長野市議会議員会派

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令和7年9月定例会 東方みゆき議員が個人質問に立ちました

令和7年9月定例会

9月11日、東方みゆき議員が個人質問に立ちました。

質問内容は下記のとおりです。

(1) 猫の多頭飼育問題への対応と防止について

(2) 中山間地域への移住・定住促進について

ア.移住者の住宅ニーズについて

イ.移住者向け市営住宅等の活用について

(3) 集落支援員導入モデル事業と今後の中山間地域施策ついて

ア.集落支援員導入モデル事業の実施状況について

イ.中山間地域のあり方研究会の今後について

ウ.やまざと支援交付金について

令和7年9月定例会 東方みゆき議員 個人質問

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長野市議会インターネット議会中継ー録画中継

令和7年9月定例会 鈴木洋一議員が個人質問に立ちました

令和7年9月定例会

9月10日、鈴木洋一議員が質問に立ちました。

質問内容は以下のとおりです。

(1)温室効果ガス排出削減に向けて

(2)気候変動に強い農業用水の管理体制強化について

(3)長野市外郭団体見直し指針について

令和7年9月定例会 鈴木洋一議員 個人質問

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9月定例会議了

 長野市議会9月定例会の全日程が昨日(10/1)終了しました。私は、今定例会に上程されたすべての議案に賛成をしたところです。主な内容に関し、ご報告いたします。  今年度の一般会計補正予算ですが、6月から7月にかけての大雨による市内各所での道路や河川、農地、林道施設における災害復旧関連に要する経費は可及的速やかな事業執行により市民生活の利便性を引き上げていく必要があります。また、川中島幹線、山王小柴見線の改良工事で326、700千円は長年に渡り地元からの要望等によるところがあることから、こちらも迅速な対応が求められる事業だと考えます。    条例関係では、私が所属していた福祉環境委員会において13回の議論を重ねてきた「長野市子ども権利条例」ですが、本定例会で条例の中に追加する条文についての議論がありましたが、条例に加え、規則等により適宜適切な対応により、本条例の目的を達せられると判断し、また、委員会での議論を踏まえ、上程された内容に対し、賛成いたしたところです。この条例の制定により、子どもたちの権利がしっかり守られることに期待したいと考えます。  概ね1か月の会期が終了し、張りつめていた緊張感が少し和らいだところですが、やらなければならないことが山積しています。まずは、11月初旬に手交予定の来年度予算要望書の作成です。既に会派内で議論を始めていますが、これまでの行政の取り組みの検証を行い、現在直面している課題に加え、短期、中期、長期的な視点を持って、市民生活を支えていく上で何が求められているのか、ここをしっかり捉えていかなければなりません。    引き続き、私たちに寄せられている期待や課せられている責務を果たすべく、全力を尽くして参ります。

