長野市議会議員会派

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長野市議会9月定例会開会

 本日(9月1日)、令和4年9月定例会開会が開会し、「令和4年度長野市一般会計補正予算」など議案 21 件、認定2件、報告 10 件が上程されました。  初日の今日は、市長より議案の提案説明等がありましたので、一部、ご紹介します。 <新型コロナ> 新型コロナウイルス感染症の状況について、市内新規感染者数は、8月 19 日発表分で過去最多の 817 人となり、外来診療や救急医療体制に大きな負荷が生じている。  そのため、医療機関の負担軽減を図るため、検査キットを医療機関等への緊急配布、医療機関を受診せずに自己検査で陽性確定ができる「新型コロナ自己検査オンライン登録システム」、陽性者の濃厚接触者が有症状となった場合、医師の判断により、検査を行わず臨床症状で診断する、いわゆる「みなし陽性」の運用を、先月上旬から、実施してきた。  国から、感染第7波の現状を踏まえ、新規感染者の全数把握を見直す方針が示されたが、感染者への対応を含め、長野県や医師会、医療機関等と連携し、適切に対応していく。 <物価高騰と豪雨災害>  ウクライナ情勢などに伴う原油価格や物価の高騰による市民生活への影響が続いている。「令和4年度長野市一般会計補正予算」において、原油価格・物価高騰対策として、地方創生臨時交付金を活用し、市独自で、食費などの物価高騰に直面する全ての子育て世帯に対し、児童一人当たり 1 万円を支給するほか、市民税非課税世帯等を対象とした冬季の暖房費の補助や、燃油価格高騰の影響を受ける農業者に対する支援などを行っていきたい。  学校給食費についても、保護者に追加負担を求めることなく、これまでどおりの栄養バランスや質・量を保った安全でおいしい学校給食を安定提供できるよう、学校給食食材費の物価高騰分を一般会計で賄うための費用を補正予算案に計上した。 <本年度の主な施策・事業の動向> (令和元年東日本台風災害からの復興)  「令和元年東日本台風災害からの復興」では、8月10日、長沼体育館の復旧工事が完了した。また、(仮称)豊野防災交流センターの整備については、当初予定である令和6年8月のオープンに向け、事業を進めている。  治水対策は、浅川第一排水機場の災害復旧工事が昨年度末に完成し、令和元年東日本台風災害で被災した本市が管理する排水機場は全て復旧した。 (KURURUからSuicaへ)  バス共通ICカードである「KURURU」は、JR東日本が開発した「Suica」と連携した地域連携ICカードとして、令和7年春の導入方針を決定し、現在、JR東日本と導入に向けた協議を行っている。 (住宅の耐震)  災害に強いまちづくりのために、耐震性の低い住宅の所有者に対し、耐震化の必要性を啓発し、耐震診断が必要とされた家屋所有者に対し、昨年度から耐震改修工事の補助率を、2分の1から5分の4に引き上げたこと等についてダイレクトメールを活用し、耐震改修を働きかけ、住宅の耐震対策を促進していく。 (空き家対策)  空き家対策では、専門家団体の御協力の下、空き家ワンストップ相談会を開催し、空き家問題解決への支援を行うほか、周辺環境に悪影響を及ぼしている特定空家等の解消に向け、老朽危険空き家解体事業補助金限度額を 50 万円から 100 万円に拡充し、活用を促している。  老朽危険空き家解体事業補助金に対し、本年度は現在までに 14 件の申請がある。引き続き、補助金の活用により、危険空き家の解消を促進していきたい。また、管理不全の空家等で所有者不明のものもあり、課題となっている。空家等対策協議会において対策を検討していく。 (新たな学びの場)  少子化に対応した子どもにとって望ましい教育環境の整備について、子どもたちの教育環境を第一に考えながら、保護者との話し合い、地域の意見を踏まえ、進めてきた。信更中学校は来年度から「新たな学びの場」へ移行することとしており、七二会中学校は、保護者との話し合いを踏まえ、令和6年度から「新たな学びの場」へ移行するための条例改正案を本定例会に提出した。※「新たな学びの場」とは、指定校を含め、複数校から選択できること。  教育委員会では、子どもたちが「新たな学びの場」へ円滑に移行できるよう、関係する学校との調整など、準備を進めていく。 (移住・定住)  移住・定住の促進について、40 歳未満の若年層や中学生以下の子どもを持つ子育て世帯等の移住者に対する家賃支援制度を開始し、また、若者のUJIターンを促進し、市内に定住し、市内企業に就職した場合などに奨学金の返還支援を行う制度も本年度創設している。両制度の更なる周知に努め、若者や子育て世帯の本市への移住・定住を促進しいく。 (善光寺御開帳)  善光寺御開帳の期間中の参拝者は、過去最高であった前回のおよそ9割に当たる 636万人で、経済効果も前回に迫る 1,095億円となるなど、市内経済回復の大きな一歩となった。 (マイナンバーカード)  国は本年度末までに全国民にカードが行き渡ることを目指す方針で、健康保険証としての利用、運転免許証との一体化、マイナポイント事業第2弾の実施等に取組んでおり、本市としても、マイナンバーカードはデジタル社会の構築や行政事務の効率化を図るためにも重要であり、広報活動を強化し、窓口体制の充実、地区や企業等に出向き、出張申請実施等により、積極的に取得促進を図っている。 (市長のトップセールス)  先月は出荷の最盛期を迎えたモモ、ネクタリン、プルーンのトップセールスを日本最大の青果市場である大田市場で実施し、9月はブドウとリンゴのトップセールスを予定している。さらに、10 月末に東京日本橋で開催される物産販売イベントで、長野市の物産と観光をPRする予定。  今後も、市内事業者の販売力・営業力の底上げや販路開拓・取引機会の創出等を目指し、首都圏等へのトップセールスを積極的に行っていく。    以上です。来週から、一般質問が行われます。私も、登壇を予定しており、現在、質問原稿を作成しているところです。今回の私の質問では、今後の長野市財政運営について、建設資材の高騰に対する長野市における柔軟な対応について等を取り上げる予定です。改めて、本ブログにおいて、質問と答弁内容をご紹介させていただきます。

安全安心な医療と保健の提供体制

 新型コロナウイルス第7波では、各医療機関、保健所での業務が逼迫している、また、政府が第7波収束後に、2類相当から5類相当への見直し、全数把握や入院調整等について検討する旨の報道がなされています。  私も7月、陽性者となり、10日間の自宅療養を活用しました。7月31日時点の長野市における療養状況は次のとおりでした。 療養者3758人 医療機関入院41人 宿泊療養施設58人 自宅療養3659人 重症者0人 中等症5人 軽症・無症状3753人  療養者の97%が自宅療養、99%が軽症・無症状ということになりますが、軽症者でも苦しい療養生活を強いられている方も少なくないことは認識しておかなければなりません。  医療機関の業務が逼迫している、とのことですが、新潟県では、コロナ検査を受けた本人が、検査結果が判明する前に患者情報を入力するフォームを導入し、検査で陽性となった時には、既に患者情報が確実に取得できていて、速やかに適切な療養につなげることができる体制としています。  更に、保健所がこれまで行ってきた陽性の人の症状などの電話での聞き取り調査は、60歳以上など重症化リスクが高い人に集中させるといった対応をとっている、とのことです。 長野市においても、保健所が担う業務を重症化リスクの高い人に集中した体制を取っていると認識していますが、医療機関における業務の負担軽減に向けた取り組みとして、更なる工夫が必要だと考えます。  また、感染者についてですが、報道でも大きく取り上げられている神奈川県では、抗原検査キットや無料検査により陽性が判明した場合、医療機関を受診せずに「自主療養」を選ぶことができ、罹患者が自主療養届け出システムに申請をすると、毎日の健康観察がLINEやAIコールにより行われ、療養終了後、療養証明書が発行され、保険金請求に活用できる、とのことです。  この神奈川方式は、私の体験からも、罹患者自身の負担も少なく、健康観察についても安心できる体制ではないか、と感じます。  新型コロナも第7波です。この間、ウイルスも変異してきました。私もほぼ無症状であったので、罹患後、保健所や医療機関に相談する等といったことはありませんでしたが、家族も感染したことで、日常生活を送る上で、大変な不便を感じました。そして何より、無症状が故に、周囲に感染を拡げてしまうといった恐怖を覚えました。感染拡大によって、重症化リスクのある方々の感染リスクが高まり、仮に、そうした方々が感染した際、迅速な診療に繋げなければならず、決して支障を来してはなりません。また、例え、軽症であっても症状の急変に十分に対応できる体制を整えておかなければなりません。  第7波における長野市保健所業務の逼迫状況、陽性者とのコミュニケーションと症状急変への対応、食料など物資の配送状況、医療機関からの発生報告提出による業務逼迫状況、発熱外来の混雑状況とその対策等、確認しなければならないことは多岐に渡ります。  重要なことは、命の危険にさらされる事態に至らしめることなく、罹患したとしても安全安心な医療と保健の提供体制の確立です。感染症法の分類について見直しが言われていますが、長野市として、第7波の検証、そして、第8波、9波等、先を見越した対応について議論を深め、体制の整備を確立していかなければなりません。

