長野市議会議員会派

改革ながの市民ネット

令和7年3月定例会一般質問について

 長野市議会 令和7年3月定例会が2月26日(水)から3月25日(火)まで、28日間の会期で開催されました。
 3月定例会は、次年度の予算審査を行う重要な議会であり、議員の質問は代表質問と一般質問があり、委員会の日数も長く予定されています。

 私は3月10日(月)、議会一般質問において持ち時間11分をいただき登壇いたしました。
 質問の項目は下の通りで、大きく5つです。(録画時間は全体で38分程度)

(1) 加齢性難聴者への支援について

 ・5分頃~
(2) 建設発生土対策について
 ア 建設発生土に係る本市の現状と課題について
 イ 安全な処理地の確保について
 ウ 建設発生土の発生抑制と有効活用の推進について

 ・15分10秒頃~
(3) 特用林産物の活用について
 ア 本市の特用林産物の現状と持続的活用について
 イ 野生きのこの安全性確保について

 ・23分40秒頃~
(4) ワイン・シードル特区としての地域活性化について
 ア 特区認定後の動向について
 イ 人材の確保育成について
 ウ 長野ワイン産地としての地域活性化推進について

 ・33分25秒頃~
(5) 篠ノ井地区果樹園のカラス被害対策について

(6) その他

下のリンク先より録画映像をご覧いただけます。

https://nagano-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=4439


長野市議会令和7年3月定例会 東方みゆき 議会一般質問
長野市議会令和7年3月定例会 東方みゆき 議会一般質問

参考に、それぞれの質問の背景や思いを記しておきます。

(1)加齢性難聴者への支援について 

 「年を取って耳が遠くなってきた」という状態は、恐らく「加齢性難聴」です。
 障害者と認定されるほどではないけれど、耳が遠くなってきたことを直接・間接的原因として、社会から孤立したり、認知症につながったりという懸念がもたれています

 私は現在、地元地区の「福祉推進員」という役をしています。高齢者に声をかけ、食事会やお茶のみサロンなどを開催します。担当する高齢者にご案内をお持ちしたところ「みんなとおしゃべりしたいけれど、耳が遠くなってきたので、周りの人に迷惑をかけるかもしれないから参加しない」と断られたことがあります。これは正に「加齢性難聴による社会的孤立じゃないか!」。こういう思い、行動をせざるを得ない方を減らしていかなければいけない、と強く感じました。
 これに先立つ数年前から、私は聴覚障害者支援に取り組み、加齢性難聴者への支援についても、議会質問で取り上げてきました。当初は動きがみられませんでしたし、加齢性難聴者の補聴器購入支援を求める請願に対して、反対する会派もありました。しかし、令和6年度になって長野市社会福祉審議会への諮問が行われ、付帯意見付きで加齢性難聴者への支援を求める答申が行われました。これを受けて、令和7年度予算(案)に補聴器購入支援が盛られ、加齢性難聴についての理解促進、受診勧奨等も併せて行うこととされています。
 補聴器購入費の補助支援対象はまだ限定的(対象者の所得制限等あり)です。しかし、まずは第一歩として制度を創設すること、そして加齢性難聴への認識を広め、医師や関係業界等と連携した取り組みはとても意義があると捉え、その点について質問をしました。

https://higashikata.jp/east/wp-content/uploads/2025/03/reiwa6-3siryou(老人福祉答申).pdf

 なお、この加齢性難聴者の補聴器購入補助をはじめ、長野市手話言語条例の制定、リアルタイム字幕表示システム導入など、私が取り上げて要望してきた聴覚障害者関連の施策が、この度の3月定例会条例案や令和7年度予算案で具体的に進んでいます。議案に盛り込んでいただいたこと、そして可決に至ったこと、関係者には本当にお礼を申し上げます。


(2)建設発生土対策について

 私は最近まで、建設発生土について特に関心が高いという訳ではありませんでした。
 今年度、市議会の常任委員会で「建設企業委員会」に所属している関係で、長野市建設業協会の役員の方々との意見交換会に出席しました。複数ある現在の課題の一つとして「建設発生土」にふれられており、何よりも「建設発生土の行き場がなければ工事を受注できない」という言葉に、その課題の深刻さに認識を新たにしたところです
 調べてみると、確かに建設発生土を持っていく先(処分場)に苦慮していることがわかりました。それも踏まえて、国としては、建設発生土の再利用化に積極的です。まだ始まって日は浅いものの、国、地方など複数のレベルや地域で、建設発生土の「ゆずります」「ほしいです」的なやり取りができるシステムも整備されてきています。
 長野市内では、国による信濃川水系緊急治水対策プロジェクトの河道掘削工事で発生する土砂の受け入れ先を募集しています。また、長野市大豆島地区(エムウェーブ南)産業用地立地開発、仮称)若穂スマートインターチェンジ等、規模の大きい事業が進められていますが、これらでも建設発生土の再利用が行われているそうです。
 国の資料では建設発生土の再利用をサーキュラーエコノミー(循環型経済)につなげていくことを目指しているとありました。SDGs未来都市である長野市は、そのレベルまではまだまだ距離がありますが、循環型社会につなげていく必要があると考えています。
 ともあれ、まずは今年5月の盛土規制法運用開始でさらなる安全性の確保に努め、その上で循環型社会への取り組みも、一歩一歩進めていただきたいと考えています。

千曲川の掘削工事で出る土砂の受け入れ先を募集するチラシ。
長野市以外でも、沿線自治体が同様の取り組みをしている。

(3)特用林産物の活用について

 天然きのこ、山菜、木の実、木の枝、つる、木炭など、森や林でとれるもののうち木材以外のものを総称して「特用林産物」と呼びます。
 春や秋を中心に、長野市内の道の駅、生産者組合やスーパーの直売コーナーには山菜や天然きのこが並び、また、飲食店でも、季節限定で山菜の天ぷらやきのこ汁などを味わうことができます。ながのの季節の味覚として楽しみにしているのは私だけではないでしょう。また、それらを見つけて採ったり、食べられるように処理したり、あるいは保存食として長持ちさせる技術も含めて、山里の豊かな知恵に、昔の人の苦労とすばらしさを学び、大切に受け継いでいきたいと考えています。
 一消費者としては中山間地域を中心にそうした山の恵みを享受させていただき、実態を見ているのですが、農林業センサスのデータ上では、長野市では特用林産物を販売する経営体の「実体がない」状況になっています。
 あれれ? 不思議なことです。山菜などの販売はされているけれど、既存の統計では拾えないほど、特用林産物の採取、生産や出荷をする側が脆弱化しているのかな?という推測が頭をよぎりました。この「おや?」と感じたことは、この質問の一つのきっかけとなっています。(下の資料参照)


 所属している長野市議会の「中山間地域活性化調査研究特別委員会」においても中山間地域の状況を調べていますが、中山間地域の活性化のためにも特用林産物を持続的に活用できるようにする必要があり、そのための施策もしっかりする必要があるのではないか、というのが私の主張であり、今回の質問の基本的な考えです。
 
 調べたところ、長野市公文書館には、長野市に合併する前の戸隠村「特用林産物需給動態調査」が保存されているそうです。芋生、七二会で「キハダ」の振興が行われたり、今井財産区でマツタケ栽培に取り組んだこともあったようです。
 さらに、長野市議会の議事録を調べたところ、「特用林産物」という言葉が現れるのは平成12年が最後。それも理事者側の説明のみで、議員が質問に取り上げたのは平成元年が最後でした。私にとっては意外でしたが、長野市では忘れられていた言葉なのかもしれません。
 
 もう一つ調べていて、逆に「長野市すごい!」と思ったのは、長野市保健所の取り組みです。
 長野市独自で「長野市野生きのこの販売に関する指導要綱」を設けて、野生きのこに起因する食中毒予防に努めています。販売する店の届け出、野生きのこに関し十分な知識を有し、かつ、野生きのこの種類を鑑別することができる者である「鑑別責任者」の設置、鑑別責任者の講習会参加などを定めています。
 その野生きのこの安全性(毒キノコではないこと)を100%保障するところまではいかないまでも、安全性は高められており、届け出があった販売場における野生きのこの食中毒は発生していないとのことでした。