長野市でも地球温暖化、温室効果ガス排出削減に向けた積極的な更なる議論が必要

 本日(9/16)の信毎デジタルで気象防災アドバイザー大塚直樹氏の「日本付近で「いきなり台風」これから増える? 続く台風シーズン、新たな警戒ポイント」と題した記事が掲載されています。 まとめると、 ①九州付近でいきなり熱帯低気圧が台風に発達したのは、今年の夏の記録的な猛暑により日本の沿岸付近の海面水温が平年よりかなり高くなっていたことが原因のひとつ。 ②近年では、台風の発生場所が変化しつつある。日本へ接近するコースが増える傾向もみられる。地球温暖化により、台風が発達のピークを迎えるエリアが北上し、日本により近い海域で勢力を強めるようになっており、日本沿岸付近でいきなり熱帯低気圧が台風に発達するケースは今後も増える可能性がある。更に、日本付近に接近すると台風の移動速度が遅くなり、暴風や大雨が長時間続く可能性も高まるとみられ、極端な大雨が頻発しやすくなることも懸念される。 ③平成元年(1989年)以降に発生した主な気象災害の事例を調べると、9月が突出して多くなっている。2019年10月に千曲川の氾濫などを巻き起こした「令和元年東日本台風」や熊本豪雨とも呼ばれる「令和2年7月豪雨」、そのほか良く知られている「伊勢湾台風」や「狩野川台風」も顕著な災害を起こしたものとして挙げられるが、その32例のうち、およそ3分の1の10例が9月に発生している。 ④1951年から2024年までに関東甲信地方(東京都の島しょ部を除く)に接近した台風の数を月別に調べたところ、2000年までは8月と9月が突出して多く、10月になると9月の半分程度になっていたが、2001年以降は、10月も8月や9月と同程度の接近数となっている。 台風の影響が秋の中盤まで長引いている、あるいは後ろ倒しになっていることがうかがえ、地球温暖化により、海面水温が上昇していることや、10月になっても太平洋高気圧が南に後退しないことなどが要因と考えられる。  といったように、地球温暖化による自然災害のリスクは確実に高まっていると言えます。  長野市議会9月定例会における私の一般質問では、まさに、この地球温暖化の要因である温室効果ガス排出量を中心に次のように取り上げましたので一部紹介します。  今年7月の全国平均気温は、明治の統計開始以来、最も高温となった。更に、環境省が公表している長野地域の7月の暑さ指数(WBGT)は、日常生活における厳重警戒を示す「28以上31未満」が24日におよび、うち、危険を示す「31以上」は、4日発生した。 また、北陸、九州、東北地方で線状降水帯による豪雨が頻発するなど、地球温暖化のリスクが、身近に迫っていると実感させられる夏だった。  IPCC第6次評価報告書は「現在の気候状態は人間の活動が大気、海、陸域を温暖化させたことに疑う余地はない」と結論付け、また、本年から活動を開始した、極端気象アトリビューションセンター(WAC)は「2025年7月下旬の記録的高温は地球温暖化の影響がなければ発生しなかった」との分析結果を発表している。  本市は、温室効果ガス排出削減について、第三次環境基本計画に基づき対策を講じているが、それを上回るスピードで温暖化が進んでいるのでは、との危機感から、以下、質問する。 1:本市の温室効果ガス排出削減に向けて (1)本市の排出要因 ①全排出量は、2005年度から2017年度までの12年間で11.12%削減できたが、2017年度から2020年度の3年間では、15.16%と大幅に削減した。特に、業務と家庭部門の寄与率は72%となるが、要因は何か。 ②基準年の2005年度に対する2020年度の削減率を部門別にみると、農林水産業が大きく削減しているが、2021年には、基準年度比で16.58%と急増し、前年度比でも95.46%と大幅に増えている。審議会資料では、その理由を、電力と石油製品の使用増による排出量増、としているが、理解に苦しむ数字だ。真の原因を明確にしなければ、適切な対策を打つことができないが。 ③家庭の排出量は、基準年から2017年度までの12年間で5.79%増えたが、2017年度から2020年度の3年間では、一転して、19.8%削減している。ちなみに、2020年から2021年の1年間で7.27%削減しており、2017年以降の削減率は、概ね年間7%前後で推移している。2017年から削減に転じたのはなぜか。 ④本年4月、「現状値では、短期目標達成は不確実」との理由から、長野市第三次環境基本計画を改定したが、2017年度と比べ、2020年度は15.2%、2021年度は13.5%削減で(2020年比+2%)、平均は14.4%になる。そこで、逆算ではあるが、仮に、2021年度以降、14.4%の5分の1程度の、年率約3%強、毎年、削減できれば、排出量目標に近づくのでは。「不確実」とした要因は何か。 ⑤基本計画達成には全市民の参加が不可欠だが、多くの市民は、温室効果ガス排出削減の必要性を理解しているものの、生活の利便性を維持しながら、排出削減に繋がる活動を、具体的にどう実践したらいいのか、悩んでいるのではないか。そのため、部門毎の排出内容を「見える化」(資料2)し、市民自らが毎日の生活の中で、自然に行動できる仕組みを示すべきだ。 (2)具体的な排出量削減策 <家庭部門について> ①改訂された基本計画に、国の交付金を活用した新たな住宅等への重点的な取り組みとあるが、具体的に何をしようとしているのか。   ②家庭部門においては、必要なモノは長野市内で作り、長野市民が消費するという、地産地消の取り組みが有効だ。そのためには、直販施設や小売店等、市内全事業者の理解を得た上で、例えば、ラベル貼付等による「地産地消の見える化」やポイント還元を組み込んだ「フードマイレージ制度」の創設、更には、LED電球などの購入支援など、市民の自発的な参加を後押しするような施策に取り組むべきだ。 <運輸部門について> ①運輸部門について、令和3年9月定例会で温室効果ガス排出削減について、「運輸部門の構成要素別に詳細なCO2排出量を示し、これまでにない新たな発想による積極的な対策に踏み込むべき」と取り上げた。  それに対し、当時の担当部長からは「運輸部門排出量は全体の20.3%(44万9,357t)、そのうち、乗用車が7割を占めている。1人当たりのCO2の排出量は鉄道と比較して、バスは約3倍、乗用車は約7.3倍に上る。新たな発想による積極的な対策について環境部とともに、調査研究していく」との答弁があった。  その際に「通行規制を行うことによる低排出ゾーンの創設」などを提案したが、その後の取り組みはどうなっているのか。 (3)2050カーボン・ニュートラル ①第三次基本計画は、2050年の排出量を「121、650t-co2」としているが、これは、排出量と吸収量がイコールの状態(カーボン・ニュートラル)との理解で良いか。また、本年2月の審議会資料には「172、750t」(2021年度吸収量)とあるが、これとの関係はどうなのか。 ②吸収部門は森林だけなのか。国の「みどりの食料システム戦略」は森林について、「「伐って、使って、植える」循環サイクルの確立、CO₂吸収を最大化するエリートツリー等の開発・普及、健康で豊かなライフスタイル実現のための森林サービス産業の創出など、様々な施策を示しているが、これらを参考に、本市として、森林の力を引き出す取り組みに踏み込むべきだ。 ③令和3年9月定例会で「CO2吸収につながる具体的な取組として、果樹園の土壌に炭素を貯留して二酸化炭素濃度を低減するフォーパーミルイニシアチブ」を提案したが、それに加え、堆肥の利活用等の拡大により、本市農業の太宗を占める果樹を吸収産業に転換できるのではないか。 2050カーボン・ニュートラル必達に向けて、本市の強みである農林業を吸収産業として明確に位置付け、思い切った振興策を打ち出すべきだ。 (3)市全体の取り組み  私と市長は同学年だが、私たちが小学生だった昭和50年代夏の気温は、概ね、22~28度(※気象庁・過去の気象データ(長野)より)で、夏休みは朝から晩まで外で遊びまわったものだ。その後の青春時代では、夏と言えばTUBEの歌といったように、夏を心待ちにするワクワク、ドキドキの季節だったと思う。  しかし、今は、熱中症警戒アラートの発令を受けて、昼から夕方までは家の中にとじこもっている、という話をよくお聴きする。 異常気象のリスクは、自然災害、健康、食料の3つだ。その中の、健康リスクについて触れると、リスクは、熱中症だけでなく、「暑さがDNAに影響を与え、老化を早める」との研究結果が、南カリフォルニア大学から発表されたことから、健康への影響は深刻だ、といえる。  気候変動が、ティッピングポイントを超え、異常気象が一気に進む恐れがある、との認識を市全体で共有し、市民一人ひとりが着実に実践することが求められている。  本市の環境基本条例にあるように「行政、事業者、市民は、それぞれの責務を果たす」ことにより、温室効果ガス排出量削減に向け、市長が先頭に立ち、市民を巻き込んだ取り組みを進めて欲しいが。  他に、今夏は、異常気象による渇水の夏で、上越市では夏の猛暑が続き、1か月以上まとまった雨が降らないなど、深刻な水不足となり、農業用水の確保のために、消雪用の井戸水を使わざるを得なかった等の報道がありましたが、長野市においても水不足で農産物への影響が大きい、との声が届いています。  気象庁のデータによれば、昨年7月の降雨量が175.5mmだったのに対し、今年の7月は22mm(12.5%)、更に、2月から6月までの4か月の降水量は、昨年は868.5mm、今年は316,5mmと、昨年の36.4%となっており、深刻な状況だったことがわかります。  長野市における農業用水の供給は、用水路、ため池、貯水タンク、井戸による灌水、また、頭首工、揚水機場等の様々な灌漑施設により確保されていますが、更なる安定供給に向けて、「気候変動に強い水管理体制の強化」が必要、との観点から質問しました。  今回質問するにあたり、関係部署の担当の方からいろいろヒアリングさせていただき、また、私の質問趣旨及び内容について共感していただくことができたと思います。 地球温暖化の問題、また、温室効果ガス排出削減は、大きなテーマですが、様々なリスクの高まりから避けて通れない、更なる積極的な議論が必要です。引き続き、リスクをできるだけ軽減し、安全安心で安定した日常生活を送ることができる社会づくりに向け邁進します。