世帯所得の増と生活の安定に繋がる政策を

 連日、新型コロナウイルス第7波の猛威が報道されています。私と家族も感染しましたが、感染力の強さ、感染のリスクの高まりについて、身をもって感じたところです。また、ここに来て、幾つかの行事等について中止、延期の連絡が入っていますが、行動制限等の強い宣言はないものの、自粛を余儀なくされることも少なくなく、社会経済活動への影響が懸念されます。  経済社会活動への懸念では、ウクライナ危機を受けた資源や穀物の価格の高止まり、円下落による輸入品の急騰等、私たちの生活に影響が及ぶ事態に直面しています。  ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査部長のレポートで現下の経済状況、とりわけ、7-9月期の実質GDPについて次のようにまとめています。  「2022年4-6月期の実質GDPは、前期比0.8%(前期比年率3.2%)と2四半期ぶりのプラス成長と推計。 まん延防止等重点措置の終了を受け、外食、宿泊などの対面型サービスを中心に民間消費が前期比1.4%の高い伸びとなり、プラスの成長主因となった。更に、高水準の企業収益を背景に設備投資が前期比1.2%の増加となったことも成長率を押し上げた。  2022年4-6月期の実質GDPは、コロナ前(2019年10-12月期)の水準を回復したとみられるが、消費税率引き上げの影響で、新型コロナウイルス感染症の影響が顕在化する前に経済活動の水準が大きく落ち込んでいた。直近のピークである2019年4-6月期と比較すると、2022年4-6月期の実質GDPは▲2.6%低くなることが見込まれ、経済活動の正常化までにはかなりの距離があるといえる。  7月に入り、新型コロナウイルスの新規陽性者数は急増しているが、政府は今のところ特別な行動制限を課していない。物価高による家計の実質購買力の低下が下押し要因となるものの、行動制限がなければ消費性向の引き上げによって個人消費の回復基調は維持されるだろう。米国をはじめとして海外経済が減速しているため、輸出が景気の牽引役となることは当面期待できないが、民間消費を中心とした国内需要の増加を主因として7-9月期もプラス成長となることが予想される」  以上のように、第7波や物価高騰といった景気後退圧力を感じながらも、個人消費の回復基調は維持され、民間消費を中心とした国内需要の増加により7-9月期もプラス成長が期待される、としています。  他方、民間消費等の国内需要が増加することは歓迎すべきことですが、家計の逼迫について目を向けて考えなければならないと思います。 過日、2022年度の最低賃金について、全国平均31円引き上げ、時給961円(引き上げ率3・3%)とする、との報道がありました。  2022年度の消費者物価指数は前年度比2・6%上昇する見通しで8年ぶりの高水準、といわれています。物価高騰による影響は低所得者層ほど深刻だと言われていますので、賃金上昇は生活を安定させるために重要なことです。今回の最賃引き上げがどこまで現状を踏まえたものなのか、生活の安全に直結するものなのか、昨年を上回る引き上げ率とのことではありますが、物足りなさを感じます。  以前のブログでもご紹介しましたが、経済財政諮問会議による1994年と2019年の世帯所得を年代別で比較した調査結果では、世帯所得の中央値が、35歳から44歳の世代では104万円減少し、45歳から54歳の世代では184万円減少、全世帯の所得分布は、65歳以上の高齢者世帯(20%→36%)、単身世帯の増加(26%→38%)に伴い低所得階級の割合が上昇した、とまとめています。未だ、多くの国民の生活は楽ではなく、物価高騰への対応に四苦八苦しているのではないでしょうか。  世帯所得の増と生活の安定に繋がる政策が重要で、現在、直面している少子化対策や除族可能な社会づくりにも繋がっていくのでは、と思います。こうした視座に立った議論を進めていかなければなりません。

令和4年6月定例会開会

 6月9日、長野市議会6月定例会が、一般会計補正予算(案)等の議案10件、承認4件、報告11件が上程され、開会しました。  主な一般会計補正予算(案)について、①新型コロナウイルス感染症対策関連事業として、「子育て世帯生活支援特別給付361,414(千円)」は、低所得者の子育て世帯に対し、児童一人当たり5万円の支給(対象児童数見込7,100人)、令和4年度4月分児童扶養手当受給者(児童3,100人)には6月に支給、令和4年度児童手当又は特別児童扶養手当の受給者で市民税非課税の者(児童3,300人)には7月以降に支給、家計急変等で直近の収入が減少した世帯の者は、申請後に支給(児童700人)で全額国庫補助での対応となります。  また、プレミアム商品券事業4,337,500(千円)は、コロナ禍における原油価格・物価高騰により落ち込む消費拡大を図るため、プレミアム商品券発行冊数を増刷するもので、商品券購入申込期間、令和4年9月1日~9月30日(予定)で、商品券利用期間は令和4年11月~令和5年1月末(予定)です。  更に、小売・サービス推し店プラチナチケット事業280,000(千円)は、市内飲食店のみならず、小売店・サービス事業者等を追加し、推し店プレミアム付チケット販売に要する経費で、販売予定:9月(飲食店は7月で、3月定例会で議決済み)となります。  他には、放課後子ども総合プラン運営新法人設立準備補助金2,632(千円)で児童センター、プラザ運営を行う新法人設立に向けた準備会の活動経費を補助するための経費等です。  はじめに、市長より議案説明がありましたので、一部ですが紹介します。  令和3年度の決算見込みについて、基幹収入にある市税は、個人所得の減少と固定資産税の評価替え等の影響で前年度(令和2年度を下回るが、製造業等の増益により法人市民税は前年度を上回り、前年度を2億円程度上回る見通し。国からの交付金については、令和元年10月の消費増率引き上げが年間を通して影響すること等から38億円の増額となる。  歳出では、台風第19号災害の復旧費の減等により前年度に対し、442億円減と見込んでいる。 このことから、実質収支を39億円となり、財政調整基金の取り崩しを行わず決算を締めることができそうだ。  新型コロナウイルス感染症について、本年1月以降、感染者が高い数値で推移し、4月16日の発表数は過去最多の323人となったが、善光寺御開帳が開催期間中でも、最大限の注意を払ってきたことからピーク時と比較し、新規感染者数も落ち着いてきている。多くの皆様のご協力に感謝申し上げる。  善光寺御開帳を契機に活力を戻しつつある市内経済と市民生活を下支えする切れ目のない経済対策を実施していく。  ワクチンの4回目接種は、60歳以上の方、18歳から59歳までの基礎疾患を有する方が対象となる。60歳以上の方には3回目接種後5か月経過した方から順次、接種券を郵送し、基礎疾患を有する方には案内書を郵送し、接種希望者から申込みをしていただき、順次、接種券を郵送する。  住民自治協議会について、市内全地区での設立から10年経過するが、人口減少、高齢化等により役員の担い手不足が深刻化している。課題解決の方向性を探っていく。  6年後に長野市で開催予定の「国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会」に向け、老朽化した長野運動公園総合体育館の建替え、千曲川リバーフロントスポーツガーデンの移転等、国庫補助金等を最大限活用していきたい。  新たな産業用地開発について、大豆島地区(エムウェーブ南側)において立地開発を希望する事業者グループから選定した。事業計画が具体化することとなるが、市の経済基盤の底上げ、雇用創出などが図れられるよう、詳細な検討を進めていく。  長野市のウクライナ支援として、できるだけの支援をしていきたい。長野県と連携し、避難民の住居、生活、就労、就学など多方面からの支援するための受け入れ態勢を整備した。  本年度の予算に基づく事業を着実に実施し、市民の暮らしがよくなってきた、利便性が増してきた、と実感できることが重要だと考える。全庁一丸となって取り組んでいく。  以上、一部ではありますが、ご紹介しました。 先のブログでもご報告しましたが、経済情勢が混沌としている中です。市民の暮らしを守るという強い意志を持って適宜、適切な行財政運営が遂行されるよう、私も議会の一員として向き合ってまいります。