(4)ワイン・シードル特区としての地域活性化について

 長野市でワインツーリズムを楽しめるようにしたいな、と思っている私ですが、ワインに関する質問を取り上げるのは2回目です。前回は、ワイン用ブドウの生産が行われているものの、まだ市内で専用ワイナリーはなく(日本酒の蔵元でワインを醸造する例はあり)、これからワイン特区の申請を考える、という段階でした。
 長野県では「信州ワインバレー構想」に基づき、県内のワイン生産、ワインのある暮らし、ワインを楽しむ環境づくりを進めています。県内を4つのエリアに分けており、長野市はエリア的には「千曲川ワインバレー」に含まれますが、当時はワイン生産が行われない空白地帯でした。
 長野市では令和5年にワイン・シードル特区認定を受け、令和6年度に、篠ノ井有旅、浅川、信州新町の3地区でワイナリーが開業しました。一気に3か所のワイナリーがオープンするという、素晴らしいスタートダッシュとなっています。まだ初年度、それぞれに醸造を進めているところですが、段階的に醸造量を増やし、出来上がるワインの量も増えていく、という見込みになっています。その中で、ワイン用ブドウの量や質の確保もこれから重要になってきますね。

 信州ワインバレー構想も2.0へバージョンアップし、品質向上、ワインバレー内の連携やそれぞれのテロワールでの取組も書かれています。
 長野市でも、千曲川ワインバレーの連携による振興と同時に、それぞれのワイナリーがある地区での、ワインに限らない多様な主体とも連携した地域ぐるみの取り組みを進めたいな、と考えています。ちなみに、私が住む篠ノ井では、有旅ワイナリーの田中圭さんと相談し、既存の篠ノ井のまちづくり団体とも連携した取り組みを模索していきたいな、とあれこれ構想を練っているところです。

 と、質問から話が飛躍してしまいましたが、この項の中で市長にも今後の取り組みを伺いました。市長のご答弁に「ワインはその土地の自然環境を表現する作品」という言葉があり、ちょっと感動! スキー競技をされていた関係で、ヨーロッパ各地を訪問し、自然とワイン産地、ワインのある文化に触れてこられており、その知見をぜひ長野市で生かしてほしいな、と思います。


(5)篠ノ井地区果樹園のカラス被害対策について

 農作物の鳥獣被害は年々深刻となっています。
 カラス対策にはワイヤーやネットを張ったり、光るものやカラスの死骸に見えるものをぶら下げたり等々の対策が行われていますが、敵も頭が良く、人のいない時を狙ったり、対策に慣れてしまったりで、簡単には効果を上げられないようです。
 今回、篠ノ井信里地区において、リンゴやブドウをカラスにつつかれてしまった!というご相談を受け、現地をご案内いただき、意見交換をした内容等を踏まえて、質問いたしました。
 カラスの数が増えたり、被害を生む背景にはいくつかの原因が考えられます。対策としては、個体数を増やすような環境を変え、さらに個体数を減らし、農作物に近づけないようにすることになります。個体数を減らすことに関しては、地元の猟友会の協力を得て、市が捕獲おりを購入して使えるようにする方向で話が進められることになりました。
 また、農作物に近づきにくくするため、ワイヤーなどの設置を行うことが推奨されます。長野市に隣接する須坂市においては、市が複数の対策を試行し、その効果などを農家に共有する取り組みが行われています。長野市ではこの辺りが非常に消極的なので、須坂市を見習ってもらいたい、という気持ちを込めて、ご答弁をいただいた後に事例紹介させていただきました。
 加えて、被害を受けた際の保障となる「収入保険」や「果樹共済」については、大昔よりは改善したものの、農家さんからしたらいまだに加入条件等のハードルが高いので、さらなる支援を要望いたしました。


 前回の市議会(令和6年12月定例会)で質問をお休みしたこともあり、取り上げたい課題がたまってしまっていました。よくばって、盛沢山な内容で用意しましたので、一つ一つが短め、消化不良のところもあったかもしれません。
 今回取り上げられなかったテーマも併せて、今後の取り組み状況等をフォローし、より良い地域になるようにいろいろ動いていきたいと思います。
 長文の報告を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

令和7年長野市議会3月定例会閉会

 昨日(3/25)、長野市議会3月定例会が閉会となりました。 既にご報告のとおり、新年度予算案はじめ条例の改正案等に議案の審査が行われ、すべての議案について原案通り可決に至りました。 私もすべての議案について賛成し、令和7年度の予算執行により、より良いまちづくりに大きく貢献することを期待しております。また、賛成した以上、各事業の効果が広く市民の利益につながるよう、確認してまいります。  昨日の本会議において、令和7年度一般会計予算に賛成するにあたり、賛成討論を行いましたので、その原稿を掲載します。  議案第9号「令和7年度長野市一般会計予算(案)」に賛成の立場から討論を行う。   本市は令和7年度予算編成方針「未来の飛躍に向けた変革・挑戦と持続可能な財政運営の維持」を基本に、過去最大規模となる予算総額1,931億2千万円を計上し、①健康と福祉、②地域と防災、③経済、④交通の4つの柱を中心に、市民の暮らしと安全安心の向上、経済の活性化を図る、としている。  同予算の執行により、将来の長野市の姿を見据え、「幸せ実感都市ながの」の実現に向け邁進していただきたい。 1.はじめに、主な新年度予算全体をみると、 ①歳入では、市税で前年度20.5億円増となる617.1億円、地方交付税交付金は対前年度12.9億円増の235.7億円、国及び県支出金では対前年度92.6億円増の451,1億円など、安定財源の確保を見込んでいる。  ただし、市債は前年比147億円と大幅に増額し283億円の発行となる。また、財政推計によれば、今後も高水準で推移することが見込まれているため、改めて、基本方針にある「持続可能な財政運営の維持」の考え方に基づき、適切に進めていただくことを強く求めたい。 ②歳出面では、第二災害支援ターミナル整備185、352千円、長野市版公共交通リ・デザイン事業14、000千円、加齢性難聴者補聴器購入費補助金5、728千円、子どもの福祉医療費制度の窓口無料化2、987、499千円、帯状疱疹ワクチン定期接種事業371、750千円、中小企業等価格転換支援2,932千円、農業研修センターの果樹(りんご)コース新設で16、248千円、農業機械化補助金48,727千円等、我が会派の予算要望事項や市民ニーズが反映された内容となっており評価している。 2.その上で、過去最大規模となる令和7年度予算の増額分280,9億円の内訳をみると、①扶助費の46.9億円増と②普通建設事業費144億2千万円増の2つが大きなウエイトを占めている。  扶助費については、児童手当支給の増額18億3,399万8千円や幼稚園・認定こども園施設型給付金13億9,982万2千円の増額によるものであり、子育て支援の充実・強化により、本市の少子化対策に貢献できるものと、大いに期待するところである。    課題は、普通建設事業費である。増額の大半を占めているのは、オリンピック記念アリーナ施設整備42億2,000万円の増と第82回国民スポーツ大会、第27回全国障害者スポーツ大会施設整備69億2,000万円の増であり、何れも必要な予算だが、ここで強調しておきたいのは、市長が施政方針で述べた「スポーツでまちが元気になる好循環の創出」の視点だ。  スポーツ施設整備の真の目的を「好循環の創出により、全市民にメリットが行き渡る」ことに置くべきであり、この考え方は、令和7年度予算編成の4つの柱「健康・福祉、地域・防災、経済、交通」に展開できる、と考える。  例えば、健康・福祉については、オリンピック施設と1,317万6千円措置されている「生活習慣病予防対策事業」の連携により、日本一医療費の低い「健康増進都市ながの」を打ち出せば、スポーツ施設と市民の健康増進における「好循環の創出」となる。    地域・防災については、オリンピック施設と地域組織や指定管理者のアイデアを尊重し、連携すれば、全ての地域住民が親しみを持って、気軽に活用できる地域コミュニティ施設の創出となる。 加えて、オリンピック施設を地域防災の要として位置付ければ、圧倒的に安全安心な防災拠点の創出である。    経済では、例えば、令和7年度予算で若干増額されている(対前年度157万増、221万7千円)「食と農体験ツアー」が良い事例だ。オリンピック施設におけるプロスポーツ観戦に、食と農、更には、観光を連携することだ。  一般的に、施設整備そのものは、地域の付加価値創出に繋がりにくいが、オリンピック施設を地域の産業や資源と循環させることができれば、本市のGDPに大いに貢献することになる。これは「好循環の創出」そのものである。 以上であるが、是非、参考にしていただきたい。  最後に、予算編成方針で掲げた「変革・挑戦」について、市役所全体で理解し共有しなければならない、と考える。 その上で、市長が施政方針で「行政自ら先頭に立って生活基盤の強化を図るとともに、市民の皆様に変化を実感していただく」と述べたとおり、市民の納得と共感を得る行財政運営に向けた、市長のリーダーシップ発揮をご期待申し上げ、賛成討論とする。 以上となります。新年度も粉骨砕身、頑張ります!