令和7年9月定例会が開会しました

 昨日、令和7年長野市議会9月定例会が開会しました。今定例会では、前年度の決算審査があり、また、正副議長選が予定されるなど、1年に締めくくりと同時に、1年の始まりともいえる定例会となります。  私も9月10日、一般質問で登壇を予定しており、その準備をしているところですが、まずは、昨日、議案説明が市長よりありましたので、概略をご報告します。 <上程された議案>  令和7年度長野市一般会計補正予算」では、歳入歳出それぞれ6億7、815万3千円が追加され、7月の鬼無里地区での豪雨など、6月から7月にかけての大雨による市内各所での道路や河川、農地、林道施設において、大きな被害が生じたことから、農地や林道等の災害復旧関連に要する経費、また、近年の猛暑や国内プロサッカーのシーズン移行に伴い、冷涼な気候の夏の合宿拠点の需要が高まっていることから、プロスポーツチームや社会人・学生等の大会・合宿の誘致による交流人口の拡大と地域経済の活性化、部活動の地域展開や市民も利用できるような、旧飯綱高原スキー場駐車場敷地を活用したサッカーグラウンド整備のための実施設計経費となっています。  条例関係では、子どもの権利を保障するための基本的な事項を定め、市の責務並びに保護者、市民等、育ち学ぶ施設、地域団体等及び事業者の役割を明らかにし、子どもの最善の利益を第一に考え、子どもが将来にわたって夢や希望を持てるまちの実現を目指すことを目的とする「長野市子どもの権利条例案」、また、令和8年度から学校給食費を公会計化するため、学校給食法の規定に基づき長野市の学校給食費徴収等に関し、必要な事項を定めるため、「学校給食費の徴収等に関する条例案」等が上程されました。 <令和6年度決算>  今定例会では、前年度の決算認定の審査が行われますが、決算の内容について、次のような説明がありました。 令和6年度一般会計決算について、歳入は、市税のうち、個人市民税は、国の総合経済対策「定額減税」等で、市税全体で12億円減となったが、定額減税の減収補填のための地方特例交付金及び地方交付税の増等により、前年度比で42億円増の1、709億円。  歳出では、物価高騰対策として実施した電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金が減となる一方で、定額減税を補足する調整給付金増、小中学校などの市有施設の長寿命化改修事業費や国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会施設整備費増等により、前年度比、61億円増の1、667億円となり、実質収支は26億円となった。  令和6年度決算に基づく財政健全化指標について、すべての指標で国の警戒ラインとなる早期健全化基準を大きく下回り、令和6年度決算時点での、長野市の財政は、健全性が保たれている。引き続き、健全財政を維持していくことが、大変重要である。 <市の動向>  不登校対応について、本年度開始したアウトリーチ支援事業「つながるサポート」は、コーディネーターやスクールソーシャルワーカーが一体となって取組を進めており、1学期末でおよそ70件の申込みがあった。子どもたちの中には、スタッフが自宅から校内教育支援センターまで一緒に登校し、興味のあることや学習を一緒に取り組み、登校や学習意欲の向上につながったケースがあった。また、自宅にて子どもや保護者と一緒に料理や工作を楽しみ、更に、直接会話が苦手な子どもには、オンラインでコミュニケーションを取るなど、一人一人に合わせた支援を実施している。今後も自宅に居る子どもたちや保護者が人とのつながりに安心感を抱き、心理的安定や学びへの接続など、必要な支援につながるよう、子どもや保護者の声を丁寧に聞きながら取り組んでいく。  公共交通確保について、廃止となる民間バス6路線のうち、3路線は10月から乗合タクシーでの運行が開始となり、残り3路線は、令和8年4月から市営バスでの運行に向け準備を進めている。また、AIデマンド運行システムを七二会、小田切、信更、信里地区への導入準備を進めている。  消防・救急体制では、猛暑日が観測史上最多となった記録的な猛暑の影響から、熱中症搬送者は8月末時点で、昨年同時期と比較して1.3倍に増加し、SNS等を通じ、注意喚起を呼び掛けている。  農業の担い手確保として、8月9日、10日の2日間、移住、就農を考えている方を対象に、桃の収穫体験と観光地を巡る「農×食体験ツアー」※1を実施した。また、11月には、りんごの収穫体験ツアーを予定しており、全国から多くの方に参加いただくことで、本市のファンを増やし、新たな担い手の確保につなげていきたい。  更に、本年度、企業等の参入を促進するため、「企業等農業参入支援事業」を創設したほか、実績豊富なコンサルタント事業者とアドバイザリー業務委託を締結し※2、戦略的事業構想の策定などを進めている。 ※1、東京から3名、更北地区の桃農家さんで収穫体験 ※2、6月、デロイトトーマツと締結  以上となります。  最後に、私の一般質問についてですが、今回は、温室効果ガスは逸出削減に向けた議論を予定しています。 今年7月の全国平均気温は、明治の統計開始以来、最も高温となり、環境省が公表している長野地域の7月の暑さ指数(WBGT)は、日常生活における厳重警戒を示す「暑さ指数28以上31未満」が24日におよび、うち、危険を示す「暑さ指数31以上」が4日発生、 また、北陸、九州、東北地方で線状降水帯による豪雨が頻発するなど、地球温暖化のリスクが、身近に迫っていると実感させられる夏でした。 既に発表されているIPCC第6次評価報告書は「現在の気候状態は人間の活動が大気、海、陸域を温暖化させたことに疑う余地はない」と結論付け、また、本年から活動を開始した、極端気象アトリビューションセンター(WAC)は「2025年7月下旬の記録的高温は地球温暖化の影響がなければ発生しなかった」との分析結果を発表しているように、長野市においても、第三次環境基本計画に基づき、温室効果ガス排出削減について、これまで以上に、危機感を持って取り組む必要があると思います。  後日、質問内容等についてご報告させていただきますが、しっかり準備して臨んでまいります。

