、また、少子化対策に繋がる、というものです。  更に、長時間労働と出生率の関係をみると、社人研の出生動向調査では、バブル崩壊後の不況により新卒採用控え、現状の人員で様々な仕事をこなすという職場環境から長時間労働が常態化することとなり、2005年以降から完結出生児数が2.00を割り、2015年は1.94という結果となっております。また、夫の休日の家事・育児時間別にみた出生状況では、家事育児の時間が少ないほど「出生なし」の割合が高く、つまり、夫の家事育児の時間が多くなれば「出生あり」の割合が高まる、という結果も出ているようです。平日の仕事が大変で、長時間労働からくる疲労回復のために土日が休みであっても家事の時間をほぼ持てない、休息の時間に充てざるを得ない、という社会状況では少子化の問題解決にはつながらない、ということです。よって、長時間労働が与える影響は、身体のみならず、少子化対策を考えても、根の深いものであるといえるのではないでしょうか。  誰のための働き方改革なのか、長時間労働の本当の原因はどこにあり、どう解決すれば良いのか、長時間労働の先に何があるのか、表面的な現象のみに捉われるのではなく、本当の原因を解明しながら、働くことで更なる幸福感を高めていくために行政のみならず、労使ともに考えていく必要があるのではないか、と感じた次第です。  

長野市議会経済文教委員会行政視察その3

 行政視察3日目は、香川県高松市の「市立公民館のコミュニティセンター化について」を調査しました。 まず、市立公民館とコミュニティセンターの違いですが、 「市立公民館」は、社会教育法を根拠として、住民のために、教育・学術・文化に関する各種の事業を行う教育機関として、市町村その他一定区域内の住民のために、生活に即する教育、学術および文化に関する各種の事業を行い、生涯学習の拠点施設として住民の教養の向上、健康の増進、情操の純化を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与することが目的とされております。 一方、「コミュニティセンター」は、 地域住民がふれあい、活動する場として、また、生涯学習を実践する場として設置され、地域のコミュニティの地域の各種団体の代表者からなる運営委員会が指定管理者となり、地域住民が気軽に利用できるよう地域に密着した管理・運営を行っていくものです。  簡単にまとめると、公民館=生涯学習の拠点、コミュニティセンター=地域コミュニティー活動の拠点となり営利目的や入場料を徴収するといった活動も可能となるものです。 <高松市のコミュニティーセンター移行への経緯>  地域コミュニティー組織化の面で、平成15年より地域コミュニティー協議会が組織化され、平成20年には市内全地区(44地区)で体制が整ったとのことです。ほぼ並行し、公民館からコミュニティセンターへ平成18年から指定管理の試行がなされ、初年度に41センター、平成22年度に51センター、平成25年度に52センターと全館コミュニティーセンター化が完了するといった非常にスムーズに移行が進められらものでした。  高松市は驚くことに自治会への加入率が平成29年で59.04%で、協議会が組織化された平成15年段階でも、74%と決して高いものではありません。ちなみに、長野市は96%と高い状態であります。  地域での連帯感の希薄化、地域課題の多様化、国の施策でもあった地方分権の概念から住民自治の推進から、平成22年に自治基本条例を施行し、地域コミュニティー協議会がまちづくりを行うために、一つの地域に一つに限り市長が認定する組織として位置づけられ、コミュニティーの必要性を重んじる体制づくりと取り組みがなされてきました。  そのための中心的な役割を担うのがまさに「地域コミュニティーセンター」であります。市長部局(地域政策課)の管轄として、それまでの生涯学習の拠点という性質をしっかり残しながら、コミュニティーの活動拠点の施設としてそれぞれの協議会が指定管理者となり住民主体で運営されております。 <管理・運営の体制>  上述のとおり、協議会が指定管理者となり管理・運営がされておりますが、まず、センター長、主任は、協議会による公募(18歳以上、他、パソコン、地域の実情に応じた条件が付加される場合がある)で行われているとのことで、50代の方が多いようです。施設管理運営の係る経費では平成30年度概算で、1千万/館で、人件費720万、物件費で280万となっております。施設修繕で1万超のものは市で対応するなど経費分担を明確にするなど、民主的な運営と透明性の確保が図られるべくと取り組みがなされております。 <コミュニティセンターにおける生涯学習機能は>  センター移行後も生涯学習の拠点であるという位置づけは変わっておらず、これまで公民館が果たしてきた役割の維持、向上を図りながら、高松市から協議会に対し、生涯学習を推進するための事業を委託し、各種講座が開催されているとのことです。公募で採用したセンター長または、主任、スタッフに対し、生涯学習推進委員として、地域の生涯学習をコーディネートするキーパーソンとして委嘱し機能充実に向けた取り組みがなされております。  推進委員研修なども概ね月1回行われるなど積極的な姿勢が見て取ることができます。 <センター移行による利点と課題は>  センター移行時の市民の反応ですが、ほぼ全市民の理解を得ることができ、スムーズに移行できた、とのことで市民における抵抗感は無いようです。教育委員会とコミュニティー推進課などが部局横断的に定期的なミーティングを重ね、また、現地を巡回し、見える形を持ちながら、時には同じテーブルでの議論を通し、円滑な運営が行われているようです。そうしたことで、地域コミュニティーの質の向上、生涯教育の充実に繋がりセンター移行による利点を見いだせているのではないかと感じます。  今後の課題とすれば、運営主体である協議会として共通するもののようですが、問題解決に向けての中長期展望のある事業の立案、経理上の混乱を避けるための交付金統合など地域にとって必要な施設であり続けるとともに、より一層の機能の充実をどう図っていくのかではないかと思います。 <長野市では>  長野市では、すでに住民自治協議会設立から10年、これまでの検証、課題の見極め、今後の取り組みなど、発展途上の段階なのかもしれません。また、市立公民館については、現在、本館29(分館は30)のうち、9館が指定管理者制度に移行し運営がされております。  所管する長野市教育委員会は、現在の公民館施設利用における制限緩和が必要で、社会教育法に基づく利用から地方自治法の範囲に拡大することにより、生涯学習が推進される施設としての機能を維持し、更に住民にとってより有効な活用が図られるという方向性を示しております。それがコミュニティーセンター化への移行に繋がっていくものだと私なりに認識しておりますが、人件費を含んだ経費面、人材の確保、事務負担増などの懸念も各地区から寄せられているようです。そうしたことを踏まえ、前向きに、かつ、具体的に検討していく段階ではないか思います。それぞれの地域における課題、利用上における地域住民がうけるメリットとデメリットを想定しながら、長野市らしい公民館またはコミュニティーセンターとして役割を発揮できる施設としていかなければなりません。今回の高松市の取り組みをしっかり参考としながら、これから委員会の中で議論を深めてまいります。