令和7年長野市議会3月定例会開会

 毎年のことですが、2月は何かと慌ただしい日々が続きます。後援会の恒例行事となっている新春市政報告会の開催、3月定例会に向けた準備、地元案件等、何となく何かに追い込まれながら時間だけが過ぎていく、光陰矢の如し、といった感じですが、そんな中でも元気に活動出来ていることに感謝です。  さて、昨日(2/26)、令和7年長野市議会3月定例会が開会しました。今定例会は、新年度(令和7年度)予算の審議が中心となります。3月25日(火)までの28日間、本会議、委員会等でしっかり議論してまいります。  初日、市長より施政方針の説明がありましたので、一部ご紹介します。  『令和7年度は任期の総仕上げの年度となる。この間、特に、子ども・子育て施策や教育施策に力を入れてきた。 令和7年度の予算編成では「未来の飛躍に向けた「変革」・「挑戦」と持続可能な財政運営の維持」を基本方針とし、未来を見据えたビジョンや新たな取組に積極果敢にチャレンジし、引き続き、未来への投資を進めていくことで、本市の魅力を高め、活力ある「まち」の実現を目指していく。  新年度予算は、「「未来への飛躍!」予算」をテーマに掲げ、市民の暮らしの向上を図る「健康と福祉」、地域の安全・安心なまちを目指す「地域と防災」、市内経済の活性化を進める「経済」、未来へつながる公共交通に向けて取り組む「交通」の4つの柱を各種施策の中心に掲げ、これまでの取組をより一層加速させ、市民に変化を実感していただけるよう編成した。  「健康と福祉」では、子どもから高齢者まで、一人ひとりの生きがいや挑戦につながる機会を応援し、心身ともに健康で暮らせるよう支援するため、1、034億1千万円を計上した。 子どもの福祉医療制度は、「18歳年度末まで」の子どもを対象に、令和7年4月診療分から窓口無料化を実施する。  また、高齢者の重症化を防ぐための「帯状疱疹ワクチン定期接種」や、「新型コロナウイルスワクチン定期接種」に係る接種費用の一部を市が負担し、個人負担の軽減を図る。  「地域と防災」については、「災害に強く「住みやすいまち」の推進」とし、地域の課題解決や安全・安心につながる防災・減災対策を進め、災害に強く住みやすいまちを目指すため、165億4千万円を計上した。 太陽光発電と蓄電システムを備えた第2災害支援ターミナルを更北地区に整備する。停電時でも電力の供給が可能な拠点施設として管理していく。  また、災害が発生し孤立してしまった集落に対し、必要な物資を空中輸送するため、自動飛行が可能な最新鋭の輸送用ドローンを導入する。  「経済」では、「市内経済の成長に向けた基盤の強化」として、企業における設備・人材・技術等への投資による稼ぐ力の強化への取組を支援するため、28億9千万円を計上した。労働生産性の向上につながる設備投資等を行う事業者を支援する「先端設備等導入支援事業補助金」、市内企業の新規事業創出などのチャレンジを後押しする「市内企業イノベーション創出プロジェクト」などに取り組む。  「交通」については、「未来へつながる公共交通のバージョンアップ」として、持続可能な公共交通を目指し、将来を見据えた新たな取組に着手するため、8億9千万円を計上した。 地域バス路線の効率的な運行を図る「地域バス路線再編モデル」、高齢者や児童等の移動手段を確保するためのAIオンデマンドバスの運行地区の拡大、「中山間地域オンデマンド基地及び拠点整備」のほか、新たな公共交通の在り方や、自動運転導入に向けた調査研究を進めるための「長野市版公共交通 リ・デザイン」などに取り組む。  これら4つの柱のほか、近年の社会・経済情勢や市民ニーズ等を踏まえた各種施策についても所要額を計上している。  脱炭素の取組として「まち全体での脱炭素社会の推進」していく。2050年ゼロカーボンの達成に向け、市有建築物等の照明設備のLED化を集中的に実施する。また、家庭や事業所における取組を支援するため、37億5千万円を計上した。  農業振興では、「将来を見据えた持続可能な農業の実現」として、企業等による農業参入の促進や農業機械導入への支援のほか、地域農業の未来を担う人材の育成や多様な担い手の確保などへの取り組みに、16億円をそれぞれ計上した。  歳入について、基幹収入である市税は、企業の賃上げによる所得環境の改善や固定資産税・都市計画税における新増築家屋や償却資産への設備投資の増加などから、当初予算としては、前年度比20億5千万円増の617億1千万円を見込んでいる。  地方交付税は、国の税収増などにより、前年度比12億9千万円の増を見込む。また、国庫支出金、県支出金では、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金の増に加え、都市構造再編集中支援事業費補助金や児童福祉運営費負担金の増などに伴い、それぞれ増額となっている。  令和7年度の一般会計当初予算案は、社会保障関係経費や賃金上昇に伴う職員人件費などの必要な予算を確保し、また、災害に強いまちづくりや大規模スポーツ施設整備などを着実に進めるため、前年度当初予算に対し280億9千万円増の1,931億2千万円を計上し、当初予算としては過去最大となった。 今後も財政需要の増加が見込まれることから、既存事業の見直しや事業の「選択と集中」、「優先度の精査」を徹底し、また、デジタル技術の活用や業務の合理化、民間活力の導入などにより、持続的な財政運営の維持にも取り組んでいく』、以上です。  3月6日(木)に個人質問で登壇を予定しております。現在、質問の準備中ですが、積年の課題である丹波島橋周辺における渋滞解消に向けて議論をしたいと考えていますが、とにかく、頑張ります。