令和7年6月定例会 東方みゆき議員が個人質問に立ちました

令和7年6月定例会

6月18日、東方みゆき議員が個人質問に立ちました。

質問内容は下記のとおりです。

(1) 茶臼山動物園の再整備について

ア.アムールトラについて

イ.学習室、物販スペースについて

ウ.ウォンバットについて

(2) ワイン・シードルを活用した地域活性化について

ア.「長野市ワイン・シードル特区」活用ワイン元年の取組について

イ.ワイン用ぶどう産地形成事業の展開について

(3) 篠ノ井駅東西自由通路等の改修と活用について

ア.篠ノ井駅東西自由通路等の改修について

イ.地域活性化に向けた篠ノ井駅東西自由通路等の活用について

録画中継は下記リンクよりご覧になれます。↓

長野市議会インターネット議会中継ー録画中継

 

令和7年長野市議会6月定例会開会

 早いもので新年度がスタートし、2か月余りが経過しました。長野市の今年度進めていく各種取り組みが本格的に始まる時期であります。そんな中、昨日(9/12)、長野市議会6月定例会が開会しました。  今定例会では令和7年度長野市一般会計補正予算、条例改正等の議案15件、承認3件、報告9件が上程され、承認案件(昨年度3月の市長先決補正予算)については、初日採決となり、私も賛成したところです(全会一致)。  初日でしたので、市長からの議案説明がありましたので、主な内容についてご報告します。  令和7年度長野市一般会計補正予算では歳入歳出それぞれ5億5,119万2千円を追加する。 市内の一部路線バスが廃止されることから、本年 10 月以降のバス路線の代替運行に必要な経費、また、本年4月からの路線バス減便及び10 月以降の廃止の影響を受ける長野市立小中学校の児童生徒の通学手段を確保するため、スクールバス・スクールタクシー運行に要する経費を計上した。 (路線バス廃止代替運行事業 350,607千円、スクールバス・タクシー運行事業 41,607千円)  台風災害からの復旧・復興及び防災・減災対策について、長沼地区河川防災ステーションの整備で地盤改良工事を進めており、更に、軟弱地盤対策等を確実に進めていく。また、復興道路では、河川防災ステーションの進捗に併せて坂路付替え箇所の盛土工事を進めるとともに、用地取得などを進めていく。  子育て支援・教育の充実に関し、(仮称)長野市子どもの権利条例の制定では、市議会福祉環境委員会での議論等を経て、本年4月、骨子案をまとめ、現在、市民からの意見を募集している。市民からの意見を踏まえ、条例制定に向け取り組んでいく。  長野市版こども計画に関し、若者への支援の充実に取り組むため、長野市社会福祉審議会に本市若者施策についての諮問を行った。子ども・若者支援に向けた計画づくりを進めていく。  こども総合支援センター「あのえっと」は、令和4年の設置以降、これまでに 3,400 件余りの相談に対応している。子どもに係る相談窓口として定着してきたと感じている。 また、5月15日から長野市LINE公式アカウントでのLINE相談を開始した。気軽に相談ができる環境を整え、相談体制の充実を図り、相談者に寄り添った丁寧な対応に努めていく。  子どもの福祉医療制度は、「18 歳年度末まで」の子どもを対象に、本年4月診療分から窓口無料化を実施している。子育て家庭の経済的負担軽減等の推進を図り、乳幼児期以降の子どもの健康保持に取り組んでいく。  不登校対応では、専門の訪問員が家庭を訪問して、一人一人に合った支援を行うアウトリーチ支援事業「つながるサポート」を本年度から開始した。更に、訪問員と共に子どもをサポートするため、 約20 名の信州大学の学生に協力をいただくことで、手厚い支援が可能になると考えている。  長野市こども“のびのび”ビジョンにおける「学校未来plan子ども会議」の取組として、スクールランチミーティングを昨年度から実施しており、本年度も7月からできるだけ多くの小中学校を訪問し、児童生徒と意見交換を行い、子どもたちの意見を施策に反映していく。  また、「学校の環境・機能の充実」では、トイレの洋式化16校、理科室へのエアコン設置7校、学校体育館へのエアコン設置2校を予定している。  公共交通の確保に向け、民間バス事業者の運転手不足などに伴う一部バス路線の廃止により、心配をおかけした。今後も、運転手不足など様々な課題が想定されることから、AIデマンドシステムの活用や路線の見直しなどを進める。  産後ケア事業として、本年4月利用分から市の公費負担割合を従来の7割から8割へ増やした。また、多胎児や、兄弟姉妹児を伴う利用や県外での利用にも助成対象を拡大した。  地域経済の活性化対策では、物価高や大型商業施設の開業を見据え、商店街団体等が行う地域経済の活性化への取組を支援する「団体向け商品券等発行支援事業補助金」の申請受付を5月から開始している。  農業振興について、5月 28日から6月1日まで、2025 年大阪・関西万博に、本市発祥の川中島白桃と川中島の戦いをテーマにしたブースを出展した。首都圏等において、果樹を中心に販売やPRの機会を設け、本市の農産物や生産者のファンを増やせるよう、売れる農業の推進に取り組む。 <令和6年度一般会計決算見込みについて>  歳入では、市税が個人市民税の定額減税の影響などにより、前年度を12億円下回る597億円となる見通し。一方、定額減税の減収補填のための地方特例交付金の増加、株価の上昇などに伴う株式等譲渡所得割交付金の増加などにより、譲与税・交付金全体では23 億円の増額となり、市税と譲与税・交付金の合計では前年度に対し11 億円増の756億円となる見込み。更に、地方交付税は、前年度に対し20 億円増となる見込みで、歳入総額では、前年度に対し 39 億円増の1,706 億円を見込んでいる。 <長野市人口ビジョン(R7改訂)について>   国立社会保障・人口問題研究所の推計で2060 年の本市の人口は約27 万4千人とされている。本市は、医療、交通、産業、教育・文化など、各分野での高い次元の都市機能を維持し、圏域全体の生活・経済を支え、豊かな市民生活と安定した行政経営を実現するために、2060年の人口を30万人確保することを目指す。  そのため、希望する方が安心して結婚、妊娠、出産でき、仕事と子育てが両立できる社会づくり、若い世代が活躍できる環境整備を進め、活気あふれるまちを目指していく。これから策定が本格化する次期長野市総合計画(長野市の最上位計画)では、多様な市民意見を反映し、市民に分かりやすく、実効性の高い計画にしていきたい。  以上、私が特に気になった箇所についてご報告いたしました。来週から本会議場及び委員会室において論戦が交わされます。今定例会では、私の一般質問はありませんが、委員会等においてしっかり議論していきます。