積極的な経済財政運営が必要

 今月7日、世界銀行が世界経済見通しとして、2022年の世界全体の実質成長率を2.9%と予測し、日本については1.8%の低成長を見込む、と発表し、ロシアのウクライナ侵攻やサプライチェーンの混乱、米欧の物価上昇率、FRB、ECBの金融引き締めによって、スタグフレーションの到来を警告している、と報道されました。  既に、私たちの日常生活にも少なからずスタグフレーションの波が押し寄せ、実感として受け止めている方も多いのでは、と思います。国において様々な議論がされていると思いますが、国民生活の安定に繋がる施策の展開に期待したいところです。  昨日、長野市議会6月定例会が開会しました(定例会の内容については、後日、ご報告します)新年度(令和4年度)が始まり2か月経過し、市民が健康的に暮らし、幸福感を持てる健幸増進都市の実現に向けて、子育て支援、スマートシティや企業誘致、新産業創出等の事業が進められています。  他方、昨今の相次ぐ大規模な自然災害、新型コロナウイルスのようなパンデミックに直面するリスクが高まり、世界情勢等の影響もあり、多くの市民は、これまでにも増して不安要素を抱えているのではないか、と思います。そんな中、財源がないことを理由として必要な対策が後手に回ったり、市民からの財政需要に応えられないといった行政の対応では、幸福感がみなぎる長野市とはなり得ないと思います。  そのため、数多の事業に要する財源が必要となる中、財政健全化を重視している長野市は行財政運営における決断力、判断力、先を見通す力、より深い現状認識等について、これまで以上の高いレベルが求められ、議会も同様、確かな見識を持って臨むことが求められます。 健幸増進都市の実現と地方財政健全化の両立は高いハードルですが、1つでも多くの事業を成功させ、市域全体の活力を高めていくためにマクロ・ミクロの両面から見た長野市の成長戦略が妥当であるのか、問いていく必要があります。  令和4年度は、長野市の最上位計画である「第5次長野市総合計画後期基本計画」の初年度であり、また、2020年5月、長野市の長野地域経済成長けん引プロジェクトチームは、2040年に向けて未来のまちを創るビジョン、その実現に向けて今後、取り組む具体的な方向性について「長期戦略2040」としてまとめました。挑戦期、成長期を経て躍進期には目標に掲げたGDP・GNP向上の実現を目指していく内容となっています。  バブル崩壊後から今日に至る間の国内における厳しい経済状況から、ハードルは決して低いものではありません。  今年の3月、経済財政諮問会議は1994年と2019年の世帯所得を年代別で比較した調査結果を内閣府に報告し、公表しました。報告書は、1994年と比べ2019年は世帯所得の中央値が、35歳から44歳の世代では104万円減少し、45歳から54歳の世代では184万円減少、全世帯の所得分布は、65歳以上の高齢者世帯(20%→36%)、単身世帯の増加(26%→38%)に伴い低所得階級の割合が上昇した、とまとめています。  私の社会人としての生活が始まったのは1993年4月で、バブル崩壊により景気へのマイナス作用が生じはじめた時期でした。以降、景気の低迷が続くとともに、私の同期入社50名超が、翌1994年以降は一桁の新入社員数に留まるなど雇用情勢の悪化を目の当たりにしてきました。  今日まで景気後退圧力が続き、更に、デフレが長期にわたり、人口減少、少子超高齢社会の進展、気候変動等といった構造的な課題が改善されたとは言い難い状況が続き、未だ、多くの市民は生活の厳しさや将来への不安、悩みを抱えており、閉塞感からの脱却に至っていないと思います。国及び長野市は、この報告書を真摯に受け止め、経済政策を進めていかなければなりません。  報告書は厳しい状況を示していますが、「長期戦略2040」では、成長の果実を企業だけでなく家計にも十分分配される未来をイメージし、その成果を測る一つの物差しとして、市民の平均所得倍増を掲げています。つまり、長野市は経済成長率向上と所得倍増に積極的にかかわることを明確に示したことになります。よって、これまでの行財政運営、特に、予算執行について、財政健全化を図りつつも、掲げた目標を実現させるための積極的な経済財政運営が必要となります。  現在直面している課題を解消していくことが経済成長に繋がり、また、健幸増進都市の実現に近づくと考えます。「経済」は「経世済民」の略語で、「世の中を治め、人民を救う」を意味します。  長野市の経済政策に求められるのは、市民の生活を守るためのものとすることだと考えます。そのための経済財政政策について、私も見識と認識を深め、国等の経済政策を踏まえ取り組んでまいります。

物価高騰、効果的な対策に期待

 新年度がスタートし、また、GWを目前に控え、何かと慌ただしく過ごしております。久しぶりの投稿となりますが、私が気になった最近のニュースに基づいてまとめたいと思います。  物価高対策についてですが、政府は物価高騰を受け、緊急対策を決定しました。ガソリンなどの燃油価格抑制策、生活困窮者対策、エネルギーや原材料、食料などの安定供給対策など総額6兆2000億円となっています。それらの財源は、新型コロナウイルス対策予備費の支出、今年度の補正予算案との報道です。  物価の高騰は、私自身も目の当たりとしていますし、過日公表された長野市の3月の消費者物価指数(確報値、2020年=100)は、生鮮食品を除く総合は前年同月比1・6%上昇の101・6と8カ月連続で前年水準を上回り、上昇幅は2018年8月以来の実に3年7カ月ぶりの大きさで、また、原油価格高騰で光熱費の値上がりが著しく、原材料価格の上昇によって食料品の値上がりも進み、生鮮食品を含む総合指数は1・9%上昇の101・7、7カ月連続で前年同月を上回った、とのことです。  このことからも、長野市においても物価高による生活への影響が大きく、政府、行政には必要な支援策を講じていただく必要があります。  未だ、ロシアによるウクライナ侵攻が続き、更に、米連邦準備制度理事会(FRB)は米国内のインフレを防ぐため利上げを決定しており、もともと景気の好循環が起きていない日本において、更なる景気後退を引き起こしかねないのでは、と思います。よって、まずは、政府による物価高対策としての国費投入は早急に進めていただきたいと思いますし、期待を寄せる一人でもあります。  しかし、7月に控えた参院選目当てとは決してならないよう、国会での論議が必要であることは言うまでもありません。 4月27日付け信濃毎日新聞は、物価高対策6兆円余の決定に関して、「参院選ありきで調整を進めた結果、国会での議決が不要な予備費を財源に充て、使った予備費を補正予算で補填するという「奇手」を編み出した。政府、自民党はもともと今国会中の補正予算編成には及び腰だった」と解説を付しています。  今、多くの国民が望んでいることは、物価高騰の影響により直面している切実な困難が解決、緩和に結び付く効果の高い施策です。私も期待し、これからの議論の内容や動向を注視していきたいと思います。

財政健全化と経済成長率向上

 新年度(令和4年度)がスタートします。現下のコロナ禍、台風災害からの復興、そして、構造的な課題である人口減少、少子超高齢社会の進展等を抱えながら、持続可能なまちづくりの実現に向け、まずは、新年度の事業を確実に進めていくことが求められています。 厳しい社会情勢下ではありますが、いつまでもそんなことは言っていられないと考えます。  日本においては、未だ、デフレから脱却したとは言えず、貨幣の価値が継続的に上昇し、人々はモノよりもお金を欲し、貯め込み、企業であれば、投資を控え、内部留保を含め貯蓄を増やすといった状態が続いています。    これまで、新型コロナ対策として、特別定額給付金が交付されましたが、昨年11月、ニッセイ基礎研究所は「特別定額給付金」の使途に関する調査結果を公表しました。子育て世帯では「生活費の補填」(58.5%)、「貯蓄」(33.4%)、「育児や保育関連」(17.9%)、「子どもの教育」(11.2%)が上位を占めていることから、低成長下で賃金が上がらない、少子高齢化が進む中で将来の経済不安が強い等といった現実が如実に表されており、貯蓄へ充てるといった行動は経済合理的であるといえます。しかし、個々の合理的な行動は、経済全体でみると需要の縮小を招きます。ミクロの視点での正しい行動も、その行動を集計したマクロの世界では反対の結果、つまり、デフレをもたらすことに繋がります。合成の誤謬です。政府はデフレにならず、また、過度なインフレを招かないような経済財政運営をしなければなりません。  昨年の秋、長野市は、令和4年度予算編成の基本的な考え方として「公共サービス提供に対するコスト意識を持ちながら歳入・歳出両面から徹底した事業の精査を行う必要がある。政策効果が乏しい歳出を徹底して削減し、政策効果の高い歳出への転換を徹底する。また、業務の合理化など、行政のスリム化・効率化も進め、財政調整基金の繰入や資金手当のための市債発行に安易に頼ることのない健全財政の維持を前提とする」と示しました。  確かに、健全財政の維持は大事なことであり、事業の精査も必要なことです。しかし、デフレ下にあって将来の経済不安等といった不透明な社会や未来に対し、多くの人々が「閉塞感」を感じている現状から抜け出すための行財政運営が必要だと考えます。よって、行政が健全財政を重視しすぎて、財政上の理由で、市民からの財政需要に応えられない状況が続くことは、市民の幸福度向上には繋がらず、また、長野市経済の成長を鈍らせる原因となり得ます。    そこで、改めて、市債発行について考えていく必要があるのではないか、と思います。  長野市は、令和4年度の市債発行額を前年度比12.5億円(9%)増の138.4億円としています。その中身について額の大きなものを幾つかあげると、道路橋りょう整備事業費19億5,330万円、小学校施設整備事業費14億3,470万円等です。総務省は地方債について、原則として投資的経費(建設事業関係の経費)の一定部分に充てられる、としており、長野市においても概ね原則に則ています。しかし、額が最も大きいのは、臨時財政対策債60億1,800万円で、この市債(臨時財政対策債)は、他の市債とは性質が異なっています。  総務省的に言うと、臨時財政対策債は、地方財政収支の不足額を補てんするため、各地方公共団体が特例として発行してきた地方債で、その元利償還金相当額全額を後年度の地方交付税の基準財政需要額に算入され、財政運営に支障が生ずることのないよう措置されているものです。  関単に言うと、国が地方交付税として交付するべき額に満たない分を地方公共団体が自ら地方債を発行することで補填し、後年、国が100%面倒を見る、とうものです。  よって、長野市の令和4年度における市債発行額の約43%である臨時財政対策債は、市債であって市債でないとも言えます。また、長野市は、令和3年度末の市債残高を1、513億円と見込んでいますが、このうち73.7%が今後、地方交付税措置されるとしています。更に、臨時財政対策債の発行額について、令和元年までの10年間の臨時財政対策債が市債全体に占める割合は、の平均43.98%となります。(臨時財政対策債発行については限度額が設けられており、これまで長野市は、概ね、限度額100%の市債を発行している)  つまり、投資的経費に充てられているのは市債全体の約56%となり、この数値が妥当なのか議論していかなければならないと考えます。市民生活の利便性向上加え、例えば、公共事業の増加による民間需要の高まりでデフレ感からの解放に繋がる可能性があります。  平成19年に、地方自治体の財政破綻を未然に防止し、財政の早期健全化を促すことを目的に「地方公共団体の財政の健全化に関する法律(財政健全化法」が制定されました。以降、地方公共団体は、①実質赤字比率 ②連結実質赤字比率 ③実質公債費比率 ④将来負担比率、を毎年度、監査委員の審査に付した上で、議会に報告し、公表しなければならないようになりました。  そして、①~④について基準を上回った場合(イエローライン、レッドライン)、地方債の起債ができない等の制限が伴い、行財政運営に支障をきたし、市民生活への影響に繋がります。長野市は4つの指標を意識しながらの行財政運営が求められています。    令和2年度をみると長野の4つの指標は、いずれも基準を大きく下回っており、特に、市債の密接に関係ある実質公債費比率はイエローライン25%、レッドライン35%に対し3.6%、将来負担比率はイエローライン350%に対し42.8%と、これまでの堅実な財政運営の成果だと思いますが、市民からの財政需要に十分応えきれない状況を受け止め、市債の活用について、これまでの踏襲、常識にとらわれることなく検討していくべきだと考えます。  長野市は財政健全化を重視しすぎず、4つの指標を上回ることがないような行財政運営により、域内の経済成長率を高めていかなければなりません。

