長野市議会議員会派

改革ながの市民ネット

陸前高田市の復興状況と防災対策について視察させていただきました

7月2日、陸前高田市の復興状況と防災対策について視察させていただきました。

東日本大震災から7年と4ヵ月、甚大な被害の教訓を将来の防災に活かすため、「陸前高田市東日本大震災検証報告書」を作成し、それに基づく「避難マニュアル」を市民に配布し、日頃からの心構えや備えを自覚的に持ってもらい、行政からの情報を待たず、自身で情報を「取りに行く」よう求めておられました。

〇 避難が何より重要-地震発生時にいた場所が津波浸水域となった人で、当日の行動について情報が得られた人のうち、被害がなかった人は、津波到達前までに8割の人が避難していたのに対し、犠牲となられた方は5割程度にとどまり、4割は避難していない結果であった。

〇 避難所に逃げたら終わりではない-津波避難場所として指定していた一時避難所67か所のうち38か所が被災すると共に、9か所で推計303人~411人の命が失われた。当時は浸水2m未満の避難所も避難所に指定していた場合もあったが、現在は東日本大震災で津波が到達しなかった場所で、かつ、仮に津波が到達しても更なる高台へ避難できる場所を指定。

〇 公的な役割を持つ人の安全の確保-東日本大震災では、市民の避難誘導にあたった公的な役割を持つ人が多く犠牲となったことから、津波到達前までに活動を終了し、避難を完了させるために市職員の「初動対応マニュアル」や消防団員の「地震災害活動マニュアル」等を作成した。(犠牲になった市職員111人、消防団員51人、行政区長11人、民生委員児童委員11人)

市街地のかさ上げも行われ、最初は、5年前に訪れた時のままに見えましたが、流された市街地の上に8mの土砂を盛り整備していました。店舗もある程度は営業されていましたが、復興期間の平成32年度までに間に合うか危惧する状況であり、期間の延長が必要と感じました。

ハード面に関しては、これら市街地整備と共に12.5mの防潮堤と遊水地、避難道路の整備などを進めておられました。

陸前高田市が防災にあたり重視していたのは「率先避難」でした。かけがえのない市民の命を1550名(当時の人口24,246人)も失った被災地だからこその「きれいごとでない」防災対策、考えさせられました。

本市の防災に活かしていきたいと思います。

DSC01787 ←防潮堤の上で。海岸線の再生も進められていました。「故郷」の再生を心から願うばかりです。

陸前高田市・盛岡市・前橋市を視察させていただきました

7月2~4日、会派で視察しました。

陸前高田市では、震災からの復興状況及び防災の取組について

盛岡市では、サウンディング型市場調査について

前橋市では、ICTしるくプロジェクト(母子健康情報サービス)について

を視察させていただきました。

本市の今後に活かしていきたいと思います。

改革ながの市民ネット行政視察(その2)

 行政視察2日目は岩手県盛岡市の「サウンディング型市場調査」取り組みについて調査研究を行いました。 まず、「サウンディング型市場調査」とは、行政が行う公共施設などの大規模改修や新規建設事業等を行う場合に、事業発案段階で官民での対話を通し、市場性の有無や実現可能性、アイデア等を把握する目的で行うもので、事業案が策定された後、事業者公募に反映させ、官民双方にメリットを生み出すためのものです。  この調査の際に重要となるのが、官民による対話であり、精緻な資料等を用いたりせず、負担の少ない中で官民の意思疎通をはかることとなります。そこで得られたことを事業に繋げていかなければなりません。  盛岡市では昨年度、老朽化した勤労者センター「サンライフ盛岡」の大規模改修に関するサウンディング型市場調査を実施し、効率的かつ効果的な工事手法、空調機器使用に対する考え、性能発注や設計施行一括発注などの発注方法に対する考え等についてサウンディングを行い、その結果を踏まえ設計・施工事業者一括選定方式を用いた性能発注による大規模改修実施へとつなげております。この手法を取ることによりコスト削減、工期短縮といった効果が期待されるところです。  更に、盛岡市は、平成28年度に内閣府の地域プラットフォーム形成支援を取り入れ、官民連携プラットフォームセミナーを開催し、以後、PPP、PFI手法の取り組みを推進する体制を整えてきました。民間事業者の創意工夫やノウハウを活かした体制を整備することで事業案件の形成に向けた検討準備の場を設け、金融機関、各団体がコアメンバーとなり「もりおかPPPプラットフォーム」が設置されたということです。  昨年10月に開催されたプラットフォームでは約100人の参加のもと、上述の「サンライフ盛岡」の大規模改修に関するサウンディング型市場調査について議論が交わされたとのことです。  サウンディング型市場調査といえば、横浜市が実施したことから全国的に広がり、現在では様々な事業において取り組みが普及し、盛岡市では上述の他に、現在、(仮称)新盛岡バスセンター整備事業を進める中においても取り入れているようです。  長野市では、今年度に入り、市内全小中学校へのクーラー設置等、サウンディング型市場調査の導入を決めております。盛岡市も緒に就いたばかりの中で、進めていくにあたり留意しなければならないことも見えてきているようです。例えば、参加者によっては、対話への参加が事業者選定時のインセンティブとなると捉えたり、行政側の発言内容を自身の都合のいいような捉え方をしたり、といったことを想定しながら対話参加に係る前提条件を明確に示さねば、という認識を持っているとのことです。また、課題が少しづつ見えてきたようで参加参加事業者が限定的となってしまうといったことから更なる検討が必要としております。あくまで事業を効率よく、かつ、効果的に行うという目的に敵うものである必要があります。  こうしたことも踏まえ、長野市担当課、そして議会としても未知の領域であるとも言えることなので、じっくり検証を行いながら活かし、進めていかなければなりません。