行政視察に行ってまいりました

 先週、私が所属する長野市議会福祉環境委員会による行政視察がありました。視察報告書をまとめましたので以下、ご報告いたします。 今回は3都市におけるそれぞれの取り組みに関し、勉強させていただきましたが、全体を通して強く感じたのは、連携・説明、その上での協力が整ってはじめて物事がうまく進む、という当たり前のことです。長野市においても改めて肝に銘じ、市民の皆様から信頼を得ながら、市民の福祉の向上に向けて取り組まなければなりません。 〇5月21日(水) 富山県富山市「富山市エコタウン産業団地」 <概要>  平成9年度、国は「エコタウン制度」を創設し、平成12年度「循環型社会形成推進基本法」が公布された。富山市は、議会からエコタウン事業導入の提案を受け、市は可能性の調査及び用地選定、進出事業者の検討を始めた。平成13年度に用地を現在地に選定し、第一期、第二期事業をそれぞれ進め、平成15年度、4社が創業を開始し、平成22年度に当初予定のすべてに事業が開始された。  現在、7社が同団地において操業している。平成17年度、富山市が同団地内に「エコタウン交流推進センター」(同市環境部門が担当)をオープンさせた。 <現状>  同団地には、ハイブリッド型廃プラスチックリサイクル施設、木質系廃棄物リサイクル施設、生ごみ及び剪定枝のリサイクル施設、自動車リサイクル施設、難処理繊維及び混合廃プラスチックリサイクル・廃合成ゴムリサイクル施設、廃食用油リサイクル施設、廃棄物エネルギーセンター施設、そして、「エコタウン交流推進センター」が立地している。  富山地区はプラスチック加工業、石油関連企業、アルミ製造業など素材産業が多く立地していることから、再生品の需要が多く見込まれているところである。しかし、各事業所において、原材料の確保、販路拡大は課題であるとのこと。  更に、同事業開始から20年近くが経過する中で、当初の計画等の範囲を超える事業展開や施設更新等の必要性があるが、当時の規定により展開が難しい局面に接している。各事業所から計画等の改正について求められていることから、対応を検討していく時期と受け止めた。 <所感>  同団地は富山市北部工業地帯の一部であり、現在地(約18ha)は元々工場が操業されており、その跡地を活用している。よって、エコタウン産業団地に新たな事業所が進出した際、反対運動等は無かった、とのこと。各事業所が操業開始して以降、住民も参画している「エコタウン運営協議会」等の場において、その都度、説明会等を行っていることから近隣住民との関係は良好のようだ。  エコタウンでリサイクルされた製品等は、富山地区の主要産業に原材料として供給されている等、地域経済循環の面からの貢献もあると受け止めた。  こうした取り組みを参考とし、本市における環境、資源及び経済の面から循環型社会を構築していく上で、特に、市内の生産物の供給先の充実による長野市経済への貢献を更に目指す必要がある。 〇5月22日(木)愛知県豊橋市「豊橋市こども若者支援センター ココエール」 <概要>  平成17年度、児童福祉担当課が「要保護児童対策地域協議会」を、平成22年度に教育委員会が「子ども・若者支援地域協議会」を設置し、「子ども・若者総合相談窓口」を開設した。  その後、相談窓口における現場対応の困難さ等から、相談窓口の集約化、役割分担明確化等の課題解消に加え、虐待通告増加への対応、家庭訪問、他機関連携の必要性が高まり、平成29年度に「子ども・若者総合相談支援センター」が設置され、令和7年度「こども若者支援センター ココエール」と名称変更された。 <現状>  児童相談件数について、平成29年度1188件であったものが令和6年度では2660件。こども若者相談者数、平成29年度495人が令和4年度808人、令和5年度715人、令和6年度634人という推移をみると、ココエールの役割への認知度が向上していることがわかる。この間、職員体制では現在、平成23年度の4倍となる28名の職員が配置されるなど充実が図られている。  ココエールの取り組みは、令和4~6年度までの3か年度、「愛知県ヤングケアラー市町村モデル事業」として進められていた。現在は市独自の事業として進められている。 <所感>  同事業の特長として何点か上げたい。 ①「多機関連携」 要保護児童対策地域協議会、実務者会議、関係者会議、それぞれ、月1回開催され、関係する機関、担当者による濃密な連携が図られている、一例では、協議会に警察が入っている、また、「こんにちは赤ちゃん訪問事業」では、民生児童委員による祝い品を持っての家庭訪問等、各行政機関、地域等、社会全体で支援していく体制が構築されている。 ②「ケアリーバー支援」 令和4年度からフードバンクを活用し市が食糧を宅配している。相談窓口への案内を郵送することで相談先の周知を図っている。家庭訪問等により生活状況の把握に力を入れている。 ③「ヤングケアラー支援」 取り組みの柱に「気づき・寄り添い・支援する」を据え、令和3年度「ヤングケアラー支援宣言」を発し、大学学園祭や定時制高校でフォーラムを開催。ヤングケアラーの認知度が平成29年度の29%から令和6年度69%と上昇。また、相談件数では令和4年度1件が令和6年度77件等、取り組みの効果が顕著。  ココエールの機能と役割といえる「制度・サービスの隙間を埋める」、「他機関連携ののりしろ」、「一人ひとりの個性・特性・環境を理解する相談」、「自立まで寄り添う伴走型支援」を長野市においても参考とし取り組みを充実させたい。 〇5月23日(金) 兵庫県姫路市「こども未来健康支援センター みらいえ」 <概要>  同センターは、思春期・妊娠期・子育て期における切れ目のない支援を、より専門性を備えた包括的な支援を行うことを目的に令和5年4月に開所した(同センター開所以前は、保健所健康課が担っていた)。また、兵庫県の「性と健康の相談センター」の一部に位置付けられている。  特に、思春期及び母子保健に力を入れており、ライフステージに沿った「プレコンセプションケア」を通し、乳幼児・小学生・中学生・高校大学生等・社会人等の各段階において学び合う場を設け、身体の大切さを学び、また、ケアする体制を整えている。  また、市内全中学校への思春期出前講座(市内40校の1、3年生向け)は、保健センターと共同で実施されており、思春期講演会(最近はLGBTQに関する講演を教育関係者がよく参加される)、プレコンセプション動画の配信による啓発活動等が進められるなど、同センターの積極的な姿勢が窺える。 <現状>  「プレコンセプションケア」を通し学び合うことと同時に、思春期、周産期、子育て期と各ライフステージのおける相談体制の充実が図られており、電話、面談、訪問、オンラインと門戸を広くしている。思春期での相談では、内容がケース毎に異なり、対応が難しいケースが多いとのこと。また、周産期に流産等の際に、周囲からの励ましが却って周囲とのコミュニケーションを困難にすることから、周囲への支援を同センターが担うこともある。子育て期への相談体制は本年度(令和7年度)から本格実施となっている。  「ふたごの交流会」、「すまいるエンジェル」(ダウン症児の交流会)等の交流事業を実施するなど、次代の社会を担う者が健やかに育つ社会の実現に向けた取り組みが展開されている。 <所感>  同センターに配置されている8種の専門職(助産師、保健師、管理栄養士、歯科衛生士、心理士、保育士等)がそれぞれの専門性を発揮し、社会のニーズに対応できる体制を整えている。  上述のとおり、相談内容等によっては対応が困難なケースもある中で、関係機関等との連携がより必要にとなってくるのではないかと受け止めた。これは、複雑化する社会の中では長野市においても同様であり、若い世代が安心して暮らせる制度や体制の構築について検証する必要がある。  以上です。こうした視察から得たことをしっかり市政に反映することが我々の責務です。福祉環境委員会での活動も残すところ4か月余りとなりました。後半の委員会活動においても邁進してまいります。