特別委員会視察報告です

 今週、1月23日(木)及び24日(金)の2日間、長野市議会水道事業広域化調査研究特別委員会で岩手県中部水道企業団及び八戸圏域水道企業団への行政視察を行いました。私も昨年に引き続き、同特別委員会に所属していることから参加してまいりましたので、その報告をいたします。 ◇1月23日(木) 岩手中部水道企業団「水道事業広域化について」(北上市) <経緯>  同企業団を構成する北上市、花巻市、紫波町は、それまで事業体毎に給水事業を行っていたが、平成3年4月から岩手中部広域水道企業団からの受水(水道供給)となった。  その後、同地域において給水人口及び量の減少、膨大な更新投資の発生、更新事業費の確保、更に、水道料金の見通し等の課題により、平成14年2月に各市町に給水事業を行っていた岩手県中部広域水道企業団議会において、同企業団及び2市1町を含めた広域化への提言がなされた。  平成16年から本格的な水道広域化に関する協議が重ねられ、平成26年4月「岩手中部水道企業団」による事業が開始された。 <現在>  広域化に伴い水道施設の再編(ダウンサイジング)が進められ、平成23年に広域化事業計画策定時から令和5年3月までの間で、取水施設36から29、浄水施設34から23、配水施設86から74、ポンプ施設65から63となった。また、施設及び管路更新に要する事業費では、それまでの年間約18億円から平成25年以降は40億円から50億円確保することが可能となるなど補助金を活用しながら安全で安心な水道水の安定的な供給となっている。それにより管路の適正管理が図られ有収率80%後半の数値で維持している。  同企業団は、危機管理センターを建設し、令和4年12月より使用している。建設の目的は、自然災害や水道施設事故等による被害を最小限に抑え、早期復旧を行うためのもので、加えて、平時においては、水道施設の維持管理、更新業務、水質検査センターとしての役割を担っている。  クラウド監視システムにより、それまでの各浄水場での管理、異なるシステムによる煩雑さ等といった課題を解消するに至っている。 <今後>  水道事業統合により職員の独自採用が進み、人材確保の面での貢献がある。他方、人材育成や職員のモチベーション確保・向上、技術継承・向上については課題もあり、OJTを進めてくとのことだった。  経営基盤の面では、改善が図られたものの経常利益は下降傾向にあり、更に、企業債残高が類似団体の平均より多くなっている等、更なる経営基盤の強化が必要とのことだ。  水道料金は、統合から5年目となる平成30年に統一した。物価等の高騰により、給水原価が供給単価とほぼ同額となる等、健全な財政運営、経営の効率化、適正な水道料金に関して現状の課題と捉え、改善に向けた方策を練っている。  利用者とのコミュニケーションやサービスの充実により、更なる利用者サービスの向上を図っていく。 <所感>  統合の効果として施設のダウンサイジング、施設や管路の更新、整備に要する事業費の確保が安定的に図られていることだと認識した。また、管路の適正な維持管理により、有収率の向上に繋がり、安定的な給水事業となっていることは大きな効果といえるだろう。  他方、既存水道施設能力における有収水量、配水水量の能力過剰分が生ずるといったギャップの拡大についての捉え方について大変興味深く受け止めた。この現象の考察を深めたい。  経営基盤に関しての課題は、将来に向け、水道料金に大きく影響を及ぼすこととなると思う。安全安心な水の供給維持は当然のことであるが、中長期的視点に立ち、水道事業に関し市民への説明を丁寧に繰り返し、現在取り組まれている利用者へのサービスの向上、充実と合わせ、コミュニケーションを図っていくことが求められるのではないかと受け止めた。 ◇1月24日(金) 八戸圏域水道企業団「水道事業広域化について」(八戸市) <経緯>  同企業団は昭和61年4月に事業を開始し、40年目を迎えようとしている。設立の経緯として、昭和40年代半ば、八戸市を含む周辺地域では、水需要が伸びる中、既存水源が限界にあったことから、安定水源を求め、建設省へ6万5千㎥の追加水利権を申し入れた。しかし、4万㎥が暫定水利権とされ、不安定な状態の解消に至らなかったことが背景にあった。  説明の中で、仮に、その当時、十分な水利権を得ていれば、世増ダムへの依存や水道事業広域化とはならなかったかもしれない、との弁があった。  設立後の広域化事業として、第一期拡張事業が進められ、世増ダムへの参加による水源整備、浄水・送水・排水の各施設整備、施設の統廃合等が行われてきた。水源、浄水場、排水池は各々、24から4、21から4、43から38となり、安定水源の確保に加え、効率及びコスト面において効果を得ることができた。総事業費は668億円でそのうち国庫補助金は218億円で全体の33%。 <現在>  現在、令和元年から令和10年までの10年間を計画期間とした「第4次水道事業総合計画」に基づき、各施策が進められている。毎年、PDCAサイクルによる事業評価を行い、3から5年毎に計画の見直しや修正を図り、計画の実行性を高めている。  当初の総計画数112に対し、見直し後は95となり、そのうち完了15、継続90、新規5、中止が5。中止された事業について質問してみると、「水質監視」、「洪水対策」は現状で対応可能であることから不要との判断をしたとのことだった。  また、ライフサイクルコストの削減について、機械電気設備に関し、定期整備や整備工事により機能が保持され、劣化及び消耗が少ないことから、更新・整備周期を延長し、事後保全対応機器については、予備機の状況、影響の度合い、修繕の容易さ、費用等の面から故障するまで使用し続ける等で対応している。 <今後>  青森県南、岩手県北の各水道事業体は、施設の老朽化、技術の継承及び職員不足、給水収益の減少等、水道を取り巻く環境はますます厳しさが増していることから、北奥羽地区水道事業協議会を平成20年1月に設立した。将来の広域連携を検討し、施設、水質データ管理、施設管理、システム、それぞれの共同化について検討を進めてきたが実現に至ったものは少ない。 しかし、広域化に向けた勉強会等を繰り返し行っており、経営関係、施設関係に関し、現状と課題について整理している。 <所感>  同企業団の歴史は古く、高度成長期における水需要と安定水源の確保といった経緯がある。現在、長野市が検討している広域化協議の背景等とは事情が異なっているが、同企業団設立により、その後の水道事業の安定に繋がり、今日までの安全安心な水の供給が継続できていることは、大きな効果であり貢献だと受け止めた。 しかし、青森県南及び岩手県北における更なる広域化に向けての取り組みには、住民を含めた各水道事業体の状況(水道料金等)から、水道を取り巻く環境が厳しい中にあっても実現に向けて幾つもの高いハードルがある現実を認識することができた。  以上となりますが、現在、長野市、千曲市、坂城町、上田市による水道事業広域化に関する協議が進められております。それぞれの事業体でその受け止め方、考え方の相違はありますが、重要なインフラである水道事業を持続可能なものとしていかなければなりません。安全安心な水を将来にわたって供給していくためには何がベストなのか、更なる調査研究を進めてまいります。

新年を迎え

 令和7年、新しい年の幕が開きました。昨年は何かとお世話になりましたこと、心より感謝申し上げます。今年は巳年、へびは、古くからさまざまな意味を持つ生き物として捉えられ、金運や繁栄をもたらす縁起物として広く認識されています。また、「新しく産まれてくる」、「将来・未来がある」といった意味もあるとのことで、これは、へびが定期的に脱皮を繰り返すことに由来し、生命力や再生、変化と進化の象徴とされ、「巳」という漢字は、胎児の形から派生したと言われ、「子孫繁栄」や「家族平和」といった意味をもつといわれているとのことです。  さて、昨年12月、長野市議会12月定例会が19日間の会期で行われました。12月定例会で私が所属する会派では、条例の改正案「長野市国民宿舎松代荘の設置及び管理に関する条例等の一部を改正する条例」について、会派内で相当な議論を行った結果、本会議の採決では「反対」をいたしました。会派を代表し原議員が「市が示している標準額や上限額の根拠が不明で」との趣旨で反対討論に立ちました。(結果的には賛成多数で可決)ここ数年、市が進めようとしている事業等について、初動やその後の対応に関し、様々な指摘がなされている現状を踏まえると、市には各案件に関し、分かりやすい、十分な説明を引き続き、求めていきたいと思います。  一方で、私たち議員、議会も同様に、市民への説明責任があります。議案や市の施策への賛否はともかく、市の政策決定に関わっている以上、各々の活動を通し、お伝えしなければならない立場に居る、ということです。  元・大和大学政治経済学部教授 田中富雄氏は「議会・議員活動がしっかりしていないと、市民から「議会・議員は聞くだけ」、「聞くだけの議会・議員」と思われてしまう。そう思われないためには、議会・議員は「市民にキチンと応答する」ことが求められる。キチンと応答するには、結論と結論に至る(場合によっては結論に至らない)経緯・理由・データ等をハッキリと示す必要がある」と述べています。  更に、「議会には、議会は市民のために存在するということを前提として活動することが求められ、議会は市民とのコミュニケーションをとることが大切」と指摘しています。  私が自分自身の行動指針としているのが「歩く 聴く 届ける」です。田中氏の指摘に対し、自信をもって、日々の活動が出来ている、と自己評価できるよう、令和7年もしっかり取り組んでまいります。  昨年の私の活動を振り返ると、大変充実した日々を過ごすことができたと感じております。他方、これまで以上に、特に、議会内において担わなければならない役割が日毎に増してきたことから、大きなプレッシャーを感じることも少なくありません。  しかし、こうした経験を通し、本年も、更に市政に貢献するとともに、更なる成長に繋がるよう邁進します。  寒さが尚、厳しさが増していく季節であります。体調管理に十分にご留意をいただきたく存じます。巳年の令和7年、何事にも全力で取り組んでまいります。引き続き、ご指導ご鞭撻、よろしくお願いいたします。