新年度(令和4年度)を前にして

 去る3月22日(火)、令和4年長野市議会3月定例会が議了となりました。今定例会に上程された議案は、すべて原案通り可決となり、私は全ての議案に対し、賛成を致しました。賛成に至った私の考えの一端をご報告いたします。  令和4年度予算は、荻原市長にとって初となる通年予算であり、その手腕に期待が寄せられるとともに真価が問われることとなります。令和3年度に引き続き、依然、長野市は「令和元年東日本台風災害からの復旧・復興」と「新型コロナウイルス感染症対策及び影響を被った市民生活と社会経済活動を取り戻す」ための力強い予算編成とすることが必要不可欠です。  既に本ブログでもご報告させていただいた通り、3月4日の一般質問において、私が取り上げた「新型コロナウイルス対策」、「治水安全度の向上」に関する対策について、現時点では公益に資する内容であると受け止めています。  まず、令和4年度(新年度)予算の概要ですが、一般会計予算1,622.7億円(対前年度+69.9億円、+4.5%、過去3番目の規模)で、ポイントは、新型コロナウイルス感染症対策 121.3億円(対前年度+50.9億円)、まちのにぎわいの創出 76.6億円(対前年度+37.6億円)、行政DXの推進 1.8億円(対前年度比1.5億円)等です。  新型コロナウイルス感染症対策では、感染症対策事業として、ワクチン接種で12億円、PCR検査等の行政検査に5.8億円、新型コロナウイルス感染症対策有識者会議で67万円、また、地域経済活性化・事業者支援では、飲食推し店プラチナチケット事業2.9億円、プレミアム付商品券事業31,7億円、感染症関連資金融資預託金62億円等、当初予算の段階では、概ね必要な予算確保がされていると思います。  しかし、一般質問でも指摘させていただきましたが、肝心の感染拡大防止に向けた体制と対策の更なる強化、有識者会議の明確な位置付けと議論の進め方等、引き続き、確認していかなければならない点が多々あるとともに、市民の多様なニーズを真摯に受け止め、適宜、必要な対策と財源措置について具申していきたいと思います。  そして、治水安全度の向上に関しては、令和元年東日本台風から今日にいたるまで、千曲川、犀川流域にお住まいの多くの市民は、毎年、出水期を前に、恐怖と不安をおぼえ、災害が起きないようにと、祈っていると思います。信濃川緊急治水対策プロジェクトに基づき進められている河川整備の早期の完了が期待されていますが、現時点の治水能力では幸運を祈る部分も決して少なくないと考えます。  私の一般質問に対し、市長より「信濃川水系緊急治水対策プロジェクトにおける流水域整備、河道掘削等の対策により、市全域における治水安全度が向上することから、国土交通大臣政務官に整備計画の前倒しの要望を行った」との答弁があり、更に、新年度予算の中でも措置されている(仮称)治水対策研究会についての質問に対し、「千曲川関係の5団体に加え、市内を流れる河川ごとに設立されている期成同盟会の代表者が一堂に会し、治水対策や流域治水に関する研究や意見交換を行う機会を設け、確実に河川管理者に伝えていく」との答弁でありました。今後も、これまで同様、議論を続けていきますが、まずは、長野市としての取り組みに期待したいと思います。  今定例会で上程され、各常任委員会(総務・福祉環境・経済文教・建設企業)に付託された議案の審議が、3月14日~16日まで行われましたが、その最終日の16日、私が委員長を務めております市議会建設企業委員会では、現在、信濃川水系緊急治水対策プロジェクトに基づき整備が進められている千曲川赤坂橋河道掘削現場において、現地調査を行いました。  河道掘削により洪水時に流れる断面が大きくなることで、流下能力の向上に繋がり、その効果に期待が寄せられています。令和9年度末までの整備完了を目指し、段階的に各所で河道掘削が進められておりますが、気候変動による水害のリスクが高まりから早期の事業完了が待たれます。  先の市長の答弁にあるように、国に対し、市長の強力な要請に期待したいと思います。  長野市として令和4年度(新年度)は、令和元年東日本台風災害からの復興予算として9,7億円(対前年度46.2億円)が措置されていますが、主な内容として、長沼地区河川防災ステーション整備(令和4年度分)支所仮設庁舎リース、埋蔵文化財調査、道路築造、地盤調査等、(仮)豊野防災交流センター整備(令和4年度分)実施設計、用地造成工事、周辺道路整備工事等と、先述した(仮称)治水対策研究会も含まれています。対前年度で減額となっているのは、災害公営住宅美濃和田団地事業が今年度で完了したことによるものです。  まだまだ復興途上にあることから、防災・減災対策の推進と被災者支援への積極的な関与が長野市には強く求められております。  そして、様々な事業を遂行していく上で肝心なのが歳入です。長野市は、コロナ禍であった令和3年度について、新型コロナウイルス感染症拡大による経済への影響により、主要税目で大幅な減少を見込んでいました。しかし、その影響は限定的であったことから、市税全体で前年度比 0.9 億円減に止まると見込んでいます。  国は、令和4年度の税収について、地方税と国税収入の増加を見込んでおり、長野市においても、令和4年度当初予算で、個人市民税及び法人市民税において新型コロナの影響が緩和され、持ち直しがみられること、また、固定資産税に係る新型コロナ軽減措置の終了等により、令和3年度見込みと比較して、8.7 億円増の 588.7 億円と見込んでいます。  他方、国・県支出金は13.4億円減の359.9億円、地方交付税では8.4億円減の191.7億円となり、また、市債については、12.5億円増の138.4億円でありますが、未だ、コロナの収束が見通せず、世界情勢、国内における経済政策等を考えると、下振れリスクを考慮しなければならない状況であると認識する必要があると思います。仮に、経済社会情勢により市税の減収等が見込まれ場合には、地方交付税の特別交付金や臨時財政対策債、財政調整基金等によって対応は成されるのだろうと推察しますが、歳出も当然ですが、歳入の状況についても確認せねばならない重要なことです。  いよいよ新年度が始まります。長野市が掲げる「幸せ実感都市ながの」の実現は、今の世代はもとより、子や孫といった次世代にいたるすべての市民の願いです。市民の生命と財産を守り、安全安心なまちづくりを進めていく上で、今、何ができ、何をすべきか、を明確にした上で、着実に前に進めていかなければなりません。  直面している課題への対応、そして、先を見据えた行財政運営に緊張感を持って取り組むことに期待するとともに、新年度(令和4年度)を前にして、市長のリーダーシップとともに、私も予算案に賛成した立場から「健幸増進都市」実現に向け、邁進してまいります。