ふるさと納税について

 須坂市の「ふるさと納税」に関する報道がある中、長野市でも不適切な返礼品の取り扱い事例があった、との報道がありました。4月25日付け信濃毎日新聞で法政大学の平田英明教授は「ルール順守に必要な人員確保や仕組みづくりが各自治体で追いついていない」と指摘していますが、長野市役所での管理体制が問われているもの、と受け止めています。  ふるさと納税制度は、「生まれ育ったふるさとに貢献できる制度」、「自分の意思で応援したい自治体を選ぶことができる制度」として、2008年5月に始まり、人口減少による税収減少対策や地方創生が目的とされ、今ではすっかりお馴染みの制度となり、多くの方々が活用されているものだと思います。簡単にスキームをまとめてみると、 (1)居住地以外の自治体に寄付。 (2)寄付額の一定限度(寄付金のうち、2、000円を超える額)において所得税、個人住民税の控除がある。 (3)具体例(簡単に)  給与収入700万円の人が30、000円を長野市へ寄付した場合、  住民税22、400円、所得税5、600円の合計28、000円が控除され、2、000円が自己負担額となる。  ※長野市民が他自治体に寄付した場合は概ね同様の計算により控除されることとなり、長野市は住民税減少となる。  次に、長野市の現状を令和5年度決算からみると、 <収入> 寄 付 額 11億9、110万7千円 <支出> 返礼品等に要する経費 5億5、564万5千円 流 出 額 7億7、200万5千円 ※流出額(住民税減少分)のうち75%分は交付税措置(補填)されることから、25%分が収入減となる、となります。    令和5年度の長野市への寄付額はお示ししたとおりですが、報道によると、須坂市が県内市町村では最多規模となり、令和6年度では約47億円を集めている、とのことです。この数字からも須坂市における「ふるさと納税制度」は行財政運営においても、更に、農家さんにとって大変大きなものだったに違いありません。  信濃毎日新聞は、須坂市のある果樹農家さんは、栽培しているシャインマスカットの約4割を返礼品として出荷しており、(返礼品としての出荷が)「収入の大きな部分を占めていたので影響が大きい」と報じています。  これまでも、高額な返礼品や地場産品とは無関係な返礼品の取り扱い、返礼品競争等、制度の問題点や課題が議論されてきましたが、地域の産業振興に大きく貢献するものであると同時に、その地域に興味関心を持っていただく有効な手段であると思います。  よって、自分が生まれ育ったふるさとに貢献できる制度として、いつまでもふるさとに思いを寄せながら、陰ながら応援していく崇高な想いが、地方創生に結びつく制度としなければなりません。

令和7年3月定例会一般質問について

 長野市議会 令和7年3月定例会が2月26日(水)から3月25日(火)まで、28日間の会期で開催されました。
 3月定例会は、次年度の予算審査を行う重要な議会であり、議員の質問は代表質問と一般質問があり、委員会の日数も長く予定されています。