令和6年長野市議会12月定例会議了

 去る12月16日(月)、19日間の会期で行われた長野市議会12月定例会が閉会となりました。 今定例会に上程された議案について、すべての議案が原案のとおり可決しました。  私が所属する会派は、条例の改正案「長野市国民宿舎松代荘の設置及び管理に関する条例等の一部を改正する条例」について、会派内で相当な議論を行い、その結果「反対」といたしました。採決前の討論では、原議員が「市が示している標準額や上限額の根拠が不明で」との趣旨で反対討論に立ちました。結果的には賛成多数で可決となったわけですが、これに限らず、様々な案件に関する説明に関し、十分な説明を引き続き、求めていきたいと思います。  12月定例会では、私も一般質問で登壇いたしました。議事録が出来ておりますので、掲載いたします。 改革ながの市民ネット、鈴木洋一でございます。  本年7月、更北地区住民自治協議会地域未来創造委員会は、更北地区の約1割、1,345戸の住民を対象に住民意識調査アンケートを実施し、57.4%に当たる772件から回答を得て、その結果が更北住民自治協議会だより「まちづくり更北」11月1日号に公表されました。  更北地区住民意識調査アンケート結果に基づき質問をいたします。  初めに、防災行政無線について伺います。アンケート回答者695名のうち33%、230名が「役立っている」と回答した一方、「あまり聞かない」「聞こえない」が406名、約58%に上りました。  防災行政無線に関し、これまで議会で繰り返し議論されてきましたが、降雨時や強風の際の聞き取りにくさについては、大きな改善が図られている状況にはないと受け止めました。  本アンケート結果から、全ての住民が確実に防災行政無線の内容を認識するための取組は急務だと考えます。 また、防災行政無線について、約8.5%、59名の方々が「役立っていない」「信頼していない」と回答し、聞き取りにくさから生じる不満が、市からの情報伝達を素直に受け入れることができず、信頼性を損なわせているとの回答につながったのではないかと推察します。  アンケート結果に対し、市はどう受け止めるのか、また聞こえない、聞き取りにくさの改善に向けた取組について伺います。 危機管理防災監  防災行政無線につきましては、これまでも聞き取れない、聞こえづらい、こういった声を市民の皆様からいただいておりまして、今回、議員から更北地区のアンケート結果をお聞きし、改めて課題だと受け止めております。  防災行政無線による放送は、防災情報などを一斉に伝えることができるという強みがある一方で、屋外放送であることから、住宅の防音性が向上している中で、スピーカーの位置や雨、風などの気象状況の影響により聞き取りにくい場合もございます。  これらを解消するため、屋外スピーカーを計画的に増設することや、市民の皆様の要望を参考に既存スピーカーの向きの調整を行うことで改善を図っております。あわせて、戸別受信機を関係機関に配備し、希望される方には購入いただける制度もあるなど、屋外放送の内容が伝わるよう進めているところでございます。  これからも防災行政無線の聞き取りにくさ解消に向けた対策を進めつつ、長野市防災ナビ、ヤフー防災速報、長野市公式LINEなど、様々な手段を活用することで防災情報を市民の皆様に確実に伝達できるよう努めてまいります。 鈴木  ただいま、いろいろ御説明があったとおり、これまでの取組に関しましては感謝を申し上げさせていただきたいと思いますが、この際、デジタル世代に向けた手段とアナログ世代への手段を改めて整理し、市民に情報伝達体制を理解していただけるよう広報したらいかがでしょうか。  その上で、特にアナログ世代に向けて確実に情報を届けるために、防災行政無線の内容を聞き逃した、よく聞こえなかった、内容が聞き取れなかった場合は、すぐに防災行政無線音声自動応答装置(0120-479-231)で確認していただくことを「広報ながの」で大きく広報するとともに、各家庭で活用できるよう、例えば、固定電話の近くに番号を貼っていただくといった周知をしていただきたいと思いますけれども、見解を伺います。 危機管理防災監  現在、防災情報は、テレビのデータ放送やラジオのほか、インターネット、スマートフォンアプリと長野市防災ナビ、LINE、防災行政無線など、様々な情報ツールで市民の皆様に届くよう取り組んでいるところでございます。  防災情報の取得方法については市政出前講座などでも周知をさせていただいておりますが、受講された方から、様々な情報ツールがあるが、どの方法で情報を受け取ってよいかと御質問をいただくこともございます。その際は、それぞれの情報ツールの特色をお伝えし、御自身が使いやすいものを使っていただきたい、ということをお話させていただいております。  防災情報を確実にお届けするため、市民の皆様には各情報ツールのその特色の御案内に併せまして、その方にとってより適した手段は何か御理解いただけるよう、周知方法について改めて整理してまいります。  今回、議員から御提案をいただきました防災行政無線音声自動応答装置、フリーダイヤルの広報につきましては、防災行政無線の周知と併せ、「広報ながの」でしっかりとお伝えしてまいります。 鈴木  スマホとか、いろいろ情報入手可能な市民とそうじゃない市民いらっしゃるかと思います。今御答弁があったとおり、しっかりいろいろな媒体を通して、いろいろな方々が十分にその情報が入手できるような体制をしっかり整えていただきたいと思います。  ぜひ、「広報ながの」で周知をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。  次に、避難場所について伺います。 このアンケートの避難場所の問いに対する回答結果は、「避難場所を知っている」が91%を占めている一方、避難場所の収容能力不足や、避難場所に入れなかった場合の行政による誘導が十分でなかったことに対し不満の声が上がっておりました。  そこで当時を振り返ってみますと、市は10月12日、これ台風第19号災害ですが、10月12日18時に指定緊急避難場所である下氷鉋小学校を開設しましたが、避難者が集中し、アンケートの指摘にあるように、収容能力によって入れなかったといった事態となりました。下氷鉋小学校に隣接し、指定緊急避難場所に選定されている長野南高校は最後まで開設されず、その後、19時40分に南長野運動公園、20時に川中島中学校を含め川中島地区内で3施設、さらに、22時30分に広徳中学校、22時45分に青木島小学校が開設されましたが、 まず初めに、なぜ長野南高校が開設されなかったのか、また、それぞれの開設にタイムラグが生じたのはなぜなのか。 危機管理防災監  令和元年の状況につきましては、10月12日は夕刻に千曲川の氾濫が見込まれる中、午後6時に千曲川沿線の広い範囲、流域エリアに警戒レベル4、避難勧告を発令し、開設する避難場所については、浸水リスクが低く、かつ、短時間で開設の対応ができる市有施設を優先する方針の中、更北エリアでは下氷鉋の小学校をまず開設いたしました。  その後、先ほどの方針に基づき、近隣の南長野運動公園、昭和小学校、川中島中学校、川中島体育館、広徳中学校、青木島小学校など、ほかの市有施設を優先し順次開設していく中で、最終的には長野南高校の開設には至らない状況でございました。  次に、それぞれの避難場所の開設にタイムラグがあった理由についてお答えします。 当時、千曲川のどの地域で氾濫が発生するか推定が困難な状況である中、避難場所が浸水する2次被害を防ぐため、浸水想定のリスクが低い避難場所から開設をいたしました。その後、雨量や河川の水位状況、気象台や河川事務所からの情報、避難場所の混雑状況なども考慮しつつ、順次安全な避難場所を追加開設したことでタイムラグが生じたものでございます。 鈴木  下氷鉋小学校に長野南高校本当に隣接です。隣なので、ここが空いていれば大きな混乱は生じなかったというふうに思います。そもそも、入れなかった住民に対しまして、ほかの避難場所への案内は適切に行われたのか、また、避難場所の開設と運営について、現場の体制はどうなっていたのでしょうか。 危機管理防災監  当時の本市における指定緊急避難場所の開設状況ですが、10月12日午後4時から翌13日午前4時20分にかけ、合計31か所を順次開設いたしました。  12日の夕方以降、避難情報を発令する中、発令エリアごと水位や避難場所の混雑状況なども考慮しつつ順次追加開設したもので、適時、防災行政無線、緊急速報メールなどで開設情報を発信いたしました。  開設当時の体制につきましては、本部において雨量や河川の水位、各避難場所の混雑状況等を入手しつつ随時避難場所の開設を決定し、避難場所の開設班は、本部の指示に従い各避難所へ向かい、開設、運営を担っていたところでございます。  しかし、議員御指摘のとおり、地域によっては指定緊急避難場所に避難者が集中したケースや、開設した指定緊急避難場所以外への市有施設、企業、学校、地域公民館等への自主避難もございました。  市が開設した指定緊急避難場所については、本部で開設状況などをホームページで周知を図ったものの、開設した避難場所においては、開設班が人員不足の上、さらに避難者で混乱した状況の中で、ほかの避難場所へ適切な誘導対応をし切れなかったケースがあったと考えております。  これら当時の状況を踏まえ、長野市地域防災計画や避難所開設マニュアルを改定しておりまして、開設班の編成や各避難場所との情報共有を担う避難所開設チームを本部に設置し、全庁的な職員動員による避難場所開設時のより多くの人員確保や情報共有の強化が図れる体制へと見直しをさせていただいております。 鈴木  下氷鉋小学校にまず避難者が集中したのは、浸水想定区域内の更北地区やその周辺地域に避難場所が不足していたことが大きな要因だったのではないでしょうか。 危機管理防災監  令和元年東日本台風災害時の更北地区内の避難場所開設状況につきましては、初めに12日午後6時に下氷鉋小学校を指定緊急避難場所として開設し、次に同日午後10時30分に広徳中学校、午後10時45分に青木島小学校をそれぞれ追加開設いたしました。  下氷鉋小学校に避難者が集中してしまった理由は、同地区内の他施設の開設のタイミングが遅かったことにあると考えており、今後については、警戒レベルなどの状況に応じ、できるだけ早め早めの開設対応ができるよう体制を整えてまいります。 鈴木  住民の皆様方が安心して避難できる体制の確立と混雑による混乱を防ぐために、地域と避難場所との関係をあらかじめ整理すべきだと考えますが、いかがでしょうか。 危機管理防災監  本市におきましては、指定緊急避難場所、指定避難所は、居住地域にかかわらずどこへ避難してもよい、とさせていただいております。 洪水に関して申し上げますと、本市は浸水想定区域が広範囲であり、居住地域内の避難所に縛られず、早いタイミングでより安全な避難先を目指していただきたいと皆様にお願いしているところでございます。  また、災害の状況に応じて避難場所の開設状況も変わることから、地域と避難場所をあらかじめ、ひもづけることは難しいと考えております。 