一般質問(個人)で登壇しました。

 長野市議会は、現在、令和4年3月定例会が会期中ですが、去る3月4日(金)、一般質問で登壇し、荻原市長はじめ理事者と議論いたしました。その内容をご紹介します。今回取り上げた事項は、①新型コロナウイルス感染症対策、②信濃川水系河川整備計画と治水対策、③市指定文化財である旧作新学校本館改修整備、④川中島古戦場史跡公園整備、についてです。 ①新型コロナ関係 鈴木:長野市の感染の拡大防止に係る対策について、専門的知識及び意見を反映させることを目的として、新たに「長野市新型コロナウイルス感染症有識者会議」を設け、昨年12月22日以降3回の会議を開催しておりますが、改めて有識者会議の位置づけのほか、幾つかお伺いをいたします。  長野市における新型コロナウイルス感染状況は、1月8日以降急激な感染拡大期に入り、1月13日には県の感染警戒レベルが5に引上げられ、翌14日、長野市新型コロナウイルス感染症対策本部会議が開催され、長野市新型コロナウイルス感染症対応方針の改定と市長メッセージが発出されました。  しかし、こういうときにこそ有識者会議を開催し、市としての対応方針や市長メッセージに生かすべきではないでしょうか。市長が公約で掲げた(仮称)感染症対策調査チームは、保健所内に構成するとしていたことから、私なりに政府の基本的対処方針分科会や、厚労省アドバイザリーボードといったような感染症や医療の専門家から、基本的な感染拡大防止対策や、本市の現状を踏まえた具体的な提言を求めたかったのではないか、と受け止めました。国や県の対応方針を基本としつつ、感染状況の情報収集と解析により、長野市独自の対応方針を導き出すための有識者会議であるべきではないか、と考えます。  ぜひ、有識者会議を明確に位置づけ、形式的な会議に終わらせることがないよう強く求めたいと思います。  そこで、基本的なことをお聞きしますが、長野市は有識者会議をどう位置づけているのか。また、有識者会議との関係において、対応方針の改定手続は適切だったのか、伺います。 市長:まず、有識者会議の位置づけでありますが、本市の感染状況等を踏まえまして、私が本部長である「長野市新型コロナウイルス感染症対策本部」に対して、保健、医療、経済活動などの専門的知見からアドバイスをいただくという会議です。  特に、4月からの善光寺御開帳期間中に、様々なイベントが開催され、多くの参拝客や観光客などが長野市にお越しになりますので、関連する催事が安心安全に開催されるために、主催者が作成し、県に提出いたします感染防止安全計画等に対しても、御意見をいただいている、ということでございます。これまでに3回の会議を開催し、有益な御助言を頂戴してまいりました。  続きまして、市の対応方針の改定手続についてですが、国の基本的対処方針や県の対応方針の見直し、あるいは県において感染警戒レベル変更などが行われた際に、本市の取組の全体的な方針について、対策本部において改定を決定しているものでございまして、適時適切に改定しております。 有識者会議設置後は、市の対応方針に対して、有識者会議から御意見をいただき、必要があれば改定を行うこととしております。 以上です。 鈴木:私も、3回傍聴させていただいている中での印象ですが、やはりどことなく説明の場、そうした会議となっているのではなか、と受け止めております。この有識者会議の設置目的に、感染拡大防止策、先ほどの、例えば御開帳等の対応も当然必要だけれども、やはり肝腎の感染拡大防止についての議論はやや少ないのではないか、と感じておりますので、その辺は指摘をさせていただいて、次回、今月行われるかと思いますが、そちらのほうにしっかりと反映をしていただきたいと要望させていただきます。  本年1月の市内における感染急増の背景には、同居家族の感染者数の増大がありました。 1月下旬、家庭内感染により陽性者となった私の知人の事例では、保育園に通うお子さんのクラスで、園児数名が発熱により園を休み、その後、当該クラス全ての園児が濃厚接触者となり、検査の結果、知人のお子さん、続けて、私の知人夫婦も陽性となりました。  詳細は割愛しますが、知人夫婦が濃厚接触者との判定がなされるまでの数日間、通常通りの生活を送ることが可能であったとのことであります。陽性となったお子さん、小さなお子さんがいる家庭では、保護者等の家族はお子さんとの接触は避けられず、罹患するリスクは極めて高く、さらに無症状がゆえに、市中感染を拡大させる可能性をも高めます。 以上のことから、集団生活を送る施設等における感染拡大防止について伺います。  保育園のような集団生活を送る施設内において、1人でも発熱等の感染が疑われる症状が発生した場合、すぐにPCR検査を受けてもらうなど、感染拡大防止に迅速に取り組むことが求められます。 保健所は、保育園等の施設との間で、各施設が利用者の体調管理等、確認すべき事項について整理し共有できているのでしょうか。また、パンデミックの際、それぞれの施設内で窓口となる責任者を明確にし、保健所と情報や対応策等について、迅速に共有を図れるような仕組みを構築することが必要ではないでしょうか。  さらに保健所は、保育園や保護者に対し、保健所や医療機関での迅速な検査につなげるなどの支援体制を整えているのでしょうか。 保健所長:施設の利用者の体調管理などの、確認すべき事項の整理と共有についてですが、保健所では第1波の感染拡大を受けて、令和2年の7月と9月に、学校、保育所、高齢者障害者等の施設向けの研修会を延べ9回開催いたしまして、参加いただきました500名の方に対しまして、利用者及び従事者の健康確認、感染予防の基本、感染者が発生したときの具体的な対応等を説明し、施設内での徹底を依頼しました。  また、この研修会で使用したマニュアルは、県と合同で作成したものでありますが、市保健所のホームページにも掲載をいたしまして、各施設で利用できるよう、広く周知をしております。  次に、施設の窓口の明確化と迅速な情報共有の仕組みについてですが、施設で感染者が発生した場合には、私どもが直接、または所管部署を通じて、直ちに当該施設に連絡をいたしまして、感染者の発生状況や感染対策の状況などを把握するとともに、必要に応じまして現地に赴いて、さらに情報収集や具体的な対策の助言などを行っておりまして、迅速な情報共有を図っているところであります。  次に、保育園や保護者に対する迅速な検査につなげる等の支援体制についてですが、保健所では感染が判明した当日、または翌日には感染者と施設に対して詳しい聞き取りを行いまして、濃厚接触者を特定するとともに、検査の適切な時期であります、感染が考えられます3日から5日後に検査を実施し、また既に症状がある方については、速やかに医療機関を受診し、検査を受けるよう指導しております。 鈴木:先ほども御紹介したとおり、例えば発熱の症状があるような場合というのが、今回のオミクロン株の特性等を考えてみると非常に重要だと思います。例えば、施設の中で検査は陽性かどうか、オミクロンかどうか、コロナかどうかは分からないが、そういった症状があった場合に保健所といろいろなコミュニケーションがとれるような仕組み、そうした体制が、例えば、これからBA.2とかいろいろ言われていますが、必要じゃないか、と思いますが、いかがでしょうか。 保健所長:保育所等において、利用者または広く従事者も含めてですが、何らかの症状が見られた場合には、市内にあります診療検査医療機関を速やかに受診をしていただくことが肝要であります。保健所への連絡を通してからの受診ではなくて、まず症状があったら受診、このことはしっかり徹底をしていきたいと思っております。その上で、新型コロナウイルス感染症と診断された場合には、医師から届出が来ますので、その 上でしっかり施設や、御本人方の情報収集を行って対応していくことになっています。 鈴木:今の部分、徹底よろしくお願いいたします。同居家族のうち1人でも濃厚接触者となった段階で、同居する全ての家族に対し、検査結果が判明するまでの間、ウイルスの特性に応じた対応策を講じる必要があるのではないでしょうか。  例えば、施設内で複数人の感染が疑われる場合、施設に通う人はもちろん、その同居家族に対し、行政として行動自粛等を強くお願いするべきではないでしょうか。 保健所長:濃厚接触者の同居している家族等への対策について、濃厚接触者がいらっしゃって、確かに感染の可能性はありますが、その方が発症もしていない、また、まだ検査で感染も判明していない段階において、その方が必ず感染しているとまでは言えませんので、行動自粛といった強い要請を行政から一方的に行うことはやはり適切ではないと考えております。  しかしながら、感染の可能性があることは事実でありますので、保健所では、濃厚接触者であることが判明した時点で、同居の方との生活空間をしっかり分け、マスクの着用と手指消毒、物品の消毒などの感染防止対策を徹底するように指導しておりまして、濃厚接触者が仮にお子さんのような場合でありますと、こういった対応が困難なことが予想されますので、そういった場合には、濃厚接触者の検査の結果が出るまでは、外出を控えていただくようお伝えをしてございます。引き続き、個々の状況を踏まえて、適切に対応し、感染拡大防止に努めてまいりたいと思っております。 鈴木:こちらのほうも、重ねてお願いをしたいと思います。昨年3月の定例会代表質問において、救急搬送先の決定困難事例について取上げましたが、報道によりますと、新型コロナウイルス感染が第6波に入った今年の1月下旬、長野市消防局管内で救急搬送困難事例が3件あり、特に1月25日の市内の90代女性の場合、医療機関に受入れを6回照会し、搬送開始までに1時間2分かかったとのことであります。 1月下旬の市内における救急搬送困難事案について、市消防局警防課は、現時点で都市部のように救急搬送体制が逼迫した状況ではない、また、医療機関の病床逼迫が原因かどうか判断できない、との見解を示されていました。 2月8日時点の、県全体の確保病床使用率は44.4%でしたが、北信ブロックにおける確保病床使用率は71.9%であったことから、1月下旬には病床逼迫の影響が出ていたのではないか、と推察しますが、医師の判断により、入院措置が必要とされた新型コロナウイルス感染者を確実に入院できていたのか、また、なぜ搬送開始まで1時間以上かかったのか、その原因は何だったのか、改善が図られたのか。 保健所:私から、入院が必要な感染者の入院の状況についてお答えいたします。本市の入院患者が最も多かった1月30日において、長野医療圏と北信医療圏を合わせたいわゆる北信ブロックでありますけれども、病床確保数128床に対して104人が入院しておりまして、病床使用率81.3%でありました。この数字から、病床に決して余裕があるとまでは言いませんけれども、入院が必要とされる感染者の入院病床は、これまでのところ確保されていると考えております。 消防局長:私からは、困難事案につきましてお答えをいたします。最初に、消防局管内における国の基準に基づく搬送困難事案の状況でございますが、本年1月1日から2月末日までの間に3件の事案がございまして、前年同期との比較では、1件のマイナスという状況でございます。  また、総務省消防庁が公表してございます全国52消防本部の中では、2月20日の時点で5番目に少ない状況となっております。 御質問の事案でございますが、119番通報により出動した救急隊は、一般の傷病者として、医療機関へ受入れの問合せを開始したところ、他の救急事案に対応中で、処置困難との理由から受入れに至らず、照会が3回に及んだこと、また、症状などを確認する中で、新型コロナウイルス感染症が疑われたことから、医療機関との照会に3回を要したこと、その結果、医療機関への照会回数が6回となり、搬送開始までに1時間を要したものでございました。  