 私は3月10日(月)、議会一般質問において持ち時間11分をいただき登壇いたしました。
 質問の項目は下の通りで、大きく5つです。(録画時間は全体で38分程度)

(1) 加齢性難聴者への支援について

 ・5分頃~
(2) 建設発生土対策について
 ア 建設発生土に係る本市の現状と課題について
 イ 安全な処理地の確保について
 ウ 建設発生土の発生抑制と有効活用の推進について

 ・15分10秒頃~
(3) 特用林産物の活用について
 ア 本市の特用林産物の現状と持続的活用について
 イ 野生きのこの安全性確保について

 ・23分40秒頃~
(4) ワイン・シードル特区としての地域活性化について
 ア 特区認定後の動向について
 イ 人材の確保育成について
 ウ 長野ワイン産地としての地域活性化推進について

 ・33分25秒頃~
(5) 篠ノ井地区果樹園のカラス被害対策について

(6) その他

下のリンク先より録画映像をご覧いただけます。

https://nagano-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=4439


長野市議会令和7年3月定例会 東方みゆき 議会一般質問
長野市議会令和7年3月定例会 東方みゆき 議会一般質問

参考に、それぞれの質問の背景や思いを記しておきます。

(1)加齢性難聴者への支援について 

 「年を取って耳が遠くなってきた」という状態は、恐らく「加齢性難聴」です。
 障害者と認定されるほどではないけれど、耳が遠くなってきたことを直接・間接的原因として、社会から孤立したり、認知症につながったりという懸念がもたれています

 私は現在、地元地区の「福祉推進員」という役をしています。高齢者に声をかけ、食事会やお茶のみサロンなどを開催します。担当する高齢者にご案内をお持ちしたところ「みんなとおしゃべりしたいけれど、耳が遠くなってきたので、周りの人に迷惑をかけるかもしれないから参加しない」と断られたことがあります。これは正に「加齢性難聴による社会的孤立じゃないか!」。こういう思い、行動をせざるを得ない方を減らしていかなければいけない、と強く感じました。
 これに先立つ数年前から、私は聴覚障害者支援に取り組み、加齢性難聴者への支援についても、議会質問で取り上げてきました。当初は動きがみられませんでしたし、加齢性難聴者の補聴器購入支援を求める請願に対して、反対する会派もありました。しかし、令和6年度になって長野市社会福祉審議会への諮問が行われ、付帯意見付きで加齢性難聴者への支援を求める答申が行われました。これを受けて、令和7年度予算(案)に補聴器購入支援が盛られ、加齢性難聴についての理解促進、受診勧奨等も併せて行うこととされています。
 補聴器購入費の補助支援対象はまだ限定的(対象者の所得制限等あり)です。しかし、まずは第一歩として制度を創設すること、そして加齢性難聴への認識を広め、医師や関係業界等と連携した取り組みはとても意義があると捉え、その点について質問をしました。

https://higashikata.jp/east/wp-content/uploads/2025/03/reiwa6-3siryou(老人福祉答申).pdf

 なお、この加齢性難聴者の補聴器購入補助をはじめ、長野市手話言語条例の制定、リアルタイム字幕表示システム導入など、私が取り上げて要望してきた聴覚障害者関連の施策が、この度の3月定例会条例案や令和7年度予算案で具体的に進んでいます。議案に盛り込んでいただいたこと、そして可決に至ったこと、関係者には本当にお礼を申し上げます。


(2)建設発生土対策について

 私は最近まで、建設発生土について特に関心が高いという訳ではありませんでした。
 今年度、市議会の常任委員会で「建設企業委員会」に所属している関係で、長野市建設業協会の役員の方々との意見交換会に出席しました。複数ある現在の課題の一つとして「建設発生土」にふれられており、何よりも「建設発生土の行き場がなければ工事を受注できない」という言葉に、その課題の深刻さに認識を新たにしたところです
 調べてみると、確かに建設発生土を持っていく先(処分場)に苦慮していることがわかりました。それも踏まえて、国としては、建設発生土の再利用化に積極的です。まだ始まって日は浅いものの、国、地方など複数のレベルや地域で、建設発生土の「ゆずります」「ほしいです」的なやり取りができるシステムも整備されてきています。
 長野市内では、国による信濃川水系緊急治水対策プロジェクトの河道掘削工事で発生する土砂の受け入れ先を募集しています。また、長野市大豆島地区(エムウェーブ南)産業用地立地開発、仮称)若穂スマートインターチェンジ等、規模の大きい事業が進められていますが、これらでも建設発生土の再利用が行われているそうです。
 国の資料では建設発生土の再利用をサーキュラーエコノミー(循環型経済)につなげていくことを目指しているとありました。SDGs未来都市である長野市は、そのレベルまではまだまだ距離がありますが、循環型社会につなげていく必要があると考えています。
 ともあれ、まずは今年5月の盛土規制法運用開始でさらなる安全性の確保に努め、その上で循環型社会への取り組みも、一歩一歩進めていただきたいと考えています。

千曲川の掘削工事で出る土砂の受け入れ先を募集するチラシ。
長野市以外でも、沿線自治体が同様の取り組みをしている。

(3)特用林産物の活用について

 天然きのこ、山菜、木の実、木の枝、つる、木炭など、森や林でとれるもののうち木材以外のものを総称して「特用林産物」と呼びます。
 春や秋を中心に、長野市内の道の駅、生産者組合やスーパーの直売コーナーには山菜や天然きのこが並び、また、飲食店でも、季節限定で山菜の天ぷらやきのこ汁などを味わうことができます。ながのの季節の味覚として楽しみにしているのは私だけではないでしょう。また、それらを見つけて採ったり、食べられるように処理したり、あるいは保存食として長持ちさせる技術も含めて、山里の豊かな知恵に、昔の人の苦労とすばらしさを学び、大切に受け継いでいきたいと考えています。
 一消費者としては中山間地域を中心にそうした山の恵みを享受させていただき、実態を見ているのですが、農林業センサスのデータ上では、長野市では特用林産物を販売する経営体の「実体がない」状況になっています。
 あれれ? 不思議なことです。山菜などの販売はされているけれど、既存の統計では拾えないほど、特用林産物の採取、生産や出荷をする側が脆弱化しているのかな?という推測が頭をよぎりました。この「おや?」と感じたことは、この質問の一つのきっかけとなっています。(下の資料参照)