市では、災害が見込まれる場合においては、避難情報と併せ、開設する避難場所を発信してまいります。地域の皆様が避難行動につなげられるよう、分かりやすい情報発信に努めてまいります。 鈴木  今、ひもづけが難しいというような御答弁でございましたけれども、国は、令和元年東日本台風時に多くの人が避難の遅れなどにより被災したことから、令和3年5月に避難情報の見直しを行い、5段階の警戒レベルを設定するとともに、自らの命は自らが守ると呼びかけています。  改定された5段階の警戒レベルの中で特に重要なのは、警戒レベル3、高齢者等避難だと考えます。レベル3の発令は、高齢者の方、障害のある方など避難に時間がかかる方々及びそれらの方々の支援者が避難する、ということでありますから、本市は事前に開設準備を進め、警戒レベル3発令の段階で該当地域の指定緊急避難場所を一斉に開設すべきです。 市長  長野市地域防災計画では、風水害時における避難の基本方針として、警戒レベル3になる前のより早い段階から災害に対しての警戒態勢を取り、備えを始めることとしております。  警戒レベル3の高齢者等避難相当の情報が気象台等関係機関から発表された段階で、浸水、土砂災害等危険区域内に居住する住民の避難準備及び高齢の方等の避難を促すため、高齢者等避難を発令し、指定緊急避難場所を開設する体制としております。  また、警戒レベル3の段階においては、災害のおそれがある状況であり、氾濫がどこで発生するか推定が困難な中での避難場所の開設となりますことから、避難場所が浸水してしまうといった2次被害を防ぐため、浸水リスクの低い場所からの避難場所開設が基本となります。  なお、災害に対しては、規模、発生場所など状況に応じて柔軟に対応していくことも必要と認識をしております。 令和元年東日本台風災害における課題を踏まえつつ、事前に開設準備を進め、高齢者などの皆様が安心して避難できるよう体制を整えた上で臨機応変に対応してまいりたいと思います。 鈴木  次に、9月定例会答弁に関する確認といたしまして、指定緊急避難場所及び一時避難場所、初めに、更北中学校について伺います。 更北地区において、更北中学校が指定緊急避難場所に選定されることは、避難場所能力の強化、拡充に大きく貢献することとなります。  9月定例会で、浸水深2メーター以上5メートル未満に立地し、選定条件に合致している施設は四つある、とのことでしたが、確認の進捗状況について伺います。 危機管理防災監  浸水想定区域内の指定緊急避難場所の選定につきましては、本市では安全性確保の観点から、想定浸水深が2メートル未満にある場所においては、2階以上という条件をつけた施設を選定してきたところでございます。  しかし、新型コロナウイルスの感染症の拡大から、より広い避難スペースの確保の必要性が高まったことや、県管理河川の浸水想定区域が拡大したことなどにより、さらに多くの避難場所の確保が課題になっていることから、想定浸水深が5メートル未満の場所にある施設におきまして、3階以上の条件付きで指定緊急避難場所として選定することが適切であるかどうか、検討している旨、さきの定例会で御答弁させていただいております。  現在、全国の中核市に洪水時における指定緊急避難場所の選定条件を照会しており、3階以上への避難の場合の安全性について、他自治体がどのように考えているかも調査をしております。  それらを踏まえ、施設ごと個別の安全性も照らした上で提案をしてまいる状況でございます。 鈴木  あまり前と変わらない答弁だったんですけれども、おおむねいつ頃までにその辺の結論が出される予定でしょうか。 危機管理防災監  浸水想定区域内で、かつ2メートルから5メートルの浸水深が見込まれる場所にある施設については、避難に係る安全性という部分に関わる事項でございますので、慎重に確認、検討してまいりたいと考えております。その点がございますので、少々時間がかかる、ということで今いつということが申し上げられませんが、時間がかかるということにつきましては御理解をお願いいたします。 鈴木  来年の出水期までには何とか結論を出していただきたいと思います。次に、ホワイトリングについて伺います。 浸水深5メートル以上のエリア内施設では、更北中学校とホワイトリングが選定基準に合致している、との答弁でありました。  ところが、ホワイトリングは広域物資輸送拠点として位置づけられていることや、有効スペースの段差、傾斜で、特に要配慮者等の避難経路確保に課題があることから選定は難しい、との説明でした。課題は、広域物資輸送拠点と安全性です。  それでは、広域物資輸送拠点に関して整理しますが、仮に5メートル以上の洪水が発生した場合、ホワイトリングは拠点として不適格と考えます。拠点の設置については一律に考えるのではなく、異常な現象の分類に対応した設定とすべきと考えますが。 危機管理防災監  長野県広域受援計画や長野市受援計画では、広域物資輸送拠点として、市内ではエムウェーブ、ビッグハット、ホワイトリング、豊野体育館の4施設を位置づけております。  長野県広域受援計画では、県本部は被害状況等を収集し、災害被災地外に立地している配置ゾーンの拠点を開設するとしております。実際に広域物資輸送拠点を設置する場合には県と市とで協議、決定してまいりますが、発生した災害の種類、規模、場所、さらには、各施設の危険度や使用状況などに応じまして、どの施設を開設するか、その都度の判断となりますので、拠点の設置については一律ではない、という考え方であることを御理解いただきたいと思います。 鈴木  安全面の課題解消について伺います。洪水災害の場合は、速やかに指定緊急避難場所に避難することが基本となりますが、やむを得ず避難行動が遅れたり、また、地域住民の安全確認のため、最後に避難する人がいるのも現実であります。  ホワイトリングが所在する真島町は、浸水深が5メートル以上の箇所が多く、同町の歴史をひもとくと、今日まで水害のリスクと常に闘ってきた地域であることが先人の記録に残されています。  平成28年3月定例会質問時に、当時96歳の地域の方が残した昭和20年10月に真島地域を襲った水害に関する記録を紹介いたしました。自転車で堤防決壊を触れ回ったこと、終戦直後で対策は困難を極めたことなど、当時の様子が記されていました。  また、令和4年3月、真島町区長会は、先人が残した記録を編さんし、「水防への足跡」を発行しました。昭和60年7月4日から10日間にわたる真島町川合犀川護岸浸食防護ドキュメントとして掲載されており、木流しによる防護のため伐採したこと、じゃかご作りの様子、有線放送で全戸へ動員命令をしたことなど、当時の様子が写真とともに記されています。  このような水との闘いの歴史から、もしも、のときは目の前にある巨大で頑丈な施設であるホワイトリングに避難したい、頼りにしたい、というのは住民の切なる願いであり、行政はこうした住民の思いを受け止めなければならない、と考えます。  その上で、ホワイトリングにおける段差や傾斜等の安全性の課題については、現行ありきではなく、関係者全員が知恵を絞って課題解消に取り組んでいただければ様々な活用の可能性が広がると考えますが。 危機管理防災監  ホワイトリングにつきましては、9月定例会一般質問の中で、前段の答弁では、同施設は浸水深5メートル以上の場所にあること、後段の答弁では、同施設は広域物資輸送拠点の位置づけがあること、そして、3階客席スペースの段差、傾斜は移動においてリスクがある。避難経路が確保されていないなど様々な課題があるため、安全面から指定緊急避難場所としての選定は難しいというお答えをさせていただいております。  先日、危機管理防災課職員が地元の地区役員の皆様とお話しする機会をいただきました。令和元年台風災害当時からの経験で、避難が遅れる人をなくしたい、という思いをお聞きしました。私どももその思いは同じでございます。  しかし、ホワイトリングが所在するエリアは5メートルを超え、最大10メートルの浸水深が見込まれるリスクの高いエリアになります。 このようなエリアにおいては、より早い段階からより安全な場所へ避難を最優先していただきたい、と市民の皆様にもお伝えしております。今後も、そのための啓発や情報発信に取り組んでおります。  また、地域における避難場所につきましては、市に御相談をいただく中で一緒に考えさせていただきたいと存じます。 鈴木  地域の皆様方の思いを受け止めていただきまして本当にありがとうございます。また、水害のリスクも当然地元の方々よくお分かりになっております。今、最後に御答弁がありましたが、自主避難所、一時避難場所の設定への支援について伺います。  台風19号災害時の実態を踏まえた自主避難所に関する質問に対しまして、事前に地域で決めていた自主避難所への避難や緊急的に避難する場所が設けられたことについて、適切な必要な行動であったとの答弁でありました。  また、地域における自主避難場所開設を検討する場合、市として安全性の確認やリスクの共有を図るなど支援をしていくとの御答弁でありました。  ちなみに、内閣府の避難情報に関するガイドラインでは、住民等の持つべき避難に対する基本姿勢として、自らの命は自らが守るという意識を持ち、自らの判断で主体的な避難行動を取ることが必要だとし、また、避難場所に関し、市町村は指定基準を満たす施設等が遠く離れた地域にしかない場合には、避難行動が遅れた場合に備え、自主防災組織等が地域内で比較的安全な建物等を自主的に設定することに対し助言することも考えられる、としています。  そこで、本市は内閣府のガイドラインと地域防災計画第2章10に基づき、避難場所に関する地域からの相談や協議に応じ、地域が望む自主避難所、一時避難場所の設定に向けた支援を求めたいと考えますけれども、見解を伺います。 危機管理防災監  地域が定める、または地域で自主的に開設の判断をされる避難所、自主避難所をあらかじめ設定する場合、もしくは市民等が身の安全を確保するために駆け込む施設として、地域と民間施設が協定により一時避難所を設定する場合、本市としましても、その対象となる施設の災害に対する安全性の確認や、協定を締結する場合の留意するべき点の確認など、様々な支援をさせていただいております。  地域におきまして、一時避難場所等の設定を検討している状況がございましたら、ぜひ、市に御相談をいただきたいと思います。 鈴木  先ほども、この内閣府のガイドラインのところに、地域の自主防災組織等が地域内で比較的安全な建物等を自主的に設定することに対し、市町村が助言をするというようなことを想定している。ここら辺をぜひ重く受け止めていただきたいというふうにお願いをいたしまして、質問を終わります。  以上となります。閉会後、危機管理防災課より、防災行政無線のフリーダイヤルについて、早速、広報ながの1月号で掲載する、との連絡が入りました。防災関連の質問は私が初当選以来、約10年間、最重要課題として取り組んでまいりました。私の考えに対し、少しづつでも行政に共感、納得していただき、市民をまもるための更なる施策の展開に繋げていきたいと思います。(長野市議会HPにて質問時の動画視聴が可能です。ご興味のある方は、御視聴いただければ幸いです)