後日、新型コロナウイルス感染症が疑われる方の救急搬送の件につきましては、保健所と医療機関において改めて確認をいただきまして、2月に入ってから、同様のケースの救急搬送におきましては、全てスムーズな受入れがなされてございます。  なお、本年2月末日までの救急出動3,339件のうち、約99%は救急隊からの照会が2回以内で搬送先が決定している状況でございまして、救急搬送業務におきましては、各医療機関には円滑な対応をいただいているものと考えてございます。以上でございます。 鈴木:ありがとうございました。 しっかりと対応を引き続きお願いしたいと思います。オミクロンの急増期であった冬季は、脳出血、心筋梗塞などの患者が多い時期でもあり、一般の救急が滞れば手後れとなる患者の続出が懸念されます。  オミクロン株は従来株に比べて重症化しにくいと言われていますが、感染爆発による医療逼迫をいかに回避するかが一番の課題であることから、宿泊療養と自宅療養を含めた医療全体のリソースを確保するために、自宅療養の在り方が重要だと考えます。 保健所が自宅療養者に対し、電話での健康観察を行い、仮に容体が悪化した場合、かかりつけ医、輪番医への診療を依頼されているとのことですが、迅速な対応が取れているのでしょうか。具体的な手順はどのような内容となっているのでしょうか。  また、かかりつけのクリニックや薬局を含めた地域の関係機関全体で、自宅療養者に医療行為を提供できる体制の構築が急務ではないかと考えますが。 保健所長:自宅療養者の容体が悪化した場合の対応についてですが、第6波で自宅療養者が700人を超える日もありましたけれども、保健所による毎日の健康観察や、感染者の方からの御相談において症状の悪化が認められる場合には、かかりつけ医など診療可能な医療機関に保健所から連絡をして、薬の処方等をしていただくとともに、症状の悪化が著しい場合や夜間等でかかりつけ医などの対応が難しい場合には、私どもが連絡を受けた上で、長野医療圏で定めております輪番の病院に診療や入院をお願いし、また救急搬送が必要な場合には、保健所から救急隊の要請を行うなど、自宅療養者への迅速な医療の提供に努めているところであります。  なお、こうした対応については、24時間対応をしているところでございます。  次に、自宅療養者へ医療行為を提供する体制についてですが、第6波の感染急拡大に対応するため、医師会の御協力をいただきまして、2月1日、市内の医療機関を対象に、症状が悪化した自宅療養者に対する診療や処方が可能かどうかなどを調査したところ、かかりつけ医の患者であれば可能とした医療機関51か所、初診の患者でも可能としたところが33か所、抗ウイルス薬の治療も可能41か所などとなっておりまして、改めて、こうした医療機関、また関連する薬局の活用を図ることによりまして、自宅療養者への医療の提供の確保を図っているところであります。 鈴木:長野県において、1月27日から3月6日までまん延防止等重点措置が適用され、市は国や県の方針に基づき、新型コロナウイルス感染症対応方針の改定や、市長メッセージの発出等の取組が行われてきましたが、顕著な効果があったと考えていいのでしょうか。  例えば、定点観測により、本市の人流抑制や、人数制限等の実態がどう推移したのか数値で把握するとともに、市の対応方針、市長メッセージの内容や発出方法などについて、有識者会議の意見等も聞きながら、幅広い観点から分析評価し、今後の取組に生かしていくべきではないでしょうか。 市長:令和2年5月以降、市の対応方針や市長メッセージは、感染警戒レベルが高くなった際などに発信し、動画をホームページへ掲載しております。その効果についての御質問ですが、国、県の取組を踏まえて、本市としての全体的な取組の方向性を示すことや、私が直接市民の皆様へ呼びかけることにより、市の対策や姿勢を発信するという役割を果たしているというふうに考えてございます。  また、発信した情報により、市民の皆さん、事業者の皆様が感染予防を徹底していただく一つのきっかけになったと思っています。なお、その効果が顕著であったかにつきましては、判断基準については持ち合わせておりません。  次に、人流抑制や人数制限の推移についてですが、これらは基本的に特措法に基づく県知事の要請でありまして、市としては推移の把握は行っておりません。市対応方針の内容や市長メッセージ等については、市の対策を取りまとめて、市民の皆さん、事業者の皆様に御協力をお願いするための情報発信であり、感染状況に応じて見直していることから、今後も有識者会議からの御意見も生かしながら、適時適切に改定してまいります。  新型コロナウイルス感染症対策については、国、県、市の役割分担の中で、皆様の御理解と御協力をいただきながら、本市として最大限の取組を実行してまいります。 ②信濃川水系河川整備と治水対策について 鈴木:いろいろ御腐心続いておられるかと思います。これまでの取組には敬意と感謝を申し上げさせていただきつつ、これからもよろしくお願いをしたいと思います。  次に、信濃川水系河川整備計画変更骨子案と治水対策について伺います。 信濃川水系河川整備計画変更骨子案が策定され、改訂に向けた検討が進められています。そもそも千曲川犀川を含む信濃川水系の河川整備は、平成20年6月に策定された信濃川水系河川整備基本方針で、立ヶ花及び杭瀬下地点における計画高水流量を毎秒9,000立方メートル、5,500立方メートルと定め、それとは別におおむね30年かけて具体的な工事を行うため、平成26年1月に策定された信濃川水系河川整備計画では2か所の河道配分流量を、基本方針の計画高水流量を大きく下回る毎秒7,300立方メートル、4,000立方メートルとしていました。  そして整備途上にあった令和元年に台風第19号災害が発生し、そのときの流量は2か所とも整備計画の河道配分流量を大幅に上回り、さらには基本方針が定めた計画高水流量を杭瀬下では大幅に上回り、立ヶ花についても設定値に迫る勢いだったのであります。 台風第19号の洪水を受け、現在、信濃川水系緊急治水対策プロジェクトに基づく整備が進められていますが、整備計画を改訂し、プロジェクトとの整合性を図ることが必要であると理解しています。  そこで骨子案を見ますと、基準地点である立ヶ花の河道配分流量、毎秒8,300立方メートルへの改定は、台風第19号時の流量である毎秒8、387立方メートルの近似値ですが、長野市の上流に位置する杭瀬下地点における河道配分流量を、毎秒4,900立方メートルとしていることには理解が及びません。  台風第19号時における杭瀬下地点の流量は、残念ながら国は定められている観測ができなかったとしていますが、杭瀬下上流の観測地点である生田での流量を毎秒7,267立方メートルとしていることから、理論的には杭瀬下地点での流量はそれ以上とみられます。  仮に、生田の7,267立方メートルがそのまま流下したとしても、信濃川水系河川整備計画変更骨子案で提示している杭瀬下地点の河道配分流量、毎秒4,900立方メートルを2,367立方メートル上回る流量となり、杭瀬下の下流域である篠ノ井から若穂に至る流域住民には到底、受け入れがたいものであります。  これまでの整備計画は限られた諸条件の基で、整備の実現性を優先に策定されたものだと推察しますが、今回は台風第19号での大災害を受けたのであり、将来にわたり住民の生命と財産を守り切る立場から、現実に起こった値、つまり実績値を基本に河川整備計画の河道配分流量を検討すべきであります。  長野市は骨子案にある杭瀬下地点の河道配分流量をいかに受け止めているのか、また台風第19号時の杭瀬下地点での実績値を基本とした河道配分流量へと見直しを強く求めるべきではないか。さらに上流の杭瀬下が定まれば、立ヶ花の毎秒8,300立方メートルを再考する必要があると考えますが。 建設部長:信濃川水系緊急治水対策プロジェクトでは、令和元年東日本台風災害の洪水実績に対し、令和9年度までの、令和元年洪水における千曲川本川からの越水等による家屋部の浸水被害を防止することとしております。  現在、手続を進めている信濃川水系河川整備計画の目標原案においては、さらなる治水安全度向上のため、基準地点である立ヶ花においては、戦後最大を更新した令和元年10月洪水と同規模の毎秒9,400立方メートルを目標流量とし、河道配分流量を毎秒8,300立方メートルとして堤防の決壊、越水等による家屋の浸水被害の防止または軽減を図ることとしております。  議員御質問の内容について、国土交通省、北陸地方整備局、千曲川河川事務所に問い合わせたところ、杭瀬下地点の河道配分流量を毎秒4,000立方メートルから4,900立方メートルに引き上げたことについては、令和元年10月洪水規模に対し、信濃川水系河川整備基本方針で最終目標である計画高水流量5,500立方メートルに向け、基準地点立ヶ花をはじめ、下流域を含めた上下流バランスを考慮した上で設定された流量であるとのことでありました。  変更原案で示されている内容のうち、上流のダムや新設される遊水地などの洪水調節施設による調節流量が立ヶ花地点においては毎秒1,100立方メートルとされております。そのうち、流域治水という観点から、流域自治体が一定量の調節量を担うことから、事を国から求められていることもあり、市では具体的な取組を推進するため、国の考えを確認している状況です。  現在、国では河川整備計画変更原案に対する住民意見募集を開始しており、その後に市を含めた関係機関協議が行われる予定です。市では自治体における流域治水上の調節量に加え、議員御質問の河道配分流量の見直しの点についても、その数値の妥当性について確認してまいりたいと考えております。 鈴木:今、御答弁あったとおり、この妥当性、非常に大事だと思っております。例えば、先ほど1,100立方メートルですか、この具体的な数値をあてがっていかないと、4,900、これは大丈夫なんですかと。基本方針だって5,500ですよ。5,500に対して7,000トンを超える流量が流れてきたという事実をしっかりと受け止めて、長野市のほうとしても、また調査していただいて、必要な要望はしていっていただきたいということを求めたいと思います。  市長は昨年の選挙公約で、これまで培ってきた人とのつながりを生かし、国や県への働きかけを強め、東日本台風災害へのさらなる支援を強力に要望していくと掲げられました。そのためにはまず台風第19号の際、杭瀬下の下流域の篠ノ井から若穂に至る間において、越流、浸水と甚大な被害が発生したことを踏まえ、長野市南部の安全性についてもっとも重要な数値である立ヶ花と杭瀬下地点の河道配分流量の実績値を基本に改訂するよう強く働きかけ、台風災害で甚大な被害を受けた自治体のリーダーとして、災害に強いまちづくりに向け、全力で取り組んでいただくことを期待しますがいかがでしょうか。  また、市長は施政方針の中で、緊急対策の1つとして防災復興を取り上げ、(仮称)治水対策研究会を設置と防災・減災を強化するとしています。昨年12月定例会で布目議員への答弁で、千曲川関係5団体での合同要望活動をバージョンアップさせる形で取り組むとしていますが、やや不十分かなと受け止めております。大事なことは今までの延長線ではなく、流域住民のリスクや不安などの切実な声、要望等を受け止め、市と一体となった取組としなければならないと考えますが。 