 所属している長野市議会の「中山間地域活性化調査研究特別委員会」においても中山間地域の状況を調べていますが、中山間地域の活性化のためにも特用林産物を持続的に活用できるようにする必要があり、そのための施策もしっかりする必要があるのではないか、というのが私の主張であり、今回の質問の基本的な考えです。
 
 調べたところ、長野市公文書館には、長野市に合併する前の戸隠村「特用林産物需給動態調査」が保存されているそうです。芋生、七二会で「キハダ」の振興が行われたり、今井財産区でマツタケ栽培に取り組んだこともあったようです。
 さらに、長野市議会の議事録を調べたところ、「特用林産物」という言葉が現れるのは平成12年が最後。それも理事者側の説明のみで、議員が質問に取り上げたのは平成元年が最後でした。私にとっては意外でしたが、長野市では忘れられていた言葉なのかもしれません。
 
 もう一つ調べていて、逆に「長野市すごい!」と思ったのは、長野市保健所の取り組みです。
 長野市独自で「長野市野生きのこの販売に関する指導要綱」を設けて、野生きのこに起因する食中毒予防に努めています。販売する店の届け出、野生きのこに関し十分な知識を有し、かつ、野生きのこの種類を鑑別することができる者である「鑑別責任者」の設置、鑑別責任者の講習会参加などを定めています。
 その野生きのこの安全性(毒キノコではないこと)を100%保障するところまではいかないまでも、安全性は高められており、届け出があった販売場における野生きのこの食中毒は発生していないとのことでした。


(4)ワイン・シードル特区としての地域活性化について

 長野市でワインツーリズムを楽しめるようにしたいな、と思っている私ですが、ワインに関する質問を取り上げるのは2回目です。前回は、ワイン用ブドウの生産が行われているものの、まだ市内で専用ワイナリーはなく(日本酒の蔵元でワインを醸造する例はあり)、これからワイン特区の申請を考える、という段階でした。
 長野県では「信州ワインバレー構想」に基づき、県内のワイン生産、ワインのある暮らし、ワインを楽しむ環境づくりを進めています。県内を4つのエリアに分けており、長野市はエリア的には「千曲川ワインバレー」に含まれますが、当時はワイン生産が行われない空白地帯でした。
 長野市では令和5年にワイン・シードル特区認定を受け、令和6年度に、篠ノ井有旅、浅川、信州新町の3地区でワイナリーが開業しました。一気に3か所のワイナリーがオープンするという、素晴らしいスタートダッシュとなっています。まだ初年度、それぞれに醸造を進めているところですが、段階的に醸造量を増やし、出来上がるワインの量も増えていく、という見込みになっています。その中で、ワイン用ブドウの量や質の確保もこれから重要になってきますね。

 信州ワインバレー構想も2.0へバージョンアップし、品質向上、ワインバレー内の連携やそれぞれのテロワールでの取組も書かれています。
 長野市でも、千曲川ワインバレーの連携による振興と同時に、それぞれのワイナリーがある地区での、ワインに限らない多様な主体とも連携した地域ぐるみの取り組みを進めたいな、と考えています。ちなみに、私が住む篠ノ井では、有旅ワイナリーの田中圭さんと相談し、既存の篠ノ井のまちづくり団体とも連携した取り組みを模索していきたいな、とあれこれ構想を練っているところです。

 と、質問から話が飛躍してしまいましたが、この項の中で市長にも今後の取り組みを伺いました。市長のご答弁に「ワインはその土地の自然環境を表現する作品」という言葉があり、ちょっと感動! スキー競技をされていた関係で、ヨーロッパ各地を訪問し、自然とワイン産地、ワインのある文化に触れてこられており、その知見をぜひ長野市で生かしてほしいな、と思います。


(5)篠ノ井地区果樹園のカラス被害対策について

 農作物の鳥獣被害は年々深刻となっています。
 カラス対策にはワイヤーやネットを張ったり、光るものやカラスの死骸に見えるものをぶら下げたり等々の対策が行われていますが、敵も頭が良く、人のいない時を狙ったり、対策に慣れてしまったりで、簡単には効果を上げられないようです。
 今回、篠ノ井信里地区において、リンゴやブドウをカラスにつつかれてしまった!というご相談を受け、現地をご案内いただき、意見交換をした内容等を踏まえて、質問いたしました。
 カラスの数が増えたり、被害を生む背景にはいくつかの原因が考えられます。対策としては、個体数を増やすような環境を変え、さらに個体数を減らし、農作物に近づけないようにすることになります。個体数を減らすことに関しては、地元の猟友会の協力を得て、市が捕獲おりを購入して使えるようにする方向で話が進められることになりました。
 また、農作物に近づきにくくするため、ワイヤーなどの設置を行うことが推奨されます。長野市に隣接する須坂市においては、市が複数の対策を試行し、その効果などを農家に共有する取り組みが行われています。長野市ではこの辺りが非常に消極的なので、須坂市を見習ってもらいたい、という気持ちを込めて、ご答弁をいただいた後に事例紹介させていただきました。
 加えて、被害を受けた際の保障となる「収入保険」や「果樹共済」については、大昔よりは改善したものの、農家さんからしたらいまだに加入条件等のハードルが高いので、さらなる支援を要望いたしました。


 前回の市議会(令和6年12月定例会)で質問をお休みしたこともあり、取り上げたい課題がたまってしまっていました。よくばって、盛沢山な内容で用意しましたので、一つ一つが短め、消化不良のところもあったかもしれません。
 今回取り上げられなかったテーマも併せて、今後の取り組み状況等をフォローし、より良い地域になるようにいろいろ動いていきたいと思います。
 長文の報告を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。