改革ながの市民ネット行政視察(その1)

 7月2日~4日まで会派「改革ながの市民ネット」議員7名で行政視察を行っております。 一日目は、岩手県陸前高田市にて震災からの復興状況及び防災の取り組みについて調査研究を行いました。 平成23年3月11日、陸前高田市を襲った東日本大震災から7年、復興状況について、平成29年度末時点の主要事業は、全165事業のうち51事業が完了。    災害に強い安全なまちづくりを進める上で、市街地や住宅地を津波による浸水から免れるよう高台やかさ上げ地整備をするといった、東日本大震災で防災機能が麻痺した教訓を生かしながらの整備がおこなわれております。  それを踏まえ、本日、現地視察を行った防潮提も目下整備中、また、新しい町づくりとして整備が進められている高台整備もまだ十分とは言えない状態ですが、震災の脅威を改めて感じた次第です。陸前高田駅周辺の整備は、全国チェーンストア進出、飲食店、スポーツショップ等が営業されているものの真の復興までには時間が要するのではとの印象です。そんな中であっても、時間は掛かったとしても復興に向けた市としての取り組みは国からの支援を活用しながら全力を挙げて前に進んでいるものと思われます。    更に、今回の視察では陸前高田市の防災対策管理監より「防災」について丁寧に説明をしていただきました。市として震災検証報告をまとめ、全世帯に配布するといった震災を教訓としながら更なる防災体制の強化への取り組み、あらゆる災害に対する非難マニュアル、ハードとソフトを組み合わせた防災対策が大事、とのことで、全市民が共有することの重要性を強調されておりました。    そんな中で、大いに参考となることとして、①避難所に逃げたら終わりではない。→震災時、一時避難所に避難したにも関わらず300人~400人の方々が犠牲となった。67か所の一時避難場所であっても、津波浸水区域であり50cm未満とされていた場所でも30名弱の犠牲者が出たこともあり、その教訓を生かし、現在の避難場所は震災時に1cmたりとも浸水しなかったところを避難所と指定している。②避難が何より重要! 命を守るためには避難が何より重要であるということ。避難のタイミングと被害状況の分析からも明確になっており、情報の入手、そして、自分の命は自分で守る、という意識の醸成が必要だということです。そうしたことを踏まえると、日ごろからの防災訓練や防災教育が必要であるのは言うまでもないことであろう、と思います。  私も議会にて災害対策について取り上げてまいりましたが、災害発生の危険性が高まった場合の行政からの正しい情報発信を市民がいかに受け取るのか、とかく聞こえ辛いといわれる防災行政無線、防災意識の醸成等は、机上の論理では対応できないことが陸前高田市担当者の話をお聞きし改めて認識しましたが、参考として、陸前高田市では、市民の情報入手についてフリーダイヤルを設置し、無線を聞き漏らした場合等に対応できるといった対策を講じております。また、行政としての取り組みで必要なことは何か、と質問させていただきましたが、専門性があり、経験も重要であるといったことから、2,3年で担当が変わるとか、担当課への人員配置といった手厚い陣営を整えていくことが必要ではないか、とアドバイスをいただいたところです。長野市としての防災対策について、引き続き、安全なまちづくりを目指し、陸前高田の事例などを参考にしながら取り組みを深めていきたいと思います。