市長:信濃川水系河川整備計画の変更の手続につきましては、国において河川法に基づき、進められているものと考えております。先に示されました変更原案では、河川整備基本方針で定めた目標に向けて、過去の洪水における洪水特性や現在の河川整備状況、上下流、本支川の整備バランスとを総合的に勘案し、段階的かつ着実な河川整備を実施することで、戦後最大規模の洪水に対し、災害発生の防止または軽減を図る とされております。杭瀬下地点の河道配分流量についても、その考えに基づき適切に設定されていると理解しております。  令和4年中に予定されております関係機関との協議などを通じて、その数値について改めて確認するとともに、仮に疑義が生じているような部分があれば、私がしっかり意見を申し立ててまいりたいと思っています。  また、今回の計画変更により、河川整備計画に位置付けられる信濃川水系緊急治水対策プロジェクトにおける流水域整備、河道掘削等の河川における対策が確実に実施されることで、長野市南部を含めました市全域における治水安全度が向上することから、本年1月にはオンラインにより、国土交通大臣政務官に整備計画の前倒しの要望を行いました。  今後もこれまで培ってまいりました人とのつながりを最大限に生かしながら、上田市から飯山市までの流域7市町で構成されます、そして、私が会長を務めます千曲川改修期成同盟会などを通じて、またあらゆる機会を通じて、さらなる整備の前倒しを強く要望してまいりたいと思います。  次に、(仮称)治水対策研究会への取組についてお答えいたします。 令和元年東日本台風災害を契機に、令和2年度より行政と流域住民が一体となり、私が会長を務めます芹田長沼間をはじめ、篠ノ井、松代、若穂、更北の各地区における千曲川関係5団体が合同で国に対し、要望活動を実施しております。  今までは個々に実施しておりました同盟会の要望活動を、新たに合同で企画したことで、より強い要望となったものと考えております。令和4年度には千曲川関係の5団体に加え、市内を流れる河川ごとに設立されております期成同盟会の代表者が一堂に会し、治水対策や流域治水に関する研究や意見交換を行う機会を設け、その場で出された住民間の意見につきましては、確実に河川管理者に伝えてまいりたいと思います。  また、住民参加による流域治水につきましても、意識啓発に努め、あらゆる関係者が一体となり、治水安全度向上に向け取組を推進してまいります。 鈴木:先ほどの5団体のうちの4つが南部なんです。南部の団体で、これまでも期成同盟会、いろいろ御活動をされてきましたけれども、やはり状況がどんどん変わってきているということと、先ほども御紹介したように河川整備計画の変更等々、非常に流域住民にとっては重要な課題でありますので、まずは1から期成同盟会の中でもそれぞれの地域の課題しっかりと洗い出していくような取組としていっていただいて、大きな塊で要望活動していっていただくことを改めてお願いをしたいと思います。 ③市指定文化財旧作新学校本館改修整備について  次に、長野市指定文化財旧作新学校本館改修整備について伺います。  去る1月20日、同館改修委員会が設立され、また、昨年10月、前市長宛てに更北住民自治協議会が作新学校本館改修について要望書を手交しました。要望書は資料展示室のほか、子供たちの育成の場、さらに地域と学校をつなぐ施設となることを求めています。  しかし、1月22日付の信濃毎日新聞の記事によりますと、要望どおりの改修について市が難色を示していることから、同委員会は地元の思いを形とすべく募金活動への取組を始めようとしている、とのことであります。  長野市は地元の願いを真摯に受け止め、確実な財源確保の道を探っていただきたいと思いますが、一例といたしまして、長野県は地域の元気を生み出すモデル事業に対し、地域発元気づくり支援金を交付しております。交付対象事業は、地域郷土の推進教育及び文化の振興等に則した取組などを条件としていますが、旧作新学校本館改修整備事業は、これらの趣旨に合致しているものと考えます。  支援金の交付を受けるためには、要領の第6項以後の定めに基づき、回収にかかる見積もり等が必要となることから市の積極的な関与が求められます。改修整備を進めるために、市は地元とともに地域発元気づくり支援金の認可に向け、取り組むことができないでしょうか。  また、市町村が交付対象者の場合の交付額が経費の2分の1以内であるのに対し、公共的団体等の場合は経費の3分の2以内となっていることから、改修委員会等と協議を行い、より有利な公共的団体等して適用されるよう取り組むことができないか。さらに、令和4年予算に耐震診断、耐震強度設計、実施設計等が計上されていますが、市として当館改修整備を優先事業と位置付け、進めていただくことを強く要望をさせていただき、新年度以降の具体的な改修計画をどのように策定されているのか、伺います。 教育次長:旧作新学校本館は、明治16年の建築で、明治10年代の洋風学校建築の姿をよく残している建物として、昭和56年に市の有形文化財に指定したものでございます。その後、必要な都度修理を実施し、本年度も雨漏りや床の腐朽に対する応急対策を行ったところですが、当初の建築から150年、移築から50年となるのを目前に、傷みが激しくなっております。  そのため、耐震対策を含め全面的な舗装修理に向けた準備として、平成30年度には劣化調査、令和元年度には 設計を行ってまいりましたが、令和元年東日本台風災害以降、進捗に遅れが生じており、下氷鉋小学校開校150周年に向けてリニューアルを希望する、地元の皆様の御期待に沿うことが難しくなっていったものでございます。  このような状況を受け、本年1月、地元更北地区で新たに改修委員会を組織して、旧作新学校本館の新たな活用構想の検討や資金集めの準備を始めていただいたことを、大変心強く思っております。  御質問のうち、地域発元気づくり支援金の認可に向けて地元と共に取り組めないか、ということでございますが、旧作新学校本館の整備事業は議員御指摘のとおり、県の地域発元気づくり支援金の要綱に定める要旨に合致しているものと考えております。長野地域振興局へ問い合わせるなどして、制度の活用に向けて現在情報収集をしているところでございます。  財源の確保に向けましては、このほかにも活用できる制度がないか検討してまいりますが、まずは、地元の皆様と共に、支援金の交付を目指してまいりたいと考えております。  また、元気づくり支援金の申請団体についての御提案でございますが、建物内部を活用するためのソフト事業については、地元改修委員会が主体の事業にすることで、より有利な補助率の公共的団体として申請することも可能ではないかと考えておりますので、今後、地元の皆様と協議してまいります。  なお、建物本体の保存修理については、市が発注する修理施設の工事ですので、市が申請団体になるものと考えております。 来年度以降の計画について、改修整備に要する全体事業費や工期等の詳細は、新年度に予定しております耐震診断及び実施設計により明らかになってまいりますので、現時点ではっきりとは申し上げられませんが、令和5年度以降、できるだけ早期の着手、完了を目指してまいります。  このたびの旧作新学校本館の整備事業は、活用構想の検討や資金面などで地元の皆様と共同しながら進めていくことになります。旧作新学校本館を子供たちの育成の場、さらには地域と学校をつなぐ場として整備し、末永く次世代に継承していくという地元の皆様の思いの早期実現に向けて、今後も引き続き関係する皆様と、協議調整を継続してまいりたいと考えております。 ④川中島古戦場史跡公園整備について 鈴木:本当に地元の皆様方、本当に熱意を持って取組が現在進められているところでございます。建物は僕もよく知っていますが、実は僕も卒業生ですが、中に入った記憶がないというものでございますので、ぜひとも入ってみたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、川中島古戦場史跡公園整備について、伺います。  昨年度、市と地元で構成された川中島古戦場史跡公園活性化検討会議が行われ、その中での方向性に基づいて、令和3年度予算により、古戦場史跡公園整備がおおむね計画どおり進められたと理解しております。  しかし、地元の方々からはさらなる整備と基本的な公園の将来像や、コンセプトの議論が不十分なのではないか、観光客の車やバスがハンドルを切りたくなるような整備が必要ではないか、今風の食事処やカフェはどうか、そうしたセンスのある店舗が必要なのではないか、といったようなお声をこのところお聞きをさせていただいております。  そうした御要望にもしっかりとお答えするために、決して今回の整備で終わりというものではなくて、川中島古戦場史跡公園活性化を観光戦略の上位と位置付け、新年度以降も地元や多くの市民、特に若者の意見をお聞きし、その上で専門家を招聘するなど、さらなる検討を重ねて地域振興、観光振興につながる事業として、強化することを強く求めたいと思いますが、御所見を伺います。 都市整備部長:川中島古戦場史跡公園の再整備に関しましては、更北まちづくり委員会及び更北地区住民自治協議会から御提案をいただいた活性プランを参考に、公園、観光、博物館など庁内関係部局間で連携し、活性化にかかる事業を実施してまいりました。  事業の実施にあたっては、地域の活動として定着してきた古戦場まつりなどを発展させながら、賑わいの創出につながるよう、今年度は古戦場の雰囲気が感じられる広場や休息所のほか、イベント時の移動販売スペースなども整理し、秋には古戦場内等をめぐるデジタルスタンプラリーやデジタルマップなど、新たな誘客事業を実施してまいりました。  今後の観光戦略につきましては、次期観光振興計画において、古戦場を松代地区とともに観光振興の主要な拠点の1つとして捉えており、善行寺御開帳の期間中、バージョンアップしたデジタルスタンプラリーの実施や善光寺、古戦場、松代間でライナーバスを運行するなど、周遊に踏み込んだ誘客を促進してまいります。  また、長野インターに近い川中島古戦場は、立地上の集客ポテンシャルが高いことから、古戦場を印象付けるのぼり旗など、観光客を引きつける仕掛けにより、周辺幹線道路からの誘導に努めるとともに、博物館では川中島の戦いの展示を充実させ、集客拡大につなげてまいります。さらに、古戦場では地元が主催する三太刀まつりや古戦場まつりなど、イベントが定着し、軽トラ市も行われておりますが、今回の整備で生まれたスペースで、キッチンカーによる販売なども可能になったことから、活動がさらに充実し、活性化につながるものと期待しております。現在、公園内では、休息所の陣幕をバックに記念撮影をする観光客の姿が見られるなど、新たな流れが生まれております。  今後もこうした観光客の動向や地域の活動を踏まえつつ、知名度が高い川中島の戦いをテーマとして、地元の皆様の幅広い御意見や必要に応じた専門家の御意見もお聞きしながら、観光資源としての魅力の増進に努めてまいります。 鈴木:幅広い、かつ継続的に議論進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。  以上となります。全文をお読みになられた皆様、ありがとうございました。一問一答でのやりとりですが、その場で答弁を100%理解するには至らないところもあり、 再度の質疑に繋がらない等、反省点が多々あります。 それでも、こうしたやりとり積み重ねることで、市民の皆様からいただいた貴重な一般質問の場を通し、持続可能な地域づくりへと確実に繋がるよう、邁進して参ります。