令和6年12月定例会 鈴木洋一議員が質問に立ちました

令和6年12月長野市議会定例会

12月5日、鈴木洋一議員が質問に立ちました。

質問内容は下記のとおりです。

(1)更北地区「住民意識調査アンケート」について
ア.防災行政無線について
イ.避難場所について
(2)指定緊急避難場所及び一時避難場所について(9月定例会答弁に関する確認)
ア.更北中学校について
イ.ホワイトリングについて
ウ.自主避難所、一時避難場所設定への支援について

令和6年12定例会 鈴木洋一議員 個人質問

 

録画中継は下記リンクよりご覧いただけます。↓

長野市議会インターネット議会中継ー録画中継

 

長野市議会12月定例会開会

 令和6年12月市議会定例会が昨日11月28日、開会しました。 市長からの議案提出説明の主な内容は次の通りです。  就任以降、令和元年東日本台風災害からの復旧・復興や新型コロナウイルス感染症対策等の喫緊の課題への対応他、こども総合支援センター「あのえっと」、教育支援センター「SaSaLAND」、ながのこども館「ながノビ!」の開設、子どもの福祉医療制度の対象範囲の拡大、観光や農業等の振興に向けた市内外への情報発信などに取り組んできた。  これらの施策・事業の実施にとどまることなく、市民が暮らしの変化や向上につながったと実感していただくことが何よりも重要。「まち」「ひと」「産業」を「守り」、「育て」、「輝ける」よう、それぞれの取組を加速し、未来に向け、希望あふれる長野市へとつなげていく。 とのことで、市長の任期が残り1年を切った中で、これまでの事業の成果を多くの市民から共感と納得、また、満足感を高めてきたのか、私自身検証していかなければなりません。  今定例会に上程された議案について、一部ご報告いたします。 昨日、初日議決となったのが、長野市会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例等の一部改正と会計年度任用職員の勤勉手当の支給等に要する経費1億2、818 万3千円が補正予算です。  これまで長野市は、国のマニュアルに基づき、会計年度任用職員の給与処遇改善への取り組みを進めてきましたが、勤勉手当については、期末手当支給月数引上げを令和6年及び7年度の2年間で正規職員と同じ月数への引上げた後、支給に向けて準備をしていく、としていました。 しかし、昨今の賃上げ等の社会的要請を踏まえ、勤勉手当支給を早期に実施する必要性から、来月の12月期から勤勉手当支給するための措置となっております。  私は、同一労働同一賃金が意味する正規雇用労働者と非正規雇用労働者間の不合理な待遇差の解消を目指す上で必要な条例改正であると同時に、予算であることから議案に賛成しました。  来週以降の審議となる一般会計補正予算では、東京圏等から移住し、就業した者等に対する支援金の支給に要する経費 3,180 万円、新婚世帯の経済的不安を解消するための住宅の取得や家賃補助等に要する経費3,395 万2千円、旧耐震基準で建てられた住宅の耐震化を促進するための耐震診断士派遣に要する経費 390 万円等が、年度当初の見込み上回ったことから増額補正されるものです。  特に、耐震診断士派遣事業については、私にも市民の方からご意見が寄せられていたもので、国・県から追加の交付金・補助金を活用しながら、一人でも多くの市民からの要望にお応えすべき、必要な措置だといえます。  後段、市長から、青木島遊園地廃止に関連し、昨年7月から検 討を重ねてきた「長野市事務処理の在り方検討委員会」からの報告書について言及がありました。ただ、内容は「報告書で示された指摘事項や課題と今後の事務処理の在り方の方向性を全職員で共有し、速やかに改善に取り組むよう指示した」、「今回の教訓を生かし、適正な事務処理の確保に向け、市政に対する信頼が更に増すよう、全庁を挙げて取り組む」に留まったものであり、世間をあれだけ賑わせた青木島遊園地廃止問題によって生じた市民が抱いた行政への不信感や不満、信頼回復には時間がまだまだ要するのではないか、と感じています。  来週から本格的な議論が始まります。私も12月5日(木)、一般(個人)質問で登壇を予定しています。現在、その準備に追われていますが、6月定例会及び9月定例会で議論してきた事項について、今定例会で改めて問い質してまいりたいと考えています。

令和6年9月定例会の一般質問について

令和6年9月13日、議会一般質問において持ち時間8分をいただき登壇いたしました。

質問の項目は下の通りです。

(1) 自分らしい「人生の終盤と死後」のための支援について
 ア おひとりさま、身寄りのない方の人生終盤の支援と死後対応について
 イ 終活支援とその展開について
(2) 斎場、墓地について
 ア 多死社会への対応について
 イ 斎場のリスク対策について
 ウ 個人墓地について
(3) グリーフケアについて
(4) その他

下のリンクより、録画映像をご覧いただけます。全体で27分ちょっとの長さです。

https://nagano-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=4264


「やけに湿っぽいテーマだな」と思われる方もおいでかと思いますが、「人生の終わりについて、本人や家族が前向きに考えていく必要があり、自治体もその支援を積極的にすべき」という視点で今回、取り組んでみました。
まず、自治体は市民や市内でお亡くなりになった方について、状況によってはその葬祭などを取り扱うことが法令で決められています。これに関して、ご本人のご意向(体の自由が利かなくなってきたとき介護や医療をどうするか、終末期の延命措置、亡くなった後の葬儀や墓、財産の処分ほか)がわからないと、どう対応してよいのか困る、というのが現状です。
これに備えるための取り組みが、長野市でも、またほかの自治体でも進められています。これらを例に挙げながら、本市での取り組みをさらに進めようと質問しました。

質問を終えて実感するのは、元気なうちから、早めに、終活を前向きに始めよう!との運動を進めたいな、ということです。長野市では年代に応じた健康づくり、就職支援や結婚支援など、人生を通した自分らしい生き方を応援する取り組みを行っています。これを「ライフデザイン」と捉えるなら、その一つに「終活」も入れることに何の不自然さもないのではないか、ということです。

また、ある調査によると、ご家族がなくなる前のQOL(QOD、QODD)がよい場合、ご遺族のグリーフが比較的軽くて済む傾向があるそうです。グリーフケアについては長野市は後手の状況と見ています。
ご家族自身の終活と周囲の支援、そして、お亡くなりになった後の残された方へのグリーフケアと、かかわりと持ちながら取り組みを充実していきたい、そう考えています。


今回、議場で配布した資料(計4ページ)を添付します。
録画の参考にしていただければ幸いです。


(1) 自分らしい「人生の終盤と死後」のための支援について
 ア おひとりさま、身寄りのない方の人生終盤の支援と死後対応について
 イ 終活支援とその展開について

(2) 斎場、墓地について
 ア 多死社会への対応について
 イ 斎場のリスク対策について
 ウ 個人墓地について

(3) グリーフケアについて

令和6年9月定例会が始まりました

長野市議会の9月定例会は令和6年9月5日から10月2日まで。
3年ぐらい前から、9月定例会の中で前年度決算の審査を行うようになりました。その分会期が長めになっています。
過日委員会審査も終わりましたので、私が所属する経済文教委員会における審査での意見や要望をいくつかご紹介したいと思います。

1 学校給食提供安定化事業【補正予算額3,546万9千円】

学校給食食材費の価格高騰による家庭の負担を増やさないため、公費負担を増やすものです

市民の皆さんの家計同様、学校給食においても食材の価格高騰は頭が痛い問題です。
長野市では、学校給食の食材費については保護者の負担となっていますが、令和4年度から価格高騰分については公費の投入をはじめました。

◆これまでの経緯
・令和4年9月補正  (令和4年4月~)  1食あたり12円程度を補う
・令和5年度当初予算 (令和5年4月~) 1食あたり12円
・令和5年8月補正  (令和5年9月~) 1食あたり27円
・令和6年度当初予算 (令和6年4月~) 1食あたり27円
◆今回
・令和6年9月補正  (令和6年10月~)1食あたり41円 補正額3,546万9千円

学校給食提供安定化事業が通年で行われた令和5年度において、この事業の支出決算額はおよそ1億1千万円でした。
長野市の学校給食は、ごはん(パン、麵)、汁物、おかず、牛乳などから構成される完全給食です。栄養や味付け、地元の食材の使用、安全対策、アレルギー対応等にはとてもよく取り組まれています。

ところで、長野県の学校給食は、他都道府県に比べて価格が高いと雑誌などで取り上げられることがあります。私も議員になって当初はなぜ?と感じていました。報道で他自治体の例をきいたり、市内学校給食センターを視察したり、学校での食育の場面を見せていただくことにより、その価格差については今はそれなりの理由があると考えています。
先ほども書いたように、小学校、中学校通しての完全給食であることはもちろんですが、食育の観点から、将来への投資になっていると考えています。学校給食センターを視察したとき、担当者から「子どもの味覚を育てる」という言葉が出てきました。給食は「薄味=まずい」と思われがちですが、「塩味を抑えてもうまみを感じる味わい」を実現するため、センターではだしをとるところから行っています。味覚を育て、体を作るという食育の観点からもその内容は誇れるものと考えています。

今回の議案はもちろん賛成の方針でおりますし、会派としては学校給食費無償化の要望を上げ続けております。こちらも引き続き要望していきます。

◆参考 長野市の学校給食費(令和5年度から6年9月までの状況についての説明)

令和6年度の学校給食費(長野市ホームページより)
https://www.city.nagano.nagano.jp/n602000/contents/p006176.html

◆長野市学校給食センター 視察時の写真より
1枚目 だしの試食。こどもの味覚を育て、薄味でもおいしさを感じられるよう、給食センターでだしを取っている。
2枚目 4月のあるの日の献立。お花見がテーマ。かまぼこや三食団子で雰囲気を出している。焼き魚(シルバー)も人気とのこと。


2 松代真田家歴史体験コンテンツ造成事業【補正予算額1,054万1千円】

このところのインバウンドの流れを受けて、歴史、松代、真田家などについて関心を持つ外国人に、より専門性の高いガイドを提供するための人材育成やツアー造成等に向けたモニターツアーを行うもの。

委員会での私の意見概要

視点は良いと思うが、旅行商品造成やその販売は、一般の旅行代理店で扱うようにはいかないと考える。モニターツアーといっても、その分野に詳しい(コア、マニアック)な世界とのつながりもよく見て取り組む必要があるのではないか。


3 戸隠スキー場の利用料金改定について(条例改正)

指定管理者による施設・事業への投資、収益性の高い事業展開など、より自由度の高い経営、サービスの向上を目指して、料金体系(上限額)の設定を新しくするもの。

これにより、リフト料金の値上げが行われることとなります。なお、市民対象の割引は継続実施とのことです。
私は、若干の値上げは容認、また、グリーンシーズン(夏や秋)のリフトの活用などにつながることについては賛成です。

ただし、参考資料として提示されたものには、「同等規模のスキー場を挙げた」というものの、実際には戸隠スキー場よりも規模が大きいところも多いのではないでしょうか。戸隠スキー場に近く、長野市民としては「どっちにする?」と選択肢にも上がることも多い飯綱リゾートスキー場を挙げないのはなぜでしょう。
料金値上げをしたいがばかりに、リフト料金ばかりに目が行っているのではないか、少し恣意的にも思える資料提示、検討過程については苦言に近い意見も申させていただきました。

◆経済文教委員会提示資料より