令和4年長野市議会3月定例会開会

 本日(2/24)、令和4年長野市議会3月定例会が3月22日までの27日間の会期で開会し、令和4年度長野市一般会計予算など予算関係 22件、条例関係 13 件、その他議案6件、承認2件、報告7件が上程されました。  荻原市長にとって、初となる予算編成による定例会となり、本日、施政方針の表明がありましたので、一部ご紹介します。  昨年 11 月、市長に就任し、選挙公約として掲げた政策を一つ一つ実現させるための取組をスタートさせた。「基本政策」は、新型コロナウイルス感染症対策、コロナ収束後を見据えた景気刺激策、令和元年東日本台風災害からの復旧・復興と防災対策を加速させること。  新年度予算編成では、財政推計の厳しい将来見通しを踏まえ、人口減少・少子高齢化による人口構造の変化の中でも、未来を担う子どもたちに負担を先送りしないよう、「健全財政の維持」を大前提としながら、市民の皆様が幸せを感じ、輝くことのできる社会につながる施策に予算を重点的に配分している。  具体的には、新型コロナウイルス感染症対策、台風災害からの復旧・復興、社会保障関係経費を確保した上で、子育て・教育・福祉などの各種施策や、善光寺御開帳を契機とした市内経済の活性化やまちのにぎわい創出につながる事業。 歳入の基幹収入である市税では、税収の回復傾向を反映し、当初予算では、3年ぶりに 580 億円台となる 588 億7千万円(前年度比9.9%増)を見込む一方で、市税収入の増加に伴い、地方交付税は、前年度比8億4千万円減の 191 億 7 千万円を見込んでいる。  また、災害公営住宅整備や農地復旧に係る災害関連補助金の事業終了に伴い、国庫支出金では前年度比7億1千万円減の 253 億6千万円、県支出金は前年度比6億3千万円減の 106 億3千万円としている。  新型コロナウイルス感染拡大の長期化で市内経済への対策も喫緊の課題。今月、商店街で使えるクーポンや、QRコード決済のポイント還元による消費促進策を実施し、専決補正予算(本日の本会議で承認された)により、まん延防止等重点措置で人流低下の影響を受けている飲食・観光業、サービス・小売りなど、幅広い業種や一部フリーランスを対象に、事業継続を支援する「事業者緊急支援金」の申請受付を開始した。  新年度においても、善光寺御開帳、飲食推し店プラチナチケット、プレミアム付き商品券の発行、キャッシュレス決済還元や商店街事業支援など、切れ目のない経済対策を実施し、市内経済の早期回復につなげていきたい。  「防災・復興」の取組では、災害への備えとして、信濃川水系緊急治水対策プロジェクトを国、県、流域自治体等と連携し、ハード・ソフトの両面から対策を進めるとともに、新年度に、「(仮称)治水対策研究会」を設置し、浅川などの支川を含めた防災・減災対策の強化により防災力の向上を図る。  また、昨年度から実施している浅川流域での農業用ため池による低水位管理や、雨水貯留タンク助成制度、新たに雨水浸透桝の助成制度を開始するなど、流域全体で水害を軽減させる「流域治水」を推進していく。 「教育・福祉・子育て」について、「こども総合支援センター」を開設し、保護者からの子育てに関する相談・支援に加え、子ども自身からの悩みや相談にも応じ、また、支援する。来年度当初からの業務スタートに向け、準備を進めている。  引き続き、移住・定住の促進に重点を置いていく。長野県出身の大学生等のうち地元に戻って就職する割合はおよそ4割。若者のUJIターンを促進し、定着を図り、本市産業の担い手となる人材の確保を図ることを目的に、市内に定住し、市内企業に就職した場合などに奨学金の返還支援を行う制度を、新年度からモデル的に実施していく。  地球温暖化の影響から市民を守り、将来にわたり持続可能な地球環境を次世代に残すために、今月 14 日に、長野圏域9市町村共同で「ゼロカーボン宣言」を発出した。「2050 ゼロカーボン」に向け、新年度から「長野圏域市民ゼロカーボンチャレンジ事業」を実施していく。 また、昨年 12 月にバイオマス産業都市に選定されたことを受け、バイオマス事業化プ ロジェクトの具現化を加速し、市内のバイオマスによる低炭素電力の安定供給拡大を目指す「自治体新電力」についても検討を進める。  更に、ごみの削減や脱プラスチックを推進するための啓発や地区清掃活動などで使用する公共用ごみ袋を、バイオマス素材入りの製品に順次切り替えていく。  他にも施策、事業に関する表明がありましたが、一部で恐縮ですがご紹介させていただきました。荻原市長の初となった昨年12月の定例会では、残念ながら、私の一般質問はありませんでしたが、今定例会では質問の機会を与えていただきました。先にご紹介した市長の取り組みについて、取り上げたいと考えています。実りのある、建設的な議論とするため、しっかり準備し、安心安全なまちづくりの実現に向け、臨みたいと思います。